海軍臨時給与規則
法令番号: 勅令第六十四號
公布年月日: 明治27年6月11日
法令の形式: 勅令
朕海軍臨時給與規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十七年六月九日
海軍大臣 伯爵 西鄕從道
勅令第六十四號
海軍臨時給與規則
第一條 朝鮮國ニ派遣スル軍人軍屬ノ給與ハ此ノ規則ニ依ル
第二條 此ノ規則ノ給與ハ本邦出發ノ日ヲ以テ始メ職務ヲ了ヘ本邦ニ歸著ノ日ヲ以テ終ル但外國航海若クハ支那朝鮮警備中ノ者ニシテ朝鮮國ニ派遣中ノ者又ハ其ノ他ノ職務ノ爲メ朝鮮國ニ派遣中ノ者或ハ事件終了ノ後尙ホ本邦ニ歸著セサル者ノ給與ハ總テ海軍大臣指定ノ日ニ依ル
第三條 軍人軍屬ニハ左ノ區別ニ依リ增俸ヲ給ス
一 准士官以上及候補生ニハ本俸五分ノ二
二 下士卒ニハ本俸四分ノ二
三 文官ニハ俸給五分ノ二
四 雇員傭人ニハ給料四分ノ二
第四條 軍人軍屬ニシテ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ入院シタルトキハ本俸若クハ給料ノ全額ヲ給シ第三條ノ增俸ヲ停止ス
第五條 軍人軍屬ニシテ擅ニ職務ヲ離レ若クハ他方ニ赴キ歸著ノ期ニ後レタル者又ハ收禁、拘留、處刑、處罰中若クハ被吿事件ノ爲メ護送中ノ者ニハ其ノ間第三條ノ增俸ヲ停止ス
第六條 准士官以上及候補生ニハ手當金トシテ一囘限リ本俸ノ三十日分、文官ニハ俸給ノ一箇月分ヲ給ス
第七條 軍人軍屬ニ旅行ヲ命シタルトキ汽車料、船舶料、車馬賃及休泊料ハ實費ヲ給ス
第八條 糧食ノ給與海軍糧食條例第二條ノ規程ニ依リ難キトキハ其ノ品種及量額ヲ適宜換給增減スルコトヲ得
第九條 下士卒給與ニ係ル被服物品ノ內使用ニ堪ヘサルモノヲ生シタルトキハ海軍被服條例第二表ノ交換期限ニ拘ハラス隨時交換支給スルコトヲ得
附 則
第十條 此ノ規則中明文ナキモノハ總テ現行ノ諸條規ヲ適用ス
第十一條 本年六月一日以後此ノ規則施行以前朝鮮國ニ派遣シタル者ノ給與ハ出發ノ日ヨリ、既ニ派遣中ノ者ノ給與ハ海軍大臣指定ノ日ヨリ此ノ規則ニ依ル
朕海軍臨時給与規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十七年六月九日
海軍大臣 伯爵 西郷従道
勅令第六十四号
海軍臨時給与規則
第一条 朝鮮国ニ派遣スル軍人軍属ノ給与ハ此ノ規則ニ依ル
第二条 此ノ規則ノ給与ハ本邦出発ノ日ヲ以テ始メ職務ヲ了ヘ本邦ニ帰著ノ日ヲ以テ終ル但外国航海若クハ支那朝鮮警備中ノ者ニシテ朝鮮国ニ派遣中ノ者又ハ其ノ他ノ職務ノ為メ朝鮮国ニ派遣中ノ者或ハ事件終了ノ後尚ホ本邦ニ帰著セサル者ノ給与ハ総テ海軍大臣指定ノ日ニ依ル
第三条 軍人軍属ニハ左ノ区別ニ依リ増俸ヲ給ス
一 准士官以上及候補生ニハ本俸五分ノ二
二 下士卒ニハ本俸四分ノ二
三 文官ニハ俸給五分ノ二
四 雇員傭人ニハ給料四分ノ二
第四条 軍人軍属ニシテ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ入院シタルトキハ本俸若クハ給料ノ全額ヲ給シ第三条ノ増俸ヲ停止ス
第五条 軍人軍属ニシテ擅ニ職務ヲ離レ若クハ他方ニ赴キ帰著ノ期ニ後レタル者又ハ収禁、拘留、処刑、処罰中若クハ被告事件ノ為メ護送中ノ者ニハ其ノ間第三条ノ増俸ヲ停止ス
第六条 准士官以上及候補生ニハ手当金トシテ一回限リ本俸ノ三十日分、文官ニハ俸給ノ一箇月分ヲ給ス
第七条 軍人軍属ニ旅行ヲ命シタルトキ汽車料、船舶料、車馬賃及休泊料ハ実費ヲ給ス
第八条 糧食ノ給与海軍糧食条例第二条ノ規程ニ依リ難キトキハ其ノ品種及量額ヲ適宜換給増減スルコトヲ得
第九条 下士卒給与ニ係ル被服物品ノ内使用ニ堪ヘサルモノヲ生シタルトキハ海軍被服条例第二表ノ交換期限ニ拘ハラス随時交換支給スルコトヲ得
附 則
第十条 此ノ規則中明文ナキモノハ総テ現行ノ諸条規ヲ適用ス
第十一条 本年六月一日以後此ノ規則施行以前朝鮮国ニ派遣シタル者ノ給与ハ出発ノ日ヨリ、既ニ派遣中ノ者ノ給与ハ海軍大臣指定ノ日ヨリ此ノ規則ニ依ル