圧縮瓦斯及液化瓦斯取締法
法令番号: 法律第三十一號
公布年月日: 大正11年4月11日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル壓縮瓦斯及液化瓦斯取締法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
攝政名
大正十一年四月十日
內閣總理大臣 子爵 高橋是淸
內務大臣 床次竹二郞
法律第三十一號
壓縮瓦斯及液化瓦斯取締法
第一條 壓縮瓦斯又ハ液化瓦斯ノ製造、貯藏又ハ販賣ノ業ヲ爲サムトスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ行政官廳ノ許可ヲ受クヘシ
相續又ハ法人ノ合併ニ因リ前項ノ業ヲ繼承スル場合ハ前項ノ許可ヲ受ケタルモノト看做ス
第二條 行政官廳ハ壓縮瓦斯又ハ液化瓦斯ノ製造、貯藏又ハ販賣ノ業ヲ爲ス者カ本法若ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキ又ハ安寧秩序ヲ害スルノ虞アリト認ムルトキハ其ノ許可ヲ取消シ又ハ其ノ事業ヲ停止シ若ハ制限スルコトヲ得
第三條 行政官廳ハ何時ニテモ當該官吏ヲシテ壓縮瓦斯液化瓦斯若ハ其ノ容器ノ製造所、貯藏所其ノ他之ヲ收藏スルノ疑アル場所ニ臨檢シ又ハ壓縮瓦斯液化瓦斯及其ノ容器竝之ヲ收藏スルノ疑アル物件若ハ事業上ノ帳簿其ノ他ノ書類ヲ檢査セシムルコトヲ得
行政官廳ハ試驗ノ用ニ供スル爲必要ナル數量ニ限リ當該官吏ヲシテ壓縮瓦斯液化瓦斯又ハ其ノ容器ヲ無償ニテ收去セシムルコトヲ得
行政官廳ハ危害豫防又ハ衞生ノ爲壓縮瓦斯液化瓦斯ノ製造所、貯藏所ノ改築若ハ修繕ヲ命シ又ハ壓縮瓦斯液化瓦斯若ハ其ノ容器ニ關シ若ハ其ノ貯藏、運搬其ノ他ノ取扱ニ關シ取締上必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
第四條 行政官廳ハ保安上必要アリト認ムルトキハ壓縮瓦斯又ハ液化瓦斯ノ授受、運搬又ハ携帶ヲ禁止シ又ハ制限スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ行政官廳ハ壓縮瓦斯又ハ液化瓦斯ノ假領置ヲ爲スコトヲ得
第五條 左ノ事項ニ關シ必要ナル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
一 本法ヲ適用セサル壓縮瓦斯又ハ液化瓦斯ノ範圍
二 壓縮瓦斯液化瓦斯及其ノ容器ノ製造、貯藏、販賣、授受、使用、運搬其ノ他ノ取扱
第六條 第一條第一項ノ規定ニ違反シ又ハ第二條ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ一年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
第七條 第四條第一項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ六月以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ三百圓以下ノ罰金ニ處ス
第八條 第三條第三項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ又ハ第三條若ハ第四條第二項ノ規定ニ依ル當該官吏ノ職務ノ執行ヲ拒ミ若ハ之ヲ妨ケタル者又ハ其ノ執行ニ際シ當該官吏ノ尋問ニ對シ答辯ヲ爲サス若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
第九條 壓縮瓦斯液化瓦斯又ハ其ノ容器ノ製造、貯藏、販賣又ハ運搬ノ業ヲ爲ス者未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ之ニ適用スヘキ罰則ハ之ヲ法定代理人ニ適用ス但シ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第十條 壓縮瓦斯液化瓦斯又ハ其ノ容器ノ製造、貯藏、販賣又ハ運搬ノ業ヲ爲ス者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者カ其ノ業ニ關シ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出テサルノ故ヲ以テ處罰ヲ免ルルコトヲ得ス
第十一條 前二條ノ場合ニ於テハ罰金、科料又ハ沒收以外ノ刑ニ處スルコトヲ得ス
第十二條 明治三十三年法律第五十二號ハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依ル犯罪ニ付之ヲ準用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル圧縮瓦斯及液化瓦斯取締法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
摂政名
大正十一年四月十日
内閣総理大臣 子爵 高橋是清
内務大臣 床次竹二郎
法律第三十一号
圧縮瓦斯及液化瓦斯取締法
第一条 圧縮瓦斯又ハ液化瓦斯ノ製造、貯蔵又ハ販売ノ業ヲ為サムトスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ行政官庁ノ許可ヲ受クヘシ
相続又ハ法人ノ合併ニ因リ前項ノ業ヲ継承スル場合ハ前項ノ許可ヲ受ケタルモノト看做ス
第二条 行政官庁ハ圧縮瓦斯又ハ液化瓦斯ノ製造、貯蔵又ハ販売ノ業ヲ為ス者カ本法若ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ違反シタルトキ又ハ安寧秩序ヲ害スルノ虞アリト認ムルトキハ其ノ許可ヲ取消シ又ハ其ノ事業ヲ停止シ若ハ制限スルコトヲ得
第三条 行政官庁ハ何時ニテモ当該官吏ヲシテ圧縮瓦斯液化瓦斯若ハ其ノ容器ノ製造所、貯蔵所其ノ他之ヲ収蔵スルノ疑アル場所ニ臨検シ又ハ圧縮瓦斯液化瓦斯及其ノ容器並之ヲ収蔵スルノ疑アル物件若ハ事業上ノ帳簿其ノ他ノ書類ヲ検査セシムルコトヲ得
行政官庁ハ試験ノ用ニ供スル為必要ナル数量ニ限リ当該官吏ヲシテ圧縮瓦斯液化瓦斯又ハ其ノ容器ヲ無償ニテ収去セシムルコトヲ得
行政官庁ハ危害予防又ハ衛生ノ為圧縮瓦斯液化瓦斯ノ製造所、貯蔵所ノ改築若ハ修繕ヲ命シ又ハ圧縮瓦斯液化瓦斯若ハ其ノ容器ニ関シ若ハ其ノ貯蔵、運搬其ノ他ノ取扱ニ関シ取締上必要ナル処分ヲ為スコトヲ得
第四条 行政官庁ハ保安上必要アリト認ムルトキハ圧縮瓦斯又ハ液化瓦斯ノ授受、運搬又ハ携帯ヲ禁止シ又ハ制限スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テ行政官庁ハ圧縮瓦斯又ハ液化瓦斯ノ仮領置ヲ為スコトヲ得
第五条 左ノ事項ニ関シ必要ナル規定ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
一 本法ヲ適用セサル圧縮瓦斯又ハ液化瓦斯ノ範囲
二 圧縮瓦斯液化瓦斯及其ノ容器ノ製造、貯蔵、販売、授受、使用、運搬其ノ他ノ取扱
第六条 第一条第一項ノ規定ニ違反シ又ハ第二条ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ一年以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス
第七条 第四条第一項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シタル者ハ六月以下ノ懲役若ハ禁錮又ハ三百円以下ノ罰金ニ処ス
第八条 第三条第三項ノ規定ニ依ル命令ニ違反シ又ハ第三条若ハ第四条第二項ノ規定ニ依ル当該官吏ノ職務ノ執行ヲ拒ミ若ハ之ヲ妨ケタル者又ハ其ノ執行ニ際シ当該官吏ノ尋問ニ対シ答弁ヲ為サス若ハ虚偽ノ陳述ヲ為シタル者ハ五百円以下ノ罰金ニ処ス
第九条 圧縮瓦斯液化瓦斯又ハ其ノ容器ノ製造、貯蔵、販売又ハ運搬ノ業ヲ為ス者未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ依リ之ニ適用スヘキ罰則ハ之ヲ法定代理人ニ適用ス但シ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第十条 圧縮瓦斯液化瓦斯又ハ其ノ容器ノ製造、貯蔵、販売又ハ運搬ノ業ヲ為ス者ハ其ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者カ其ノ業ニ関シ本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出テサルノ故ヲ以テ処罰ヲ免ルルコトヲ得ス
第十一条 前二条ノ場合ニ於テハ罰金、科料又ハ没収以外ノ刑ニ処スルコトヲ得ス
第十二条 明治三十三年法律第五十二号ハ本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ依ル犯罪ニ付之ヲ準用ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム