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憲兵条例
法令番号: 勅令第四十三號
公布年月日: 明治22年3月29日
法令の形式: 勅令
沿革
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全改:
明治28年7月4日 勅令第95号
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国立国会図書館『法令全書』
国立公文書館『御署名原本』
日本法令索引
朕憲兵條例ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十二年三月二十八日
內閣總理大臣 伯爵 黑田淸隆
內務大臣 伯爵 松方正義
陸軍大臣 伯爵 大山巖
海軍大臣 伯爵 西鄕從道
司法大臣 伯爵 山田顯義
勅令第四十三號
憲兵條例
總則
第一條
憲兵ハ陸軍兵ノ一ニシテ陸軍大臣ノ管轄ニ屬シ軍事警察行政警察司法警察ヲ掌ル其戰時若クハ事變ニ際シ特ニ要スル服務ハ別ニ之ヲ定ム
第二條
憲兵ノ職掌軍事警察ニ係ル事ハ陸海軍大臣ニ隸シ行政警察ニ係ル事ハ內務大臣ニ隸シ司法警察ニ係ル事ハ司法大臣ニ隸ス
第三條
憲兵ハ行政警察司法警察ニ係ル事件ニ付警視總監府縣知事東京府ヲ除ク及檢察官ノ指示ヲ受ク
第四條
憲兵ハ其職務ニ於テ正當ノ職權ヲ有スル者ヨリ要求アルトキハ直ニ之ニ應スヘシ
第五條
憲兵ハ左ニ記載スル場合ニアラサレハ兵器ヲ用フルコトヲ得ス
第一
暴行ヲ受クルトキ
第二
其占守スル所ノ土地又ハ委托セラレタル場所若クハ人ヲ防衞スルニ兵力ヲ用フルノ外他ニ手段ナキトキ又ハ兵力ヲ以テセサレハ其抗抵ニ勝ツ能ハサルトキ
第六條
必要ノ場合ニ際シ內務大臣陸軍大臣合議シテ憲兵ヲ一時其管轄地外ニ分派スルコトヲ得
配置編制
第七條
憲兵ハ各府縣ニ配置ス其管轄地ハ府縣ノ管轄區域ニ依ル
第八條
東京ニ憲兵司令部ヲ置キ各府縣ニ憲兵隊ヲ置キ區分シテ各管區ニ憲兵分隊ヲ置キ各巡察區ニ憲兵一伍若クハ數伍ヲ置ク
第九條
各府縣ノ憲兵隊ハ其管轄地ヲ分畫シテ憲兵巡察區ヲ定メ巡察區ヲ合セテ數箇ノ憲兵管區トス
第十條
憲兵管區ハ內務大臣憲兵司令官ニ諮問シテ之ヲ定メ巡察區ハ警視總監府縣知事東京府ヲ除ク憲兵隊長ニ協議シテ之ヲ定ムルモノトス
第十一條
憲兵司令部ノ職員左ノ如シ
憲兵司令官 憲兵大佐一名
副官 憲兵大中尉二名
軍吏 一二等軍吏一名
書記 憲兵下士五名
軍吏部下士 一二三等書記二名
第十二條
憲兵隊ノ編制左ノ如シ
本部
隊長 憲兵中少佐一名
副官 憲兵大中尉一名
軍吏 二三等軍吏一名
下副官 憲兵曹長一名
書記 憲兵下士三名
軍吏部下士 一二三等書記二名
分隊
分隊長 憲兵大中尉一名
書記 憲兵下士一名
伍長 憲兵下士若干名
憲兵上等兵 若干名
第十三條
憲兵上等兵五名ヲ以テ一伍トシ數伍ヲ以テ一分隊トシ數分隊ヲ以テ一隊ト爲ス
時宜ニ依リ一伍若クハ數伍ヲ乘馬兵トナス
第十四條
憲兵隊ハ地名ヲ冠シテ某憲兵隊ト稱ス
職務
第十五條
憲兵司令官ハ全國ノ憲兵隊ヲ統轄シ司令部ノ事務ヲ總理ス
第十六條
憲兵司令官非常若クハ緊要ノ事件アルヲ知リタルトキハ速ニ內務大臣陸軍大臣海軍大臣司法大臣ニ申報スヘシ
第十七條
憲兵司令官ハ軍紀風紀訓練敎育職務服行ノ程度ヲ檢閱スル爲メ必要ト認ムル時機ニ於テ各憲兵隊ヲ巡視シ其景況ヲ陸軍大臣ニ申報スヘシ
第十八條
憲兵隊長ハ部下ヲ董督シ其勤務方法ヲ指定シ隊中ノ事務ヲ總理ス
第十九條
憲兵隊長ハ地方ノ情勢ヲ審ニシ非常若クハ緊要ノ事件ヲ知リタルトキハ速ニ警視總監府縣知事東京府ヲ除ク及其地所在ノ檢事長上席檢事及憲兵司令官ニ申報スヘシ
第二十條
憲兵分隊長ハ管區ノ長トナリ管內ノ情勢ヲ審ニシ部下ヲ指揮シ管區ノ事務ヲ處理ス又管內ノ事情ハ常ニ地方警察官ト相互諜報スヘシ
第二十一條
憲兵伍長ハ憲兵上等兵ノ勤務ヲ指示監督シ且區內ヲ巡視シ其事情ヲ審ニスヘシ
第二十二條
憲兵上等兵ハ常ニ巡察區ヲ畫シテ巡察シ其事情ヲ審ニスヘシ但特ニ上官又ハ檢察官ノ命アルトキハ自他ヲ區畫スルノ限ニアラス
第二十三條
憲兵ノ勤務諸報吿等ニ係ル細則ハ各主管大臣之ヲ定ム
士官以下補充
第二十四條
憲兵士官下士ノ補充ハ陸軍武官進級條例ニ據ルノ外各兵科士官下士ノ內ヨリ選任ス但二等軍曹ハ憲兵上等兵中一箇年以上其職務ニ服シタル者ヨリ選任スルコトヲ得
第二十五條
憲兵上等兵ハ現役豫備役及後備軍籍ニ在ル兵卒中志願ノ者ニシテ檢査合格ノ者ヨリ選用ス
第二十六條
憲兵下士上等兵ノ選任ニ係ル細則ハ陸軍大臣之ヲ定ム
服役
第二十七條
憲兵下士上等兵ハ任命ノ日ヨリ更ニ七箇年間現役ニ服スルモノトス
第二十八條
憲兵下士上等兵ハ服役滿期ノ後再服役ヲ請願スルコトヲ得再服役ハ三年ヲ以テ一期トシ年齡定限ニ至ルマテハ數次請願スルコトヲ得
第二十九條
再服役ヲ請願スル者ハ現ニ所屬ノ部隊ニ於テスルモノトス其分隊ニ在テハ分隊長ト誓約シ憲兵隊本部ニ在テハ憲兵隊長ト誓約シ憲兵司令部ニ在テハ憲兵司令官ト誓約ス但分隊長憲兵隊長ニ在テハ憲兵司令官ノ認可ヲ請フヘシ
第三十條
再服役中轉隊若クハ轉職セシムルコトアリト雖モ從前ノ誓約ハ新ニ屬スル所ノ部隊長ニ移ルモノトス
第三十一條
服役期限既ニ滿ツルト雖モ戰時若クハ事變ニ際シテハ期限ヲ延スコトアルヘシ
第三十二條
服役終ルノ後ハ下士ハ前兵科ノ同等官ニ復任シ上等兵ハ前兵科ニ復シ後備役ニ編入シ通シテ十二箇年間服役セシム其服役十二箇年ヲ過クル者ハ之ヲ免除ス
第三十三條
