台湾総督府海港検疫所官制
法令番号: 勅令第百十九號
公布年月日: 明治33年3月31日
法令の形式: 勅令
朕臺灣總督府海港檢疫所官制ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年三月三十日
內閣總理大臣 侯爵 山縣有朋
內務大臣 侯爵 西鄕從道
勅令第百十九號
臺灣總督府海港檢疫所官制
第一條 臺灣總督府海港檢疫所ハ臺灣總督ノ管理ニ屬シ臺灣海港檢疫ニ關スル事務ヲ掌ル
第二條 臺北縣基隆ニ海港檢疫所ヲ置キ基隆海港檢疫所ト稱ス
前項ノ外臺北縣滬尾ニ基隆海港檢疫所ノ支所ヲ置ク
第三條 海港檢疫所ニ左ノ職員ヲ置ク
所長 一人
海港檢疫官 專任一人 奏任
海港檢疫醫官 專任一人 奏任
海港檢疫官補 專任一人 判任
海港檢疫醫官補 專任一人 判任
海港檢疫所調劑手 專任一人 判任
海港檢疫所書記 專任二人 判任
海港檢疫所支所ニ左ノ職員ヲ置ク
支所長 一人
海港檢疫官補 專任一人 判任
海港檢疫醫官補 專任一人 判任
海港檢疫所書記 專任二人 判任
第四條 所長ハ海港檢疫官ノ中ヨリ臺灣總督之ヲ補ス
所長ハ臺灣總督ノ指揮監督ヲ承ケ所務ヲ掌理シ所屬職員ヲ監督ス
所長ハ臺灣總督ノ認可ヲ經テ所中處務ノ細則ヲ設クルコトヲ得
支所長ハ海港檢疫官補ノ中ヨリ臺灣總督之ヲ補ス
支所長ハ所長ノ命ヲ承ケ所務ヲ掌理シ所屬職員ヲ監督ス
第五條 海港檢疫官ハ所長ノ命ヲ承ケ檢疫ヲ掌ル
第六條 海港檢疫醫官ハ所長ノ命ヲ承ケ醫務ヲ掌ル
第七條 海港檢疫官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ檢疫ニ從事ス
第八條 海港檢疫醫官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ醫務ニ從事ス
第九條 海港檢疫所調劑手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ調劑ニ從事ス
第十條 海港檢疫所書記ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ從事ス
第十一條 臺灣總督ハ臨時必要アリト認ムルトキハ檢疫又ハ醫務若ハ通譯ニ從事セシムル爲豫算定額內ニ於テ海港檢疫所又ハ支所ニ檢疫員檢疫醫員ヲ置クコトヲ得
檢疫員及檢疫醫員ハ判任ノ待遇トス
附 則
本令ハ明治三十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
朕台湾総督府海港検疫所官制ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年三月三十日
内閣総理大臣 侯爵 山県有朋
内務大臣 侯爵 西郷従道
勅令第百十九号
台湾総督府海港検疫所官制
第一条 台湾総督府海港検疫所ハ台湾総督ノ管理ニ属シ台湾海港検疫ニ関スル事務ヲ掌ル
第二条 台北県基隆ニ海港検疫所ヲ置キ基隆海港検疫所ト称ス
前項ノ外台北県滬尾ニ基隆海港検疫所ノ支所ヲ置ク
第三条 海港検疫所ニ左ノ職員ヲ置ク
所長 一人
海港検疫官 専任一人 奏任
海港検疫医官 専任一人 奏任
海港検疫官補 専任一人 判任
海港検疫医官補 専任一人 判任
海港検疫所調剤手 専任一人 判任
海港検疫所書記 専任二人 判任
海港検疫所支所ニ左ノ職員ヲ置ク
支所長 一人
海港検疫官補 専任一人 判任
海港検疫医官補 専任一人 判任
海港検疫所書記 専任二人 判任
第四条 所長ハ海港検疫官ノ中ヨリ台湾総督之ヲ補ス
所長ハ台湾総督ノ指揮監督ヲ承ケ所務ヲ掌理シ所属職員ヲ監督ス
所長ハ台湾総督ノ認可ヲ経テ所中処務ノ細則ヲ設クルコトヲ得
支所長ハ海港検疫官補ノ中ヨリ台湾総督之ヲ補ス
支所長ハ所長ノ命ヲ承ケ所務ヲ掌理シ所属職員ヲ監督ス
第五条 海港検疫官ハ所長ノ命ヲ承ケ検疫ヲ掌ル
第六条 海港検疫医官ハ所長ノ命ヲ承ケ医務ヲ掌ル
第七条 海港検疫官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ検疫ニ従事ス
第八条 海港検疫医官補ハ上官ノ指揮ヲ承ケ医務ニ従事ス
第九条 海港検疫所調剤手ハ上官ノ指揮ヲ承ケ調剤ニ従事ス
第十条 海港検疫所書記ハ上官ノ指揮ヲ承ケ庶務ニ従事ス
第十一条 台湾総督ハ臨時必要アリト認ムルトキハ検疫又ハ医務若ハ通訳ニ従事セシムル為予算定額内ニ於テ海港検疫所又ハ支所ニ検疫員検疫医員ヲ置クコトヲ得
検疫員及検疫医員ハ判任ノ待遇トス
附 則
本令ハ明治三十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス