東京市区改正委員会組織権限規程
法令番号: 勅令第百八十二號
公布年月日: 大正7年6月1日
法令の形式: 勅令
朕東京市區改正委員會組織權限規程ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正七年五月三十一日
內閣總理大臣 伯爵 寺內正毅
大藏大臣 勝田主計
內務大臣 法學博士 水野鍊太郞
勅令第百八十二號
東京市區改正委員會組織權限規程
第一條 東京市區改正委員會ハ委員長及委員ヲ以テ之ヲ組織ス
委員ハ左ニ揭クル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 關係各廳高等官 十五人
二 警視總監
三 東京府知事
四 東京市長
五 東京市會議員 十二人
六 學識經驗アル者 三人
特別ノ必要アルトキハ臨時委員ヲ置クコトヲ得
臨時委員ハ府、郡、町、村ノ公職ニ在ル者及學識經驗アル者ノ中ヨリ之ヲ命ス
第二項第二號乃至第四號ニ揭クル者事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理スル者議事ニ參與シ決議ノ數ニ加ハルコトヲ得
第二條 委員長ハ內務次官ヲ以テ之ニ充ツ
委員及臨時委員ハ前條第二項第二號乃至第四號ニ揭クル者ヲ除クノ外內務大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ス
第三條 委員長ハ會務ヲ統理シ委員會ノ議定ヲ經ヘキ事項ニ付議案ヲ發シ會議ノ議長ト爲リ議事ヲ整理ス
委員長ハ委員會ニ於テ議定シタル事項ヲ內務大臣ニ報吿スヘシ
委員長事故アルトキハ其ノ指名シタル委員又ハ臨時委員其ノ事務ヲ代理ス
第四條 委員會ハ東京市區改正條例ニ依リ左ノ事項ヲ議定ス
一 市區改正ノ設計及其ノ變更
二 市區改正設計中每年度ニ於テ施行スヘキ事業及其ノ變更
三 東京市ノ區域外ニ於テ施行スヘキ市區改正事業ニ要スル費用ノ負擔方法及負擔步合
第五條 委員會ハ市區改正ノ設計ニ關シ必要アルトキハ東京市又ハ關係町村ヲシテ期間ヲ指定シ特定ノ事項ニ付調査ヲ爲サシメ其ノ他必要ナル圖書類ヲ提出セシムルコトヲ得
委員會ハ委員又ハ臨時委員ヲ派遣シテ市區改正事業執行ノ狀況ヲ檢査セシメ設計ノ施行ニ關シ必要ナル事項ニ付關係市町村長ニ照會シ時宜ニ依リ內務大臣ニ具狀スルコトヲ得
第六條 委員會ハ市區改正ニ關スル事項ニ付關係各大臣ノ諮問ニ應シ關係各大臣ニ建議シ及關係各廳ニ照會往復スルコトヲ得
第七條 委員會ハ委員長之ヲ招集ス
招集及會議ノ事項ハ開會ノ日ヨリ少クトモ三日前ニ之ヲ通知スヘシ但シ急施ヲ要スル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第八條 委員會ハ委員定數ノ半數以上ノ委員又ハ臨時委員出席スルニ非サレハ會議ヲ開クコトヲ得ス
第九條 委員會ノ議事ハ出席委員又ハ臨時委員ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ委員長ノ決スル所ニ依ル
第十條 委員會ハ會議規則ヲ設ケ內務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第十一條 委員長ハ委員又ハ臨時委員十人以內ヲ常務委員ト爲シ委員長ヨリ委員會ニ提出スヘキ議案ニ付豫メ審査ヲ爲サシムルコトヲ得
常務委員ハ委員會ヨリ委任ヲ受ケタル事件ヲ處理スルコトヲ得
第十二條 委員會ニ左ノ職員ヲ置ク
幹事 若干人
技師 專任一人
書記
技手
專任三人
幹事ハ內務省高等官中ヨリ內務大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ス
技師ハ奏任官ノ待遇トス內務大臣ノ奏請ニ依リ內閣ニ於テ之ヲ命ス
書記及技手ハ判任官ノ待遇トス內務大臣之ヲ命ス
第十三條 幹事ハ委員長ノ命ヲ承ケ會務ヲ整理ス
技師ハ上司ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
書記及技手ハ上司ノ指揮ヲ承ケ庶務及技術ニ從事ス
第十四條 委員長、委員、臨時委員又ハ幹事ニハ年額五百圓以內ノ手當ヲ給スルコトヲ得
第十五條 委員又ハ臨時委員會務ニ依リ旅行スルトキハ旅費ヲ給ス
前項旅費ノ支給ニ關シテハ明治四十四年勅令第百六十一號第一條及第三條ノ規定ヲ準用ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
明治二十九年勅令第二百七十九號ハ之ヲ廢止ス
朕東京市区改正委員会組織権限規程ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正七年五月三十一日
内閣総理大臣 伯爵 寺内正毅
大蔵大臣 勝田主計
内務大臣 法学博士 水野錬太郎
勅令第百八十二号
東京市区改正委員会組織権限規程
第一条 東京市区改正委員会ハ委員長及委員ヲ以テ之ヲ組織ス
委員ハ左ニ掲クル者ヲ以テ之ニ充ツ
一 関係各庁高等官 十五人
二 警視総監
三 東京府知事
四 東京市長
五 東京市会議員 十二人
六 学識経験アル者 三人
特別ノ必要アルトキハ臨時委員ヲ置クコトヲ得
臨時委員ハ府、郡、町、村ノ公職ニ在ル者及学識経験アル者ノ中ヨリ之ヲ命ス
第二項第二号乃至第四号ニ掲クル者事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理スル者議事ニ参与シ決議ノ数ニ加ハルコトヲ得
第二条 委員長ハ内務次官ヲ以テ之ニ充ツ
委員及臨時委員ハ前条第二項第二号乃至第四号ニ掲クル者ヲ除クノ外内務大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ス
第三条 委員長ハ会務ヲ統理シ委員会ノ議定ヲ経ヘキ事項ニ付議案ヲ発シ会議ノ議長ト為リ議事ヲ整理ス
委員長ハ委員会ニ於テ議定シタル事項ヲ内務大臣ニ報告スヘシ
委員長事故アルトキハ其ノ指名シタル委員又ハ臨時委員其ノ事務ヲ代理ス
第四条 委員会ハ東京市区改正条例ニ依リ左ノ事項ヲ議定ス
一 市区改正ノ設計及其ノ変更
二 市区改正設計中毎年度ニ於テ施行スヘキ事業及其ノ変更
三 東京市ノ区域外ニ於テ施行スヘキ市区改正事業ニ要スル費用ノ負担方法及負担歩合
第五条 委員会ハ市区改正ノ設計ニ関シ必要アルトキハ東京市又ハ関係町村ヲシテ期間ヲ指定シ特定ノ事項ニ付調査ヲ為サシメ其ノ他必要ナル図書類ヲ提出セシムルコトヲ得
委員会ハ委員又ハ臨時委員ヲ派遣シテ市区改正事業執行ノ状況ヲ検査セシメ設計ノ施行ニ関シ必要ナル事項ニ付関係市町村長ニ照会シ時宜ニ依リ内務大臣ニ具状スルコトヲ得
第六条 委員会ハ市区改正ニ関スル事項ニ付関係各大臣ノ諮問ニ応シ関係各大臣ニ建議シ及関係各庁ニ照会往復スルコトヲ得
第七条 委員会ハ委員長之ヲ招集ス
招集及会議ノ事項ハ開会ノ日ヨリ少クトモ三日前ニ之ヲ通知スヘシ但シ急施ヲ要スル場合ハ此ノ限ニ在ラス
第八条 委員会ハ委員定数ノ半数以上ノ委員又ハ臨時委員出席スルニ非サレハ会議ヲ開クコトヲ得ス
第九条 委員会ノ議事ハ出席委員又ハ臨時委員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス可否同数ナルトキハ委員長ノ決スル所ニ依ル
第十条 委員会ハ会議規則ヲ設ケ内務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第十一条 委員長ハ委員又ハ臨時委員十人以内ヲ常務委員ト為シ委員長ヨリ委員会ニ提出スヘキ議案ニ付予メ審査ヲ為サシムルコトヲ得
常務委員ハ委員会ヨリ委任ヲ受ケタル事件ヲ処理スルコトヲ得
第十二条 委員会ニ左ノ職員ヲ置ク
幹事 若干人
技師 専任一人
書記
技手
専任三人
幹事ハ内務省高等官中ヨリ内務大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ス
技師ハ奏任官ノ待遇トス内務大臣ノ奏請ニ依リ内閣ニ於テ之ヲ命ス
書記及技手ハ判任官ノ待遇トス内務大臣之ヲ命ス
第十三条 幹事ハ委員長ノ命ヲ承ケ会務ヲ整理ス
技師ハ上司ノ命ヲ承ケ技術ヲ掌ル
書記及技手ハ上司ノ指揮ヲ承ケ庶務及技術ニ従事ス
第十四条 委員長、委員、臨時委員又ハ幹事ニハ年額五百円以内ノ手当ヲ給スルコトヲ得
第十五条 委員又ハ臨時委員会務ニ依リ旅行スルトキハ旅費ヲ給ス
前項旅費ノ支給ニ関シテハ明治四十四年勅令第百六十一号第一条及第三条ノ規定ヲ準用ス
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
明治二十九年勅令第二百七十九号ハ之ヲ廃止ス