工兵方面条例
法令番号: 勅令第二百四十號
公布年月日: 明治26年12月18日
法令の形式: 勅令
朕工兵方面條例ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年十二月十六日
陸軍大臣 伯爵 大山巖
勅令第二百四十號
工兵方面條例
第一條 工兵方面ハ陸軍大臣ノ管理ニ屬シ要塞堡壘砲臺及附屬營造物ノ建築修繕保管其ノ他之ニ關スル工兵事業ヲ掌リ步工兵ノ器具材料ヲ調辨シ且所屬地ヲ管轄スル所トス
第二條 工兵方面ハ本署、支署、本廠、支廠ヨリ成リ本署ハ東京ニ置キ各支署及本支廠ヲ統轄シ支署ハ要塞所在地ニ置キ專ラ築城ノ事業ヲ擔任シ本廠ハ東京及大阪ニ支廠ハ各工兵隊所在地ニ置キ專ラ器具材料ノ保管ニ任ス但支署ハ三等ニ區分シ其ノ新設及等位ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第三條 工兵方面本支署及本支廠ニ左ノ職員ヲ置ク
本 署
本署長 工兵大中佐
署員 工兵少佐大中尉
軍吏
支 署
支署長 工兵中少佐大尉
署員 工兵大中尉
軍吏
本 廠
本廠長 工兵大中尉
支 廠
支廠長 工兵大中尉
第四條 前條ニ揭クル職員ノ外本支署及本廠ニ工兵上等監護、工兵監護、技手及軍吏部書記ヲ支廠ニ工兵監護及軍吏部書記ヲ置キ猶支署ニハ砲臺監守ヲ置ク
第五條 本署長ハ陸軍大臣ニ隸シ本署ノ事務ヲ總理シ管掌ノ事項ニ就テハ其ノ責ニ任シ且全國要塞ノ新設若クハ補修ニ關スル工兵事業ノ調査ニ任ス
第六條 支署長ハ本署長ニ屬シ支署ノ事務ヲ處理シ擔任ノ事項ニ就テハ其ノ責ニ任ス
第七條 本支廠長ハ本署長ニ屬シ廠務ヲ處理シ擔任ノ事項ニ就テハ其ノ責ニ任ス
第八條 署員軍吏ハ本支署長ノ命ヲ受ケ各事務ヲ分擔シ其ノ責ニ任ス
第九條 本署長ハ業務ノ繁閑ニ應シ必要ト認ルトキハ本支署ノ官僚ヲ彼是應用スルコトヲ得
附 則
第十條 特種ノ技術ニ從事セシムル爲メ當分本署ニ技師二名ヲ置クコトヲ得
第十一條 工兵監護ハ當分工兵曹長ヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得
第十二條 要塞條例制定ニ至ル迄本署長ハ全國、支署長ハ其ノ所管要塞ノ防務ニ參與セシムルコトアリ
第十三條 工兵方面支廠ハ追テ設置スルモノトス
朕工兵方面条例ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年十二月十六日
陸軍大臣 伯爵 大山巌
勅令第二百四十号
工兵方面条例
第一条 工兵方面ハ陸軍大臣ノ管理ニ属シ要塞堡塁砲台及附属営造物ノ建築修繕保管其ノ他之ニ関スル工兵事業ヲ掌リ歩工兵ノ器具材料ヲ調弁シ且所属地ヲ管轄スル所トス
第二条 工兵方面ハ本署、支署、本廠、支廠ヨリ成リ本署ハ東京ニ置キ各支署及本支廠ヲ統轄シ支署ハ要塞所在地ニ置キ専ラ築城ノ事業ヲ担任シ本廠ハ東京及大阪ニ支廠ハ各工兵隊所在地ニ置キ専ラ器具材料ノ保管ニ任ス但支署ハ三等ニ区分シ其ノ新設及等位ハ陸軍大臣之ヲ定ム
第三条 工兵方面本支署及本支廠ニ左ノ職員ヲ置ク
本 署
本署長 工兵大中佐
署員 工兵少佐大中尉
軍吏
支 署
支署長 工兵中少佐大尉
署員 工兵大中尉
軍吏
本 廠
本廠長 工兵大中尉
支 廠
支廠長 工兵大中尉
第四条 前条ニ掲クル職員ノ外本支署及本廠ニ工兵上等監護、工兵監護、技手及軍吏部書記ヲ支廠ニ工兵監護及軍吏部書記ヲ置キ猶支署ニハ砲台監守ヲ置ク
第五条 本署長ハ陸軍大臣ニ隷シ本署ノ事務ヲ総理シ管掌ノ事項ニ就テハ其ノ責ニ任シ且全国要塞ノ新設若クハ補修ニ関スル工兵事業ノ調査ニ任ス
第六条 支署長ハ本署長ニ属シ支署ノ事務ヲ処理シ担任ノ事項ニ就テハ其ノ責ニ任ス
第七条 本支廠長ハ本署長ニ属シ廠務ヲ処理シ担任ノ事項ニ就テハ其ノ責ニ任ス
第八条 署員軍吏ハ本支署長ノ命ヲ受ケ各事務ヲ分担シ其ノ責ニ任ス
第九条 本署長ハ業務ノ繁閑ニ応シ必要ト認ルトキハ本支署ノ官僚ヲ彼是応用スルコトヲ得
附 則
第十条 特種ノ技術ニ従事セシムル為メ当分本署ニ技師二名ヲ置クコトヲ得
第十一条 工兵監護ハ当分工兵曹長ヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得
第十二条 要塞条例制定ニ至ル迄本署長ハ全国、支署長ハ其ノ所管要塞ノ防務ニ参与セシムルコトアリ
第十三条 工兵方面支廠ハ追テ設置スルモノトス