樺太酒類出港税法
法令番号: 法律第一號
公布年月日: 大正元年8月12日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル樺太酒類出港稅法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正元年八月十日
內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望
大藏大臣 山本達雄
法律第一號
樺太酒類出港稅法
第一條 本法ニ於テ酒類ト稱スルハ燒酎、酒精及酒精含有飮料ヲ謂フ
前項ニ於テ燒酎ト稱スルハ酒造稅法ニ於ケル燒酎ヲ謂ヒ酒精及酒精含有飮料ト稱スルハ酒精及酒精含有飮料稅法ニ於テ同法ヲ適用スルモノヲ謂フ
第二條 樺太ニ於テ製造シタル酒類ヲ帝國內ノ他ノ地方ヘ移出スルトキハ燒酎ニ付テハ酒造稅法、酒精又ハ酒精含有飮料ニ付テハ酒精及酒精含有飮料稅法ノ造石稅ト同一ノ稅率ニ依リ出港稅ヲ課ス
第三條 酒類ハ命令ヲ以テ指定シタル港ニ由ルニ非サレハ移出スルコトヲ得ス
第四條 酒類ヲ移出セムトスル者出港稅ヲ納付シタルトキハ領收證及船積免狀ヲ交付ス
第五條 船長ハ船積免狀ニ照シ酒類ヲ船積シ出港前其ノ積取石數ヲ收稅官吏ニ屆出ツヘシ
第六條 收稅官吏又ハ警察官吏ハ必要ト認ムルトキハ何時ニテモ出港船舶ニ臨檢スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ收稅官吏ハ其ノ身分ヲ證明スヘキ證票ヲ携帶スヘシ
第七條 出港稅ヲ納付セスシテ酒類ヲ船積シ又ハ移出シタル者ハ其ノ出港稅ノ五倍ニ相當スル罰金ニ處ス但シ五十圓ヲ下ルコトヲ得ス
前項ノ酒類及其ノ容器ハ之ヲ沒收ス旣ニ處分シタルトキハ其ノ價格ニ相當スル金額ヲ追徵ス
第八條 第五條ノ屆出ヲ爲サス又ハ虛僞ノ屆出ヲ爲シタル者ハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
第九條 收稅官吏又ハ警察官吏ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、之ヲ妨ケ若ハ忌避シ又ハ當該官吏ノ尋問ニ對シ答辯ヲ爲サス若ハ虛僞ノ陳述ヲ爲シタル者ハ三十圓以下ノ罰金又ハ科料ニ處ス
第十條 酒類ノ製造、販賣又ハ移出ヲ業トスル者ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ニシテ其ノ業務ニ關シ第七條又ハ第九條ノ規定ニ違反シタルトキハ酒類ノ製造、販賣又ハ移出ヲ業トスル者ヲ處罰ス
第十一條 前條ノ場合ニ於テ酒類ノ製造、販賣又ハ移出ヲ業トスル者未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ其ノ法定代理人ヲ處罰ス但シ業務ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第十二條 本法ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八條第三項但書、第三十九條第二項、第四十條、第四十一條、第四十八條第二項、第六十三條及第六十六條ノ例ヲ用井ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル樺太酒類出港税法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
大正元年八月十日
内閣総理大臣 侯爵 西園寺公望
大蔵大臣 山本達雄
法律第一号
樺太酒類出港税法
第一条 本法ニ於テ酒類ト称スルハ焼酎、酒精及酒精含有飲料ヲ謂フ
前項ニ於テ焼酎ト称スルハ酒造税法ニ於ケル焼酎ヲ謂ヒ酒精及酒精含有飲料ト称スルハ酒精及酒精含有飲料税法ニ於テ同法ヲ適用スルモノヲ謂フ
第二条 樺太ニ於テ製造シタル酒類ヲ帝国内ノ他ノ地方ヘ移出スルトキハ焼酎ニ付テハ酒造税法、酒精又ハ酒精含有飲料ニ付テハ酒精及酒精含有飲料税法ノ造石税ト同一ノ税率ニ依リ出港税ヲ課ス
第三条 酒類ハ命令ヲ以テ指定シタル港ニ由ルニ非サレハ移出スルコトヲ得ス
第四条 酒類ヲ移出セムトスル者出港税ヲ納付シタルトキハ領収証及船積免状ヲ交付ス
第五条 船長ハ船積免状ニ照シ酒類ヲ船積シ出港前其ノ積取石数ヲ収税官吏ニ届出ツヘシ
第六条 収税官吏又ハ警察官吏ハ必要ト認ムルトキハ何時ニテモ出港船舶ニ臨検スルコトヲ得
前項ノ場合ニ於テハ収税官吏ハ其ノ身分ヲ証明スヘキ証票ヲ携帯スヘシ
第七条 出港税ヲ納付セスシテ酒類ヲ船積シ又ハ移出シタル者ハ其ノ出港税ノ五倍ニ相当スル罰金ニ処ス但シ五十円ヲ下ルコトヲ得ス
前項ノ酒類及其ノ容器ハ之ヲ没収ス既ニ処分シタルトキハ其ノ価格ニ相当スル金額ヲ追徴ス
第八条 第五条ノ届出ヲ為サス又ハ虚偽ノ届出ヲ為シタル者ハ百円以下ノ罰金ニ処ス
第九条 収税官吏又ハ警察官吏ノ職務ノ執行ヲ拒ミ、之ヲ妨ケ若ハ忌避シ又ハ当該官吏ノ尋問ニ対シ答弁ヲ為サス若ハ虚偽ノ陳述ヲ為シタル者ハ三十円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス
第十条 酒類ノ製造、販売又ハ移出ヲ業トスル者ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ニシテ其ノ業務ニ関シ第七条又ハ第九条ノ規定ニ違反シタルトキハ酒類ノ製造、販売又ハ移出ヲ業トスル者ヲ処罰ス
第十一条 前条ノ場合ニ於テ酒類ノ製造、販売又ハ移出ヲ業トスル者未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ヲ処罰ス但シ業務ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第十二条 本法ヲ犯シタル者ニハ刑法第三十八条第三項但書、第三十九条第二項、第四十条、第四十一条、第四十八条第二項、第六十三条及第六十六条ノ例ヲ用井ス
附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム