産業試験費講習費国庫補助法
法令番号: 法律第九號
公布年月日: 明治39年3月10日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル產業試驗費講習費國庫補助法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年三月九日
內閣總理大臣 侯爵 西園寺公望
農商務大臣 松岡康毅
大藏大臣 法學博士 阪谷芳郞
法律第九號
產業試驗費講習費國庫補助法
第一條 本法ニ於テ試驗場ト稱スルハ農事工業及水產ニ關スル試驗場、講習所ト稱スルハ農事工業及水產ニ關スル講習所ニシテ主務大臣ノ定メタル規程ニ依リ設立シタルモノヲ謂フ
第二條 本法ニ依リテ交付スル補助金ニ充ツル爲國庫ハ每年金二十萬圓以內ヲ支出ス
第三條 主務大臣ハ府縣ニ於テ設立シ又ハ北海道地方費ヲ以テ設立シタル試驗場又ハ講習所ニ對シ補助金ヲ交付スルコトヲ得
主務大臣ハ補助金ノ用途ヲ指定スルコトヲ得
第四條 補助金ノ交付ハ五箇年ヲ以テ一期トス但シ用途ヲ指定スル場合ハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ期間滿了ノ後仍必要アルトキハ補助ヲ繼續スルコトヲ得
第五條 補助金ノ年額ハ試驗場又ハ講習所ノ經費總額ノ二分ノ一以內トス
第六條 主務大臣ハ郡市區立ノ試驗場又ハ講習所ニシテ成績顯著ナルモノニ對シ特種ノ試驗ニ要スル材料、機械又ハ裝置ノ費用ヲ補助スルコトヲ得但シ其ノ府縣ニ於テ設立シ又ハ北海道地方費ヲ以テ設立シタル試驗場又ハ講習所ニシテ同種ノ試驗ヲ行フモノアルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ補助金ノ額ハ材料、機械又ハ裝置ニ要スル費用ノ二分ノ一以內トス
第七條 試驗場又ハ講習所ニシテ其ノ管理不適當ナリト認メタルトキ、補助年期間其ノ經費ヲ繼續支出セサルトキ又ハ主務大臣ノ定メタル規程若ハ補助ノ條件ニ違反シタルトキハ主務大臣ハ補助ヲ廢止シ、停止シ又ハ其ノ額ヲ減スルコトヲ得
第八條 主務大臣ハ工業ニ關スル實驗ヲ工場ニ囑託シ第二條ニ定ムル金額內ニ於テ其ノ費用ヲ支給スルコトヲ得
附 則
第九條 本法ハ明治三十九年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
府縣農事試驗場國庫補助法ハ之ヲ廢止ス
第十條 試驗場又ハ講習所ニシテ府縣農事試驗場國庫補助法ニ依リ補助ヲ受クルモノハ其ノ補助年期間本法ニ依リ補助ヲ受クルモノト看做ス
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル産業試験費講習費国庫補助法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十九年三月九日
内閣総理大臣 侯爵 西園寺公望
農商務大臣 松岡康毅
大蔵大臣 法学博士 阪谷芳郎
法律第九号
産業試験費講習費国庫補助法
第一条 本法ニ於テ試験場ト称スルハ農事工業及水産ニ関スル試験場、講習所ト称スルハ農事工業及水産ニ関スル講習所ニシテ主務大臣ノ定メタル規程ニ依リ設立シタルモノヲ謂フ
第二条 本法ニ依リテ交付スル補助金ニ充ツル為国庫ハ毎年金二十万円以内ヲ支出ス
第三条 主務大臣ハ府県ニ於テ設立シ又ハ北海道地方費ヲ以テ設立シタル試験場又ハ講習所ニ対シ補助金ヲ交付スルコトヲ得
主務大臣ハ補助金ノ用途ヲ指定スルコトヲ得
第四条 補助金ノ交付ハ五箇年ヲ以テ一期トス但シ用途ヲ指定スル場合ハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ期間満了ノ後仍必要アルトキハ補助ヲ継続スルコトヲ得
第五条 補助金ノ年額ハ試験場又ハ講習所ノ経費総額ノ二分ノ一以内トス
第六条 主務大臣ハ郡市区立ノ試験場又ハ講習所ニシテ成績顕著ナルモノニ対シ特種ノ試験ニ要スル材料、機械又ハ装置ノ費用ヲ補助スルコトヲ得但シ其ノ府県ニ於テ設立シ又ハ北海道地方費ヲ以テ設立シタル試験場又ハ講習所ニシテ同種ノ試験ヲ行フモノアルトキハ此ノ限ニ在ラス
前項ノ補助金ノ額ハ材料、機械又ハ装置ニ要スル費用ノ二分ノ一以内トス
第七条 試験場又ハ講習所ニシテ其ノ管理不適当ナリト認メタルトキ、補助年期間其ノ経費ヲ継続支出セサルトキ又ハ主務大臣ノ定メタル規程若ハ補助ノ条件ニ違反シタルトキハ主務大臣ハ補助ヲ廃止シ、停止シ又ハ其ノ額ヲ減スルコトヲ得
第八条 主務大臣ハ工業ニ関スル実験ヲ工場ニ嘱託シ第二条ニ定ムル金額内ニ於テ其ノ費用ヲ支給スルコトヲ得
附 則
第九条 本法ハ明治三十九年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
府県農事試験場国庫補助法ハ之ヲ廃止ス
第十条 試験場又ハ講習所ニシテ府県農事試験場国庫補助法ニ依リ補助ヲ受クルモノハ其ノ補助年期間本法ニ依リ補助ヲ受クルモノト看做ス