種繭審査会規則
法令番号: 勅令第二百七十六號
公布年月日: 明治44年11月22日
法令の形式: 勅令
朕種繭審査會規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十四年十一月二十一日
內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望
農商務大臣 男爵 牧野伸顯
勅令第二百七十六號
種繭審査會規則
第一條 蠶絲業法第二十三條ノ規定ニ依ル種繭審査會ニ付テハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二條 種繭審査會ハ中央種繭審査會及地方種繭審査會トス
第三條 中央種繭審査會ハ農商務大臣ノ監督ニ屬シ原蠶種ノ選定ニ關スル事項ヲ審議シ及之ニ關スル調査ヲ行フ
地方種繭審査會ハ地方長官ノ監督ニ屬シ原蠶種ノ製造ニ供用スヘキ種繭ノ審査ヲ行ヒ及原蠶種ノ選定ニ關スル事項ヲ審議ス
第四條 中央種繭審査會ハ委員二十一人以內ヲ以テ之ヲ組織ス
地方種繭審査會ノ委員ノ定數ハ農商務大臣ノ認可ヲ得テ地方長官之ヲ定ム
第五條 委員ハ官吏公吏及蠶絲業ニ關スル學識經驗アル者ノ中ヨリ中央種繭審査會ニ在リテハ農商務大臣、地方種繭審査會ニ在リテハ地方長官之ヲ命ス
第六條 委員ノ任期ハ官吏又ハ公吏ニシテ委員タル者ヲ除クノ外三年トス
第七條 種繭審査會ニ會長及副會長ヲ置キ中央種繭審査會ニ在リテハ農商務大臣、地方種繭審査會ニ在リテハ地方長官其ノ委員ノ中ヨリ之ヲ命ス
第八條 會長ハ會務ヲ總理シ會議ノ議長ト爲ル
副會長ハ會長ヲ輔ケ會長事故アルトキ之ヲ代理ス
第九條 種繭審査會ニ幹事及書記ヲ置キ中央種繭審査會ニ在リテハ農商務大臣、地方種繭審査會ニ在リテハ地方長官之ヲ命ス
幹事ハ一人トス官吏又ハ公吏ノ中ヨリ之ヲ命ス
第十條 幹事ハ會長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理ス
書記ハ會長及幹事ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第十一條 地方種繭審査會ニ於テハ審査ニ關スル事務ヲ補助セシムル爲補助員ヲ置クコトヲ得
補助員ハ地方長官每年之ヲ命ス
第十二條 種繭審査會ニ於ケル原蠶種ノ選定ニ關スル會議ハ中央種繭審査會ニ在リテハ農商務大臣、地方種繭審査會ニ在リテハ地方長官ノ提出シタル議案ニ依リ之ヲ爲スヘシ
第十三條 地方種繭審査會ノ議ニ付スヘキ事項ニ付二以上ノ道府縣ニ涉リ協定ヲ爲スノ必要アルトキハ關係道府縣地方種繭審査會ハ聯合シテ開會スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ決議ヲ以テ各地方種繭審査會ノ決議ト看做ス
前項ノ聯合會議ノ會議方法ハ關係地方長官ノ協議ヲ以テ之ヲ定ム
第十四條 地方種繭審査會ニ於ケル種繭ノ審査ハ三人以上ノ委員ヲ以テ之ヲ行フ
種繭ノ審査ヲ行フ場所及期日ハ地方長官審査ノ日ヨリ少クトモ十日前ニ之ヲ吿示スヘシ
第十五條 委員ハ自己、配偶者、四親等內ノ親族、戶主又ハ家族ノ請求シタル種繭ノ審査ニ參與スルコトヲ得ス委員種繭ノ審査ヲ請求シタル者ノ法定代理人タルトキ亦同シ
第十六條 中央種繭審査會ノ會議ハ農商務大臣、地方種繭審査會ノ會議ハ地方長官之ヲ召集ス
第十七條 種繭審査會ノ會議ハ委員定數ノ二分ノ一以上出席スルニ非サレハ之ヲ開クコトヲ得ス
第十八條 種繭審査會ノ會議ノ議事ハ出席委員ノ過半數ヲ以テ之ヲ決ス可否同數ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第十九條 會長ハ閉會後遲滯ナク會議ノ顚末及決議ノ要領ヲ中央種繭審査會ニ在リテハ農商務大臣ニ、地方種繭審査會ニ在リテハ地方長官ニ報吿スヘシ
地方種繭審査會ノ會長ハ種繭ノ審査成績ヲ地方長官ノ指定スル期日每ニ報吿スヘシ
第二十條 地方種繭審査會ノ決議又ハ審査其ノ權限ヲ超エ若ハ法令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ地方長官ハ其ノ決議又ハ審査ヲ取消スコトヲ得
第二十一條 地方長官ハ地方種繭審査會ノ種繭審査ニ關スル規則ヲ定メ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第二十二條 地方長官ハ地方種繭審査會ノ決議又ハ審査ノ要領及第二十條ノ規定ニ依リ決議又ハ審査ノ取消ヲ爲シタルトキハ其ノ顚末ヲ農商務大臣ニ報吿スヘシ
