監軍部条例
法令番号: 勅令第二百九號
公布年月日: 明治29年5月16日
法令の形式: 勅令
朕監軍部條例改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十九年五月十五日
內閣總理大臣 侯爵 伊藤博文
陸軍大臣 侯爵 大山巖
勅令第二百九號
監軍部條例
第一條 監軍部ハ陸軍軍隊練成ノ齊一進步ヲ規畫スル所トス
第二條 陸軍大將若クハ陸軍中將一人ヲ以テ監軍ニ親補シ
天皇ニ直隸セシム
第三條 監軍ハ部事ヲ總理シ敎育ニ關スル諸條規典範ヲ調査シ陸軍砲工學校、陸軍士官學校、陸軍中央幼年學校、陸軍地方幼年學校、陸軍戶山學校、陸軍敎導團ヲ管轄ス
第四條 監軍ハ陸軍軍隊檢閱條例ニ依リ 勅ヲ奉シテ檢閱使トナリ軍隊ノ檢閱ヲ行フ
第五條 監軍部ニ幕僚竝騎、砲、工、輜重ノ各兵監部ヲ置キ幕僚ヲ分テ參謀部及副官部トナス
第六條 參謀長ハ幕僚ヲ統ヘ監軍ヲ輔佐シ事務整理ノ責ニ任ス
第七條 幕僚ノ參謀及副官ハ參謀長ノ區處ヲ受ケ事務ヲ分擔ス
第八條 騎兵監ハ各騎兵隊及敎導團騎兵生徒隊ノ敎育上本科專門ノ事ニ就キ齊一進步ノ責ニ任シ又本科ニ關スル事項ヲ調査硏究審議シ竝ニ立案スルコトヲ掌リ陸軍乘馬學校ヲ管轄ス
第九條 野戰砲兵監ハ各野戰砲兵隊、砲工學校學生及敎導團砲兵生徒隊ノ敎育上本科專門ノ事ニ就キ齊一進步ノ責ニ任シ又野戰砲兵ニ關スル事項ヲ調査硏究審議シ竝ニ立案スルコトヲ掌リ陸軍野戰砲兵射擊學校ヲ管轄ス
第十條 要塞砲兵監ハ各要塞砲兵隊及砲工學校學生ノ敎育上本科專門ノ事ニ就キ齊一進步ノ責ニ任シ又要塞砲兵ニ關スル事項ヲ調査硏究審議シ竝ニ立案スルコトヲ掌リ陸軍要塞砲兵射擊學校ヲ管轄ス
第十一條 工兵監ハ各工兵隊、砲工學校學生及敎導團工兵生徒隊ノ敎育上本科專門ノ事ニ就キ齊一進步ノ責ニ任シ又本科ニ關スル事項ヲ調査硏究審議シ竝ニ立案スルコトヲ掌ル
第十二條 輜重兵監ハ各輜重兵隊及敎導團輜重兵生徒隊ノ敎育上本科專門ノ事ニ就キ齊一進步ノ責ニ任シ又本科ニ關スル事項ヲ調査硏究審議シ竝ニ立案スルコトヲ掌ル
第十三條 各兵監ハ陸軍軍隊檢閱條例ニ依リ臨時ニ當該兵隊ノ檢閱ヲ行フ
第十四條 各兵監副官ハ各其兵監ノ下ニ在リテ事務ヲ分擔ス
第十五條 監軍部ニ書記トシテ下士竝ニ陸軍屬ヲ置ク
朕監軍部条例改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十九年五月十五日
内閣総理大臣 侯爵 伊藤博文
陸軍大臣 侯爵 大山巌
勅令第二百九号
監軍部条例
第一条 監軍部ハ陸軍軍隊練成ノ斉一進歩ヲ規画スル所トス
第二条 陸軍大将若クハ陸軍中将一人ヲ以テ監軍ニ親補シ
天皇ニ直隷セシム
第三条 監軍ハ部事ヲ総理シ教育ニ関スル諸条規典範ヲ調査シ陸軍砲工学校、陸軍士官学校、陸軍中央幼年学校、陸軍地方幼年学校、陸軍戸山学校、陸軍教導団ヲ管轄ス
第四条 監軍ハ陸軍軍隊検閲条例ニ依リ 勅ヲ奉シテ検閲使トナリ軍隊ノ検閲ヲ行フ
第五条 監軍部ニ幕僚並騎、砲、工、輜重ノ各兵監部ヲ置キ幕僚ヲ分テ参謀部及副官部トナス
第六条 参謀長ハ幕僚ヲ統ヘ監軍ヲ輔佐シ事務整理ノ責ニ任ス
第七条 幕僚ノ参謀及副官ハ参謀長ノ区処ヲ受ケ事務ヲ分担ス
第八条 騎兵監ハ各騎兵隊及教導団騎兵生徒隊ノ教育上本科専門ノ事ニ就キ斉一進歩ノ責ニ任シ又本科ニ関スル事項ヲ調査研究審議シ並ニ立案スルコトヲ掌リ陸軍乗馬学校ヲ管轄ス
第九条 野戦砲兵監ハ各野戦砲兵隊、砲工学校学生及教導団砲兵生徒隊ノ教育上本科専門ノ事ニ就キ斉一進歩ノ責ニ任シ又野戦砲兵ニ関スル事項ヲ調査研究審議シ並ニ立案スルコトヲ掌リ陸軍野戦砲兵射撃学校ヲ管轄ス
第十条 要塞砲兵監ハ各要塞砲兵隊及砲工学校学生ノ教育上本科専門ノ事ニ就キ斉一進歩ノ責ニ任シ又要塞砲兵ニ関スル事項ヲ調査研究審議シ並ニ立案スルコトヲ掌リ陸軍要塞砲兵射撃学校ヲ管轄ス
第十一条 工兵監ハ各工兵隊、砲工学校学生及教導団工兵生徒隊ノ教育上本科専門ノ事ニ就キ斉一進歩ノ責ニ任シ又本科ニ関スル事項ヲ調査研究審議シ並ニ立案スルコトヲ掌ル
第十二条 輜重兵監ハ各輜重兵隊及教導団輜重兵生徒隊ノ教育上本科専門ノ事ニ就キ斉一進歩ノ責ニ任シ又本科ニ関スル事項ヲ調査研究審議シ並ニ立案スルコトヲ掌ル
第十三条 各兵監ハ陸軍軍隊検閲条例ニ依リ臨時ニ当該兵隊ノ検閲ヲ行フ
第十四条 各兵監副官ハ各其兵監ノ下ニ在リテ事務ヲ分担ス
第十五条 監軍部ニ書記トシテ下士並ニ陸軍属ヲ置ク