第一條 淸國山東省威海衞ニ駐劄スル陸軍部隊及軍人軍屬ノ給與ハ本規則ニ依ル但本規則ニ明文ナキモノハ陸軍給與令ノ規程ヲ適用ス
第二條 內地ニ於テ經理ヲ委任セラレタル軍隊ニシテ本規則ニ依リ給與ヲ受クルトキハ其ノ期間委任經理ニ屬スル給與ヲ停止ス
第三條 本規則ニ於テ俸給ト稱スルハ陸軍給與令第一表ノ俸給ニ職務俸若クハ特別俸、上級ノ職務心得勤加給俸ヲ加算シタルモノ、給料ト稱スルハ同令第三表ノ給料ニ增俸及加俸ヲ加算シタルモノ及諸生徒手當金ヲ云フ
第四條 士官ノ階級ニアラスシテ士官ノ勤務ニ服スル者ノ給料ハ特務曹長ノ二等給ニ該ル金額トス
第五條 駐劄地ニ向ヒ內地ヲ出發スル准士官特務曹長ヲ除ク以上外宿加俸ヲ受クル下士以下及文官ニハ手當トシテ其ノ俸給若クハ給料ノ一箇月分ヲ給ス出發ノ際手當ヲ受ケサル者駐劄地ニ於テ士官ニ昇進シタルトキ亦同シ但一箇年以內ニ在テ數囘往復スルト雖再給セス
第六條 駐劄地ニ出發ノ者ハ其ノ出發ノ日ヨリ歸著ノ日マテ准士官特務曹長ヲ除ク以上及文官ニハ俸給五分ノ一、特務曹長、下士以下ニハ給料四分ノ一ヲ增給ス
第七條 准士官特務曹長ヲ除ク以上及高等文官ハ廠舍及必要ナル家具ヲ貸與シ食料ヲ給ス其ノ馬匹ノ飼料ハ實費ヲ給ス但時宜ニ依リ食料及馬匹ノ飼料ハ現品ヲ給スルコトヲ得
特務曹長、下士以下及判任文官ノ糧食竝ニ隊馬ノ飼料ハ總テ現品ヲ給ス
食料ノ金額現品ノ定量及家具ノ種類ハ陸軍大臣之ヲ定ム
軍人軍屬外ノ者ニシテ糧食給與ノ必要アルトキハ適宜現品ヲ給與スルコトヲ得
定額馬飼料ノ支給ハ第六條ノ增給ヲ受クル期間之ヲ停止ス但裝蹄其ノ他器具ノ保續等ハ該期間官費トス
第八條 特務曹長、下士以下ノ被服ハ外宿加俸ヲ受クル者ト受ケサル者トニ拘ラス第六條ノ增給ヲ受クル期間實際ノ所要ニ應シ現品ヲ給ス但陸軍給與令ニ於テ定額ヲ以テ交付スヘキ金額ハ出發ノ翌月ヨリ歸著ノ前月マテ之ヲ停止ス
第九條 軍人軍屬ニハ必要ニ應シ特種ノ被服ヲ給與シ若クハ貸與スルコトヲ得軍人軍屬外ト雖駐劄部隊ニ屬スル者ハ亦同シ
第十條 上長官以上ノ自馬廢斃等ニ至リタルトキハ駐劄中代馬ヲ貸與ス
第十一條 上長官以上駐劄地ニ於テ昇進轉職等ニ依リ要スル馬匹ハ駐劄中貸與ス
駐劄地ニ於テ上長官ニ昇進シ若クハ上長官ノ職務心得勤ヲ命セラレタルニ依リ要スル馬匹ハ前項ニ同シ
陸軍給與令第四十八條ノ馬匹手當ハ內地ニ歸著ノ上支給ス
第十三條 軍人軍屬ノ旅費ハ總テ實費拂トス但內地旅行ニシテ隊伍ヲ爲スモノハ陸軍給與令第三十八表、單獨者ハ同令第三十二表ノ定額ヲ給スルコトヲ得
前項但書ノ定額旅費ヲ給スル場合ニ於テ馬匹ノ旅費ハ總テ實費拂トス
第十四條 傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル軍人軍屬ノ藥餌ハ總テ官給トス軍人軍屬外ト雖時宜ニ依リ官給スルコトヲ得
第十五條 軍人軍屬死亡スルトキハ其ノ埋葬若クハ遺骸遺物輸送ニ係ル諸費ハ官費トス軍人軍屬外ト雖官ニ於テ埋葬若クハ遺骸遺物輸送ヲ要スルトキ亦同シ
第十六條 駐劄部隊ニ要スル筆紙墨文具其ノ他消耗品等ハ總テ現品ヲ給ス
第十七條 駐劄部隊ニ屬スル雇員其ノ他傭役者ノ給與ハ本規則ニ準シ陸軍大臣之ヲ定ム
第十八條 駐劄部隊ニ屬スル者ニアラサルモ駐劄地ニ往復スル軍人軍屬ノ給與ハ本規則ヲ適用ス
第十九條 本規則ニ依レル給與ノ停止減額及本規則ノ施行細則ハ陸軍大臣之ヲ定ム