附 則
本令ハ蠶絲業法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
朕種繭審査会規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十四年十一月二十一日
内閣総理大臣 侯爵 西園寺公望
農商務大臣 男爵 牧野伸顕
勅令第二百七十六号
種繭審査会規則
第一条 蚕糸業法第二十三条ノ規定ニ依ル種繭審査会ニ付テハ本令ノ定ムル所ニ依ル
第二条 種繭審査会ハ中央種繭審査会及地方種繭審査会トス
第三条 中央種繭審査会ハ農商務大臣ノ監督ニ属シ原蚕種ノ選定ニ関スル事項ヲ審議シ及之ニ関スル調査ヲ行フ
地方種繭審査会ハ地方長官ノ監督ニ属シ原蚕種ノ製造ニ供用スヘキ種繭ノ審査ヲ行ヒ及原蚕種ノ選定ニ関スル事項ヲ審議ス
第四条 中央種繭審査会ハ委員二十一人以内ヲ以テ之ヲ組織ス
地方種繭審査会ノ委員ノ定数ハ農商務大臣ノ認可ヲ得テ地方長官之ヲ定ム
第五条 委員ハ官吏公吏及蚕糸業ニ関スル学識経験アル者ノ中ヨリ中央種繭審査会ニ在リテハ農商務大臣、地方種繭審査会ニ在リテハ地方長官之ヲ命ス
第六条 委員ノ任期ハ官吏又ハ公吏ニシテ委員タル者ヲ除クノ外三年トス
第七条 種繭審査会ニ会長及副会長ヲ置キ中央種繭審査会ニ在リテハ農商務大臣、地方種繭審査会ニ在リテハ地方長官其ノ委員ノ中ヨリ之ヲ命ス
第八条 会長ハ会務ヲ総理シ会議ノ議長ト為ル
副会長ハ会長ヲ輔ケ会長事故アルトキ之ヲ代理ス
第九条 種繭審査会ニ幹事及書記ヲ置キ中央種繭審査会ニ在リテハ農商務大臣、地方種繭審査会ニ在リテハ地方長官之ヲ命ス
幹事ハ一人トス官吏又ハ公吏ノ中ヨリ之ヲ命ス
第十条 幹事ハ会長ノ指揮ヲ承ケ庶務ヲ整理ス
書記ハ会長及幹事ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第十一条 地方種繭審査会ニ於テハ審査ニ関スル事務ヲ補助セシムル為補助員ヲ置クコトヲ得
補助員ハ地方長官毎年之ヲ命ス
第十二条 種繭審査会ニ於ケル原蚕種ノ選定ニ関スル会議ハ中央種繭審査会ニ在リテハ農商務大臣、地方種繭審査会ニ在リテハ地方長官ノ提出シタル議案ニ依リ之ヲ為スヘシ
第十三条 地方種繭審査会ノ議ニ付スヘキ事項ニ付二以上ノ道府県ニ渉リ協定ヲ為スノ必要アルトキハ関係道府県地方種繭審査会ハ連合シテ開会スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ其ノ決議ヲ以テ各地方種繭審査会ノ決議ト看做ス
前項ノ連合会議ノ会議方法ハ関係地方長官ノ協議ヲ以テ之ヲ定ム
第十四条 地方種繭審査会ニ於ケル種繭ノ審査ハ三人以上ノ委員ヲ以テ之ヲ行フ
種繭ノ審査ヲ行フ場所及期日ハ地方長官審査ノ日ヨリ少クトモ十日前ニ之ヲ告示スヘシ
第十五条 委員ハ自己、配偶者、四親等内ノ親族、戸主又ハ家族ノ請求シタル種繭ノ審査ニ参与スルコトヲ得ス委員種繭ノ審査ヲ請求シタル者ノ法定代理人タルトキ亦同シ
第十六条 中央種繭審査会ノ会議ハ農商務大臣、地方種繭審査会ノ会議ハ地方長官之ヲ召集ス
第十七条 種繭審査会ノ会議ハ委員定数ノ二分ノ一以上出席スルニ非サレハ之ヲ開クコトヲ得ス
第十八条 種繭審査会ノ会議ノ議事ハ出席委員ノ過半数ヲ以テ之ヲ決ス可否同数ナルトキハ議長ノ決スル所ニ依ル
第十九条 会長ハ閉会後遅滞ナク会議ノ顛末及決議ノ要領ヲ中央種繭審査会ニ在リテハ農商務大臣ニ、地方種繭審査会ニ在リテハ地方長官ニ報告スヘシ
地方種繭審査会ノ会長ハ種繭ノ審査成績ヲ地方長官ノ指定スル期日毎ニ報告スヘシ
第二十条 地方種繭審査会ノ決議又ハ審査其ノ権限ヲ超エ若ハ法令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ地方長官ハ其ノ決議又ハ審査ヲ取消スコトヲ得
第二十一条 地方長官ハ地方種繭審査会ノ種繭審査ニ関スル規則ヲ定メ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第二十二条 地方長官ハ地方種繭審査会ノ決議又ハ審査ノ要領及第二十条ノ規定ニ依リ決議又ハ審査ノ取消ヲ為シタルトキハ其ノ顛末ヲ農商務大臣ニ報告スヘシ
附 則
本令ハ蚕糸業法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス