輸出羽二重精練業法
法令番号: 法律第二十三號
公布年月日: 明治39年4月6日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル輸出羽二重精練業法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年四月五日
內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望
農商務大臣 松岡康毅
法律第二十三號
輸出羽二重精練業法
第一條 輸出羽二重ノ精練業ヲ營マムトスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ精練ノ方法、工場ノ設備其ノ他精練ニ關シ必要ナル事項ヲ具シ地方長官ニ願出テ其ノ許可ヲ受クヘシ
第二條 主務大臣ハ精練ノ方法、工場ノ設備其ノ他精練ニ關シ必要ナル命令ヲ發シ及處分ヲ爲スコトヲ得
第三條 主務大臣及地方長官ハ官吏ヲシテ精練所ニ臨檢セシメ帳簿、工場、倉庫其ノ他物件ノ檢査ヲ爲サシムルコトヲ得
第四條 精練業ヲ承繼シ又ハ廢止シタルトキハ其ノ旨ヲ地方長官ニ屆出ツヘシ
第五條 主務大臣及地方長官ハ精練業者ノ行爲カ法令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第六條 許可ヲ受ケスシテ輸出羽二重ノ精鍊ヲ爲シタル者ハ五十圓以上千圓以下ノ罰金ニ處ス
第七條 精練業者第二條ノ命令ニ違反シタルトキハ百圓以下ノ罰金ニ處ス
第八條 當該官吏ノ尋問ニ對シ虛僞ノ答辯ヲ爲シ又ハ當該官吏ノ職務執行ヲ拒ミ、之ヲ忌避シ若ハ之ニ支障ヲ加ヘタル者ハ三十圓以下ノ罰金ニ處ス其ノ刑法ニ正條アルモノハ刑法ニ依ル
第九條 精練業ヲ承繼シ又ハ廢止シタル者第四條ノ屆出ヲ怠リタルトキハ十圓以下ノ罰金ニ處ス
第十條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違反シタル者ニハ刑法ノ減輕、再犯加重及數罪俱發ノ例ヲ用井ス
第十一條 精練業者ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ニシテ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出テサルノ故ヲ以テ處罰ヲ免ルルコトヲ得ス
第十二條 精練業者カ未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ依リ精練業者ニ適用スヘキ罰則ハ之ヲ法定代理人ニ適用ス但シ其ノ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第十三條 明治三十三年法律第五十二號ノ規定ハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依ル犯罪ニ之ヲ準用ス
第十四條 本法及本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ハ輸出紋絓及輸出薄絹ニ之ヲ準用ス
附 則
第十五條 本法發布以前ヨリ精練業ヲ營ム者ニシテ仍其ノ業務ヲ繼續セムトスル者ハ本法施行ノ日ヨリ一箇年以內ニ本法ニ依リ許可ヲ受クヘシ
第十六條 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル輸出羽二重精練業法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年四月五日
内閣総理大臣 侯爵 西園寺公望
農商務大臣 松岡康毅
法律第二十三号
輸出羽二重精練業法
第一条 輸出羽二重ノ精練業ヲ営マムトスル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ精練ノ方法、工場ノ設備其ノ他精練ニ関シ必要ナル事項ヲ具シ地方長官ニ願出テ其ノ許可ヲ受クヘシ
第二条 主務大臣ハ精練ノ方法、工場ノ設備其ノ他精練ニ関シ必要ナル命令ヲ発シ及処分ヲ為スコトヲ得
第三条 主務大臣及地方長官ハ官吏ヲシテ精練所ニ臨検セシメ帳簿、工場、倉庫其ノ他物件ノ検査ヲ為サシムルコトヲ得
第四条 精練業ヲ承継シ又ハ廃止シタルトキハ其ノ旨ヲ地方長官ニ届出ツヘシ
第五条 主務大臣及地方長官ハ精練業者ノ行為カ法令ニ違反シ又ハ公益ヲ害スト認ムルトキハ其ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第六条 許可ヲ受ケスシテ輸出羽二重ノ精錬ヲ為シタル者ハ五十円以上千円以下ノ罰金ニ処ス
第七条 精練業者第二条ノ命令ニ違反シタルトキハ百円以下ノ罰金ニ処ス
第八条 当該官吏ノ尋問ニ対シ虚偽ノ答弁ヲ為シ又ハ当該官吏ノ職務執行ヲ拒ミ、之ヲ忌避シ若ハ之ニ支障ヲ加ヘタル者ハ三十円以下ノ罰金ニ処ス其ノ刑法ニ正条アルモノハ刑法ニ依ル
第九条 精練業ヲ承継シ又ハ廃止シタル者第四条ノ届出ヲ怠リタルトキハ十円以下ノ罰金ニ処ス
第十条 本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ノ規定ニ違反シタル者ニハ刑法ノ減軽、再犯加重及数罪俱発ノ例ヲ用井ス
第十一条 精練業者ハ其ノ代理人、戸主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ従業者ニシテ本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ノ規定ニ違反シタルトキハ自己ノ指揮ニ出テサルノ故ヲ以テ処罰ヲ免ルルコトヲ得ス
第十二条 精練業者カ未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ノ規定ニ依リ精練業者ニ適用スヘキ罰則ハ之ヲ法定代理人ニ適用ス但シ其ノ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第十三条 明治三十三年法律第五十二号ノ規定ハ本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ依ル犯罪ニ之ヲ準用ス
第十四条 本法及本法ニ基キテ発スル命令ノ規定ハ輸出紋絓及輸出薄絹ニ之ヲ準用ス
附 則
第十五条 本法発布以前ヨリ精練業ヲ営ム者ニシテ仍其ノ業務ヲ継続セムトスル者ハ本法施行ノ日ヨリ一箇年以内ニ本法ニ依リ許可ヲ受クヘシ
第十六条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム