(陸軍補充令中改正加除、陸軍補充令中改正中削除、戦時事変ノ際ニ於ケル士官候補生教育ニ関スル件廃止ノ件)
法令番号: 勅令第八十九號
公布年月日: 大正12年3月30日
法令の形式: 勅令
朕陸軍補充令中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十二年三月二十九日
內閣總理大臣 男爵 加藤友三郞
陸軍大臣 山梨半造
勅令第八十九號
陸軍補充令中左ノ通改正ス
第一條中「、看護卒、磨工卒」ヲ削ル
第八條ノ二 戰時又ハ事變ニ際シ將校ノ補充上必要アルトキハ第六條及前條ノ規定ニ拘ラス陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ士官候補生ヲ陸軍士官學校本科ニ入學セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第七條ノ規定ヲ準用ス
第十四條ノ二中「實役停年二年以上ノ」ヲ削ル
第十五條中「各兵科憲兵科ヲ除ク若ハ經理部ノ准士官下士」ヲ「各兵科部准士官下士」ニ改ム
第十六條中「各兵科憲兵科ヲ除ク及經理部ノ准士官下士」ヲ「各兵科部准士官下士」ニ改ム
第十八條中「各兵科憲兵科ヲ除ク准士官、曹長及經理部准士官、下士一等計手、一等縫、靴工長ニ限ル」ヲ「現役ノ各兵科部准士官、曹長及之ト同等官タル砲、工兵諸工長竝曹長相當官」ニ、「所管經理部長」ヲ「所管經理部長、軍醫部長若ハ獸醫部長」ニ改ム
第二十九條中「竝豫科三年本科三年以上ノ醫學專門學校ヲ卒業シタル者」ヲ削ル
第三十條ノ二中「實役停年二年以上ノ」ヲ削ル
第三十一條中「又ハ」ヲ「若ハ」ニ改メ「資格ヲ具フル者」ノ下ニ「又ハ上等蹄鐵工長ニシテ三等獸醫ニ任セラルルノ資格ヲ具フル者」ヲ加フ
第三十二條第四號中「若ハ陸軍獸醫部准士官下士ニシテ」ヲ削ル
第三十五條ノ二 三等獸醫候補者ハ陸軍獸醫部派遣學生トシテ實業學校令ニ依ル獸醫學校ノ課程ヲ卒業シタル者ヲ以テ之ニ充ツ
獸醫部派遣學生ハ現役ノ上等蹄鐵工長中身體强健人格成績共ニ優秀且家庭良好ナル者ニシテ所管獸醫部長ノ選拔シタル者ノ中コリ試驗ノ上陸軍大臣之ヲ定ム
前項ノ派遣學生ノ試驗及修學ニ關スル規則ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第三十五條ノ三 三等獸醫候補者ハ騎、砲、輜重兵隊ニ於テ槪ネ二月間獸醫部士官ノ勤務ヲ習得セシム
前項ノ規定ニ依リ獸醫部士官ノ勤務ヲ習得シタル者ヲ獸醫部士官ト爲スノ可否ハ第三十四條第一項ノ規定ニ準シ組織スル獸醫部士官銓衡會議ニ於テ之ヲ決ス
前項ノ會議ニ於テ可決シタル者ハ三等獸醫ニ任セラルルノ資絡ヲ具フルモノトス
第三十九條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ期末試驗ニ及第シタル者ハ召集解除ノ際其ノ所屬兵科部ニ從ヒ豫備役ノ曹長、一等計手、一等看護長又ハ一等蹄鐵工長ニ任ス
第四十八條中第一號ヲ左ノ如ク改メ「上等縫、靴工卒」ヲ「兵卒」ニ改ム
一 縫、靴工長候補者ニシテ槪ネ二年在營シ陸軍被服本廠ニ於テ必要ナル學術ヲ習得シタル者
