(酒精及酒精含有飲料税法中改正法律)
法令番号: 法律第十九號
公布年月日: 明治41年3月16日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル酒精及酒精含有飮料稅法中改正法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十一年三月十六日
內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望
大藏大臣 松田正久
法律第十九號
酒精及酒精含有飮料稅法中左ノ通改正ス
第二條中「金七十五錢」ヲ「金一圓」ニ、「金十六圓」ヲ「金二十一圓」ニ改ム
第五條ノ二 政府ハ其ノ年三月ヨリ翌年二月迄ノ一年度間ノ製造石數酒精ニ在リテハ五十石酒精ヲ含有スル飮料ニ在リテハ十石以上ニ非サレハ製造ノ免許ヲ與ヘス
酒精又ハ酒精ヲ含有スル飮料製造ノ免許ヲ受ケタル者前項ノ制限石數以上ノ製造ヲ爲ササリシトキハ變災其ノ他已ムヲ得サル事故ニ因ルコトヲ證明スルニ非サレハ制限石數ニ相當スル造石稅ヲ課ス但シ其ノ製造セサリシ石數ニ對スル造石稅ハ一石金二十一圓ノ割合ニ依ル
第六條中「製造ヲ廢止」ヲ「免許ヲ取消」ニ改メ左ノ一項ヲ加フ
前條第二項ニ依ル造石稅ハ翌年三月末日迄ニ之ヲ納ムヘシ但シ免許取消ノ場合ニ於テハ取消後三十日以內トス
第七條 第二十三條ノ二ニ依リ酒精又ハ酒精ヲ含有スル飮料製造ノ免許ヲ取消シタル場合及國稅徵收法第四條ノ一ニ依リ造石稅ヲ徵收スル場合ニ於テハ納稅ノ擔保トシテ酒精又ハ酒精ヲ含有スル飮料ヲ差押フルコトヲ得
第十五條中「罰金ニ處ス但シ五十圓ヲ下ルコトヲ得ス」ヲ「罰金ニ處シ仍其ノ製造ニ係ル酒精又ハ酒精ヲ含有スル飮料及其ノ容器、器具、器械ヲ沒收ス但シ罰金ハ三十圓ヲ下ルコトヲ得ス」ニ改ム
第二十三條ノ二 第十六條乃至第十八條ニ依リ處罰又ハ處分セラレタル者ニ對シテハ政府ハ酒精又ハ酒精ヲ含有スル飮料製造ノ免許ヲ取消スコトヲ得
前項ニ依リ免許ヲ取消シタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ一定ノ期間內製成其ノ他必要ノ行爲ヲ繼續セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ本法ノ規定ヲ適用ス
第二十四條中「飮料ノ製造ヲ廢止シ」ヲ「飮料製造ノ免許ヲ取消サレ」ニ改ム
第二十四條ノ三 本法ヲ施行セサル地ニ於テ製造シタル酒精又ハ酒精ヲ含有スル飮料ハ本法ト同一ノ稅率ヲ有スル法規ヲ其ノ地ニ於テ施行スル迄ハ本法施行地ニ移入スルコトヲ得ス犯ス者ハ其ノ石數ニ應シ第二條ノ稅率ニ從テ算出シタル稅額五倍ニ相當スル罰金ニ處ス但シ五十圓ヲ下ルコトヲ得ス
前項ノ酒精又ハ酒精ヲ含有スル飮料及其ノ容器ハ何人ノ所有ニ屬スルヲ問ハス之ヲ沒收ス
第二十七條ヲ削ル
附 則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行前酒精又ハ酒精ヲ含有スル飮料製造ノ免許ヲ受ケタル者ニハ明治四十五年二月末日迄ハ第五條ノ二第二項ノ規定ヲ適用セス
非常特別稅法中酒精又ハ酒精含有飮料ニ關スル規定ハ之ヲ廢止ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル酒精及酒精含有飲料税法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十一年三月十六日
内閣総理大臣 侯爵 西園寺公望
大蔵大臣 松田正久
法律第十九号
酒精及酒精含有飲料税法中左ノ通改正ス
第二条中「金七十五銭」ヲ「金一円」ニ、「金十六円」ヲ「金二十一円」ニ改ム
第五条ノ二 政府ハ其ノ年三月ヨリ翌年二月迄ノ一年度間ノ製造石数酒精ニ在リテハ五十石酒精ヲ含有スル飲料ニ在リテハ十石以上ニ非サレハ製造ノ免許ヲ与ヘス
酒精又ハ酒精ヲ含有スル飲料製造ノ免許ヲ受ケタル者前項ノ制限石数以上ノ製造ヲ為ササリシトキハ変災其ノ他已ムヲ得サル事故ニ因ルコトヲ証明スルニ非サレハ制限石数ニ相当スル造石税ヲ課ス但シ其ノ製造セサリシ石数ニ対スル造石税ハ一石金二十一円ノ割合ニ依ル
第六条中「製造ヲ廃止」ヲ「免許ヲ取消」ニ改メ左ノ一項ヲ加フ
前条第二項ニ依ル造石税ハ翌年三月末日迄ニ之ヲ納ムヘシ但シ免許取消ノ場合ニ於テハ取消後三十日以内トス
第七条 第二十三条ノ二ニ依リ酒精又ハ酒精ヲ含有スル飲料製造ノ免許ヲ取消シタル場合及国税徴収法第四条ノ一ニ依リ造石税ヲ徴収スル場合ニ於テハ納税ノ担保トシテ酒精又ハ酒精ヲ含有スル飲料ヲ差押フルコトヲ得
第十五条中「罰金ニ処ス但シ五十円ヲ下ルコトヲ得ス」ヲ「罰金ニ処シ仍其ノ製造ニ係ル酒精又ハ酒精ヲ含有スル飲料及其ノ容器、器具、器械ヲ没収ス但シ罰金ハ三十円ヲ下ルコトヲ得ス」ニ改ム
第二十三条ノ二 第十六条乃至第十八条ニ依リ処罰又ハ処分セラレタル者ニ対シテハ政府ハ酒精又ハ酒精ヲ含有スル飲料製造ノ免許ヲ取消スコトヲ得
前項ニ依リ免許ヲ取消シタル場合ニ於テ必要アリト認ムルトキハ命令ノ定ムル所ニ依リ一定ノ期間内製成其ノ他必要ノ行為ヲ継続セシムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ本法ノ規定ヲ適用ス
第二十四条中「飲料ノ製造ヲ廃止シ」ヲ「飲料製造ノ免許ヲ取消サレ」ニ改ム
第二十四条ノ三 本法ヲ施行セサル地ニ於テ製造シタル酒精又ハ酒精ヲ含有スル飲料ハ本法ト同一ノ税率ヲ有スル法規ヲ其ノ地ニ於テ施行スル迄ハ本法施行地ニ移入スルコトヲ得ス犯ス者ハ其ノ石数ニ応シ第二条ノ税率ニ従テ算出シタル税額五倍ニ相当スル罰金ニ処ス但シ五十円ヲ下ルコトヲ得ス
前項ノ酒精又ハ酒精ヲ含有スル飲料及其ノ容器ハ何人ノ所有ニ属スルヲ問ハス之ヲ没収ス
第二十七条ヲ削ル
附 則
本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス
本法施行前酒精又ハ酒精ヲ含有スル飲料製造ノ免許ヲ受ケタル者ニハ明治四十五年二月末日迄ハ第五条ノ二第二項ノ規定ヲ適用セス
非常特別税法中酒精又ハ酒精含有飲料ニ関スル規定ハ之ヲ廃止ス