第一條 植物ヲ輸入移入輪出又ハ移出スル者ハ其ノ植物及其ノ容器包裝ニ使用シタル物ニ付植物檢査官吏ノ檢査ヲ受クルコトヲ要ス
前項ノ檢査ハ取締止必要ナシト認ムル場合ニ於テハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ省略スルコトヲ得
第一項ノ規定ニ違反シテ輸入又ハ移入シタル物ハ之ヲ收受スルコトヲ得ス
第一項ノ規定ニ依リ檢査ヲ受クヘキ植物ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二條 植物檢査官吏ハ前條ノ檢査ヲ爲ス場合ニ於テ病菌又ハ害蟲ノ附著セル虞アリト認ムルトキハ前條ニ揭ケサル物ニ付テモ檢査ヲ爲スコトヲ得
第三條 病菌又ハ害蟲ハ主務大臣ノ許可ヲ得且植物檢査官吏ノ檢査ヲ受クルニ非サレハ之ヲ輸入又ハ移入スルコトヲ得ス
第四條 檢査ハ勅令ヲ以テ指定スル海港ニ於テ之ヲ行フ
第五條 植物檢査官吏ハ檢査ノ結果病菌又ハ害蟲附著スト認メタル植物其ノ他ノ物ヲ消毒又ハ燒棄シ、其ノ輸入移入輪出又ハ移出ヲ禁止シ其ノ他必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得但シ當事者ニ於テ病菌又ハ害蟲傳播ノ虞ナキ方法ニ依リ處置セムコトヲ請フトキハ之ヲ許可スルコトヲ得
第六條 植物檢査官吏ハ本法ノ檢査ヲ受クヘキ植物其ノ他ノ物ヲ積載シ又ハ積載セル疑アル船舶ニ臨檢スルコトヲ得
植物檢査官吏ハ檢査ノ爲必要アリト認ムルトキハ前項ノ物ノ陸揚又ハ轉載ヲ停止スルコトヲ得
第七條 主務大臣ハ病菌又ハ害蟲ノ傳播ヲ防止スル爲必要アリト認ムルトキハ命令ヲ以テ特定ノ地ヨリ發送シ又ハ之ヲ經由シタル植物又ハ病菌若ハ害蟲ノ附著セル虞アル物ノ輸入移入又ハ收受ヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得
第八條 植物檢査官吏、稅關官吏又ハ警察官吏本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違反スル者アリト認ムルトキハ臨檢尋問搜索若ハ差押ヲ爲シ又ハ其ノ違反ニ係ル物ヲ消毒若ハ燒棄シ其ノ他必要ナル處分ヲ爲スコトヲ得
臨檢尋問搜索又ハ差押ニ關シテハ間接國稅犯則者處分法ヲ準用ス
第一項ノ場合ニ於テ病菌又ハ害蟲傳播ノ虞ナキ方法ニ依リ處置セラレタル物ニ付テハ第一條第三項ノ規定ヲ適用セス
第九條 第五條及前條第一項ノ處分ニ必要ナル費用ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ當事者ヲシテ其ノ一部ヲ負擔セシムルコトヲ得
第十條 本法ニ於テ病菌又ハ害蟲ト稱スルハ植物ヲ害スル菌類又ハ蟲類ヲ謂フ
病菌又ハ害蟲ニ非サル動植物ト雖主務大臣ニ於テ植物ヲ害シ又ハ害スル虞アリト認ムルモノハ本法ノ適用ニ付テハ之ヲ病菌又ハ害蟲ト看做ス
第十一條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス
三 第五條但書ノ場合ニ於テ許可ノ條件ニ違反シタル者
四 第六條ノ停止又ハ第七條ノ禁止若ハ制限ニ違反シタル者
第十二條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス
二 許可又ハ檢査ヲ受ケスシテ病菌又ハ害蟲ヲ輸入又ハ移入シタル者
第十三條 本法ニ依ル職務ノ執行ヲ拒ミ、之ヲ妨ケ若ハ忌避シタル者又ハ臨檢搜索ノ爲ニスル尋問ニ對シ答辯ヲ爲サス若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者ハ三百圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
第十四條 輸入者移入者輸出者移出者又ハ收受者未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ適用スヘキ罰則ハ其ノ業務ニ關スル行爲ニ付テハ之ヲ法定代理人ニ適用ス但シ其ノ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第十五條 輸入者移入者輸出者移出者收受者又ハ船長ハ其ノ代理人戶主家族同居者雇人其ノ他ノ從業者ニシテ其ノ業務ニ關シ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出テサルノ故ヲ以テ處罰ヲ免カルルコトヲ得ス
第十六條 明治三十三年法律第五十二號ハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依ル犯罪ニ之ヲ準用ス