(蚕糸業法中改正法律)
法令番号: 法律第十六號
公布年月日: 大正6年7月21日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル蠶絲業法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正六年七月二十日
內閣總理大臣 伯爵 寺內正毅
農商務大臣 仲小路廉
法律第十六號
蠶絲業法中左ノ通改正ス
第七條中「第十一條第二項及第十二條ノ規定ニ依ル特別蠶種」ヲ「原蠶種」ニ改ム
第八條 削除
第九條 蠶種製造者ハ現ニ普通蠶種ノ蠶兒ノ掃立又ハ其ノ飼育ヲ爲ス建物內ニ於テ蠶種製造用蠶兒ノ掃立ヨリ蠶種ノ製造ヲ終ル迄ノ作業ヲ爲スコトヲ得ス
蠶種製造者ハ現ニ普通蠶種製造用蠶兒ノ飼育ヲ爲ス室內ニ於テ原蠶種製造用蠶兒ノ掃立ヨリ蠶種ノ製造ヲ終ル迄ノ作業ヲ爲スコトヲ得ス
第十條 蠶種製造者原蠶種ヲ製造セムトスルトキハ蠶兒ノ飼育ハ一蛾別ニ之ヲ爲スヘシ但シ本法ヲ施行セサル地若ハ外國ヨリ移入若ハ輸入シタル蠶種ニシテ一蛾別ト爲スコト能ハサルモノ又ハ主務大臣ノ指定シタル蠶種ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
原蠶種ハ框製又ハ袋製ト爲スヘシ
第十一條 蠶種製造者ハ原蠶種ト爲サムトスル蠶種ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ蠶兒、繭及母蛾ニ付檢査ヲ受クヘシ
蠶種製造者ハ普通蠶種ト爲サムトスル蠶種ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ掃立口每ニ其ノ母蛾ニ付步合檢査ヲ受クヘシ
蠶種製造者ハ前項ノ步合檢査ニ合格セサル蠶種ニ對シ命令ノ定ムル所ニ依リ母蛾又ハ卵ニ付檢査ヲ受クルコトヲ得但シ第十三條但書ノ期間內ニ檢査ノ請求ヲ爲スコトヲ要ス
第十二條中「蠶種ヲ特別蠶種」ヲ「蠶種及第十七條ノ檢査ニ合格シタル蠶種ヲ原蠶種又ハ普通蠶種」ニ改ム
第十三條中「第十一條」ノ下ニ「及第十七條」ヲ加ヘ同條ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第十一條第二項ノ步合檢査ニ合格セサル蠶種ニ付テハ地方長官ノ定ムル期間內ニ同條第三項ノ規定ニ依ル檢査ノ請求ナキトキハ其ノ期間ヲ經過シタル後之ヲ燒棄スヘシ
第十四條但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ第十二條ノ規定ニ依リ指定セラレタル蠶種及其ノ蠶兒ハ此ノ限ニ在ラス
第十六條第二項ヲ左ノ如ク改メ同條第三項ヲ削ル
學術硏究ノ爲ニスル場合ニ於テハ主務大臣ノ許可ヲ受ケ第十四條及前項ノ規定ニ拘ラス蠶種ノ製造又ハ蠶兒ノ飼育ヲ爲スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法中蠶種製造者ニ關スル規定ノ全部又ハ一部ヲ準用スルコトヲ得
第十七條 本法ヲ施行セサル地又ハ外國ニ於テ製造シタル蠶種ヲ移入又ハ輸入シタル者ハ其ノ蠶種ニ對シ母蛾又ハ卵ニ付檢査ヲ受クヘシ但シ前條第二項ノ規定ニ依ル許可ヲ受ケタル者ハ此ノ限ニ在ラス
