船員職業紹介法
法令番号: 法律第三十八號
公布年月日: 大正11年4月11日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル船員職業紹介法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十一年四月十日
內閣總理大臣 子爵 高橋是淸
遞信大臣 野田卯太郞
法律第三十八號
船員職業紹介法
第一條 本法ハ命令ノ定ムル場合ヲ除クノ外沿海航路以上ノ航路ヲ航行スル船舶ニ乘組ムヘキ船員ノ職業紹介ニ之ヲ適用ス
本法ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ニ揭クル者以外ノ船員ノ職業紹介ニ之ヲ適用スルコトヲ得
第二條 船員職業紹介事業ヲ行ハムトスル者ハ行政官廳ノ許可ヲ受クヘシ
第三條 船員職業紹介ニ關シ必要アリト認ムルトキハ政府ニ於テ職業紹介事業ヲ行フコトヲ得
政府ハ勅令ノ定ムル補助金ヲ支給シテ公益ヲ目的トスル法人其ノ他ノ團體ヲシテ職業紹介事業ヲ行ハシムルコトヲ得
第四條 船員職業紹介事業ヲ行フ者ハ何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハス其ノ報酬トシテ手數料其ノ他ノ財產上ノ利益ヲ受クルコトヲ得ス
第五條 船員職業紹介事業ノ管理及連絡統一ニ關シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第六條 船員職業紹介事業ノ經營ニ關シ船員職業紹介委員會ヲ置ク遞信大臣之ヲ監督ス
船員職業紹介委員會ノ組織及職務權限ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第七條 船員職業紹介事業ハ遞信大臣之ヲ監督ス
監督官廳ハ船員職業紹介事業ノ監督上必要ナル場合ニ於テハ業務ニ關スル諸般ノ報告ヲ爲サシメ、書類帳簿ヲ徵シ及實地ニ就キ業務又ハ會計ヲ檢閱スルコトヲ得
第八條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違反シ左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ六月以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
一 許可ヲ受ケスシテ船員職業紹介事業ヲ行ヒタル者
二 船員職業紹介ヲ爲シ其ノ報酬トシテ手數料其ノ他ノ財產上ノ利益ヲ受ケ又ハ他人ヲシテ受ケシメタル者
本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ依リ船員職業紹介ヲ爲ス者强請シテ職業ノ紹介ヲ爲シタルトキ亦前項ノ例ニ同シ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ無料ノ船員職業紹介事業ヲ行フ者ハ本法施行後二月以內ニ行政官廳ノ許可ヲ受クヘシ
本法施行ノ際現ニ有料又ハ營利ヲ目的トスル船員職業紹介事業ヲ行フ者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ當分ノ內其ノ事業ヲ繼續スルコトヲ得
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル船員職業紹介法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十一年四月十日
内閣総理大臣 子爵 高橋是清
逓信大臣 野田卯太郎
法律第三十八号
船員職業紹介法
第一条 本法ハ命令ノ定ムル場合ヲ除クノ外沿海航路以上ノ航路ヲ航行スル船舶ニ乗組ムヘキ船員ノ職業紹介ニ之ヲ適用ス
本法ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ前項ニ掲クル者以外ノ船員ノ職業紹介ニ之ヲ適用スルコトヲ得
第二条 船員職業紹介事業ヲ行ハムトスル者ハ行政官庁ノ許可ヲ受クヘシ
第三条 船員職業紹介ニ関シ必要アリト認ムルトキハ政府ニ於テ職業紹介事業ヲ行フコトヲ得
政府ハ勅令ノ定ムル補助金ヲ支給シテ公益ヲ目的トスル法人其ノ他ノ団体ヲシテ職業紹介事業ヲ行ハシムルコトヲ得
第四条 船員職業紹介事業ヲ行フ者ハ何等ノ名義ヲ以テスルヲ問ハス其ノ報酬トシテ手数料其ノ他ノ財産上ノ利益ヲ受クルコトヲ得ス
第五条 船員職業紹介事業ノ管理及連絡統一ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第六条 船員職業紹介事業ノ経営ニ関シ船員職業紹介委員会ヲ置ク逓信大臣之ヲ監督ス
船員職業紹介委員会ノ組織及職務権限ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第七条 船員職業紹介事業ハ逓信大臣之ヲ監督ス
監督官庁ハ船員職業紹介事業ノ監督上必要ナル場合ニ於テハ業務ニ関スル諸般ノ報告ヲ為サシメ、書類帳簿ヲ徴シ及実地ニ就キ業務又ハ会計ヲ検閲スルコトヲ得
第八条 本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ノ規定ニ違反シ左ノ各号ノ一ニ該当スル者ハ六月以下ノ懲役又ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
一 許可ヲ受ケスシテ船員職業紹介事業ヲ行ヒタル者
二 船員職業紹介ヲ為シ其ノ報酬トシテ手数料其ノ他ノ財産上ノ利益ヲ受ケ又ハ他人ヲシテ受ケシメタル者
本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ノ規定ニ依リ船員職業紹介ヲ為ス者強請シテ職業ノ紹介ヲ為シタルトキ亦前項ノ例ニ同シ
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
本法施行ノ際現ニ無料ノ船員職業紹介事業ヲ行フ者ハ本法施行後二月以内ニ行政官庁ノ許可ヲ受クヘシ
本法施行ノ際現ニ有料又ハ営利ヲ目的トスル船員職業紹介事業ヲ行フ者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ当分ノ内其ノ事業ヲ継続スルコトヲ得