(府県制中改正法律)
法令番号: 法律第五十五號
公布年月日: 大正11年4月20日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル府縣制中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十一年四月十九日
內閣總理大臣 子爵 高橋是淸
內務大臣 床次竹二郞
法律第五十五號
府縣制中左ノ通改正ス
第四條ニ左ノ二項ヲ加フ
府縣知事ハ府縣會ノ議決ヲ經內務大臣ノ許可ヲ受ケ前項ノ規定ニ依ル選擧區ヲ分チテ數選擧區ト爲スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ選擧區ヲ分ツ場合ニ付テ必要ナル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六條第一項乃至第三項ヲ左ノ如ク改ム
府縣內ノ市町村公民ニシテ一年以來其ノ府縣內ニ於テ直接國稅ヲ納ムル者ハ府縣會議員ノ選擧權及被選擧權ヲ有ス
家督相續ニ依リ財產ヲ取得シタル者ニ付テハ其ノ財產ニ付被相續人ノ爲シタル納稅ヲ以テ其ノ者ノ爲シタル納稅ト看做ス
確定名簿ニ登錄セラレタル者ハ其ノ名簿調製期日後選擧權ノ納稅要件ヲ闕クニ至リタル場合ト雖其ノ確定名簿据置ノ期間內仍選擧權ヲ有ス
同條第五項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
陸海軍軍人ニシテ現役中ノ者及戰時又ハ事變ニ際シ召集中ノ者ハ府縣會議員ノ選擧權及被選擧權ヲ有セス
市町村公民權停止中ノ者ハ府縣會議員ノ選擧權及被選擧權ヲ有セス
同條第九項ヲ左ノ如ク改ム
府縣ニ對シ請負ヲ爲シ若ハ府縣ニ於テ費用ヲ負擔スル事業ニ付府縣知事又ハ其ノ委任ヲ受ケタル者ニ對シ請負ヲ爲ス者及其ノ支配人又ハ主トシテ同一ノ行爲ヲ爲ス法人ノ無限責任社員、役員及支配人ハ其ノ府縣ニ於テ被選擧權ヲ有セス
前項ノ役員トハ取締役、監查役及之ニ準スヘキ者竝淸算人ヲ謂フ
第八條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
議員闕員ト爲リタルトキ其ノ議員カ第二十九條第二項ノ規定ノ適用ニ依リ當選者ト爲リタル者ナル場合又ハ本條本項、第三十二條第一項但書若ハ第三十六條第一項但書ノ規定ニ依ル第二十九條第二項ノ規定ノ準用ニ依リ當選者ト爲リタル者ナル場合ニ於テハ選擧長ハ直ニ第二十九條第二項ノ規定ノ適用又ハ準用ヲ受ケタル他ノ得票者ニ就キ當選者ヲ定ムヘシ此ノ場合ニ於テハ第二十九條第二項及第三十一條ノ規定ヲ準用ス
第十一條中「九月十五日マテニ當該行政廳ノ證明ヲ得テ」ヲ「命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ證明ヲ得テ九月二十日マテニ」ニ改ム
第十二條中「郡市長ハ十月二十日ヨリ十五日間其ノ郡市役所ニ於テ」ヲ「郡市町村長ハ十月二十日ヨリ十五日間其ノ郡市役所町村役場ニ於テ」ニ、「町村長ハ之ヲ告示スヘシ」ヲ「町村長ハ名簿ヲ修正シ之ヲ告示スヘシ」ニ改ム
第十五條第一項ニ左ノ但書ヲ加ヘ同條中「特別ノ事情アル市町村ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ」ヲ「府縣知事ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ規定ニ依ル投票區ノ區域內ニ」ニ改ム