第四十八條ノ二 縫、靴工長候補者ハ八月以上在營シタル現役各兵科兵卒憲兵上等兵及輸卒ヲ除クニシテ再服役ヲ志願シ縫、靴工長タルニ適スル者ヨリ採用シ陸軍被服本廠ニ分遣ス
第四十八條ノ三 縫、靴工長候補者ニシテ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ縫、靴工長候補者ヲ免ス
一 軍紀ヲ紊リ若ハ屢法則ヲ犯シ又ハ品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
二 學術ノ習得不良ニシテ修業ノ目途ナキ者
三 疾病又ハ傷痍ニ依リ修業ノ目途ナキ者
第五十二條第四號ヲ削ル
第五十六條ノ二 豫備役後備役憲兵科下士ハ憲兵上等兵トシテ六年以上現役ニ服シ品行方正志操確實成績優秀ナル者ヲ以テ現役滿期ノ際之ヲ補充スルコトヲ得
第六章 現役憲兵上等兵及樂手補ノ補充
第五十八條 陸軍大臣ハ戰時又ハ事變ノ際其ノ他必要ノ場合ニ於テハ前條ニ規定スル學術習得ノ期間ヲ短縮スルコトヲ得
第六十五條第一項中「上等縫工卒、上等靴工卒、」ヲ削リ第三號ヲ第四號トシ第四號ヲ第五號トシ左ノ一號ヲ加フ
三 縫、靴工長候補者ニシテ槪ネ六月以上陸軍被服本廠ニ於テ修業シタル者
第七十二條 削除
第七十三條 削除
第七十八條ニ左ノ一項ヲ加フ
第四十一條ノ規定ニ依リ少尉同相當官ニ任セラルル資格ヲ具フル者其ノ任官前召集セラレタル場合ニ於テハ更ニ見習士官、見習主計、見習醫官、見習藥劑官又ハ見習獸醫官ヲ命シ召集部隊ニ於テ士官ノ勤務ニ服セシム
第八十一條中「陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ」及「、縫靴工長ニ在リテハ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ被服本廠長」ヲ削リ「計手」ヲ「經理部下士」ニ改ム
第八十二條中「臺灣軍獸醫部長」ヲ「朝鮮軍獸醫部長臺灣軍獸醫部長關東軍獸醫部長」ニ改ム
第八十五條 削除
附 則
本令ハ大正十二年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
大正九年勅令第二百四十四號附則第七項ヲ削ル
明治三十七年勅令第百十五號ハ之ヲ廢止ス
見習獸醫官ハ大正十二年及大正十三年ニ限リ獸醫免狀ヲ有スル獸醫部下士ヨリ之ヲ採用スルコトヲ得
三等獸醫候補者ハ大正十二年及大正十三年ニ限リ獸醫免狀ヲ有スル現役ノ上等蹄鐵工長中身體强健人格成績共ニ優秀且家庭良好ナル者ニシテ所管獸醫部長ノ選拔シタル者ノ中ヨリ試驗ノ上陸軍大臣之ヲ定ムルコトヲ得
前項ノ試驗ノ方法ハ陸軍大臣之ヲ定ム
大正十二年ニ限リ左ニ揭クル者ヲ以テ二等看護卒又ハ二等磨工卒ヲ補充スルコトヲ得
一 隊附看護卒ニ在リテハ槪ネ三月間在營シタル步、騎、砲、工、輜重兵科ノ初年兵ニシテ槪ネ五月間看護學ヲ習得シタル者
二 病院附看護卒及磨工卒ニ在リテハ其ノ地所在ノ步兵聯隊步兵聯隊ナキ地ニ於テハ他ノ軍隊ノ初年兵ニシテ槪ネ三月間在營シタル者
