(売薬税法中改正法律)
法令番号: 法律第八號
公布年月日: 明治43年3月25日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル賣藥稅法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年三月二十四日
內閣總理大臣兼大藏大臣 侯爵 桂太郞
法律第八號
賣藥稅法中左ノ通改正ス
第一條 本法ニ於テ賣藥營業者ト稱スルハ賣藥規則ニ依ル賣藥營業者ヲ謂フ
第一條ノ二 賣藥營業者ニハ藥劑一方每ニ一年間製造高ノ定價總額ニ應シ每年左ノ賣藥營業稅ヲ課ス
定價總額三百圓未滿ノモノ 金三圓
定價總額五百圓未滿ノモノ 金五圓
定價總額千圓未滿ノモノ 金七圓
定價總額二千圓未滿ノモノ 金九圓
定價總額三千圓未滿ノモノ 金十二圓
定價總額五千圓未滿ノモノ 金十七圓
定價總額一萬圓未滿ノモノ 金二十二圓
定價總額二萬圓未滿ノモノ 金三十二圓
定價總額三萬圓未滿ノモノ 金四十二圓
定價總額五萬圓未滿ノモノ 金五十七圓
定價總額七萬圓未滿ノモノ 金七十二圓
定價總額十萬圓未滿ノモノ 金八十七圓
定價總額十萬圓以上ノモノ 金百二圓
前項ノ定價總額ハ前年中ノ總額ニ依ル但シ前年又ハ其ノ年免許ヲ受ケタル者ニ付テハ其ノ年製造高ノ豫算定價額ニ依ル
外國ニ輸出スル賣藥ニ付テハ外國ニ輸出セサル賣藥ニ準シ定メタル價格ヲ以テ定價ト看做ス
第一條ノ三 賣藥營業者二箇所以上ニ於テ營業スルトキハ營業場每ニ前條ノ賣藥營業稅ヲ納ムヘシ
第一條ノ四 賣藥營業者ハ每年一月十五日迄ニ課稅標準額ヲ所轄收稅官廳ニ申吿スヘシ但シ其ノ年免許ヲ受ケタル者ハ免許ヲ受ケタル日ヨリ二十日以內ニ申吿スヘシ
第一條ノ五 賣藥營業稅ハ年額ヲ二分シ一月及七月之ヲ徵收ス但シ納期限ヲ經過シテ免許ヲ受ケタル場合ニ於テハ當該納期ニ納ムヘキ稅金ハ卽納トス
賣藥營業者六月以前ニ廢業シ又ハ賣藥ノ發賣ヲ禁止セラレタルトキハ七月ニ納ムヘキ稅金ハ之ヲ免除ス
第二條 賣藥ニハ定價一割ノ賣藥印紙稅ヲ課ス
定價一錢未滿ナルトキ又ハ一錢未滿ノ端數アルトキハ一錢未滿ノ金額ハ總テ之ヲ一錢トシテ賣藥印紙稅ヲ計算ス
賣藥印紙稅ハ印紙ヲ貼用シテ納ムルモノトス
第三條、第五條及第十條中「賣藥稅」ヲ「賣藥印紙稅」ニ改ム
第十二條第一項中「脫稅高二十倍ノ罰金」ヲ「脫稅高二十倍ノ罰金又ハ科料」ニ、「五圓ノ罰金」ヲ「五圓ノ科料」ニ、第二項中「罰金」ヲ「罰金又ハ科料」ニ改ム
第十三條乃至第十五條中「罰金」ヲ「罰金又ハ科料」ニ改ム
第十三條ノ二 第一條ノ四ノ申吿ヲ爲サス又ハ虛僞ノ申吿ヲ爲シタル者ハ一圓以上ノ科料ニ處ス因リテ賣藥營業稅ヲ逋脫シタル者ハ脫稅金額三倍ニ相當スル罰金又ハ科料ニ處ス
第二十條 本法ニ依リ賣藥營業稅ヲ課セラレタル者ニハ營業稅ヲ課セス
附 則
本法ハ明治四十四年一月一日ヨリ之ヲ施行ス