但シ第四條第三項ノ規定ノ適用ニ依リ市ノ區域內ニ數選擧區アルトキハ其ノ選擧區ノ區域ニ依ル
第二十三條第二項中「場所」ノ下ニ「及日時」ヲ加フ
第二十四條第一項及第二項ヲ左ノ如ク改ム
郡市長ハ選擧人中ヨリ選擧立會人二名乃至六名ヲ選任スヘシ
第二十五條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加ヘ同條中「前項」ヲ「第一項」ニ改ム
天災事變等ノ爲所定ノ期日ニ選擧會ヲ開クコトヲ得サルトキハ郡市長ハ前項ノ規定ニ拘ラス更ニ其ノ期日ヲ定ムヘシ
第二十七條第六號ヲ第七號トシ同條ニ左ノ一號ヲ加フ
六 被選擧人ノ氏名ヲ自書セサルモノ
同條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第七號ノ規定ハ總選擧ノ場合ニ於テ第二十二條ノ規定ニ依リ投票期日ヲ定メタルトキハ之ヲ適用セス
第三十一條中「第六條第七項」ヲ「第六條第九項」ニ改ム
第三十二條 當選者當選ヲ辭シタルトキ、數選擧區ノ選擧ニ當リ前條第三項ノ規定ニ依リ一ノ選擧區ノ選擧ニ應シタル爲他ノ選擧區ニ於テ當選者タラサルニ至リタルトキ、死亡者ナルトキ又ハ選擧ニ關スル犯罪ニ依リ刑ニ處セラレ其ノ當選無效トナリタルトキハ更ニ選擧ヲ行フヘシ但シ其ノ當選者第二十九條第二項ノ規定ノ適用又ハ準用ニ依リ當選者ト爲リタル者ナル場合ニ於テハ第八條第二項ノ例ニ依ル
當選者選擧ニ關スル犯罪ニ依リ刑ニ處セラレ其ノ當選無效トナリタルトキ其ノ前ニ其ノ者ニ關スル補闕選擧若ハ前項ノ選擧ノ告示ヲ爲シタル場合又ハ更ニ選擧ヲ行フコトナクシテ當選者ヲ定メタル場合ニ於テハ前項ノ規定ヲ適用セス
第三十四條ニ左ノ二項ヲ加フ
第八條、第三十二條又ハ第三十六條第二項ノ選擧ハ之ニ關係アル選擧又ハ當選ニ關スル異議申立期間、異議ノ決定確定セサル間又ハ訴訟ノ繫屬スル間之ヲ行フコトヲ得ス
府縣會議員ハ選擧又ハ當選ニ關スル決定確定シ又ハ判決アルマテハ會議ニ參與スルノ權ヲ失ハス
第三十六條第一項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ更ニ選擧ヲ行フコトナクシテ當選者ヲ定メ得ヘキ場合ニ於テハ第二十九條第二項及第三十一條ノ規定ヲ準用ス
第三十七條第一項ヲ左ノ如ク改メ同條中「會議ニ列席シ及發言スルノ權」ヲ「會議ニ參與スルノ權」ニ改ム
府縣會議員ニシテ被選擧權ヲ有セサル者ハ其ノ職ヲ失フ其ノ被選擧權ノ有無ニ關シテハ府縣會議員カ左ノ各號ノ一ニ該當スルニ因リ被選擧權ヲ有セサル場合ヲ除クノ外府縣參事會其ノ異議ヲ決定ス
一 禁治產者又ハ準禁治產者ト爲リタルトキ
二 家資分散又ハ破產ノ宣告ヲ受ケ其ノ宣告確定シタルトキ
三 禁錮以上ノ刑ニ處セラレタルトキ
四 選擧ニ關スル犯罪ニ依リ罰金ノ刑ニ處セラレタルトキ
第七十七條中「內務大臣ノ許可ヲ得」ヲ削ル
第七十九條ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ニ依リ府縣參事會ノ審查ニ付シタル場合ニ於テ府縣參事會意見ヲ述ヘサルトキハ府縣知事ハ其ノ意見ヲ俟タスシテ議案ヲ府縣會ニ提出スルコトヲ得
第八十條第二項中「事務ノ一部ヲ」ノ下ニ「府縣ノ官吏吏員ニ委任シ又ハ」ヲ加フ
第八十二條第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加ヘ同條中「前項」ヲ「第一項ノ」ニ改ム
前項ノ取消處分ハ府縣會又ハ府縣參事會開會中ニ非サルトキハ之ヲ告示スヘシ
第百六條中「其ノ法人タルトキ亦同シ」ヲ削ル
第百十五條中「徵收」ノ下ニ「竝夫役及現品ノ賦課」ヲ加フ
第百十六條 府縣稅ノ賦課ニ關シ必要アル場合ニ於テハ當該行政廳ハ日出ヨリ日沒マテノ間營業者ニ關シテハ仍其ノ營業時間家宅若ハ營業所ニ臨檢シ又ハ帳簿物件ノ檢查ヲ爲スコトヲ得
府縣稅、使用料、手數料、夫役又ハ現品ニ代フル金錢、過料其ノ他ノ府縣ノ收入ヲ定期內ニ納メサル者アルトキハ期限ヲ指定シテ之ヲ督促スヘシ
急迫ノ場合ニ於テ夫役又ハ現品ノ賦課ヲ受ケタル者其ノ履行ヲ爲ササルトキハ更ニ之ヲ金額ニ換算シ期限ヲ指定シテ其ノ納付ヲ命スヘシ
第二項ノ規定ニ依ル督促又ハ前項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル者其ノ指定ノ期限マテニ完納セサルトキハ國稅滯納處分ノ例ニ依リ處分スヘシ
第二項及第三項ニ規定スル府縣ノ徵收金ノ先取特權ノ順位ハ國ノ徵收金ニ次クモノトス
府縣ノ收入金及支拂金ニ關スル時效ニ付テハ國ノ收入金及支拂金ノ例ニ依ル
府縣知事ノ委任ヲ受ケタル官吏吏員カ第四項ノ規定ニ依リ爲シタル處分ニ不服アル者ハ府縣參事會ニ訴願シ其ノ裁決又ハ府縣知事ノ處分ニ不服アル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
前項ノ裁決ニ關シテハ府縣知事又ハ其ノ委任ヲ受ケタル官吏吏員ヨリモ亦訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第四項ノ規定ニ依ル處分ニ係ル差押物件ノ公賣ハ處分ノ確定ニ至ルマテ執行ヲ停止ス
第百二十一條ニ左ノ一項ヲ加フ
特別會計ニハ豫備費ヲ設ケサルコトヲ得
第百二十四條第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第七十九條第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百二十八條第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第八十二條第二項ノ規定ニ依リ告示ヲ爲シタル場合ニ於テハ告示ノ日ヲ以テ處分ヲ受ケタル日ト看做ス
第百三十三條中「手數料」ヲ削ル
第百三十八條第三項ヲ左ノ如ク改ム
沖繩縣ニ於テハ第十三條中二十日トアルハ三十日、七日トアルハ十日、第十五條中五日トアルハ十日、第三十一條中十日トアルハ二十日、二十日トアルハ三十日、第三十四條及第五十一條中十四日トアルハ二十五日トス
第百三十九條 島司ヲ置ク地ニ於テハ本法中郡ニ關スル規定ハ島嶼ニ、郡長ニ關スル規定ハ島司ニ、郡役所ニ關スル規定ハ島廳ニ之ヲ適用ス
町村制ヲ施行セサル地ニ於テハ本法中町村ニ關スル規定ハ町村ニ準スヘキモノニ、町村長ニ關スル規定ハ町村長ニ準スヘキモノニ、町村吏員ニ關スル規定ハ町村吏員ニ準スヘキモノニ、町村役場ニ關スル規定ハ町村役場ニ準スヘキモノニ之ヲ準用ス
附 則
本法中選擧ニ關スル規定ハ次ノ總選擧ヨリ之ヲ施行シ其ノ他ノ規定ノ施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
大正十年法律第五十八號又ハ法律第五十九號中公民權ニ關スル規定ハ之ヲ施行セサル市町村ニ於テハ府縣制中市町村公民ニ關スル規定ノ適用ニ付之ヲ施行シタルモノト看做ス
本法ニ依リ初テ議員ヲ選擧スルニ必要ナル選擧人名簿ニ關シ第九條乃至第十二條ニ規定スル期日又ハ期間ニ依リ難キトキハ勅令ヲ以テ別ニ期日又ハ期間ヲ定ム但シ其ノ選擧人名簿ハ次ノ選擧人名簿確定ノ日迄其ノ效力ヲ有ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル府県制中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十一年四月十九日
内閣総理大臣 子爵 高橋是清
内務大臣 床次竹二郎
法律第五十五号
府県制中左ノ通改正ス
第四条ニ左ノ二項ヲ加フ
府県知事ハ府県会ノ議決ヲ経内務大臣ノ許可ヲ受ケ前項ノ規定ニ依ル選挙区ヲ分チテ数選挙区ト為スコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ選挙区ヲ分ツ場合ニ付テ必要ナル規定ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第六条第一項乃至第三項ヲ左ノ如ク改ム
府県内ノ市町村公民ニシテ一年以来其ノ府県内ニ於テ直接国税ヲ納ムル者ハ府県会議員ノ選挙権及被選挙権ヲ有ス
家督相続ニ依リ財産ヲ取得シタル者ニ付テハ其ノ財産ニ付被相続人ノ為シタル納税ヲ以テ其ノ者ノ為シタル納税ト看做ス
確定名簿ニ登録セラレタル者ハ其ノ名簿調製期日後選挙権ノ納税要件ヲ闕クニ至リタル場合ト雖其ノ確定名簿据置ノ期間内仍選挙権ヲ有ス
同条第五項ノ次ニ左ノ二項ヲ加フ
陸海軍軍人ニシテ現役中ノ者及戦時又ハ事変ニ際シ召集中ノ者ハ府県会議員ノ選挙権及被選挙権ヲ有セス
市町村公民権停止中ノ者ハ府県会議員ノ選挙権及被選挙権ヲ有セス
同条第九項ヲ左ノ如ク改ム
府県ニ対シ請負ヲ為シ若ハ府県ニ於テ費用ヲ負担スル事業ニ付府県知事又ハ其ノ委任ヲ受ケタル者ニ対シ請負ヲ為ス者及其ノ支配人又ハ主トシテ同一ノ行為ヲ為ス法人ノ無限責任社員、役員及支配人ハ其ノ府県ニ於テ被選挙権ヲ有セス
前項ノ役員トハ取締役、監査役及之ニ準スヘキ者並清算人ヲ謂フ
第八条第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
議員闕員ト為リタルトキ其ノ議員カ第二十九条第二項ノ規定ノ適用ニ依リ当選者ト為リタル者ナル場合又ハ本条本項、第三十二条第一項但書若ハ第三十六条第一項但書ノ規定ニ依ル第二十九条第二項ノ規定ノ準用ニ依リ当選者ト為リタル者ナル場合ニ於テハ選挙長ハ直ニ第二十九条第二項ノ規定ノ適用又ハ準用ヲ受ケタル他ノ得票者ニ就キ当選者ヲ定ムヘシ此ノ場合ニ於テハ第二十九条第二項及第三十一条ノ規定ヲ準用ス
第十一条中「九月十五日マテニ当該行政庁ノ証明ヲ得テ」ヲ「命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ証明ヲ得テ九月二十日マテニ」ニ改ム
第十二条中「郡市長ハ十月二十日ヨリ十五日間其ノ郡市役所ニ於テ」ヲ「郡市町村長ハ十月二十日ヨリ十五日間其ノ郡市役所町村役場ニ於テ」ニ、「町村長ハ之ヲ告示スヘシ」ヲ「町村長ハ名簿ヲ修正シ之ヲ告示スヘシ」ニ改ム
第十五条第一項ニ左ノ但書ヲ加ヘ同条中「特別ノ事情アル市町村ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ」ヲ「府県知事ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前項ノ規定ニ依ル投票区ノ区域内ニ」ニ改ム
