第一條 煙草ヲ耕作セムトスル者ハ當該官廳ノ免許ヲ受クヘシ
煙草ヲ製造セムトスル者ハ製造場一箇所每ニ當該官廳ノ免許ヲ受クヘシ
煙草ヲ販賣セムトスル者ハ店舖其ノ他ノ營業場一箇所每ニ卸賣及小賣ニ付各別ニ當該官廳ノ免許ヲ受クヘシ
第二條 前條ノ免許ヲ受ケタル者耕作、製造又ハ販賣ヲ廢止セムトスルトキハ免許ノ取消ヲ求ムヘシ
煙草ノ耕作、製造又ハ販賣ハ關東長官ノ定ムル所ニ依リ相續人ニ於テ之ヲ承繼スルコトヲ得
第四條 煙草稅ハ保稅地域又ハ郵便局ヨリ煙草ヲ引取ルトキ引取人ヨリ之ヲ徵收ス
保稅地域ト稱スルハ葉煙草貯藏場、煙草製造場、保稅倉庫其ノ他當該官廳カ課稅物件ヲ藏置シ得ヘキ場所トシテ指定シ又ハ特許シタル場所ヲ謂フ
第五條 煙草稅額ニ相當スル擔保物ヲ提供シタルトキハ三月以內煙草稅ノ徵收ヲ猶豫スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ擔保物ヲ提供シタル者期間內ニ稅金ヲ納付セサルトキハ擔保物ヲ以テ之ニ充ツ但シ金錢以外ノ擔保物ハ之ヲ公賣ニ付シ其ノ費用及稅金ニ充テ不足アルトキハ之ヲ追徵シ殘金アルトキハ之ヲ還付ス
第六條 葉煙草ノ煙草稅ニ付相當ノ納稅保證人ヲ立テタルトキハ三月以內煙葉稅ノ徵收ヲ猶豫スルコトヲ得
納稅保證人ハ納稅義務者カ煙草稅ヲ完納スルコト能ハサル場合ニ於テ納稅者トシテ其ノ義務ヲ負擔ス
第七條 煙草ハ關東長官ノ定ムル所ニ依リ煙草稅ヲ納付セスシテ保稅地域ヨリ他ノ保稅地域ニ運送スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ當該煙草相當ノ期間內ニ運送先ニ到著セサルトキハ保稅地域ヨリ搬出シタルトキ引取リタルモノト看做シ運送申告者ヨリ煙草稅ヲ徵收ス但シ災害ニ因リ滅失シ又ハ當該官吏ノ承認ヲ得テ廢棄シタル煙草ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第八條 第五條第一項又ハ第六條第二項ノ規定ニ該當スル場合ヲ除クノ外煙草稅納付前ニ於テハ煙草ヲ消費シ又ハ保稅地域若ハ郵便局ヨリ之ヲ引取ルコトヲ得ス
第九條 製造煙草ノ原料ニ使用スル葉煙草及關東州外ニ輸出スル煙草ハ關東長官ノ定ムル所ニ依リ煙草稅ヲ免除スルコトヲ得
第十條 煙草製造者ハ製造煙草ノ容器又ハ包裹ニ其ノ氏名又ハ名稱ヲ、引取人ハ製造煙草ノ容器又ハ包裹ニ小賣定價ヲ刷記スヘシ但シ第九條ノ規定ニ依リ煙草稅ヲ免除セラレタルモノニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第十一條 製造煙草ヲ販賣セムトスル者ハ容器又ハ包裹ニ封緘紙ヲ貼付スヘシ
第十二條 第十條ノ小賣定價ヲ不當ト認ムルトキハ當該官廳ハ其ノ煙草ノ品位ニ相當スル小賣定價ヲ指定スルコトヲ得
第十三條 製造煙草ハ容器又ハ包裹ニ刷記シタル小賣定價ヲ超過スル價格ヲ以テ之ヲ販賣スルコトヲ得ス
第十四條 煙草製造者ハ製造場ニ於テ煙草ヲ販賣スルコトヲ得ス但シ許可ヲ受ケ販賣ノ場所ヲ區劃シタル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第十五條 自家用ノ爲煙草ヲ耕作セムトスル者ハ當該官廳ノ免許ヲ受クヘシ
自家用煙草耕作者ハ每年自家用煙草稅五十錢ヲ納ムヘシ其ノ耕作ニ係ル自家用煙草ニハ第三條ノ煙草稅ヲ課セス
第十六條 自家用煙草耕作者其ノ耕作ヲ廢止セムトスルトキハ免許ノ取消ヲ求ムヘシ
第十七條 自家用煙草耕作者ハ其ノ耕作ニ係ル煙草ヲ他人ニ讓渡スコトヲ得ス
第十八條 自家用煙草耕作者煙草ヲ耕作セサルトキハ當該官廳ハ申請ニ因リ其ノ年分自家用煙草稅ヲ免除スルコトヲ得
第十九條 自家用煙草稅ノ納期ハ每年十一月一日ヨリ同三十日限トス但シ免許消滅シタルトキ又ハ納期後免許ヲ與ヘタルトキハ直ニ稅金ヲ徵收ス
第二十條 煙草製造者及煙草販賣者ハ帳簿ヲ調製シ煙草ノ製造出入ニ關スル事項ヲ記載スヘシ
第二十一條 當該官吏ハ煙草ノ製造場、店舖其ノ他必要ト認ムル場所ニ立入リ原料、材料、製品、器具、機械、建築物、帳簿書類其ノ他ノ物件ヲ檢査スルコトヲ得
當該官吏ハ取締上必要ト認ムルトキハ前項ノ物件ニ證印ヲ押捺シ、封印シ其ノ他相當ノ措置ヲ爲シ又ハ爲サシムルコトヲ得
第二十二條 當該官吏ハ運搬中ニ在ル煙草ヲ檢査シ其ノ出所及到著先ヲ尋問スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ監督上必要ト認ムルトキハ當該官吏ハ其ノ運搬ヲ停止シ又ハ貨物若ハ船車ニ封印シ其ノ他相當ノ措置ヲ爲スコトヲ得
第二十三條 第一條又ハ第十五條第一項ノ規定ニ依リ煙草ノ耕作、製造又ハ販賣ノ免許ヲ受ケタル者本令又ハ本令ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキハ其ノ免許ヲ取消スコトヲ得
第二十四條 左ニ揭クル場合ニ於テハ直ニ煙草稅ヲ徵收ス
一 免許ヲ受ケスシテ煙草ヲ耕作、製造又ハ販賣シタルトキ
二 詐僞其ノ他不正ノ行爲ニ因リ煙草稅又ハ自家用煙草稅ヲ逋脫シ又ハ逋脫セムトシタルトキ
四 輸出スル爲煙草稅ヲ免除セラレタル煙草ヲ關東州內ニ於テ消費シ又ハ關東州內ニ於テ消費スル目的ヲ以テ他人ニ讓渡シタルトキ
五 製造煙草ノ原料ニ使用スル爲煙草稅ヲ免除セラレタル葉煙草ヲ其ノ以外ノ用ニ供シタルトキ
第二十五條 本令ニ定ムルモノヲ除クノ外煙草稅ニ關シ必要ナル規定ハ關東長官之ヲ定ム