行政執行法施行令
法令番号: 勅令第二百五十三號
公布年月日: 明治33年6月2日
法令の形式: 勅令
朕行政執行法施行令ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年六月一日
內閣總理大臣 侯爵 山縣有朋
大藏大臣 伯爵 松方正義
內務大臣 侯爵 西鄕從道
陸軍大臣 子爵 桂太郞
文部大臣 伯爵 樺山資紀
外務大臣 子爵 靑木周藏
遞信大臣 子爵 芳川顯正
海軍大臣 山本權兵衞
司法大臣 淸浦奎吾
農商務大臣 曾禰荒助
勅令第二百五十三號
行政執行法施行令
第一條 廳府縣長官ハ行政執行法第三條ノ健康診斷ヲ行フカ爲必要ナル設備ヲ爲スヘシ
前項設備ニ要スル費用ハ廳府縣警察費ヲ以テ之ヲ支辨スヘシ
第二條 生命、身體若ハ財產ニ對シ危害切迫セリト認メ又ハ水陸ノ交通ニ危害ヲ及ホスノ虞アリト認メタルトキハ當該行政官廳ハ行政執行法第四條ニ依リ必要ナル措置ヲ爲スコトヲ得
左ノ各號ニ揭クル土地、物件ニ關シテハ法令ノ規定ニ違背シ因テ危害ヲ生シ又ハ健康ヲ害スルノ虞アリト認メタルトキ亦前項ニ同シ
一 崩壞又ハ人ヲ陷落セシムルノ虞アル場所
二 家屋其ノ他ノ工作物
三 船車其ノ他交通ノ用ニ供スル器具又ハ裝置
四 汽關、汽機及其ノ附屬裝置
五 前各號ニ揭ケタルモノノ外主務大臣ノ定メタル土地、物件
第三條 危害豫防ノ爲又ハ衞生上必要ト認ムル物品ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ必要ナル分量ヲ試驗ノ用ニ供スルコトヲ得
第四條 行政執行法第五條ノ過料ハ處分ヲ爲ス行政官廳ノ區別ニ從ヒ左ノ金額ヲ超ユルコトヲ得ス
一 各省大臣 二十五圓
二 廳府縣長官 十圓
三 其ノ他ノ行政官廳 二圓
第五條 行政執行法第五條ノ戒吿ハ履行期間ヲ定メ且書面ヲ以テ之ヲ爲スヘシ
第六條 行政執行法第五條ノ費用ノ徵收ハ現ニ要シタル費用及其ノ納期日ヲ決定シ決定書ノ正本ヲ義務者ニ交付シテ之ヲ爲スヘシ
過料ノ處分ハ其ノ金額及納期日ヲ決定シ決定書ノ正本ヲ義務者ニ交付シテ之ヲ爲スヘシ
第七條 行政執行法第五條ノ費用ハ事務費ノ所屬ニ從ヒ國庫又ハ府縣經濟ヨリ之ヲ支出シ其ノ徵收金及過料ハ事務費ノ所屬ニ從ヒ國庫又ハ府縣經濟ニ收入スヘシ
前項ノ規定ハ行政執行法第三條ノ費用ニ付之ヲ準用ス但シ本人又ハ媒合者ヲシテ病院ニ辨償セシムルトキハ此ノ限ニ在ラス
附 則
第八條 他ノ法令ノ規定ニ依リ行政官廳ニ於テ行政處分ヲ强制スル爲豫メ戒吿ヲ爲ストキ、自ラ義務者ノ爲スヘキ行爲ヲ爲シ若ハ第三者ヲシテ之ヲ爲サシメ其ノ費用ヲ義務者ヨリ徵收スルトキ又ハ行政處分ヲ强制スル爲過料ニ處スルトキハ第五條第六條及第七條第一項ノ規定ヲ準用ス
朕行政執行法施行令ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年六月一日
内閣総理大臣 侯爵 山県有朋
大蔵大臣 伯爵 松方正義
内務大臣 侯爵 西郷従道
陸軍大臣 子爵 桂太郎
文部大臣 伯爵 樺山資紀
外務大臣 子爵 青木周蔵
逓信大臣 子爵 芳川顕正
海軍大臣 山本権兵衛
司法大臣 清浦奎吾
農商務大臣 曽祢荒助
勅令第二百五十三号
行政執行法施行令
第一条 庁府県長官ハ行政執行法第三条ノ健康診断ヲ行フカ為必要ナル設備ヲ為スヘシ
前項設備ニ要スル費用ハ庁府県警察費ヲ以テ之ヲ支弁スヘシ
第二条 生命、身体若ハ財産ニ対シ危害切迫セリト認メ又ハ水陸ノ交通ニ危害ヲ及ホスノ虞アリト認メタルトキハ当該行政官庁ハ行政執行法第四条ニ依リ必要ナル措置ヲ為スコトヲ得
左ノ各号ニ掲クル土地、物件ニ関シテハ法令ノ規定ニ違背シ因テ危害ヲ生シ又ハ健康ヲ害スルノ虞アリト認メタルトキ亦前項ニ同シ
一 崩壊又ハ人ヲ陥落セシムルノ虞アル場所
二 家屋其ノ他ノ工作物
三 船車其ノ他交通ノ用ニ供スル器具又ハ装置
四 汽関、汽機及其ノ附属装置
五 前各号ニ掲ケタルモノノ外主務大臣ノ定メタル土地、物件
第三条 危害予防ノ為又ハ衛生上必要ト認ムル物品ハ主務大臣ノ定ムル所ニ依リ必要ナル分量ヲ試験ノ用ニ供スルコトヲ得
第四条 行政執行法第五条ノ過料ハ処分ヲ為ス行政官庁ノ区別ニ従ヒ左ノ金額ヲ超ユルコトヲ得ス
一 各省大臣 二十五円
二 庁府県長官 十円
三 其ノ他ノ行政官庁 二円
第五条 行政執行法第五条ノ戒告ハ履行期間ヲ定メ且書面ヲ以テ之ヲ為スヘシ
第六条 行政執行法第五条ノ費用ノ徴収ハ現ニ要シタル費用及其ノ納期日ヲ決定シ決定書ノ正本ヲ義務者ニ交付シテ之ヲ為スヘシ
過料ノ処分ハ其ノ金額及納期日ヲ決定シ決定書ノ正本ヲ義務者ニ交付シテ之ヲ為スヘシ
第七条 行政執行法第五条ノ費用ハ事務費ノ所属ニ従ヒ国庫又ハ府県経済ヨリ之ヲ支出シ其ノ徴収金及過料ハ事務費ノ所属ニ従ヒ国庫又ハ府県経済ニ収入スヘシ
前項ノ規定ハ行政執行法第三条ノ費用ニ付之ヲ準用ス但シ本人又ハ媒合者ヲシテ病院ニ弁償セシムルトキハ此ノ限ニ在ラス
附 則
第八条 他ノ法令ノ規定ニ依リ行政官庁ニ於テ行政処分ヲ強制スル為予メ戒告ヲ為ストキ、自ラ義務者ノ為スヘキ行為ヲ為シ若ハ第三者ヲシテ之ヲ為サシメ其ノ費用ヲ義務者ヨリ徴収スルトキ又ハ行政処分ヲ強制スル為過料ニ処スルトキハ第五条第六条及第七条第一項ノ規定ヲ準用ス