移入又ハ輸入前官署公署ノ證明ヲ得タル蠶種ニ對シテハ前項ノ檢査ニ代ヘ其ノ證明ニ付檢査ヲ爲スコトヲ得
第十九條 主務大臣又ハ地方長官ハ桑苗ノ仕立、蠶絲類ノ檢査又ハ桑苗、蠶種若ハ繭ノ賣買若ハ取引市場ニ關シ取締上必要ナル命令ヲ發スルコトヲ得但シ地方長官ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
第二十條中「臺紙」ノ下ニ「又ハ容器」ヲ加フ
第二十一條 削除
第二十二條中「第十一條」ノ下ニ「及第十七條」ヲ加フ
第二十三條 削除
第二十四條中「第八條第六號、」ヲ「第九條乃至」ニ改メ「第十一條」ノ下ニ「、第十七條」ヲ加フ
第二十六條中「蠶病豫防事務及地方種繭審査會」ヲ「第十一條及第十七條ノ檢査其ノ他蠶病豫防」ニ改ム
第二十七條 府縣ハ第十一條第一項ノ檢査ヲ受ケタル蠶種ニ對シテハ命令ノ定ムル所ニ依リ原蠶種ニ供用シタルコトノ證明ナキモノニ限リ檢査手數料ヲ徵收スヘシ
府縣ハ第十一條第三項ノ檢査ヲ受ケタル蠶種ニ對シテハ命令ノ定ムル所ニ依リ檢査手數料ヲ徵收スルコトヲ得
第三十五條中「蠶病豫防ニ關シ蠶種又ハ生繭」ヲ「蠶病若ハ桑ノ病蟲害ノ豫防又ハ蠶絲類ノ檢査ニ關シ蠶種、生繭、桑苗又ハ蠶絲類」ニ改メ「飼育場」ノ下ニ「、圃場」ヲ加フ
第三十六條中「第十一條」ノ下ニ「及第十七條」ヲ加フ
第三十八條中「又ハ第十七條」ヲ削リ「第十一條」ノ下ニ「又ハ第十七條」ヲ加フ
第三十九條中第二號及「、第八條又ハ第十六條第三項」ヲ削リ第三號ヲ第二號、第四號ヲ第三號トス
第四十條中「又ハ第十條」ヲ削ル
第四十一條中「第四號」ヲ「第三號」ニ改ム
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
從前ノ規定ニ依ル特別蠶種ハ之ヲ原蠶種ト看做ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル蚕糸業法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正六年七月二十日
内閣総理大臣 伯爵 寺内正毅
農商務大臣 仲小路廉
法律第十六号
蚕糸業法中左ノ通改正ス
第七条中「第十一条第二項及第十二条ノ規定ニ依ル特別蚕種」ヲ「原蚕種」ニ改ム
第八条 削除
第九条 蚕種製造者ハ現ニ普通蚕種ノ蚕児ノ掃立又ハ其ノ飼育ヲ為ス建物内ニ於テ蚕種製造用蚕児ノ掃立ヨリ蚕種ノ製造ヲ終ル迄ノ作業ヲ為スコトヲ得ス
蚕種製造者ハ現ニ普通蚕種製造用蚕児ノ飼育ヲ為ス室内ニ於テ原蚕種製造用蚕児ノ掃立ヨリ蚕種ノ製造ヲ終ル迄ノ作業ヲ為スコトヲ得ス
第十条 蚕種製造者原蚕種ヲ製造セムトスルトキハ蚕児ノ飼育ハ一蛾別ニ之ヲ為スヘシ但シ本法ヲ施行セサル地若ハ外国ヨリ移入若ハ輸入シタル蚕種ニシテ一蛾別ト為スコト能ハサルモノ又ハ主務大臣ノ指定シタル蚕種ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
原蚕種ハ框製又ハ袋製ト為スヘシ
第十一条 蚕種製造者ハ原蚕種ト為サムトスル蚕種ニ対シ命令ノ定ムル所ニ依リ蚕児、繭及母蛾ニ付検査ヲ受クヘシ
