(伝染病予防救治ニ従事スル者ノ手当金ニ関スル法律)
法令番号: 法律第三十號
公布年月日: 明治33年3月7日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル傳染病豫防救治ニ從事スル者ノ手當金ニ關スル法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年三月六日
內閣總理大臣 侯爵 山縣有朋
內務大臣 侯爵 西鄕從道
法律第三十號
第一條 判任以上ノ官吏ニ非スシテ傳染病ノ豫防救治ニ從事スル者公務ニ因リ病毒ニ感染シ又ハ之ニ原因シテ死亡シタルトキハ本法ノ規定ニ依リ手當金ヲ給ス
第二條 手當金ハ左ノ四種トス
一 療治料
二 給助料
三 弔祭料
四 遺族扶助料
第三條 病毒ニ感染シタル者ニハ療治料ヲ給ス感染者治癒シタルトキハ給助料ヲ給シ死亡シタルトキハ其ノ遺族ニ弔祭料及遺族扶助料ヲ給ス遺族ナキトキハ葬儀ヲ行フ者ニ弔祭料ヲ給ス
遺族中遺族扶助料ヲ受クヘキ者ノ順位ハ官吏遺族扶助法ノ例ニ依ル
第四條 遺族扶助料ハ死者ノ受ケタル給料ノ金額ニ應シ別表ニ依リ一時之ヲ給ス其ノ給料ヲ受ケサル者ニ在リテハ別表ノ範圍內ニ於テ本屬長官適宜之ヲ給ス
第五條 療治料ハ命令ノ定ムル區別ニ依リ一日三圓以內ヲ給ス
給助料ハ遺族扶助料ノ二分ノ一ニ相當スル金額ヲ給ス
弔祭料ハ月給一箇月分又ハ日給三十日分ニ相當スル金額ヲ給ス其ノ給料ヲ受ケサル者ニ在リテハ本屬長官適宜之ヲ給ス
第六條 手當金ハ國庫支辨ノ事務ニ從事スル者ニ在リテハ國庫ノ負擔トシ府縣費支辨ノ事務ニ從事スル者ニ在リテハ府縣ノ負擔トス
第七條 地方長官ハ市區町村ニ指示シ本法ノ規定ニ準シ其ノ傳染病豫防救治ニ從事スル者ノ手當金支給ニ關スル規定ヲ設ケシムルコトヲ得
(別表)
等級
月給
遺族扶助料
一等
二百圓以上
千圓
二等
百六十圓以上
九百圓
三等
百三十圓以上
八百圓
四等
百圓以上
七百圓
五等
八十圓以上
六百圓
六等
七十圓以上
五百圓
七等
六十圓以上
四百五十圓
八等
五十圓以上
四百圓
九等
四十圓以上
三百五十圓
十等
三十圓以上
三百圓
十一等
二十圓以上
二百五十圓
十二等
十圓以上
二百圓
十三等
十圓未滿
百圓
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル伝染病予防救治ニ従事スル者ノ手当金ニ関スル法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十三年三月六日
内閣総理大臣 侯爵 山県有朋
内務大臣 侯爵 西郷従道
法律第三十号
第一条 判任以上ノ官吏ニ非スシテ伝染病ノ予防救治ニ従事スル者公務ニ因リ病毒ニ感染シ又ハ之ニ原因シテ死亡シタルトキハ本法ノ規定ニ依リ手当金ヲ給ス
第二条 手当金ハ左ノ四種トス
一 療治料
二 給助料
三 弔祭料
四 遺族扶助料
第三条 病毒ニ感染シタル者ニハ療治料ヲ給ス感染者治癒シタルトキハ給助料ヲ給シ死亡シタルトキハ其ノ遺族ニ弔祭料及遺族扶助料ヲ給ス遺族ナキトキハ葬儀ヲ行フ者ニ弔祭料ヲ給ス
遺族中遺族扶助料ヲ受クヘキ者ノ順位ハ官吏遺族扶助法ノ例ニ依ル
第四条 遺族扶助料ハ死者ノ受ケタル給料ノ金額ニ応シ別表ニ依リ一時之ヲ給ス其ノ給料ヲ受ケサル者ニ在リテハ別表ノ範囲内ニ於テ本属長官適宜之ヲ給ス
第五条 療治料ハ命令ノ定ムル区別ニ依リ一日三円以内ヲ給ス
給助料ハ遺族扶助料ノ二分ノ一ニ相当スル金額ヲ給ス
弔祭料ハ月給一箇月分又ハ日給三十日分ニ相当スル金額ヲ給ス其ノ給料ヲ受ケサル者ニ在リテハ本属長官適宜之ヲ給ス
第六条 手当金ハ国庫支弁ノ事務ニ従事スル者ニ在リテハ国庫ノ負担トシ府県費支弁ノ事務ニ従事スル者ニ在リテハ府県ノ負担トス
第七条 地方長官ハ市区町村ニ指示シ本法ノ規定ニ準シ其ノ伝染病予防救治ニ従事スル者ノ手当金支給ニ関スル規定ヲ設ケシムルコトヲ得
(別表)
等級
月給
遺族扶助料
一等
二百円以上
千円
二等
百六十円以上
九百円
三等
百三十円以上
八百円
四等
百円以上
七百円
五等
八十円以上
六百円
六等
七十円以上
五百円
七等
六十円以上
四百五十円
八等
五十円以上
四百円
九等
四十円以上
三百五十円
十等
三十円以上
三百円
十一等
二十円以上
二百五十円
十二等
十円以上
二百円
十三等
十円未満
百円