憲兵下士上等兵服役中ハ自己ノ情願ヲ以テ免除セス但左ノ場合ニ於テハ特ニ之ヲ免除ス
第一
現役中本人ヲ要スルニアラサレハ一家ノ生計ヲ營ミ難キ事故ヲ生スルトキハ本人ノ願ニ依リ現役ヲ免ス
第二
現役中疾病若クハ傷痍ニ依リ現役ニ堪ヘ難キ者ハ其役ヲ免ス
第三
現役中疾病若クハ傷痍ニ依リ永久服役ニ堪ヘ難キ者ハ兵役ヲ免ス
第三十四條
前條第一項第二項ニ當ル者ハ下士ハ前兵科ノ同等官ニ復任シ上等兵ハ前兵科ニ復シ憲兵科服役年月ヲ通算シ七箇年ニ滿タサル者ハ豫備役ニ十二箇年ニ滿タサル者ハ後備役ニ服セシム其服役十二箇年ヲ過キタル者ハ之ヲ免除ス
第三十五條
憲兵下士上等兵其職務ヲ辱シムルニ因リ懲罰ノ處分ヲ受クルトキハ懲罰令第十五條ノ例ニ抅ラス官職ヲ免スルコトヲ得
第三十六條
前條ニ依リ官職ヲ免シタル者及刑法又ハ懲罰令第十五條ニ依リ官職ヲ失ヒ若クハ免シタル者ハ前兵科ニ復シ兵卒トナシ憲兵科服役年月ヲ通算シ十二箇年ニ滿タサル者ハ其年數ニ從ヒ現役豫備役又ハ後備役ニ服セシム其十二箇年ヲ過キタル者ハ之ヲ免除ス
第三十七條
第三十三條乃至第三十六條ニ當ル者アルトキハ憲兵司令官ハ陸軍大臣ノ認可ヲ請ヒ現役又ハ兵役ヲ免ス
第三十八條
憲兵ノ將校現役ヲ退キ豫備後備若クハ退役ニ入ルトキハ原兵科ニ復スルモノトス其原兵科ナキモノハ步兵科トス
附 則
第三十九條
此條例ハ明治二十二年四月一日ヨリ施行ス
各府縣ニ配置スル憲兵隊ハ東京大阪二府ヲ除クノ外他ノ府縣ハ漸次之ヲ置キ其都度陸軍大臣之ヲ吿示スヘシ
第四十條
當分ノ內憲兵少尉ヲ以テ分隊長ノ職ニ充ルコトヲ得
第四十一條
從前ノ憲兵卒ニシテ能ク其職務ニ適スル者ハ檢査ノ例ニ依ラス憲兵上等兵ニ採用スルコトヲ得
朕憲兵条例ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十二年三月二十八日
内閣総理大臣 伯爵 黒田清隆
内務大臣 伯爵 松方正義
陸軍大臣 伯爵 大山巌
海軍大臣 伯爵 西郷従道
司法大臣 伯爵 山田顕義
勅令第四十三号
憲兵条例
総則
第一条
憲兵ハ陸軍兵ノ一ニシテ陸軍大臣ノ管轄ニ属シ軍事警察行政警察司法警察ヲ掌ル其戦時若クハ事変ニ際シ特ニ要スル服務ハ別ニ之ヲ定ム
第二条
憲兵ノ職掌軍事警察ニ係ル事ハ陸海軍大臣ニ隷シ行政警察ニ係ル事ハ内務大臣ニ隷シ司法警察ニ係ル事ハ司法大臣ニ隷ス
第三条
憲兵ハ行政警察司法警察ニ係ル事件ニ付警視総監府県知事東京府ヲ除ク及検察官ノ指示ヲ受ク
第四条
憲兵ハ其職務ニ於テ正当ノ職権ヲ有スル者ヨリ要求アルトキハ直ニ之ニ応スヘシ
第五条
憲兵ハ左ニ記載スル場合ニアラサレハ兵器ヲ用フルコトヲ得ス
第一
暴行ヲ受クルトキ
第二
其占守スル所ノ土地又ハ委托セラレタル場所若クハ人ヲ防衛スルニ兵力ヲ用フルノ外他ニ手段ナキトキ又ハ兵力ヲ以テセサレハ其抗抵ニ勝ツ能ハサルトキ
