海軍軍医学校条例
法令番号: 勅令第百二十二號
公布年月日: 明治44年4月22日
法令の形式: 勅令
朕海軍軍醫學校條例改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十四年四月二十一日
內閣總理大臣 侯爵 桂太郞
海軍大臣 男爵 齋藤實
勅令第百二十二號
海軍軍醫學校條例
第一條 海軍軍醫學校ハ海軍軍醫官、海軍藥劑官、海軍少軍醫候補生及海軍少藥劑師候補生ニ必要ナル學術ヲ敎授シ兼テ職務ヲ練習セシムル所トス
海軍軍醫學校ニ於テハ前項ノ外海軍ニ必要ナル醫學ヲ硏究シ諸般ノ衞生試驗ヲ行ヒ及必要ナル場合ニ於テハ防疫ニ關スル事務ヲ幇助ス
第二條 海軍軍醫學校ノ敎育綱領ハ海軍大臣ノ認可ヲ經テ海軍省醫務局長之ヲ定ム
第三條 海軍軍醫學校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
敎頭
敎官
監事
主計長
第四條 校長ハ海軍省醫務局長ニ隷シ校務ヲ總理ス
校長事故アルトキハ部下首席軍醫官其ノ職務ヲ代理ス
第五條 敎頭ハ校長ノ命ヲ承ケ敎務ヲ監理ス
第六條 敎官ハ校長ノ命ヲ承ケ敎授ヲ擔任ス
第七條 監事ハ校長ノ命ヲ承ケ學生ヲ監督シ紀律ヲ維持ス
校長ハ監事ノ中一人ヲシテ庶務ヲ兼掌セシムルコトヲ得
第八條 主計長ハ校長ノ命ヲ承ケ會計及給與ニ關スル事務ヲ掌ル
第九條 海軍軍醫學校ニハ第三條ニ揭クル職員ノ外海軍兵曹長、同相當官又ハ准士官及判任文官ヲ置キ各上官ノ命ヲ承ケ服務セシム
第十條 海軍軍醫學校ニ於テ修習スル海軍軍醫官、海軍藥劑官、海軍少軍醫候補生及海軍少藥劑士候補生ヲ海軍軍醫學校學生ト稱ス
第十一條 海軍軍醫學校學生ハ之ヲ左ノ三種ニ區別ス
甲種學生
乙種學生
硏究科學生
第十二條 甲種學生ニハ樞要ノ職員タル素養ヲ與フル爲必要ナル高等ノ學術ヲ敎授ス
第十三條 乙種學生ニハ軍陣醫學其ノ他初級海軍軍醫官及海軍藥劑官ニ必要ナル學科ヲ敎授シ兼テ職務ヲ練習セシム
第十四條 硏究科學生ニハ各自ノ選擇スル學術又ハ命セラレタル學術ヲ硏究セシム
第十五條 甲種學生ハ海軍軍醫中ヨリ海軍大臣之ヲ命ス
第十六條 乙種學生ハ新ニ採用シタル海軍軍醫、海軍藥劑士、海軍少軍醫候補生及海軍少藥劑士候補生ニ海軍大臣之ヲ命ス
第十七條 硏究科學生ハ甲種學生敎程ヲ卒業シタル海軍軍醫官又ハ實役停年三年以上ヲ經タル海軍藥劑官中ノ志願者ニ就キ海軍大臣之ヲ命ス
海軍大臣必要ト認ムルトキハ前項ノ規定ニ拘ラス硏究科學生ヲ命スルコトヲ得
第十八條 甲種學生又ハ乙種學生卒業シタルトキハ之ニ卒業證書ヲ授與ス
第十九條 校長ハ學生中不適合ト認ムル者アルトキハ海軍省醫務局長ニ禀申シ海軍省醫務局長至當ト認メタルトキハ之ヲ海軍大臣ニ具申シ海軍大臣ハ之ニ退學ヲ命スルコトヲ得
第二十條 甲種學生在學中上級ノ官等ニ進級シタル場合ニ於テハ卒業迄在學セシムルコトヲ得
第二十一條 海軍大臣ハ戰時又ハ事變ニ際シ必要ト認ムルトキハ海軍軍醫學校學生ヲ免スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ學生ヲ免セラレタル者ニ對シテハ本令ノ規定ニ拘ラス海軍大臣ハ再ヒ學生ヲ命スルコトヲ得
第二十二條 海軍大臣ハ海軍軍醫學校ニ臨時講習科ヲ設ケ本職アル海軍軍醫官又ハ海軍藥劑官ヲ召集シ所要ノ講習ヲ爲サシムルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行ノ際現ニ海軍軍醫學校ニ在學スル軍醫學生ハ之ヲ甲種學生トシ練習學生ハ之ヲ乙種學生トシ選科學生ハ之ヲ硏究科學生トス
本令施行前海軍軍醫學校ヲ卒業シタル軍醫學生ハ之ヲ甲種學生ト看做ス
朕海軍軍医学校条例改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十四年四月二十一日
内閣総理大臣 侯爵 桂太郎
海軍大臣 男爵 斎藤実
勅令第百二十二号
海軍軍医学校条例
第一条 海軍軍医学校ハ海軍軍医官、海軍薬剤官、海軍少軍医候補生及海軍少薬剤師候補生ニ必要ナル学術ヲ教授シ兼テ職務ヲ練習セシムル所トス
海軍軍医学校ニ於テハ前項ノ外海軍ニ必要ナル医学ヲ研究シ諸般ノ衛生試験ヲ行ヒ及必要ナル場合ニ於テハ防疫ニ関スル事務ヲ幇助ス
第二条 海軍軍医学校ノ教育綱領ハ海軍大臣ノ認可ヲ経テ海軍省医務局長之ヲ定ム
第三条 海軍軍医学校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長
教頭
教官
監事
主計長
第四条 校長ハ海軍省医務局長ニ隷シ校務ヲ総理ス
校長事故アルトキハ部下首席軍医官其ノ職務ヲ代理ス
第五条 教頭ハ校長ノ命ヲ承ケ教務ヲ監理ス
第六条 教官ハ校長ノ命ヲ承ケ教授ヲ担任ス
第七条 監事ハ校長ノ命ヲ承ケ学生ヲ監督シ紀律ヲ維持ス
校長ハ監事ノ中一人ヲシテ庶務ヲ兼掌セシムルコトヲ得
第八条 主計長ハ校長ノ命ヲ承ケ会計及給与ニ関スル事務ヲ掌ル
第九条 海軍軍医学校ニハ第三条ニ掲クル職員ノ外海軍兵曹長、同相当官又ハ准士官及判任文官ヲ置キ各上官ノ命ヲ承ケ服務セシム
第十条 海軍軍医学校ニ於テ修習スル海軍軍医官、海軍薬剤官、海軍少軍医候補生及海軍少薬剤士候補生ヲ海軍軍医学校学生ト称ス
第十一条 海軍軍医学校学生ハ之ヲ左ノ三種ニ区別ス
甲種学生
乙種学生
研究科学生
第十二条 甲種学生ニハ枢要ノ職員タル素養ヲ与フル為必要ナル高等ノ学術ヲ教授ス
第十三条 乙種学生ニハ軍陣医学其ノ他初級海軍軍医官及海軍薬剤官ニ必要ナル学科ヲ教授シ兼テ職務ヲ練習セシム
第十四条 研究科学生ニハ各自ノ選択スル学術又ハ命セラレタル学術ヲ研究セシム
第十五条 甲種学生ハ海軍軍医中ヨリ海軍大臣之ヲ命ス
第十六条 乙種学生ハ新ニ採用シタル海軍軍医、海軍薬剤士、海軍少軍医候補生及海軍少薬剤士候補生ニ海軍大臣之ヲ命ス
第十七条 研究科学生ハ甲種学生教程ヲ卒業シタル海軍軍医官又ハ実役停年三年以上ヲ経タル海軍薬剤官中ノ志願者ニ就キ海軍大臣之ヲ命ス
海軍大臣必要ト認ムルトキハ前項ノ規定ニ拘ラス研究科学生ヲ命スルコトヲ得
第十八条 甲種学生又ハ乙種学生卒業シタルトキハ之ニ卒業証書ヲ授与ス
第十九条 校長ハ学生中不適合ト認ムル者アルトキハ海軍省医務局長ニ禀申シ海軍省医務局長至当ト認メタルトキハ之ヲ海軍大臣ニ具申シ海軍大臣ハ之ニ退学ヲ命スルコトヲ得
第二十条 甲種学生在学中上級ノ官等ニ進級シタル場合ニ於テハ卒業迄在学セシムルコトヲ得
第二十一条 海軍大臣ハ戦時又ハ事変ニ際シ必要ト認ムルトキハ海軍軍医学校学生ヲ免スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ学生ヲ免セラレタル者ニ対シテハ本令ノ規定ニ拘ラス海軍大臣ハ再ヒ学生ヲ命スルコトヲ得
第二十二条 海軍大臣ハ海軍軍医学校ニ臨時講習科ヲ設ケ本職アル海軍軍医官又ハ海軍薬剤官ヲ召集シ所要ノ講習ヲ為サシムルコトヲ得
附 則
本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本令施行ノ際現ニ海軍軍医学校ニ在学スル軍医学生ハ之ヲ甲種学生トシ練習学生ハ之ヲ乙種学生トシ選科学生ハ之ヲ研究科学生トス
本令施行前海軍軍医学校ヲ卒業シタル軍医学生ハ之ヲ甲種学生ト看做ス