(関税定率法第十条ニ依ル命令ノ件)
法令番号: 勅令第二百三十九號
公布年月日: 大正10年5月30日
法令の形式: 勅令
朕關稅定率法第十條ニ依ル命令ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正十年五月二十八日
內閣總理大臣 原敬
海軍大臣 男爵 加藤友三郞
大藏大臣 子爵 高橋是淸
遞信大臣 野田卯太郞
勅令第二百三十九號
第一條 關稅定率法第十條ノ規定ニ依リ輸入稅ヲ免除スル物品ハ左ノ各號ニ揭クルモノニシテ鐵鋼船ノ建造又ハ修繕ニ使用スルモノニ限ル
一 鐵鋼材(船體用、機關用又ハ艤裝品用ノモノ)
鋼塊及鋼片(鍛造用ノモノ)
條及竿(テー形、アングル形等ノ形狀ヲ有スルモノ及タービンブレーディングヲ含ム)
筒及管(鑄タルモノヲ除ク)
二 艤裝品
操舵用テレモーター及テレモーター付操舵裝置
水壓式支水隔壁戶及其ノ裝置
ウェリン式ボートダビット及其ノ裝置
クレートン式消火消毒裝置
クロノメーター
廚房裝置
洗濯裝置
三 機關部分品
タービン用ノフォージドインゴット、フォージドディスク、フォージドリング、ホローブルーム、ロートルドラム及エキスパンションリング
コルゲーテッドボイラーファーネスチューブ
ハウデン式ファーネスフロント
マックネール式ノマンホールドア及マンホールドアサッドルプレート
四 新規發明品又ハ本邦ニ於テ製作困難ナル特殊ノ物品ニシテ遞信大臣ノ認許ヲ得タル艤裝品、艤裝品部分品、機關又ハ機關部分品
第二條 前條ニ揭クル物品ヲ使用シテ鐵鋼船ノ建造又ハ修繕ヲ爲ス者ハ大藏大臣ノ定ムル事項ニ付豫メ管海官廳ノ承認ヲ受ケ其ノ承認書ヲ輸入稅ノ免除ヲ受ケムトスル物品ノ輸入手數ヲ爲ス稅關ニ提出スヘシ承認ヲ受ケタル事項ヲ變更セムトスルトキ亦同シ
第三條 前條ニ規定スル者其ノ工場又ハ藏置場ニ稅關官吏ノ常時派出ヲ受クル場合ニ於テハ大藏大臣ノ定ムル所ニ依リ手數料ヲ納付スヘシ
第四條 第二條ニ規定スル者ハ船舶ノ建造又ハ修繕ノ工事施行ニ付テハ管海官廳、輸入稅ノ免除ヲ受ケタル物品ノ取扱ニ付テハ稅關長ノ監督ヲ受クヘシ
第五條 船舶ノ建造又ハ修繕竣リタルトキハ第二條ニ規定スル者ハ其ノ旨管海官廳ニ申吿シテ承認ヲ受ケ承認書ヲ稅關ニ提出スヘシ
第六條 左ノ各號ノ一ニ該當スル場合ニ於テハ物品ノ輸入免許ヲ取消シ又ハ輸入申吿者ヨリ輸入稅ヲ追徵ス但シ大藏大臣ノ定ムル所ニ依リ稅關長ノ認許ヲ受ケタル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラス
一 承認ヲ受ケタル物品ヲ當該船舶ノ建造ニ使用セサルトキ
二 承認ヲ受ケタル竣工期限迄ニ船舶ノ建造竣ラサルトキ
三 承認ヲ受ケタル期間內ニ修繕ニ使用スヘキ物品ヲ使用セサルトキ
第七條 管海官廳又ハ稅關長ハ第二條ニ規定スル者ニ對シ船舶ノ建造又ハ修繕ニ關シ調査又ハ監督ニ必要ナル書類ノ提出ヲ命スルコトヲ得
當該官吏ハ隨時工場若ハ藏置場ニ就キ輸入稅ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ檢査シ又ハ之ニ關スル帳簿書類ヲ檢査スルコトヲ得
第八條 海軍工作廳ニ於テ建造又ハ修繕スル海軍艦船ニ付テハ第一條ノ規定ヲ除クノ外本令ヲ適用セス
海軍工作廳ニ非サル場所ニ於テ建造又ハ修繕スル海軍艦船ニ付テハ本令中管海官廳ノ職務ハ海軍官憲之ヲ行フ但シ其ノ建造又ハ修繕ニ使用スル官給品ニ付テハ前項ノ規定ヲ準用ス
第九條 本令中大藏大臣及遞信大臣ノ職務ハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督之ヲ行フ
附 則
本令ハ大正十年六月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕関税定率法第十条ニ依ル命令ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正十年五月二十八日
内閣総理大臣 原敬
海軍大臣 男爵 加藤友三郎
大蔵大臣 子爵 高橋是清
逓信大臣 野田卯太郎
勅令第二百三十九号
第一条 関税定率法第十条ノ規定ニ依リ輸入税ヲ免除スル物品ハ左ノ各号ニ掲クルモノニシテ鉄鋼船ノ建造又ハ修繕ニ使用スルモノニ限ル
一 鉄鋼材(船体用、機関用又ハ艤装品用ノモノ)
鋼塊及鋼片(鍛造用ノモノ)
条及竿(テー形、アングル形等ノ形状ヲ有スルモノ及タービンブレーディングヲ含ム)
筒及管(鋳タルモノヲ除ク)
二 艤装品
操舵用テレモーター及テレモーター付操舵装置
水圧式支水隔壁戸及其ノ装置
ウェリン式ボートダビット及其ノ装置
クレートン式消火消毒装置
クロノメーター
厨房装置
洗濯装置
三 機関部分品
タービン用ノフォージドインゴット、フォージドディスク、フォージドリング、ホローブルーム、ロートルドラム及エキスパンションリング
コルゲーテッドボイラーファーネスチューブ
ハウデン式ファーネスフロント
マックネール式ノマンホールドア及マンホールドアサッドルプレート
四 新規発明品又ハ本邦ニ於テ製作困難ナル特殊ノ物品ニシテ逓信大臣ノ認許ヲ得タル艤装品、艤装品部分品、機関又ハ機関部分品
第二条 前条ニ掲クル物品ヲ使用シテ鉄鋼船ノ建造又ハ修繕ヲ為ス者ハ大蔵大臣ノ定ムル事項ニ付予メ管海官庁ノ承認ヲ受ケ其ノ承認書ヲ輸入税ノ免除ヲ受ケムトスル物品ノ輸入手数ヲ為ス税関ニ提出スヘシ承認ヲ受ケタル事項ヲ変更セムトスルトキ亦同シ
第三条 前条ニ規定スル者其ノ工場又ハ蔵置場ニ税関官吏ノ常時派出ヲ受クル場合ニ於テハ大蔵大臣ノ定ムル所ニ依リ手数料ヲ納付スヘシ
第四条 第二条ニ規定スル者ハ船舶ノ建造又ハ修繕ノ工事施行ニ付テハ管海官庁、輸入税ノ免除ヲ受ケタル物品ノ取扱ニ付テハ税関長ノ監督ヲ受クヘシ
第五条 船舶ノ建造又ハ修繕竣リタルトキハ第二条ニ規定スル者ハ其ノ旨管海官庁ニ申告シテ承認ヲ受ケ承認書ヲ税関ニ提出スヘシ
第六条 左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ物品ノ輸入免許ヲ取消シ又ハ輸入申告者ヨリ輸入税ヲ追徴ス但シ大蔵大臣ノ定ムル所ニ依リ税関長ノ認許ヲ受ケタル場合ニ於テハ此ノ限ニ在ラス
一 承認ヲ受ケタル物品ヲ当該船舶ノ建造ニ使用セサルトキ
二 承認ヲ受ケタル竣工期限迄ニ船舶ノ建造竣ラサルトキ
三 承認ヲ受ケタル期間内ニ修繕ニ使用スヘキ物品ヲ使用セサルトキ
第七条 管海官庁又ハ税関長ハ第二条ニ規定スル者ニ対シ船舶ノ建造又ハ修繕ニ関シ調査又ハ監督ニ必要ナル書類ノ提出ヲ命スルコトヲ得
当該官吏ハ随時工場若ハ蔵置場ニ就キ輸入税ノ免除ヲ受ケタル物品ヲ検査シ又ハ之ニ関スル帳簿書類ヲ検査スルコトヲ得
第八条 海軍工作庁ニ於テ建造又ハ修繕スル海軍艦船ニ付テハ第一条ノ規定ヲ除クノ外本令ヲ適用セス
海軍工作庁ニ非サル場所ニ於テ建造又ハ修繕スル海軍艦船ニ付テハ本令中管海官庁ノ職務ハ海軍官憲之ヲ行フ但シ其ノ建造又ハ修繕ニ使用スル官給品ニ付テハ前項ノ規定ヲ準用ス
第九条 本令中大蔵大臣及逓信大臣ノ職務ハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮総督、台湾ニ在リテハ台湾総督之ヲ行フ
附 則
本令ハ大正十年六月一日ヨリ之ヲ施行ス