工兵方面条例
法令番号: 勅令第百十號
公布年月日: 明治29年3月31日
法令の形式: 勅令
朕工兵方面條例改正ノ件ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十九年三月三十日
陸軍大臣 侯爵 大山巖
勅令第百十號
工兵方面條例
第一條 工兵方面ハ陸軍大臣ノ管理ニ屬シ要塞堡壘砲臺及附屬營造物ノ建築修繕保管其ノ他之レニ關スル工兵事業ヲ掌リ步工兵ノ器具材料ヲ調辨シ且所屬地ヲ管轄スル所トス
第二條 工兵方面ハ第一方面第二方面及第三方面トシ各本署、支署、材料廠及材料支廠ヨリ成ル
第一方面ハ本署ヲ東京ニ置キ近衞、第一、第二、第七及第八師管ヲ管轄シ第二方面ハ本署ヲ大阪ニ置キ第三、第四、第九及第十師管ヲ管轄シ第三方面ハ本署ヲ小倉ニ置キ第五、第六、第十一及第十二師管ヲ管轄シ各所管ノ支署、材料廠及材料支廠ヲ統轄ス
支署ハ要塞所在地ニ置キ築城事業及守城器具材料保管ノ事ニ任シ材料廠ハ各本署所在地ニ材料支廠ハ各工兵隊所在地ニ置キ專ラ器具材料ノ保管ニ任ス但シ支署ハ三等ニ區分シ其ノ新設及等位ハ陸軍大臣之レヲ定ム
第三條 工兵方面ニ左ノ職員ヲ置ク
本署
本署長 工兵大中佐
署員 工兵少佐大中尉
軍吏
支署
支署長 工兵中少佐大尉
署員 工兵大中尉
軍吏
材料廠
材料廠長 工兵大中尉
材料支廠
材料支廠長 工兵大中尉
第四條 前條ニ揭クル職員ノ外本支署及材料廠ニ工兵上等監護、工兵監護、技手及軍吏部下士ヲ材料支廠ニ工兵監護及技手ヲ置キ猶支署ニハ砲臺監守ヲ置ク
第五條 本署長ハ陸軍大臣ニ隸シ本署ノ事務ヲ總理シ管掌ノ事項ニ就テハ其ノ責ニ任シ且所管要塞ノ新設若クハ補修ニ關スル工兵事業ノ調査ニ任ス
第六條 支署長ハ本署長ニ屬シ支署ノ事務ヲ處理シ擔任ノ事項ニ就テハ其ノ責ニ任ス
第七條 材料廠長及同支廠長ハ本署長ニ屬シ廠務ヲ處理シ擔任ノ事項ニ就テハ其ノ責ニ任ス
第八條 署員軍吏ハ本支署長ノ命ヲ受ケ各事務ヲ分擔シ其ノ責ニ任ス
第九條 本署長ハ業務ノ繁閑ニ應シ必要ト認ムルトキハ本支署ノ官僚ヲ彼是應用スルコトヲ得
附 則
第十條 當分ノ內波止濱支署ハ第二方面本署長ヲシテ管轄セシム
第十一條 特種ノ技術ニ從事セシムル爲メ當分ノ內本署ニ技師一名ヲ置クコトヲ得
第十二條 當分ノ內工兵監護ハ工兵曹長若クハ工兵一等軍曹ヲ以テ之レニ充ルコトヲ得
第十三條 要塞司令部設置ニ至ル迄本署長及支署長ハ其ノ所管要塞ノ防務ニ參與セシムルコトアルヘシ
第十四條 本條例ハ明治二十九年四月一日ヨリ施行ス
第十五條 材料支廠ハ明治三十年四月一日ヨリ設置ス
朕工兵方面条例改正ノ件ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十九年三月三十日
陸軍大臣 侯爵 大山巌
勅令第百十号
工兵方面条例
第一条 工兵方面ハ陸軍大臣ノ管理ニ属シ要塞堡塁砲台及附属営造物ノ建築修繕保管其ノ他之レニ関スル工兵事業ヲ掌リ歩工兵ノ器具材料ヲ調弁シ且所属地ヲ管轄スル所トス
第二条 工兵方面ハ第一方面第二方面及第三方面トシ各本署、支署、材料廠及材料支廠ヨリ成ル
第一方面ハ本署ヲ東京ニ置キ近衛、第一、第二、第七及第八師管ヲ管轄シ第二方面ハ本署ヲ大阪ニ置キ第三、第四、第九及第十師管ヲ管轄シ第三方面ハ本署ヲ小倉ニ置キ第五、第六、第十一及第十二師管ヲ管轄シ各所管ノ支署、材料廠及材料支廠ヲ統轄ス
支署ハ要塞所在地ニ置キ築城事業及守城器具材料保管ノ事ニ任シ材料廠ハ各本署所在地ニ材料支廠ハ各工兵隊所在地ニ置キ専ラ器具材料ノ保管ニ任ス但シ支署ハ三等ニ区分シ其ノ新設及等位ハ陸軍大臣之レヲ定ム
第三条 工兵方面ニ左ノ職員ヲ置ク
本署
本署長 工兵大中佐
署員 工兵少佐大中尉
軍吏
支署
支署長 工兵中少佐大尉
署員 工兵大中尉
軍吏
材料廠
材料廠長 工兵大中尉
材料支廠
材料支廠長 工兵大中尉
第四条 前条ニ掲クル職員ノ外本支署及材料廠ニ工兵上等監護、工兵監護、技手及軍吏部下士ヲ材料支廠ニ工兵監護及技手ヲ置キ猶支署ニハ砲台監守ヲ置ク
第五条 本署長ハ陸軍大臣ニ隷シ本署ノ事務ヲ総理シ管掌ノ事項ニ就テハ其ノ責ニ任シ且所管要塞ノ新設若クハ補修ニ関スル工兵事業ノ調査ニ任ス
第六条 支署長ハ本署長ニ属シ支署ノ事務ヲ処理シ担任ノ事項ニ就テハ其ノ責ニ任ス
第七条 材料廠長及同支廠長ハ本署長ニ属シ廠務ヲ処理シ担任ノ事項ニ就テハ其ノ責ニ任ス
第八条 署員軍吏ハ本支署長ノ命ヲ受ケ各事務ヲ分担シ其ノ責ニ任ス
第九条 本署長ハ業務ノ繁閑ニ応シ必要ト認ムルトキハ本支署ノ官僚ヲ彼是応用スルコトヲ得
附 則
第十条 当分ノ内波止浜支署ハ第二方面本署長ヲシテ管轄セシム
第十一条 特種ノ技術ニ従事セシムル為メ当分ノ内本署ニ技師一名ヲ置クコトヲ得
第十二条 当分ノ内工兵監護ハ工兵曹長若クハ工兵一等軍曹ヲ以テ之レニ充ルコトヲ得
第十三条 要塞司令部設置ニ至ル迄本署長及支署長ハ其ノ所管要塞ノ防務ニ参与セシムルコトアルヘシ
第十四条 本条例ハ明治二十九年四月一日ヨリ施行ス
第十五条 材料支廠ハ明治三十年四月一日ヨリ設置ス