(度量衡器ノ制限、其ノ製作、修覆及販売ノ免許並検定ニ関スル件)
法令番号: 勅令第百十六號
公布年月日: 明治30年4月27日
法令の形式: 勅令
朕度量衡器ノ制限、其ノ製作、修覆及販賣ノ免許竝檢定ニ關スル件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年四月二十二日
內閣總理大臣臨時代理 樞密院議長 伯爵 黑田淸隆
農商務大臣 伯爵 大隈重信
勅令第百十六號
第一條 度量衡器ノ種類、形狀及物質ヲ定ムルコト左ノ如シ
【表】
第二條 營業ノ目的ニ使用スル度量衡器ハ明治三十二年ニ之ヲ檢定シ爾後五年目每ニ之ヲ檢定ス
第三條 度量衡器ノ公差ヲ定ムルコト左ノ如シ
但シ分銅ハ內減ヲ許サス
【表】
第四條 檢定スヘキ度器、玻璃製量器ノ目盛及分銅ノ最小定限ヲ定ムルコト左ノ如シ
度器ノ目盛
五厘 (一尺以下ノ度器)
一分 (十尺未滿ノ度器)
一寸 (十尺以上ノ度器)
鯨尺一分 (各種鯨尺度器)
一「ミリメートル」 (一「メートル」以下ノ度器)
五「ミリメートル」 (五「メートル」未滿ノ度器)
五「センチメートル」 (五「メートル」以上ノ度器)
玻璃製量器ノ目盛
全量ノ十分ノ一
分銅
一厘
一「センチグラム」
第五條 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ノ免許年限ハ十五箇年トス
第六條 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ヲ願出ル者ハ其ノ願書ニ左ノ事項ヲ詳記シタル營業ノ設計書ヲ添ヘ地方長官ヲ經由シ農商務大臣ニ差出スヘシ
製作、修覆ヲ願出ル者
一 製作場、修覆場ノ位置及構造
二 製作、修覆セントスル度量衡器ノ種類、形狀及物質
三 資本金
四 製作、修覆ニ使用スヘキ技師、職工ノ員數及其ノ職業別竝ニ諸器械ノ種類
販賣ヲ願出ル者及製作者ニシテ販賣ヲ兼ヌル者
一 販賣所ノ位置及構造
二 販賣セントスル度量衡器ノ種類、形狀及物質
三 資本金
農商務大臣前項營業ノ設計ヲ不適當ト認ムルトキハ其ノ願書ヲ却下スヘシ
第七條 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ノ免許ヲ受ケタル者其ノ營業ノ設計ヲ變更セントスルトキハ地方長官ヲ經由シ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第八條 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ノ免許ヲ受クル者ハ左ノ免許料ヲ納ムヘシ
度器、量器又ハ衡器ノ製作 金十五圓
度器、量器又ハ衡器ノ修覆 金十二圓
度器、量器又ハ衡器ノ販賣 金五圓
第九條 度量衡器ノ檢定ヲ受クル者ハ左ノ檢定料ヲ納ムヘシ
二段以上目盛シタル度器ハ一段每ニ其ノ檢定料ヲ納ムヘシ但シ曲リ尺ニシテ尺及「メートル」ヲ合セ盛ラサルモノハ此ノ限ニアラス
桿秤及臺秤ニシテ貫ト「キログラム」トヲ併セ目盛シタルモノハ其ノ目盛每ニ檢定料ヲ納ムヘシ
【表】
第十條 第八條ノ免許料及第九條ノ檢定料ハ登記印紙ヲ以テ納ムヘシ
第十一條 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販賣ノ免許ヲ受ケタル者ハ左ノ身元保證金ヲ納ムヘシ
度器製作 金三百圓
量器製作 金三百圓
衡器製作
木材、象牙、骨製桿秤 金三百圓
天秤、分銅、臺秤及金屬製桿秤 金五百圓
度量衡器修覆 金二百圓
度量衡器販賣 金百圓
附 則
第十二條 本令ハ明治三十年五月一日ヨリ施行ス
但シ本令第一條中量器ノ形狀、物質、種類、寸法、容積、第三條中量器ノ容量、寸法ノ公差及第四條中玻璃製量器ノ目盛ノ最小定限ニ關スル規程ハ明治三十一年一月一日ヨリ施行ス
第十三條 本令施行以前檢定ヲ受ケタル度器、量器ノ檢定ニ付テハ明治三十五年十二月三十一日マテ明治二十四年勅令第百七十七號ノ規程ヲ適用ス
朕度量衡器ノ制限、其ノ製作、修覆及販売ノ免許並検定ニ関スル件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治三十年四月二十二日
内閣総理大臣臨時代理 枢密院議長 伯爵 黒田清隆
農商務大臣 伯爵 大隈重信
勅令第百十六号
第一条 度量衡器ノ種類、形状及物質ヲ定ムルコト左ノ如シ
【表】
第二条 営業ノ目的ニ使用スル度量衡器ハ明治三十二年ニ之ヲ検定シ爾後五年目毎ニ之ヲ検定ス
第三条 度量衡器ノ公差ヲ定ムルコト左ノ如シ
但シ分銅ハ内減ヲ許サス
【表】
第四条 検定スヘキ度器、玻璃製量器ノ目盛及分銅ノ最小定限ヲ定ムルコト左ノ如シ
度器ノ目盛
五厘 (一尺以下ノ度器)
一分 (十尺未満ノ度器)
一寸 (十尺以上ノ度器)
鯨尺一分 (各種鯨尺度器)
一「ミリメートル」 (一「メートル」以下ノ度器)
五「ミリメートル」 (五「メートル」未満ノ度器)
五「センチメートル」 (五「メートル」以上ノ度器)
玻璃製量器ノ目盛
全量ノ十分ノ一
分銅
一厘
一「センチグラム」
第五条 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販売ノ免許年限ハ十五箇年トス
第六条 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販売ヲ願出ル者ハ其ノ願書ニ左ノ事項ヲ詳記シタル営業ノ設計書ヲ添ヘ地方長官ヲ経由シ農商務大臣ニ差出スヘシ
製作、修覆ヲ願出ル者
一 製作場、修覆場ノ位置及構造
二 製作、修覆セントスル度量衡器ノ種類、形状及物質
三 資本金
四 製作、修覆ニ使用スヘキ技師、職工ノ員数及其ノ職業別並ニ諸器械ノ種類
販売ヲ願出ル者及製作者ニシテ販売ヲ兼ヌル者
一 販売所ノ位置及構造
二 販売セントスル度量衡器ノ種類、形状及物質
三 資本金
農商務大臣前項営業ノ設計ヲ不適当ト認ムルトキハ其ノ願書ヲ却下スヘシ
第七条 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販売ノ免許ヲ受ケタル者其ノ営業ノ設計ヲ変更セントスルトキハ地方長官ヲ経由シ農商務大臣ノ認可ヲ受クヘシ
第八条 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販売ノ免許ヲ受クル者ハ左ノ免許料ヲ納ムヘシ
度器、量器又ハ衡器ノ製作 金十五円
度器、量器又ハ衡器ノ修覆 金十二円
度器、量器又ハ衡器ノ販売 金五円
第九条 度量衡器ノ検定ヲ受クル者ハ左ノ検定料ヲ納ムヘシ
二段以上目盛シタル度器ハ一段毎ニ其ノ検定料ヲ納ムヘシ但シ曲リ尺ニシテ尺及「メートル」ヲ合セ盛ラサルモノハ此ノ限ニアラス
桿秤及台秤ニシテ貫ト「キログラム」トヲ併セ目盛シタルモノハ其ノ目盛毎ニ検定料ヲ納ムヘシ
【表】
第十条 第八条ノ免許料及第九条ノ検定料ハ登記印紙ヲ以テ納ムヘシ
第十一条 度量衡器ノ製作、修覆又ハ販売ノ免許ヲ受ケタル者ハ左ノ身元保証金ヲ納ムヘシ
度器製作 金三百円
量器製作 金三百円
衡器製作
木材、象牙、骨製桿秤 金三百円
天秤、分銅、台秤及金属製桿秤 金五百円
度量衡器修覆 金二百円
度量衡器販売 金百円
附 則
第十二条 本令ハ明治三十年五月一日ヨリ施行ス
但シ本令第一条中量器ノ形状、物質、種類、寸法、容積、第三条中量器ノ容量、寸法ノ公差及第四条中玻璃製量器ノ目盛ノ最小定限ニ関スル規程ハ明治三十一年一月一日ヨリ施行ス
第十三条 本令施行以前検定ヲ受ケタル度器、量器ノ検定ニ付テハ明治三十五年十二月三十一日マテ明治二十四年勅令第百七十七号ノ規程ヲ適用ス