蚕種製造者ハ普通蚕種ト為サムトスル蚕種ニ対シ命令ノ定ムル所ニ依リ掃立口毎ニ其ノ母蛾ニ付歩合検査ヲ受クヘシ
蚕種製造者ハ前項ノ歩合検査ニ合格セサル蚕種ニ対シ命令ノ定ムル所ニ依リ母蛾又ハ卵ニ付検査ヲ受クルコトヲ得但シ第十三条但書ノ期間内ニ検査ノ請求ヲ為スコトヲ要ス
第十二条中「蚕種ヲ特別蚕種」ヲ「蚕種及第十七条ノ検査ニ合格シタル蚕種ヲ原蚕種又ハ普通蚕種」ニ改ム
第十三条中「第十一条」ノ下ニ「及第十七条」ヲ加ヘ同条ニ左ノ但書ヲ加フ
但シ第十一条第二項ノ歩合検査ニ合格セサル蚕種ニ付テハ地方長官ノ定ムル期間内ニ同条第三項ノ規定ニ依ル検査ノ請求ナキトキハ其ノ期間ヲ経過シタル後之ヲ焼棄スヘシ
第十四条但書ヲ左ノ如ク改ム
但シ第十二条ノ規定ニ依リ指定セラレタル蚕種及其ノ蚕児ハ此ノ限ニ在ラス
第十六条第二項ヲ左ノ如ク改メ同条第三項ヲ削ル
学術研究ノ為ニスル場合ニ於テハ主務大臣ノ許可ヲ受ケ第十四条及前項ノ規定ニ拘ラス蚕種ノ製造又ハ蚕児ノ飼育ヲ為スコトヲ得此ノ場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法中蚕種製造者ニ関スル規定ノ全部又ハ一部ヲ準用スルコトヲ得
第十七条 本法ヲ施行セサル地又ハ外国ニ於テ製造シタル蚕種ヲ移入又ハ輸入シタル者ハ其ノ蚕種ニ対シ母蛾又ハ卵ニ付検査ヲ受クヘシ但シ前条第二項ノ規定ニ依ル許可ヲ受ケタル者ハ此ノ限ニ在ラス
移入又ハ輸入前官署公署ノ証明ヲ得タル蚕種ニ対シテハ前項ノ検査ニ代ヘ其ノ証明ニ付検査ヲ為スコトヲ得
第十九条 主務大臣又ハ地方長官ハ桑苗ノ仕立、蚕糸類ノ検査又ハ桑苗、蚕種若ハ繭ノ売買若ハ取引市場ニ関シ取締上必要ナル命令ヲ発スルコトヲ得但シ地方長官ハ主務大臣ノ認可ヲ受クルコトヲ要ス
第二十条中「台紙」ノ下ニ「又ハ容器」ヲ加フ
第二十一条 削除
第二十二条中「第十一条」ノ下ニ「及第十七条」ヲ加フ
第二十三条 削除
第二十四条中「第八条第六号、」ヲ「第九条乃至」ニ改メ「第十一条」ノ下ニ「、第十七条」ヲ加フ
第二十六条中「蚕病予防事務及地方種繭審査会」ヲ「第十一条及第十七条ノ検査其ノ他蚕病予防」ニ改ム
第二十七条 府県ハ第十一条第一項ノ検査ヲ受ケタル蚕種ニ対シテハ命令ノ定ムル所ニ依リ原蚕種ニ供用シタルコトノ証明ナキモノニ限リ検査手数料ヲ徴収スヘシ
府県ハ第十一条第三項ノ検査ヲ受ケタル蚕種ニ対シテハ命令ノ定ムル所ニ依リ検査手数料ヲ徴収スルコトヲ得
第三十五条中「蚕病予防ニ関シ蚕種又ハ生繭」ヲ「蚕病若ハ桑ノ病虫害ノ予防又ハ蚕糸類ノ検査ニ関シ蚕種、生繭、桑苗又ハ蚕糸類」ニ改メ「飼育場」ノ下ニ「、圃場」ヲ加フ
第三十六条中「第十一条」ノ下ニ「及第十七条」ヲ加フ
第三十八条中「又ハ第十七条」ヲ削リ「第十一条」ノ下ニ「又ハ第十七条」ヲ加フ
第三十九条中第二号及「、第八条又ハ第十六条第三項」ヲ削リ第三号ヲ第二号、第四号ヲ第三号トス
第四十条中「又ハ第十条」ヲ削ル
第四十一条中「第四号」ヲ「第三号」ニ改ム
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
従前ノ規定ニ依ル特別蚕種ハ之ヲ原蚕種ト看做ス