(陸軍召集条例中改正、戦時又ハ事変ノ際ニ於ケル臨時召集ニ関スル件廃止ノ件)
法令番号: 勅令第三百十四號
公布年月日: 明治40年9月30日
法令の形式: 勅令
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ陸軍召集條例中改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十年九月三十日
內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望
陸軍大臣 子爵 寺內正毅
勅令第三百十四號
陸軍召集條例中左ノ通改正ス
第一條中「簡閱㸃呼ハ」ノ下ニ「特別ノ規定アルモノヲ除クノ外」ヲ加フ
第二條中「補充」ヲ「臨時」ニ改ム
第五條中「在鄕軍人」ノ下ニ「及國民兵」ヲ加ヘ第二項ヲ削ル
第七條第一項中國民兵以下ヲ削ル
第九條 本條例中在鄕軍人トアルハ休職停職豫備役後備役ノ將校同相當官准士官、豫備役後備役ノ下士兵卒雜卒職工ヲ包含ス以下同シ歸休兵及十二月一日以後ニ於テ未タ入營セサル現役兵竝補充兵ヲ謂フ
第十四條 削除
第十五條中「動員」ノ下ニ「實施」ヲ加フ
第二十條 師團長ハ動員令ヲ聯隊區司令官ニ達シ憲兵隊長及關係アル地方長官東京府ニ在リテハ警視總監及府知事ニ其ノ要旨ヲ通知スヘシ
第二十一條中「之ヲ郡長ニ」ヲ「關係アル郡長ニ之ヲ」ニ改ム
第二十二條第二項中「之ヲ憲兵分隊長ニ」ヲ「關係アル憲兵分隊長ニ之ヲ」ニ改ム
第二十四條 町村長ハ令狀ヲ受ケタルトキハ之ヲ應召員又ハ召集通報人休職停職者ニ軍衙ノ命令ヲ通報スヘキ者ヲ包含ス以下同シニ交付シ召集通報人ヲ設ケサル不在者アルトキ又ハ召集通報人不在ナルトキハ其ノ戶主又ハ家族中家事ヲ擔當スル者ニ交付スヘシ
前項ノ受領人不在ナルトキハ町村長ハ適當ノ方法ニ依リ應召員ニ令狀ヲ交付シ又ハ召集ノ旨ヲ傳達スヘシ
令狀ノ交付ニ接シタル者ハ該令狀ニ添附シタル受領證ニ記名捺印シ直ニ之ヲ返付スヘシ
第二十七條 動員實施ニ方リ演習召集敎育召集又ハ臨時召集中ノ者ニシテ當該部隊ノ充員召集ニ應スヘキ者ハ部隊長直ニ之ヲ其ノ部隊ニ編入シ他ノ部隊ノ充員召集ニ應スヘキ者ハ其ノ召集ヲ解除シ聯隊區司令官ヨリ受ケタル令狀ヲ交付スヘシ
第二十八條 應召員中令狀又ハ通報受領ノ際傷痍疾病ノ爲應召スルコト能ハサル者ハ令狀又ハ通報受領後二十四時間以內ニ聯隊區司令官ニ宛テタル屆書ニ醫師ノ診斷證書及令狀ヲ添ヘ之ヲ本籍地町村長ニ差出スヘシ
應召員中傳染病豫防ノ爲交通遮斷離隔又ハ停留ヲ命セラレタル者ハ令狀又ハ通報受領後二十四時間以內ニ聯隊區司令官ニ宛テタル屆書ニ憲兵又ハ警察官吏ノ證明書及令狀ヲ添ヘ之ヲ本籍地町村長ニ差出スヘシ
令狀又ハ通報受領後出發迄ノ間ニ於テ前二項ノ事故ノ爲應召スルコト能ハサルニ至リタル者ハ直ニ前二項ノ手續ヲ爲スヘシ
前三項ノ場合ニ於テ寄留又ハ旅行先ヨリ屆出ヲ爲ス者ハ其ノ屆書ニ診斷證書又ハ證明書及令狀ヲ添ヘ本籍地町村長ニ宛テ發送スヘシ
犯罪所在不明等ノ爲應召スルコト能ハサル者アルトキ又ハ其ノ虞アルトキハ令狀ヲ受領シタル者ヨリ令狀受領後二十四時間以內ニ聯隊區司令官ニ宛テタル屆書ニ憲兵又ハ警察官吏ノ證明書及令狀ヲ添ヘ之ヲ本籍地町村長ニ差出スヘシ
第一項乃至第四項ノ手續ヲ爲スニ方リ未タ令狀ヲ受領セサル者ハ受領後別ニ其ノ令狀ヲ差出スヘシ
第三十二條 應召員中事故ニ因リ歸鄕ヲ命セラレタル者ハ二日以內ニ其ノ在職地又ハ衞戍地ヲ出發シ歸鄕シタルトキハ到著後二日以內ニ屆出ツヘシ但シ本籍地外ニ十日以上滯在若ハ寄留セムト欲スルトキ又ハ歸鄕旅行十日以上ヲ要スルトキハ本籍地町村ニ於テ召集ノ命アルトキ之ヲ通報スヘキ者成年者ニ限ルヲ定メ歸鄕ヲ命セラレタル日ヨリ二日以內ニ屆出ツヘシ
前項ノ屆書ハ將官同相當官ニ在リテハ本籍地所管ノ師團長ニ、上長官士官及准士官ニ在リテハ本籍地所管ノ町村長郡長及聯隊區司令官ヲ經テ其ノ師團長ニ、下士兵卒及補充兵ニ在リテハ本籍地所管ノ町村長及郡長ヲ經テ其ノ聯隊區司令官ニ差出スヘシ
第三十三條 充員召集ノ解除ハ復員令ニ依リ之ヲ實施ス但シ必要アルトキハ復員令ニ依ラス陸軍大臣ノ定メタル時期ニ於テ一部召集解除ヲ行フコトヲ得
第三章ノ下「補充召集」ヲ「臨時召集」ニ改ム
第三十七條 臨時召集トハ充員召集實施後缺員ヲ補充スル爲又ハ戰時事變ニ際シ必要アルトキ臨時在鄕軍人ヲ召集スルヲ謂フ但シ充員召集實施後缺員ヲ補充スル場合ノ外召集ノ時期ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第三十七條ノ二 師團長ハ其ノ師團ニ動員下令アリタルトキハ在鄕軍人ノ外國ニ居住又ハ旅行中ノ者ニ對スル臨時召集令ヲ聯隊區司令官ニ達スヘシ
第三十八條 師團長ハ臨時召集令ヲ聯隊區司令官ニ達シ憲兵隊長及關係アル地方長官東京府ニ在リテハ警視總監及府知事ニ其ノ要旨ヲ通知スヘシ
第三十九條中「前條」ヲ「前二條」ニ「補充」ヲ「臨時」ニ改ム
第四十一條中「補充」ヲ「臨時」ニ改ム
第四十二條 國民兵召集トハ國民軍ヲ編成スル爲動員令ニ依リ國民兵志願ニ依リ國民軍ニ編入シタル者ヲ含ム以下同シヲ召集スルヲ謂フ
第四十三條 町村長ハ其ノ管內ニ在籍スル國民兵ノ人員表及退役將校同相當官准士官國民兵役ニ在ル者及志願ニ依リ國民軍ニ編入シタル者ニ限ル以下同シノ名簿ヲ作リ之ヲ郡長ニ差出スヘシ
町村長ハ其ノ管內ニ在籍スル第一國民兵及退役將校同相當官准士官ノ身體健康ノ程度ヲ適宜ノ方法ニ依リ調査スヘシ
第四十四條中「前條」ノ下ニ「第一項」ヲ加ヘ「警視總監地方長官及」ヲ削ル
