特許代理業者登録規則
法令番号: 勅令第二百三十五號
公布年月日: 明治32年6月9日
法令の形式: 勅令
朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ特許代理業者登錄規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年六月八日
農商務大臣 曾禰荒助
勅令第二百三十五號
特許代理業者登錄規則
第一條 特許代理業者ト稱スルハ特許、意匠又ハ商標ニ關スル代理ヲ常業トスル者ヲ謂フ
第二條 特許代理業者ノ登錄ヲ受ケントスル者ハ能力者ニシテ且特許代理業者試驗ニ合格シタル者ナルコトヲ要ス
特許代理業者試驗ニ關スル規定ハ農商務大臣之ヲ定ム
第三條 左ニ揭クル者ハ試驗ヲ經スシテ登錄ヲ受クルコトヲ得
一 文官高等試驗又ハ判事檢事登用試驗ニ合格シタル者
二 帝國大學分科大學又ハ之ト學科程度同等ト認ムル內外國ノ學校ニ於テ定規ノ課業ヲ卒ヘタル者
三 辯護士タル資格ヲ有スル者
四 特許局ノ高等官タリシ者又ハ二年以上特許局審査官補タリシ者
第四條 左ニ揭クル者ハ登錄ヲ受クルコトヲ得ス
一 特許法、意匠法、商標法又ハ第十五條ニ定メタル罪ヲ犯シタル者
二 重罪ノ刑ニ處セラレタル者但シ國事犯ニシテ復權シタル者ハ此ノ限ニ在ラス
三 禁錮ニ處セラレ滿期又ハ赦免ノ後三年ヲ經サル者
四 公權停止中ノ者
五 破產若ハ家資分㪚ノ宣吿ヲ受ケ復權セサル者又ハ身代限ノ處分ヲ受ケ債務ノ辨償ヲ終ヘサル者
第五條 特許代理業者ニシテ第二條若ハ第三條ノ資格ヲ失ヒ又ハ第四條ニ該當スルトキハ登錄ハ直ニ其ノ效ヲ失フ
第六條 登錄ヲ受ケントスル者ハ手數料トシテ金十圓ヲ納ムヘシ
前項ノ手數料ハ收入印紙ヲ以テ之ヲ納ムヘシ
手數料ハ如何ナル場合ニ於テモ之ヲ還付セス
第七條 登錄願書ニハ履歷書及第二條第一項第三條竝第四條ノ事項ニ關スル證明書ヲ添附スヘシ
第八條 特許局ニハ特許代理業者名簿ヲ備ヘ左ノ事項ヲ登錄スヘシ
一 特許代理業者ノ氏名、住所
二 事務所
三 登錄ノ年月日
第九條 前條第一號及第二號ニ揭ケタル事項ニ變更ヲ生シタルトキハ特許代理業者ハ遲滯ナク其ノ旨ヲ特許局ニ屆出ツヘシ特許代理業者其ノ業務ヲ廢止シタルトキ亦同シ
特許代理業者死亡シタルトキハ其ノ相續人ハ遲滯ナク其ノ旨ヲ屆出ツヘシ
前二項ノ屆出アリタルトキハ特許局長ハ特許代理業者名簿ニ其ノ旨ヲ登錄スヘシ
第十條 特許代理業ヲ停止シ又ハ其ノ停止ヲ解キタルトキハ特許局長ハ特許代理業者名簿ニ其ノ旨ヲ登錄スヘシ
第十一條 特許代理業ヲ禁止シタルトキ及第五條ノ事實アリタルトキハ特許局長ハ特許代理業者名簿ニ抹消ノ登錄ヲ爲スヘシ
第十二條 特許代理業者名簿ニ登錄シタル事項ハ官報特許公報及商標公報ヲ以テ之ヲ公吿スヘシ
第十三條 特許代理業者ハ相手方ノ代理人トシテ取扱ヒタル事件又ハ特許局在職中取扱ヒタル事件ニ付其ノ業務ヲ行フコトヲ得ス
第十四條 特許代理業者組合ヲ設ケタルトキハ組合規約ヲ定メテ特許局長ノ認可ヲ受クヘシ組合規約ヲ變更シタルトキ亦同シ其ノ組合ヲ廢止シタルトキハ特許局ニ屆出ツヘシ
第十五條 登錄ヲ受ケスシテ特許代理業ヲ營ミ若ハ特許代理業者ト公稱シタル者又ハ詐僞ノ所爲ヲ以テ登錄ヲ受ケタル者ハ十圓以上五十圓以下ノ罰金ニ處ス
特許代理業ヲ停止若ハ禁止セラレ又ハ第五條ニ依リ登錄ノ效ヲ失ヒ仍業務ヲ營ミタル者亦前項ニ同シ
附 則
第十六條 本令發布前ヨリ特許代理業ヲ營ム者ニシテ第三條ニ該當セサル者ハ特許代理業者試驗委員ノ銓衡ヲ經テ登錄ヲ受クルコトヲ得但シ本令施行ノ日ヨリ三十日以內ニ出願シタル者ニ限ル
第十七條 本令ハ明治三十二年七月一日ヨリ施行ス
朕枢密顧問ノ諮詢ヲ経テ特許代理業者登録規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十二年六月八日
農商務大臣 曽祢荒助
勅令第二百三十五号
特許代理業者登録規則
第一条 特許代理業者ト称スルハ特許、意匠又ハ商標ニ関スル代理ヲ常業トスル者ヲ謂フ
第二条 特許代理業者ノ登録ヲ受ケントスル者ハ能力者ニシテ且特許代理業者試験ニ合格シタル者ナルコトヲ要ス
特許代理業者試験ニ関スル規定ハ農商務大臣之ヲ定ム
第三条 左ニ掲クル者ハ試験ヲ経スシテ登録ヲ受クルコトヲ得
一 文官高等試験又ハ判事検事登用試験ニ合格シタル者
二 帝国大学分科大学又ハ之ト学科程度同等ト認ムル内外国ノ学校ニ於テ定規ノ課業ヲ卒ヘタル者
三 弁護士タル資格ヲ有スル者
四 特許局ノ高等官タリシ者又ハ二年以上特許局審査官補タリシ者
第四条 左ニ掲クル者ハ登録ヲ受クルコトヲ得ス
一 特許法、意匠法、商標法又ハ第十五条ニ定メタル罪ヲ犯シタル者
二 重罪ノ刑ニ処セラレタル者但シ国事犯ニシテ復権シタル者ハ此ノ限ニ在ラス
三 禁錮ニ処セラレ満期又ハ赦免ノ後三年ヲ経サル者
四 公権停止中ノ者
五 破産若ハ家資分散ノ宣告ヲ受ケ復権セサル者又ハ身代限ノ処分ヲ受ケ債務ノ弁償ヲ終ヘサル者
第五条 特許代理業者ニシテ第二条若ハ第三条ノ資格ヲ失ヒ又ハ第四条ニ該当スルトキハ登録ハ直ニ其ノ効ヲ失フ
第六条 登録ヲ受ケントスル者ハ手数料トシテ金十円ヲ納ムヘシ
前項ノ手数料ハ収入印紙ヲ以テ之ヲ納ムヘシ
手数料ハ如何ナル場合ニ於テモ之ヲ還付セス
第七条 登録願書ニハ履歴書及第二条第一項第三条並第四条ノ事項ニ関スル証明書ヲ添附スヘシ
第八条 特許局ニハ特許代理業者名簿ヲ備ヘ左ノ事項ヲ登録スヘシ
一 特許代理業者ノ氏名、住所
二 事務所
三 登録ノ年月日
第九条 前条第一号及第二号ニ掲ケタル事項ニ変更ヲ生シタルトキハ特許代理業者ハ遅滞ナク其ノ旨ヲ特許局ニ届出ツヘシ特許代理業者其ノ業務ヲ廃止シタルトキ亦同シ
特許代理業者死亡シタルトキハ其ノ相続人ハ遅滞ナク其ノ旨ヲ届出ツヘシ
前二項ノ届出アリタルトキハ特許局長ハ特許代理業者名簿ニ其ノ旨ヲ登録スヘシ
第十条 特許代理業ヲ停止シ又ハ其ノ停止ヲ解キタルトキハ特許局長ハ特許代理業者名簿ニ其ノ旨ヲ登録スヘシ
第十一条 特許代理業ヲ禁止シタルトキ及第五条ノ事実アリタルトキハ特許局長ハ特許代理業者名簿ニ抹消ノ登録ヲ為スヘシ
第十二条 特許代理業者名簿ニ登録シタル事項ハ官報特許公報及商標公報ヲ以テ之ヲ公告スヘシ
第十三条 特許代理業者ハ相手方ノ代理人トシテ取扱ヒタル事件又ハ特許局在職中取扱ヒタル事件ニ付其ノ業務ヲ行フコトヲ得ス
第十四条 特許代理業者組合ヲ設ケタルトキハ組合規約ヲ定メテ特許局長ノ認可ヲ受クヘシ組合規約ヲ変更シタルトキ亦同シ其ノ組合ヲ廃止シタルトキハ特許局ニ届出ツヘシ
第十五条 登録ヲ受ケスシテ特許代理業ヲ営ミ若ハ特許代理業者ト公称シタル者又ハ詐偽ノ所為ヲ以テ登録ヲ受ケタル者ハ十円以上五十円以下ノ罰金ニ処ス
特許代理業ヲ停止若ハ禁止セラレ又ハ第五条ニ依リ登録ノ効ヲ失ヒ仍業務ヲ営ミタル者亦前項ニ同シ
附 則
第十六条 本令発布前ヨリ特許代理業ヲ営ム者ニシテ第三条ニ該当セサル者ハ特許代理業者試験委員ノ銓衡ヲ経テ登録ヲ受クルコトヲ得但シ本令施行ノ日ヨリ三十日以内ニ出願シタル者ニ限ル
第十七条 本令ハ明治三十二年七月一日ヨリ施行ス