但シ第四条第三項ノ規定ノ適用ニ依リ市ノ区域内ニ数選挙区アルトキハ其ノ選挙区ノ区域ニ依ル
第二十三条第二項中「場所」ノ下ニ「及日時」ヲ加フ
第二十四条第一項及第二項ヲ左ノ如ク改ム
郡市長ハ選挙人中ヨリ選挙立会人二名乃至六名ヲ選任スヘシ
第二十五条第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加ヘ同条中「前項」ヲ「第一項」ニ改ム
天災事変等ノ為所定ノ期日ニ選挙会ヲ開クコトヲ得サルトキハ郡市長ハ前項ノ規定ニ拘ラス更ニ其ノ期日ヲ定ムヘシ
第二十七条第六号ヲ第七号トシ同条ニ左ノ一号ヲ加フ
六 被選挙人ノ氏名ヲ自書セサルモノ
同条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項第七号ノ規定ハ総選挙ノ場合ニ於テ第二十二条ノ規定ニ依リ投票期日ヲ定メタルトキハ之ヲ適用セス
第三十一条中「第六条第七項」ヲ「第六条第九項」ニ改ム
第三十二条 当選者当選ヲ辞シタルトキ、数選挙区ノ選挙ニ当リ前条第三項ノ規定ニ依リ一ノ選挙区ノ選挙ニ応シタル為他ノ選挙区ニ於テ当選者タラサルニ至リタルトキ、死亡者ナルトキ又ハ選挙ニ関スル犯罪ニ依リ刑ニ処セラレ其ノ当選無効トナリタルトキハ更ニ選挙ヲ行フヘシ但シ其ノ当選者第二十九条第二項ノ規定ノ適用又ハ準用ニ依リ当選者ト為リタル者ナル場合ニ於テハ第八条第二項ノ例ニ依ル
当選者選挙ニ関スル犯罪ニ依リ刑ニ処セラレ其ノ当選無効トナリタルトキ其ノ前ニ其ノ者ニ関スル補闕選挙若ハ前項ノ選挙ノ告示ヲ為シタル場合又ハ更ニ選挙ヲ行フコトナクシテ当選者ヲ定メタル場合ニ於テハ前項ノ規定ヲ適用セス
第三十四条ニ左ノ二項ヲ加フ
第八条、第三十二条又ハ第三十六条第二項ノ選挙ハ之ニ関係アル選挙又ハ当選ニ関スル異議申立期間、異議ノ決定確定セサル間又ハ訴訟ノ繋属スル間之ヲ行フコトヲ得ス
府県会議員ハ選挙又ハ当選ニ関スル決定確定シ又ハ判決アルマテハ会議ニ参与スルノ権ヲ失ハス
第三十六条第一項但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ更ニ選挙ヲ行フコトナクシテ当選者ヲ定メ得ヘキ場合ニ於テハ第二十九条第二項及第三十一条ノ規定ヲ準用ス
第三十七条第一項ヲ左ノ如ク改メ同条中「会議ニ列席シ及発言スルノ権」ヲ「会議ニ参与スルノ権」ニ改ム
府県会議員ニシテ被選挙権ヲ有セサル者ハ其ノ職ヲ失フ其ノ被選挙権ノ有無ニ関シテハ府県会議員カ左ノ各号ノ一ニ該当スルニ因リ被選挙権ヲ有セサル場合ヲ除クノ外府県参事会其ノ異議ヲ決定ス
一 禁治産者又ハ準禁治産者ト為リタルトキ
二 家資分散又ハ破産ノ宣告ヲ受ケ其ノ宣告確定シタルトキ
三 禁錮以上ノ刑ニ処セラレタルトキ
四 選挙ニ関スル犯罪ニ依リ罰金ノ刑ニ処セラレタルトキ
第七十七条中「内務大臣ノ許可ヲ得」ヲ削ル
第七十九条ニ左ノ一項ヲ加フ
前項ノ規定ニ依リ府県参事会ノ審査ニ付シタル場合ニ於テ府県参事会意見ヲ述ヘサルトキハ府県知事ハ其ノ意見ヲ俟タスシテ議案ヲ府県会ニ提出スルコトヲ得
第八十条第二項中「事務ノ一部ヲ」ノ下ニ「府県ノ官吏吏員ニ委任シ又ハ」ヲ加フ
第八十二条第一項ノ次ニ左ノ一項ヲ加ヘ同条中「前項」ヲ「第一項ノ」ニ改ム
前項ノ取消処分ハ府県会又ハ府県参事会開会中ニ非サルトキハ之ヲ告示スヘシ