第六条
必要ノ場合ニ際シ内務大臣陸軍大臣合議シテ憲兵ヲ一時其管轄地外ニ分派スルコトヲ得
配置編制
第七条
憲兵ハ各府県ニ配置ス其管轄地ハ府県ノ管轄区域ニ依ル
第八条
東京ニ憲兵司令部ヲ置キ各府県ニ憲兵隊ヲ置キ区分シテ各管区ニ憲兵分隊ヲ置キ各巡察区ニ憲兵一伍若クハ数伍ヲ置ク
第九条
各府県ノ憲兵隊ハ其管轄地ヲ分画シテ憲兵巡察区ヲ定メ巡察区ヲ合セテ数箇ノ憲兵管区トス
第十条
憲兵管区ハ内務大臣憲兵司令官ニ諮問シテ之ヲ定メ巡察区ハ警視総監府県知事東京府ヲ除ク憲兵隊長ニ協議シテ之ヲ定ムルモノトス
第十一条
憲兵司令部ノ職員左ノ如シ
憲兵司令官 憲兵大佐一名
副官 憲兵大中尉二名
軍吏 一二等軍吏一名
書記 憲兵下士五名
軍吏部下士 一二三等書記二名
第十二条
憲兵隊ノ編制左ノ如シ
本部
隊長 憲兵中少佐一名
副官 憲兵大中尉一名
軍吏 二三等軍吏一名
下副官 憲兵曹長一名
書記 憲兵下士三名
軍吏部下士 一二三等書記二名
分隊
分隊長 憲兵大中尉一名
書記 憲兵下士一名
伍長 憲兵下士若干名
憲兵上等兵 若干名
第十三条
憲兵上等兵五名ヲ以テ一伍トシ数伍ヲ以テ一分隊トシ数分隊ヲ以テ一隊ト為ス
時宜ニ依リ一伍若クハ数伍ヲ乗馬兵トナス
第十四条
憲兵隊ハ地名ヲ冠シテ某憲兵隊ト称ス
職務
第十五条
憲兵司令官ハ全国ノ憲兵隊ヲ統轄シ司令部ノ事務ヲ総理ス
第十六条
憲兵司令官非常若クハ緊要ノ事件アルヲ知リタルトキハ速ニ内務大臣陸軍大臣海軍大臣司法大臣ニ申報スヘシ
第十七条
憲兵司令官ハ軍紀風紀訓練教育職務服行ノ程度ヲ検閲スル為メ必要ト認ムル時機ニ於テ各憲兵隊ヲ巡視シ其景況ヲ陸軍大臣ニ申報スヘシ
第十八条
憲兵隊長ハ部下ヲ董督シ其勤務方法ヲ指定シ隊中ノ事務ヲ総理ス
第十九条
憲兵隊長ハ地方ノ情勢ヲ審ニシ非常若クハ緊要ノ事件ヲ知リタルトキハ速ニ警視総監府県知事東京府ヲ除ク及其地所在ノ検事長上席検事及憲兵司令官ニ申報スヘシ
第二十条
憲兵分隊長ハ管区ノ長トナリ管内ノ情勢ヲ審ニシ部下ヲ指揮シ管区ノ事務ヲ処理ス又管内ノ事情ハ常ニ地方警察官ト相互諜報スヘシ
第二十一条
憲兵伍長ハ憲兵上等兵ノ勤務ヲ指示監督シ且区内ヲ巡視シ其事情ヲ審ニスヘシ
第二十二条
憲兵上等兵ハ常ニ巡察区ヲ画シテ巡察シ其事情ヲ審ニスヘシ但特ニ上官又ハ検察官ノ命アルトキハ自他ヲ区画スルノ限ニアラス
第二十三条
憲兵ノ勤務諸報告等ニ係ル細則ハ各主管大臣之ヲ定ム
士官以下補充
第二十四条
憲兵士官下士ノ補充ハ陸軍武官進級条例ニ拠ルノ外各兵科士官下士ノ内ヨリ選任ス但二等軍曹ハ憲兵上等兵中一箇年以上其職務ニ服シタル者ヨリ選任スルコトヲ得
第二十五条
憲兵上等兵ハ現役予備役及後備軍籍ニ在ル兵卒中志願ノ者ニシテ検査合格ノ者ヨリ選用ス
第二十六条
憲兵下士上等兵ノ選任ニ係ル細則ハ陸軍大臣之ヲ定ム
服役
第二十七条
憲兵下士上等兵ハ任命ノ日ヨリ更ニ七箇年間現役ニ服スルモノトス
第二十八条
憲兵下士上等兵ハ服役満期ノ後再服役ヲ請願スルコトヲ得再服役ハ三年ヲ以テ一期トシ年齢定限ニ至ルマテハ数次請願スルコトヲ得
第二十九条
再服役ヲ請願スル者ハ現ニ所属ノ部隊ニ於テスルモノトス其分隊ニ在テハ分隊長ト誓約シ憲兵隊本部ニ在テハ憲兵隊長ト誓約シ憲兵司令部ニ在テハ憲兵司令官ト誓約ス但分隊長憲兵隊長ニ在テハ憲兵司令官ノ認可ヲ請フヘシ
第三十条
再服役中転隊若クハ転職セシムルコトアリト雖モ従前ノ誓約ハ新ニ属スル所ノ部隊長ニ移ルモノトス
第三十一条
服役期限既ニ満ツルト雖モ戦時若クハ事変ニ際シテハ期限ヲ延スコトアルヘシ
第三十二条
服役終ルノ後ハ下士ハ前兵科ノ同等官ニ復任シ上等兵ハ前兵科ニ復シ後備役ニ編入シ通シテ十二箇年間服役セシム其服役十二箇年ヲ過クル者ハ之ヲ免除ス
第三十三条
憲兵下士上等兵服役中ハ自己ノ情願ヲ以テ免除セス但左ノ場合ニ於テハ特ニ之ヲ免除ス
第一
現役中本人ヲ要スルニアラサレハ一家ノ生計ヲ営ミ難キ事故ヲ生スルトキハ本人ノ願ニ依リ現役ヲ免ス
第二
現役中疾病若クハ傷痍ニ依リ現役ニ堪ヘ難キ者ハ其役ヲ免ス
第三
現役中疾病若クハ傷痍ニ依リ永久服役ニ堪ヘ難キ者ハ兵役ヲ免ス
第三十四条
前条第一項第二項ニ当ル者ハ下士ハ前兵科ノ同等官ニ復任シ上等兵ハ前兵科ニ復シ憲兵科服役年月ヲ通算シ七箇年ニ満タサル者ハ予備役ニ十二箇年ニ満タサル者ハ後備役ニ服セシム其服役十二箇年ヲ過キタル者ハ之ヲ免除ス
第三十五条
憲兵下士上等兵其職務ヲ辱シムルニ因リ懲罰ノ処分ヲ受クルトキハ懲罰令第十五条ノ例ニ拘ラス官職ヲ免スルコトヲ得
第三十六条
前条ニ依リ官職ヲ免シタル者及刑法又ハ懲罰令第十五条ニ依リ官職ヲ失ヒ若クハ免シタル者ハ前兵科ニ復シ兵卒トナシ憲兵科服役年月ヲ通算シ十二箇年ニ満タサル者ハ其年数ニ従ヒ現役予備役又ハ後備役ニ服セシム其十二箇年ヲ過キタル者ハ之ヲ免除ス
第三十七条
第三十三条乃至第三十六条ニ当ル者アルトキハ憲兵司令官ハ陸軍大臣ノ認可ヲ請ヒ現役又ハ兵役ヲ免ス
第三十八条
憲兵ノ将校現役ヲ退キ予備後備若クハ退役ニ入ルトキハ原兵科ニ復スルモノトス其原兵科ナキモノハ歩兵科トス
附 則
第三十九条
此条例ハ明治二十二年四月一日ヨリ施行ス
各府県ニ配置スル憲兵隊ハ東京大阪二府ヲ除クノ外他ノ府県ハ漸次之ヲ置キ其都度陸軍大臣之ヲ告示スヘシ
第四十条
当分ノ内憲兵少尉ヲ以テ分隊長ノ職ニ充ルコトヲ得
第四十一条
従前ノ憲兵卒ニシテ能ク其職務ニ適スル者ハ検査ノ例ニ依ラス憲兵上等兵ニ採用スルコトヲ得
本文
詳細・沿革