第四十五條 戰時ニ方リ師團長ハ國民兵召集ノ準備ヲ行フニハ召集スヘキ國民兵ノ要員ヲ定メテ各聯隊區ニ配當シ且必要ノ事項ヲ聯隊區司令官ニ達シ其ノ種類及年齡ヲ地方長官東京府ニ在リテハ警視總監及府知事及憲兵隊長ニ通知スヘシ
聯隊區司令官ハ前項ニ基キ之ヲ各郡ニ配當シ且必要ノ事項ヲ郡長ニ達スヘシ
第四十六條 郡長ハ聯隊區司令官ヨリ前條第二項ノ配當及達ヲ受ケタルトキハ町村ニ於ケル當該國民兵ノ總員ヲ率トシ比例ヲ以テ之ヲ各町村ニ配當シ且必要ノ事項ヲ町村長ニ達スヘシ
第四十七條 町村長ハ國民兵要員ノ配當及達ヲ受ケタルトキハ之ニ基キ應召員ヲ定メテ國民兵召集名簿及國民兵召集令狀ヲ作リ其ノ名簿ニ應召員ノ戰時名簿ヲ添ヘ郡長ヲ經テ聯隊區司令官ニ差出シ令狀ハ之ヲ保管スヘシ
町村長ハ國民兵召集名簿及召集令狀調製後國民兵ニ異動ヲ生シタルトキハ直ニ名簿及令狀ヲ訂正シ其ノ都度郡長ヲ經テ聯隊區司令官ニ通知スヘシ
第四十八條 國民兵召集ニ關シテハ第十六條第十八條乃至第二十二條第二十四條乃至第二十六條第二十八條乃至第三十一條及第三十三條乃至第三十五條ヲ準用ス
前項ノ場合ニ於テ國民兵動員令ノ達ヲ受ケタル郡長ハ之ヲ町村長ニ達シ町村長ハ召集令狀ノ交付ヲ爲スヘキモノトス
應召員中事故ニ因リ歸鄕ヲ命セラレタル者及召集解除ヲ命セラレタル者ニハ第三十二條ヲ準用ス但シ同條中聯隊區司令官ニ差出スヘキ屆書ハ本籍地町村長ニ宛テ差出スヘシ
第四十九條 國民兵召集實施後缺員ノ補充其ノ他必要アルトキハ第四十二條ニ依ラス臨時國民兵ヲ召集ス其ノ召集及解除ニ關シテハ第十六條第二十四條乃至第二十六條第二十八條乃至第三十一條第三十三條第三十七條但書第三十八條第四十五條乃至第四十七條及第四十八條第三項ヲ準用ス
前項ノ場合ニ於テ聯隊區司令官ハ召集令ヲ關係アル郡長ニ郡長ハ之ヲ町村長ニ達シ町村長ハ召集令狀ノ交付ヲ爲スヘシ
第五十條 第二國民兵役ニ在ル者ノ召集ニ關シ必要アルトキハ前諸條ノ規定ニ依ラサルコトヲ得此ノ場合ニ於テ其ノ方法ハ陸軍大臣臨時之ヲ定ム
第五十一條中第一項ノ割註ヲ「休職停職者及十二月一日以後ニ於テ未タ入營セサル現役兵及未タ敎育セサル補充兵ヲ除ク」ニ改ム
第五十六條中「警視總監」ヲ削リ「地方長官」ノ下ニ「東京府ニ在リテハ警視總監及府知事」ノ割註ヲ加フ
第五十九條中「父母」ノ下ニ「妻子」ヲ加フ
第六十一條第二項ヲ左ノ如ク改ム
應召員中事故ニ因リ歸鄕ヲ命セラレタル者及召集解除ヲ命セラレタル者ニハ服役條例中現役ヨリ豫備役又ハ後備役ニ入ル者ノ歸鄕ニ關スル規定ヲ準用ス但シ歸鄕シタルトキノ屆書ハ本籍地町村長ニ宛テ屆出ツヘシ
第六十二條中「第一」ヲ削ル
第六十四條第二項中「第三十二條」ヲ「第六十一條第二項」ニ改ム
第六十九條 簡閱㸃呼トハ在鄕軍人未タ敎育セサル補充兵ヲ除クヲ集合シテ之ヲ㸃檢査閱スルヲ謂フ但シ集合セシムヘキ者ノ種類ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第七十一條 師團長ハ部下ノ將校ニ簡閱㸃呼執行官ヲ命シ之ニ必要ナル訓示ヲ授クヘシ
演習召集敎育召集ニ應シタル者ノ簡閱㸃呼ハ其ノ年ニ限リ師團長ニ於テ之ヲ免除スルコトヲ得
師團長ハ簡閱㸃呼ニ參會スヘキ者僅少ナル僻陬ノ地其ノ他已ムヲ得サル場合ニ在リテハ簡閱㸃呼ヲ省略スルコトヲ得
第七十二條中「警視總監」ヲ削リ「地方長官」ノ下ニ「東京府ニ在リテハ警視總監及府知事」ノ割註ヲ加フ
第七十七條中「町村長」ノ上ニ「郡長及」ヲ加ヘ「必要アルトキハ」ヲ削ル
第八十一條 正當ノ事由ナクシテ第二十四條第三項第二十六條第二項第二十八條第一項乃至第五項第三十條第一項第二項第三十一條第一項第五十八條第一項第六十條第一項第七十八條ノ規定及之ヲ準用シタル規定ニ違背シタル者竝正當ノ事由ナクシテ簡閱㸃呼ニ參會セサル者ハ五十錢以上一圓九十五錢以下ノ科料ニ處シ又ハ五日以上十日以下ノ拘留ニ處ス
第二十九條第一項ノ規定及之ヲ準用シタル規定ニ違背シタル者ハ三十圓以下ノ罰金ニ處シ又ハ一月以下ノ重禁錮ニ處ス
第八十三條中「臺灣」ノ下ニ「、樺太、韓國、南滿洲」ヲ加フ
第八十四條 削除
第八十五條中「士官適任證書」ヲ「士官勤務適任證書」ニ改ム
附 則
本令ハ明治四十年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
師團長ハ本令施行後六月以內ニ在リテハ本令改正ノ一部ニ付仍從前ノ規定ニ依ルコトヲ得
明治三十七年勅令第八十三號ハ之ヲ廢止ス
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ陸軍召集条例中改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治四十年九月三十日
内閣総理大臣 侯爵 西園寺公望
陸軍大臣 子爵 寺内正毅
勅令第三百十四号
陸軍召集条例中左ノ通改正ス
第一条中「簡閲点呼ハ」ノ下ニ「特別ノ規定アルモノヲ除クノ外」ヲ加フ
第二条中「補充」ヲ「臨時」ニ改ム
第五条中「在郷軍人」ノ下ニ「及国民兵」ヲ加ヘ第二項ヲ削ル
第七条第一項中国民兵以下ヲ削ル
第九条 本条例中在郷軍人トアルハ休職停職予備役後備役ノ将校同相当官准士官、予備役後備役ノ下士兵卒雑卒職工ヲ包含ス以下同シ帰休兵及十二月一日以後ニ於テ未タ入営セサル現役兵並補充兵ヲ謂フ
第十四条 削除
第十五条中「動員」ノ下ニ「実施」ヲ加フ
第二十条 師団長ハ動員令ヲ連隊区司令官ニ達シ憲兵隊長及関係アル地方長官東京府ニ在リテハ警視総監及府知事ニ其ノ要旨ヲ通知スヘシ
第二十一条中「之ヲ郡長ニ」ヲ「関係アル郡長ニ之ヲ」ニ改ム
第二十二条第二項中「之ヲ憲兵分隊長ニ」ヲ「関係アル憲兵分隊長ニ之ヲ」ニ改ム
第二十四条 町村長ハ令状ヲ受ケタルトキハ之ヲ応召員又ハ召集通報人休職停職者ニ軍衙ノ命令ヲ通報スヘキ者ヲ包含ス以下同シニ交付シ召集通報人ヲ設ケサル不在者アルトキ又ハ召集通報人不在ナルトキハ其ノ戸主又ハ家族中家事ヲ担当スル者ニ交付スヘシ
前項ノ受領人不在ナルトキハ町村長ハ適当ノ方法ニ依リ応召員ニ令状ヲ交付シ又ハ召集ノ旨ヲ伝達スヘシ
令状ノ交付ニ接シタル者ハ該令状ニ添附シタル受領証ニ記名捺印シ直ニ之ヲ返付スヘシ
第二十七条 動員実施ニ方リ演習召集教育召集又ハ臨時召集中ノ者ニシテ当該部隊ノ充員召集ニ応スヘキ者ハ部隊長直ニ之ヲ其ノ部隊ニ編入シ他ノ部隊ノ充員召集ニ応スヘキ者ハ其ノ召集ヲ解除シ連隊区司令官ヨリ受ケタル令状ヲ交付スヘシ
第二十八条 応召員中令状又ハ通報受領ノ際傷痍疾病ノ為応召スルコト能ハサル者ハ令状又ハ通報受領後二十四時間以内ニ連隊区司令官ニ宛テタル届書ニ医師ノ診断証書及令状ヲ添ヘ之ヲ本籍地町村長ニ差出スヘシ
応召員中伝染病予防ノ為交通遮断離隔又ハ停留ヲ命セラレタル者ハ令状又ハ通報受領後二十四時間以内ニ連隊区司令官ニ宛テタル届書ニ憲兵又ハ警察官吏ノ証明書及令状ヲ添ヘ之ヲ本籍地町村長ニ差出スヘシ
令状又ハ通報受領後出発迄ノ間ニ於テ前二項ノ事故ノ為応召スルコト能ハサルニ至リタル者ハ直ニ前二項ノ手続ヲ為スヘシ
前三項ノ場合ニ於テ寄留又ハ旅行先ヨリ届出ヲ為ス者ハ其ノ届書ニ診断証書又ハ証明書及令状ヲ添ヘ本籍地町村長ニ宛テ発送スヘシ
犯罪所在不明等ノ為応召スルコト能ハサル者アルトキ又ハ其ノ虞アルトキハ令状ヲ受領シタル者ヨリ令状受領後二十四時間以内ニ連隊区司令官ニ宛テタル届書ニ憲兵又ハ警察官吏ノ証明書及令状ヲ添ヘ之ヲ本籍地町村長ニ差出スヘシ
第一項乃至第四項ノ手続ヲ為スニ方リ未タ令状ヲ受領セサル者ハ受領後別ニ其ノ令状ヲ差出スヘシ
第三十二条 応召員中事故ニ因リ帰郷ヲ命セラレタル者ハ二日以内ニ其ノ在職地又ハ衛戍地ヲ出発シ帰郷シタルトキハ到著後二日以内ニ届出ツヘシ但シ本籍地外ニ十日以上滞在若ハ寄留セムト欲スルトキ又ハ帰郷旅行十日以上ヲ要スルトキハ本籍地町村ニ於テ召集ノ命アルトキ之ヲ通報スヘキ者成年者ニ限ルヲ定メ帰郷ヲ命セラレタル日ヨリ二日以内ニ届出ツヘシ
前項ノ届書ハ将官同相当官ニ在リテハ本籍地所管ノ師団長ニ、上長官士官及准士官ニ在リテハ本籍地所管ノ町村長郡長及連隊区司令官ヲ経テ其ノ師団長ニ、下士兵卒及補充兵ニ在リテハ本籍地所管ノ町村長及郡長ヲ経テ其ノ連隊区司令官ニ差出スヘシ
第三十三条 充員召集ノ解除ハ復員令ニ依リ之ヲ実施ス但シ必要アルトキハ復員令ニ依ラス陸軍大臣ノ定メタル時期ニ於テ一部召集解除ヲ行フコトヲ得
第三章ノ下「補充召集」ヲ「臨時召集」ニ改ム
第三十七条 臨時召集トハ充員召集実施後欠員ヲ補充スル為又ハ戦時事変ニ際シ必要アルトキ臨時在郷軍人ヲ召集スルヲ謂フ但シ充員召集実施後欠員ヲ補充スル場合ノ外召集ノ時期ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第三十七条ノ二 師団長ハ其ノ師団ニ動員下令アリタルトキハ在郷軍人ノ外国ニ居住又ハ旅行中ノ者ニ対スル臨時召集令ヲ連隊区司令官ニ達スヘシ
第三十八条 師団長ハ臨時召集令ヲ連隊区司令官ニ達シ憲兵隊長及関係アル地方長官東京府ニ在リテハ警視総監及府知事ニ其ノ要旨ヲ通知スヘシ
第三十九条中「前条」ヲ「前二条」ニ「補充」ヲ「臨時」ニ改ム
第四十一条中「補充」ヲ「臨時」ニ改ム
第四十二条 国民兵召集トハ国民軍ヲ編成スル為動員令ニ依リ国民兵志願ニ依リ国民軍ニ編入シタル者ヲ含ム以下同シヲ召集スルヲ謂フ
第四十三条 町村長ハ其ノ管内ニ在籍スル国民兵ノ人員表及退役将校同相当官准士官国民兵役ニ在ル者及志願ニ依リ国民軍ニ編入シタル者ニ限ル以下同シノ名簿ヲ作リ之ヲ郡長ニ差出スヘシ
町村長ハ其ノ管内ニ在籍スル第一国民兵及退役将校同相当官准士官ノ身体健康ノ程度ヲ適宜ノ方法ニ依リ調査スヘシ
第四十四条中「前条」ノ下ニ「第一項」ヲ加ヘ「警視総監地方長官及」ヲ削ル
第四十五条 戦時ニ方リ師団長ハ国民兵召集ノ準備ヲ行フニハ召集スヘキ国民兵ノ要員ヲ定メテ各連隊区ニ配当シ且必要ノ事項ヲ連隊区司令官ニ達シ其ノ種類及年齢ヲ地方長官東京府ニ在リテハ警視総監及府知事及憲兵隊長ニ通知スヘシ
連隊区司令官ハ前項ニ基キ之ヲ各郡ニ配当シ且必要ノ事項ヲ郡長ニ達スヘシ
第四十六条 郡長ハ連隊区司令官ヨリ前条第二項ノ配当及達ヲ受ケタルトキハ町村ニ於ケル当該国民兵ノ総員ヲ率トシ比例ヲ以テ之ヲ各町村ニ配当シ且必要ノ事項ヲ町村長ニ達スヘシ
第四十七条 町村長ハ国民兵要員ノ配当及達ヲ受ケタルトキハ之ニ基キ応召員ヲ定メテ国民兵召集名簿及国民兵召集令状ヲ作リ其ノ名簿ニ応召員ノ戦時名簿ヲ添ヘ郡長ヲ経テ連隊区司令官ニ差出シ令状ハ之ヲ保管スヘシ
町村長ハ国民兵召集名簿及召集令状調製後国民兵ニ異動ヲ生シタルトキハ直ニ名簿及令状ヲ訂正シ其ノ都度郡長ヲ経テ連隊区司令官ニ通知スヘシ
第四十八条 国民兵召集ニ関シテハ第十六条第十八条乃至第二十二条第二十四条乃至第二十六条第二十八条乃至第三十一条及第三十三条乃至第三十五条ヲ準用ス
前項ノ場合ニ於テ国民兵動員令ノ達ヲ受ケタル郡長ハ之ヲ町村長ニ達シ町村長ハ召集令状ノ交付ヲ為スヘキモノトス
応召員中事故ニ因リ帰郷ヲ命セラレタル者及召集解除ヲ命セラレタル者ニハ第三十二条ヲ準用ス但シ同条中連隊区司令官ニ差出スヘキ届書ハ本籍地町村長ニ宛テ差出スヘシ
第四十九条 国民兵召集実施後欠員ノ補充其ノ他必要アルトキハ第四十二条ニ依ラス臨時国民兵ヲ召集ス其ノ召集及解除ニ関シテハ第十六条第二十四条乃至第二十六条第二十八条乃至第三十一条第三十三条第三十七条但書第三十八条第四十五条乃至第四十七条及第四十八条第三項ヲ準用ス
前項ノ場合ニ於テ連隊区司令官ハ召集令ヲ関係アル郡長ニ郡長ハ之ヲ町村長ニ達シ町村長ハ召集令状ノ交付ヲ為スヘシ
第五十条 第二国民兵役ニ在ル者ノ召集ニ関シ必要アルトキハ前諸条ノ規定ニ依ラサルコトヲ得此ノ場合ニ於テ其ノ方法ハ陸軍大臣臨時之ヲ定ム
第五十一条中第一項ノ割註ヲ「休職停職者及十二月一日以後ニ於テ未タ入営セサル現役兵及未タ教育セサル補充兵ヲ除ク」ニ改ム
第五十六条中「警視総監」ヲ削リ「地方長官」ノ下ニ「東京府ニ在リテハ警視総監及府知事」ノ割註ヲ加フ
第五十九条中「父母」ノ下ニ「妻子」ヲ加フ
第六十一条第二項ヲ左ノ如ク改ム
応召員中事故ニ因リ帰郷ヲ命セラレタル者及召集解除ヲ命セラレタル者ニハ服役条例中現役ヨリ予備役又ハ後備役ニ入ル者ノ帰郷ニ関スル規定ヲ準用ス但シ帰郷シタルトキノ届書ハ本籍地町村長ニ宛テ届出ツヘシ
第六十二条中「第一」ヲ削ル
第六十四条第二項中「第三十二条」ヲ「第六十一条第二項」ニ改ム
第六十九条 簡閲点呼トハ在郷軍人未タ教育セサル補充兵ヲ除クヲ集合シテ之ヲ点検査閲スルヲ謂フ但シ集合セシムヘキ者ノ種類ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第七十一条 師団長ハ部下ノ将校ニ簡閲点呼執行官ヲ命シ之ニ必要ナル訓示ヲ授クヘシ
演習召集教育召集ニ応シタル者ノ簡閲点呼ハ其ノ年ニ限リ師団長ニ於テ之ヲ免除スルコトヲ得
師団長ハ簡閲点呼ニ参会スヘキ者僅少ナル僻陬ノ地其ノ他已ムヲ得サル場合ニ在リテハ簡閲点呼ヲ省略スルコトヲ得
第七十二条中「警視総監」ヲ削リ「地方長官」ノ下ニ「東京府ニ在リテハ警視総監及府知事」ノ割註ヲ加フ
第七十七条中「町村長」ノ上ニ「郡長及」ヲ加ヘ「必要アルトキハ」ヲ削ル
第八十一条 正当ノ事由ナクシテ第二十四条第三項第二十六条第二項第二十八条第一項乃至第五項第三十条第一項第二項第三十一条第一項第五十八条第一項第六十条第一項第七十八条ノ規定及之ヲ準用シタル規定ニ違背シタル者並正当ノ事由ナクシテ簡閲点呼ニ参会セサル者ハ五十銭以上一円九十五銭以下ノ科料ニ処シ又ハ五日以上十日以下ノ拘留ニ処ス
第二十九条第一項ノ規定及之ヲ準用シタル規定ニ違背シタル者ハ三十円以下ノ罰金ニ処シ又ハ一月以下ノ重禁錮ニ処ス
第八十三条中「台湾」ノ下ニ「、樺太、韓国、南満洲」ヲ加フ
第八十四条 削除
第八十五条中「士官適任証書」ヲ「士官勤務適任証書」ニ改ム
附 則
本令ハ明治四十年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
師団長ハ本令施行後六月以内ニ在リテハ本令改正ノ一部ニ付仍従前ノ規定ニ依ルコトヲ得
明治三十七年勅令第八十三号ハ之ヲ廃止ス