從前ノ第五十八條第一號ノ規定ニ該當スル各兵科兵卒ニシテ大正十一年以後軍備整理ニ依リ歸休セシメラレタル者ハ之ヲ同等級ノ看護卒ト爲ス
當分ノ內二等看護卒及二等磨工卒ハ戰時又ハ事變ノ際ニ限リ槪ネ二月在營シタル各兵科二等卒ヲ以テ之ヲ補充スルコトヲ得
朕陸軍補充令中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十二年三月二十九日
内閣総理大臣 男爵 加藤友三郎
陸軍大臣 山梨半造
勅令第八十九号
陸軍補充令中左ノ通改正ス
第一条中「、看護卒、磨工卒」ヲ削ル
第八条ノ二 戦時又ハ事変ニ際シ将校ノ補充上必要アルトキハ第六条及前条ノ規定ニ拘ラス陸軍大臣ノ定ムル所ニ依リ士官候補生ヲ陸軍士官学校本科ニ入学セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ第七条ノ規定ヲ準用ス
第十四条ノ二中「実役停年二年以上ノ」ヲ削ル
第十五条中「各兵科憲兵科ヲ除ク若ハ経理部ノ准士官下士」ヲ「各兵科部准士官下士」ニ改ム
第十六条中「各兵科憲兵科ヲ除ク及経理部ノ准士官下士」ヲ「各兵科部准士官下士」ニ改ム
第十八条中「各兵科憲兵科ヲ除ク准士官、曹長及経理部准士官、下士一等計手、一等縫、靴工長ニ限ル」ヲ「現役ノ各兵科部准士官、曹長及之ト同等官タル砲、工兵諸工長並曹長相当官」ニ、「所管経理部長」ヲ「所管経理部長、軍医部長若ハ獣医部長」ニ改ム
第二十九条中「並予科三年本科三年以上ノ医学専門学校ヲ卒業シタル者」ヲ削ル
第三十条ノ二中「実役停年二年以上ノ」ヲ削ル
第三十一条中「又ハ」ヲ「若ハ」ニ改メ「資格ヲ具フル者」ノ下ニ「又ハ上等蹄鉄工長ニシテ三等獣医ニ任セラルルノ資格ヲ具フル者」ヲ加フ
第三十二条第四号中「若ハ陸軍獣医部准士官下士ニシテ」ヲ削ル
第三十五条ノ二 三等獣医候補者ハ陸軍獣医部派遣学生トシテ実業学校令ニ依ル獣医学校ノ課程ヲ卒業シタル者ヲ以テ之ニ充ツ
獣医部派遣学生ハ現役ノ上等蹄鉄工長中身体強健人格成績共ニ優秀且家庭良好ナル者ニシテ所管獣医部長ノ選抜シタル者ノ中コリ試験ノ上陸軍大臣之ヲ定ム
前項ノ派遣学生ノ試験及修学ニ関スル規則ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第三十五条ノ三 三等獣医候補者ハ騎、砲、輜重兵隊ニ於テ概ネ二月間獣医部士官ノ勤務ヲ習得セシム
前項ノ規定ニ依リ獣医部士官ノ勤務ヲ習得シタル者ヲ獣医部士官ト為スノ可否ハ第三十四条第一項ノ規定ニ準シ組織スル獣医部士官銓衡会議ニ於テ之ヲ決ス
前項ノ会議ニ於テ可決シタル者ハ三等獣医ニ任セラルルノ資絡ヲ具フルモノトス
第三十九条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ期末試験ニ及第シタル者ハ召集解除ノ際其ノ所属兵科部ニ従ヒ予備役ノ曹長、一等計手、一等看護長又ハ一等蹄鉄工長ニ任ス
第四十八条中第一号ヲ左ノ如ク改メ「上等縫、靴工卒」ヲ「兵卒」ニ改ム
一 縫、靴工長候補者ニシテ概ネ二年在営シ陸軍被服本廠ニ於テ必要ナル学術ヲ習得シタル者
第四十八条ノ二 縫、靴工長候補者ハ八月以上在営シタル現役各兵科兵卒憲兵上等兵及輸卒ヲ除クニシテ再服役ヲ志願シ縫、靴工長タルニ適スル者ヨリ採用シ陸軍被服本廠ニ分遣ス
第四十八条ノ三 縫、靴工長候補者ニシテ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ縫、靴工長候補者ヲ免ス
一 軍紀ヲ紊リ若ハ屡法則ヲ犯シ又ハ品行不正ニシテ改悛ノ目途ナキ者
二 学術ノ習得不良ニシテ修業ノ目途ナキ者
三 疾病又ハ傷痍ニ依リ修業ノ目途ナキ者
第五十二条第四号ヲ削ル
第五十六条ノ二 予備役後備役憲兵科下士ハ憲兵上等兵トシテ六年以上現役ニ服シ品行方正志操確実成績優秀ナル者ヲ以テ現役満期ノ際之ヲ補充スルコトヲ得
第六章 現役憲兵上等兵及楽手補ノ補充
第五十八条 陸軍大臣ハ戦時又ハ事変ノ際其ノ他必要ノ場合ニ於テハ前条ニ規定スル学術習得ノ期間ヲ短縮スルコトヲ得
第六十五条第一項中「上等縫工卒、上等靴工卒、」ヲ削リ第三号ヲ第四号トシ第四号ヲ第五号トシ左ノ一号ヲ加フ
三 縫、靴工長候補者ニシテ概ネ六月以上陸軍被服本廠ニ於テ修業シタル者
第七十二条 削除
第七十三条 削除
第七十八条ニ左ノ一項ヲ加フ
第四十一条ノ規定ニ依リ少尉同相当官ニ任セラルル資格ヲ具フル者其ノ任官前召集セラレタル場合ニ於テハ更ニ見習士官、見習主計、見習医官、見習薬剤官又ハ見習獣医官ヲ命シ召集部隊ニ於テ士官ノ勤務ニ服セシム
第八十一条中「陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ」及「、縫靴工長ニ在リテハ陸軍大臣ノ認可ヲ受ケ被服本廠長」ヲ削リ「計手」ヲ「経理部下士」ニ改ム
第八十二条中「台湾軍獣医部長」ヲ「朝鮮軍獣医部長台湾軍獣医部長関東軍獣医部長」ニ改ム
第八十五条 削除
附 則
本令ハ大正十二年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
大正九年勅令第二百四十四号附則第七項ヲ削ル
明治三十七年勅令第百十五号ハ之ヲ廃止ス
見習獣医官ハ大正十二年及大正十三年ニ限リ獣医免状ヲ有スル獣医部下士ヨリ之ヲ採用スルコトヲ得
三等獣医候補者ハ大正十二年及大正十三年ニ限リ獣医免状ヲ有スル現役ノ上等蹄鉄工長中身体強健人格成績共ニ優秀且家庭良好ナル者ニシテ所管獣医部長ノ選抜シタル者ノ中ヨリ試験ノ上陸軍大臣之ヲ定ムルコトヲ得
前項ノ試験ノ方法ハ陸軍大臣之ヲ定ム
大正十二年ニ限リ左ニ掲クル者ヲ以テ二等看護卒又ハ二等磨工卒ヲ補充スルコトヲ得
一 隊附看護卒ニ在リテハ概ネ三月間在営シタル歩、騎、砲、工、輜重兵科ノ初年兵ニシテ概ネ五月間看護学ヲ習得シタル者
二 病院附看護卒及磨工卒ニ在リテハ其ノ地所在ノ歩兵連隊歩兵連隊ナキ地ニ於テハ他ノ軍隊ノ初年兵ニシテ概ネ三月間在営シタル者
従前ノ第五十八条第一号ノ規定ニ該当スル各兵科兵卒ニシテ大正十一年以後軍備整理ニ依リ帰休セシメラレタル者ハ之ヲ同等級ノ看護卒ト為ス
当分ノ内二等看護卒及二等磨工卒ハ戦時又ハ事変ノ際ニ限リ概ネ二月在営シタル各兵科二等卒ヲ以テ之ヲ補充スルコトヲ得