第一條 蠶絲業法第二十三條ノ規定ニ依ル種繭審査會ニ付テハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 種繭審査會ハ中央種繭審査會及地方種繭審査會トス
第三條 中央種繭審査會ハ農商務大臣ノ監督ニ屬シ原蠶種ノ選定ニ關スル事項ヲ審議シ及之ニ關スル調査ヲ行フ
地方種繭審査會ハ地方長官ノ監督ニ屬シ原蠶種ノ製造ニ供用スヘキ種繭ノ審査ヲ行ヒ及原蠶種ノ選定ニ關スル事項ヲ審議ス
第四條 中央種繭審査會ハ委員二十一人以內ヲ以テ之ヲ組織ス
地方種繭審査會ノ委員ノ定數ハ農商務大臣ノ認可ヲ得テ地方長官之ヲ定ム
第五條 委員ハ官吏公吏及蠶絲業ニ關スル學識經驗アル者ノ中ヨリ中央種繭審査會ニ在リテハ農商務大臣、地方種繭審査會ニ在リテハ地方長官之ヲ命ス
第六條 委員ノ任期ハ官吏又ハ公吏ニシテ委員タル者ヲ除クノ外三年トス
第七條 種繭審査會ニ會長及副會長ヲ置キ中央種繭審査會ニ在リテハ農商務大臣、地方種繭審査會ニ在リテハ地方長官其ノ委員ノ中ヨリ之ヲ命ス
第九條 種繭審査會ニ幹事及書記ヲ置キ中央種繭審査會ニ在リテハ農商務大臣、地方種繭審査會ニ在リテハ地方長官之ヲ命ス
第十一條 地方種繭審査會ニ於テハ審査ニ關スル事務ヲ補助セシムル爲補助員ヲ置クコトヲ得
第十二條 種繭審査會ニ於ケル原蠶種ノ選定ニ關スル會議ハ中央種繭審査會ニ在リテハ農商務大臣、地方種繭審査會ニ在リテハ地方長官ノ提出シタル議案ニ依リ之ヲ爲スヘシ
第十三條 地方種繭審査會ノ議ニ付スヘキ事項ニ付二以上ノ道府縣ニ涉リ協定ヲ爲スノ必要アルトキハ關係道府縣地方種繭審査會ハ聯合シテ開會スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ決議ヲ以テ各地方種繭審査會ノ決議ト看做ス
前項ノ聯合會議ノ會議方法ハ關係地方長官ノ協議ヲ以テ之ヲ定ム
第十四條 地方種繭審査會ニ於ケル種繭ノ審査ハ三人以上ノ委員ヲ以テ之ヲ行フ
種繭ノ審査ヲ行フ場所及期日ハ地方長官審査ノ日ヨリ少クトモ十日前ニ之ヲ吿示スヘシ
第十五條 委員ハ自己、配偶者、四親等內ノ親族、戶主又ハ家族ノ請求シタル種繭ノ審査ニ參與スルコトヲ得ス委員種繭ノ審査ヲ請求シタル者ノ法定代理人タルトキ亦同シ
第十六條 中央種繭審査會ノ會議ハ農商務大臣、地方種繭審査會ノ會議ハ地方長官之ヲ召集ス
第十七條 種繭審査會ノ會議ハ委員定數ノ二分ノ一以上出席スルニ非サレハ之ヲ開クコトヲ得ス
第十八條 種繭審査會ノ會議ノ議事ハ出席委員ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第十九條 會長ハ閉會後遲滯ナク會議ノ顚末及決議ノ要領ヲ中央種繭審査會ニ在リテハ農商務大臣ニ、地方種繭審査會ニ在リテハ地方長官ニ報吿スヘシ
地方種繭審査會ノ會長ハ種繭ノ審査成績ヲ地方長官ノ指定スル期日每ニ報吿スヘシ
第二十條 地方種繭審査會ノ決議又ハ審査其ノ權限ヲ超エ若ハ法令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ地方長官ハ其ノ決議又ハ審査ヲ取消スコトヲ得
第二十一條 地方長官ハ地方種繭審査會ノ種繭審査ニ關スル規則ヲ定メ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第二十二條 地方長官ハ地方種繭審査會ノ決議又ハ審査ノ要領及第二十條ノ規定ニ依リ決議又ハ審査ノ取消ヲ爲シタルトキハ其ノ顚末ヲ農商務大臣ニ報吿スヘシ