第百六条中「其ノ法人タルトキ亦同シ」ヲ削ル
第百十五条中「徴収」ノ下ニ「並夫役及現品ノ賦課」ヲ加フ
第百十六条 府県税ノ賦課ニ関シ必要アル場合ニ於テハ当該行政庁ハ日出ヨリ日没マテノ間営業者ニ関シテハ仍其ノ営業時間家宅若ハ営業所ニ臨検シ又ハ帳簿物件ノ検査ヲ為スコトヲ得
府県税、使用料、手数料、夫役又ハ現品ニ代フル金銭、過料其ノ他ノ府県ノ収入ヲ定期内ニ納メサル者アルトキハ期限ヲ指定シテ之ヲ督促スヘシ
急迫ノ場合ニ於テ夫役又ハ現品ノ賦課ヲ受ケタル者其ノ履行ヲ為ササルトキハ更ニ之ヲ金額ニ換算シ期限ヲ指定シテ其ノ納付ヲ命スヘシ
第二項ノ規定ニ依ル督促又ハ前項ノ規定ニ依ル命令ヲ受ケタル者其ノ指定ノ期限マテニ完納セサルトキハ国税滞納処分ノ例ニ依リ処分スヘシ
第二項及第三項ニ規定スル府県ノ徴収金ノ先取特権ノ順位ハ国ノ徴収金ニ次クモノトス
府県ノ収入金及支払金ニ関スル時効ニ付テハ国ノ収入金及支払金ノ例ニ依ル
府県知事ノ委任ヲ受ケタル官吏吏員カ第四項ノ規定ニ依リ為シタル処分ニ不服アル者ハ府県参事会ニ訴願シ其ノ裁決又ハ府県知事ノ処分ニ不服アル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
前項ノ裁決ニ関シテハ府県知事又ハ其ノ委任ヲ受ケタル官吏吏員ヨリモ亦訴訟ヲ提起スルコトヲ得
第四項ノ規定ニ依ル処分ニ係ル差押物件ノ公売ハ処分ノ確定ニ至ルマテ執行ヲ停止ス
第百二十一条ニ左ノ一項ヲ加フ
特別会計ニハ予備費ヲ設ケサルコトヲ得
第百二十四条第二項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ
第七十九条第二項ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第百二十八条第二項ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第八十二条第二項ノ規定ニ依リ告示ヲ為シタル場合ニ於テハ告示ノ日ヲ以テ処分ヲ受ケタル日ト看做ス
第百三十三条中「手数料」ヲ削ル
第百三十八条第三項ヲ左ノ如ク改ム
沖縄県ニ於テハ第十三条中二十日トアルハ三十日、七日トアルハ十日、第十五条中五日トアルハ十日、第三十一条中十日トアルハ二十日、二十日トアルハ三十日、第三十四条及第五十一条中十四日トアルハ二十五日トス
第百三十九条 島司ヲ置ク地ニ於テハ本法中郡ニ関スル規定ハ島嶼ニ、郡長ニ関スル規定ハ島司ニ、郡役所ニ関スル規定ハ島庁ニ之ヲ適用ス
町村制ヲ施行セサル地ニ於テハ本法中町村ニ関スル規定ハ町村ニ準スヘキモノニ、町村長ニ関スル規定ハ町村長ニ準スヘキモノニ、町村吏員ニ関スル規定ハ町村吏員ニ準スヘキモノニ、町村役場ニ関スル規定ハ町村役場ニ準スヘキモノニ之ヲ準用ス
附 則
本法中選挙ニ関スル規定ハ次ノ総選挙ヨリ之ヲ施行シ其ノ他ノ規定ノ施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
大正十年法律第五十八号又ハ法律第五十九号中公民権ニ関スル規定ハ之ヲ施行セサル市町村ニ於テハ府県制中市町村公民ニ関スル規定ノ適用ニ付之ヲ施行シタルモノト看做ス
本法ニ依リ初テ議員ヲ選挙スルニ必要ナル選挙人名簿ニ関シ第九条乃至第十二条ニ規定スル期日又ハ期間ニ依リ難キトキハ勅令ヲ以テ別ニ期日又ハ期間ヲ定ム但シ其ノ選挙人名簿ハ次ノ選挙人名簿確定ノ日迄其ノ効力ヲ有ス