汚物掃除法
法令番号: 法律第三十一號
公布年月日: 明治33年3月7日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル汚物掃除法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年三月六日
內閣總理大臣 侯爵 山縣有朋
內務大臣 侯爵 西鄕從道
法律第三十一號
汚物掃除法
第一條 市內ノ土地ノ所有者使用者又ハ占有者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ地域內ノ汚物ヲ掃除シ淸潔ヲ保持スルノ義務ヲ負フ
第二條 市ハ本法其ノ他ノ法令ニ依リ別段ノ義務者アル場合ヲ除クノ外其ノ區域內ノ汚物ヲ掃除シ淸潔ヲ保持スルノ義務ヲ負フ
第三條 市ハ義務者ニ於テ蒐集シタル汚物ヲ處分スルノ義務ヲ負フ但シ命令ヲ以テ別段ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第四條 市ニ於テ前條ノ處分ヲ爲シタル爲生スル收入ハ市ノ所得トス
第五條 地方長官ハ掃除ノ施行及實況ヲ監視セシムル爲必要ナル吏員ヲ市ニ置カシムルコトヲ得
第六條 當該吏員ハ掃除ノ實況ヲ監視シ必要ナル事項ヲ施行スル爲其ノ事由ヲ吿知シテ私人ノ土地ニ立入ルコトヲ得
第七條 本法又ハ本法ニ基キテ發スル命令ニ依リ私人ニ於テ履行スヘキ事項ヲ履行セス又ハ之ヲ履行スルモ充分ナラスト認ムルトキハ當該吏員ニ於テ之ヲ施行シ其ノ費用ハ市ニ於テ之ヲ支辨スヘシ
前項ノ處分ハ豫メ履行期間ヲ指定シテ戒吿スルニ非サレハ之ヲ爲スコトヲ得ス但シ必要ノ時限內ニ履行シ得スト認ムルトキハ此ノ限ニ在ラス
第八條 前條ノ處分ヲ爲シタルトキハ市ハ市稅ノ例ニ依リ其ノ費用ヲ義務者ヨリ徵收スルコトヲ得
第九條 汚物ノ種類汚物掃除竝淸潔保持ノ方法及施設ニ關スル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
第十條 本法ハ明治三十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第十一條 地方長官ハ區町村、町村制ヲ施行セサル地方ニ在テハ町村ニ準スヘキ地又ハ其ノ一部ヲ指定シ本法ノ全部又ハ一部ヲ準用スルコトヲ得
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル汚物掃除法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年三月六日
内閣総理大臣 侯爵 山県有朋
内務大臣 侯爵 西郷従道
法律第三十一号
汚物掃除法
第一条 市内ノ土地ノ所有者使用者又ハ占有者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ其ノ地域内ノ汚物ヲ掃除シ清潔ヲ保持スルノ義務ヲ負フ
第二条 市ハ本法其ノ他ノ法令ニ依リ別段ノ義務者アル場合ヲ除クノ外其ノ区域内ノ汚物ヲ掃除シ清潔ヲ保持スルノ義務ヲ負フ
第三条 市ハ義務者ニ於テ蒐集シタル汚物ヲ処分スルノ義務ヲ負フ但シ命令ヲ以テ別段ノ規定ヲ設クルコトヲ得
第四条 市ニ於テ前条ノ処分ヲ為シタル為生スル収入ハ市ノ所得トス
第五条 地方長官ハ掃除ノ施行及実況ヲ監視セシムル為必要ナル吏員ヲ市ニ置カシムルコトヲ得
第六条 当該吏員ハ掃除ノ実況ヲ監視シ必要ナル事項ヲ施行スル為其ノ事由ヲ告知シテ私人ノ土地ニ立入ルコトヲ得
第七条 本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ依リ私人ニ於テ履行スヘキ事項ヲ履行セス又ハ之ヲ履行スルモ充分ナラスト認ムルトキハ当該吏員ニ於テ之ヲ施行シ其ノ費用ハ市ニ於テ之ヲ支弁スヘシ
前項ノ処分ハ予メ履行期間ヲ指定シテ戒告スルニ非サレハ之ヲ為スコトヲ得ス但シ必要ノ時限内ニ履行シ得スト認ムルトキハ此ノ限ニ在ラス
第八条 前条ノ処分ヲ為シタルトキハ市ハ市税ノ例ニ依リ其ノ費用ヲ義務者ヨリ徴収スルコトヲ得
第九条 汚物ノ種類汚物掃除並清潔保持ノ方法及施設ニ関スル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
第十条 本法ハ明治三十三年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
第十一条 地方長官ハ区町村、町村制ヲ施行セサル地方ニ在テハ町村ニ準スヘキ地又ハ其ノ一部ヲ指定シ本法ノ全部又ハ一部ヲ準用スルコトヲ得