第二條 粗製樟腦、樟腦油ヲ製造スル者ハ總テ其ノ粗製樟腦、樟腦油ヲ政府ニ納付スヘシ納付ノ期限及場所ハ政府之ヲ指定ス
第三條 政府ハ收納シタル粗製樟腦、樟腦油ニ對シ補償金ヲ交付ス補償金ハ政府之ヲ定メ豫メ公示スヘシ
第四條 政府ヨリ賣渡シタル粗製樟腦、樟腦油ニ非サレハ所有、所持、讓渡、質入若ハ消費シ、外國ニ輸出シ又ハ內地臺灣間ノ輸送ヲ爲スコトヲ得ス但シ納付期限前又ハ正當ノ事由ニ因リ納付ヲ遲延シタル場合ニ於テ所有、所持スルハ此ノ限ニ在ラス
第五條 樟腦、樟腦油ハ政府指定ノ港灣ニ由ルニ非サレハ之ヲ外國ニ輸出シ又ハ內地臺灣間ノ輸送ヲ爲スコトヲ得ス
第六條 粗製樟腦、樟腦油ヲ製造セムトル者又ハ粗製樟腦ヲ精製セムトスル者ハ製造場、竈數、一箇年ノ生產見込量目及製造著手ノ時期ヲ定メ政府ノ許可ヲ受クヘシ
前項ニ依リ許可ヲ受ケタル事項ヲ變更シ又ハ製造ヲ廢止セムトスルトキハ政府ノ許可ヲ受クヘシ
第七條 相續ニ因リ樟腦、樟腦油ノ製造ヲ繼承シタルトキハ政府ニ屆出ツヘシ
相續ニ因ルノ外製造ヲ繼承セムトスルトキハ政府ノ許可ヲ受クヘシ
第八條 粗製樟腦、樟腦油ノ製造者ハ粗製樟腦ノ精製者ト相兼ヌルコトヲ得ス
第九條 政府ハ樟腦、樟腦油ノ需要供給ノ情況ニ依リ粗製樟腦、樟腦油ノ製造ヲ制限スルコトヲ得
第十條 樟腦、樟腦油ノ製造ノ許可ヲ受ケタル者本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違背シ又ハ豫定ノ條件ヲ履行セサルトキハ政府ハ其ノ許可ヲ取消スコトヲ得
蕃地ノ狀況ニシテ公安上必要アリト認ムルトキハ政府ハ粗製樟腦、樟腦油ノ製造ヲ停止シ又ハ製造ノ許可ヲ取消スコトヲ得
第十一條 樟腦、樟腦油ノ製造者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ製造ニ關スル事項ヲ帳簿ニ記載スヘシ
第十二條 當該官吏ハ樟腦、樟腦油ノ製造ニ關スル一切ノ帳簿ヲ檢査シ又ハ樟腦、樟腦油ノ製造場、貯藏場其ノ他樟腦、樟腦油ノ所在ト認ムル場所ニ就キ檢査ヲ爲シ其ノ他監督上必要ノ處分ヲ爲スコトヲ得
第十三條 樟腦、樟腦油ハ總テ定價ヲ以テ之ヲ賣渡ス但シ必要ト認ムル場合ハ競爭ニ付スルコトヲ得
第十四條 政府ヨリ賣渡ヲ爲ササル粗製樟腦、樟腦油ニシテ犯人以外ノ所有ニ係ルモノハ之ヲ政府ニ收納ス此ノ場合ニ於テハ他物ヲ混和シタル粗製樟腦、樟腦油ヲ除クノ外第三條ニ準シ補償金ヲ交付ス
第十五條 納付前粗製樟腦、樟腦油ニ他物ヲ混和シタル者ハ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ粗製樟腦、樟腦油ハ之ヲ沒收ス
第十六條 左ノ各號ノ一ニ該當スル者ハ十圓以上五百圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ犯罪ニ係ル樟腦、樟腦油ハ之ヲ沒收シ旣ニ讓渡、消費シ又ハ輸出シタルトキハ其ノ代價ニ相當スル金額ヲ追徵ス
二 許可ヲ受ケスシテ粗製樟腦、樟腦油ヲ製造シ又ハ粗製樟腦ヲ精製シタル者
三 許可ヲ受ケスシテ許可ヲ受ケタル事項ヲ變更シ又ハ製造ヲ廢止シタル者
四 第九條ノ制限又ハ第十條第二項ノ停止ノ處分ニ違背シタル者
第十七條 相續ニ因リ樟腦、樟腦油ノ製造ヲ繼承シタルトキ其ノ屆出ヲ爲ササル者ハ一圓以上一圓九十五錢以下ノ科料ニ處ス
第十八條 樟腦、樟腦油ノ製造者帳簿ノ記載又ハ事實ノ申吿ヲ詐リ若ハ之ヲ怠リタルトキハ三圓以上三十圓以下ノ罰金ニ處ス
第十九條 當該官吏ノ尋問ニ對シ虛僞ノ答辯ヲ爲シ又ハ當該官吏ノ職務執行ヲ拒ミ、之ヲ忌避シ若ハ之ニ支障ヲ加ヘタル者ハ三圓以上三十圓以下ノ罰金ニ處ス其ノ刑法ニ正條アルモノハ刑法ニ依ル
第二十條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違背シタル者ニハ刑法ノ減輕、再犯加重及數罪俱發ノ例ヲ用井ス
第二十一條 當業者カ未成年者又ハ禁治產者ナルトキハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ依リ當業者ニ適用スヘキ罰則ハ之ヲ法定代理人ニ適用ス但シ其ノ營業ニ關シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者ニ付テハ此ノ限ニ在ラス
第二十二條 樟腦、樟腦油ノ製造者又ハ取引人ハ其ノ代理人、戶主、家族、同居者、雇人其ノ他ノ從業者ニシテ其ノ業務ニ關シ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ノ規定ニ違背シタルトキハ自己ノ指揮ニ出テサルノ故ヲ以テ處罰ヲ免ルルコトヲ得ス
第二十三條 間接國稅犯則者處分法及明治三十三年法律第五十二號ノ規定ハ本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依ル犯罪ニ之ヲ準用ス
間接國稅犯則者處分法中收稅官吏及稅務署長ニ屬スル職務ヲ行フヘキ官吏ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
第二十四條 本法施行ノ爲必要ナル規定ニシテ主務大臣ノ定ムヘキ事項ハ臺灣ニ於テハ臺灣總督之ヲ定ム