賣藥規則中及非常特別稅法中賣藥營業稅ニ關スル規定ハ之ヲ廢止ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル売薬税法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十三年三月二十四日
内閣総理大臣兼大蔵大臣 侯爵 桂太郎
法律第八号
売薬税法中左ノ通改正ス
第一条 本法ニ於テ売薬営業者ト称スルハ売薬規則ニ依ル売薬営業者ヲ謂フ
第一条ノ二 売薬営業者ニハ薬剤一方毎ニ一年間製造高ノ定価総額ニ応シ毎年左ノ売薬営業税ヲ課ス
定価総額三百円未満ノモノ 金三円
定価総額五百円未満ノモノ 金五円
定価総額千円未満ノモノ 金七円
定価総額二千円未満ノモノ 金九円
定価総額三千円未満ノモノ 金十二円
定価総額五千円未満ノモノ 金十七円
定価総額一万円未満ノモノ 金二十二円
定価総額二万円未満ノモノ 金三十二円
定価総額三万円未満ノモノ 金四十二円
定価総額五万円未満ノモノ 金五十七円
定価総額七万円未満ノモノ 金七十二円
定価総額十万円未満ノモノ 金八十七円
定価総額十万円以上ノモノ 金百二円
前項ノ定価総額ハ前年中ノ総額ニ依ル但シ前年又ハ其ノ年免許ヲ受ケタル者ニ付テハ其ノ年製造高ノ予算定価額ニ依ル
外国ニ輸出スル売薬ニ付テハ外国ニ輸出セサル売薬ニ準シ定メタル価格ヲ以テ定価ト看做ス
第一条ノ三 売薬営業者二箇所以上ニ於テ営業スルトキハ営業場毎ニ前条ノ売薬営業税ヲ納ムヘシ
第一条ノ四 売薬営業者ハ毎年一月十五日迄ニ課税標準額ヲ所轄収税官庁ニ申告スヘシ但シ其ノ年免許ヲ受ケタル者ハ免許ヲ受ケタル日ヨリ二十日以内ニ申告スヘシ
第一条ノ五 売薬営業税ハ年額ヲ二分シ一月及七月之ヲ徴収ス但シ納期限ヲ経過シテ免許ヲ受ケタル場合ニ於テハ当該納期ニ納ムヘキ税金ハ即納トス
売薬営業者六月以前ニ廃業シ又ハ売薬ノ発売ヲ禁止セラレタルトキハ七月ニ納ムヘキ税金ハ之ヲ免除ス
第二条 売薬ニハ定価一割ノ売薬印紙税ヲ課ス
定価一銭未満ナルトキ又ハ一銭未満ノ端数アルトキハ一銭未満ノ金額ハ総テ之ヲ一銭トシテ売薬印紙税ヲ計算ス
売薬印紙税ハ印紙ヲ貼用シテ納ムルモノトス
第三条、第五条及第十条中「売薬税」ヲ「売薬印紙税」ニ改ム
第十二条第一項中「脱税高二十倍ノ罰金」ヲ「脱税高二十倍ノ罰金又ハ科料」ニ、「五円ノ罰金」ヲ「五円ノ科料」ニ、第二項中「罰金」ヲ「罰金又ハ科料」ニ改ム
第十三条乃至第十五条中「罰金」ヲ「罰金又ハ科料」ニ改ム
第十三条ノ二 第一条ノ四ノ申告ヲ為サス又ハ虚偽ノ申告ヲ為シタル者ハ一円以上ノ科料ニ処ス因リテ売薬営業税ヲ逋脱シタル者ハ脱税金額三倍ニ相当スル罰金又ハ科料ニ処ス
第二十条 本法ニ依リ売薬営業税ヲ課セラレタル者ニハ営業税ヲ課セス
附 則
本法ハ明治四十四年一月一日ヨリ之ヲ施行ス
売薬規則中及非常特別税法中売薬営業税ニ関スル規定ハ之ヲ廃止ス