第二十七條 憲兵下士上等兵ハ任命ノ日ヨリ更ニ七箇年間現役ニ服セシム
現役滿期ノ時前兵科ノ服役年月ヲ通算シ十二箇年ニ滿タサル者ハ通シテ十二箇年ニ滿ツル迄後備役ニ服セシム其ノ十二箇年ヲ過クル者ハ之ヲ免除ス
第二十八條 憲兵下士上等兵ハ服役滿期ノ後再服役ヲ請願スルコトヲ得再服役ハ三年ヲ以テ一期トシ年齡定限ニ至ル迄ハ數次請願スルコトヲ得但一期間ニ於テ定限年齡ニ達スル者ハ其ノ定限年齡迄トス
第二十九條 再服役ヲ請願スル者ハ現ニ所屬ノ部隊ニ於テ服役スルモノトス其ノ分隊ニ在テハ分隊長ト誓約シ憲兵隊本部ニ在テハ隊長ト誓約シ憲兵司令部ニ在テハ憲兵司令官ト誓約ス但本文ノ場合ニ於テ分隊長及隊長ハ憲兵司令官ノ認可ヲ請フヘシ
第三十條 再服役中轉隊若クハ轉職セシムルコトアリト雖從前ノ誓約ハ新ニ屬スル所ノ部隊ノ長ニ移ルモノトス
第三十一條 服役期限旣ニ滿ツルト雖戰時若クハ事變ニ際シテハ期限ヲ延スコトアルヘシ
第三十二條 再服役滿期ニ至リタル者其ノ服役十二箇年ヲ過クルモ仍其ノ年數ヲ定メ後備役ニ服センコトヲ志願スルトキハ隊長憲兵司令官ノ認可ヲ得テ之ヲ許可スルコトヲ得但憲兵司令部附ノ者ハ憲兵司令官ニ於テ許可スヘシ
憲兵司令官又ハ隊長前項ノ服役ヲ許可シタルトキハ本人所轄ノ大隊區司令官ニ通報スヘシ
第三十三條 憲兵下士上等兵現役中ハ左ニ揭クル者ニ限リ特ニ之ヲ免除ス
第一 本人ヲ要スルニアラサレハ一家ノ生計ヲ營ミ難キ事實ヲ證明シ願出ル者
第四 疾病若クハ傷痍ニ因リ常備後備ノ役ニ堪ヘ難キ者
第三十四條 前條第一第二第三ニ當ル者ニシテ前兵科ノ服役年月ヲ通算シ七箇年ニ滿タサル者ハ通シテ七箇年ニ滿ツル迄豫備役ニ十二箇年ニ滿タサル者ハ通シテ十二箇年ニ滿ツル迄後備役ニ服セシム其ノ服役十二箇年ヲ過キタル者及前條第四ニ當ル者ハ常備後備ノ役ヲ免除シ其ノ第五ニ當ル者ハ兵役ヲ免ス
第三十五條 憲兵下士上等兵其ノ職務ヲ辱シムルニ因リ懲罰ノ處分ヲ受クルトキハ陸軍懲罰令ノ規定ニ拘ラス官職ヲ免スルコトヲ得
第三十六條 前條ニ依リ官職ヲ免セラレタル者及刑法又ハ陸軍懲罰令ニ依リ官職ヲ失ヒ若クハ免セラレタル者ハ前兵科ニ服シ兵卒トナシ憲兵科服役年月ヲ通算シ十二箇年ニ滿タサル者ハ其ノ年數ニ從ヒ現役豫備役又ハ後備役ニ服セシム其ノ十二箇年ヲ過キタル者ハ之ヲ免除ス
第三十七條 第三十三條乃至第三十六條ニ當ル者アルトキハ憲兵司令官ハ陸軍大臣ノ認可ヲ請ヒ現役又ハ兵役ヲ免ス