海軍大学校条例
法令番号: 勅令第二百十六號
公布年月日: 明治26年12月1日
法令の形式: 勅令
朕海軍大學校條例ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年十一月二十九日
海軍大臣 伯爵 西鄕從道
勅令第二百十六號
海軍大學校條例
第一條 海軍大學校ハ海軍將校ニ高等ノ學術ヲ敎授シ樞要ノ職ニ充ツヘキ者ヲ養成シ竝ニ海軍機關官及軍醫官ニ高等ノ學術ヲ敎授スル所トス
第二條 海軍大學校ノ學科ハ將校科、機關科及軍醫科ノ三トス
將校科ニ於ケル砲術、水雷術及航海術ハ其ノ一科ヲ專修セシム
第三條 學生ノ學年ハ將校及機關官ハ一箇年半トシ軍醫官ハ一箇年トス
第四條 海軍大學校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長 海軍少將 一人
副官 海軍少佐若クハ大尉 一人
敎頭 海軍佐官 一人
敎官
海軍佐官二人內一人ハ敎頭ヲ以テ兼補ス
海軍大尉 二人
海軍機關監 一人
海軍大機關士 一人
海軍少技監若クハ大技士 一人
海軍軍醫監 二人
海軍大軍醫 二人
海軍敎授 四人
陸軍參謀若クハ陸軍各兵科ノ佐尉官二人本職アル者ヲ以テ兼補ス
主計長 海軍大主計 一人
前項定員ノ外本職アル者ヲシテ敎官ニ兼務セシムルコトヲ得
第五條 校長ハ海軍大臣ニ隸シ校務ヲ管理シ及學術進步ノ責ニ任ス
第六條 校長事故アルトキハ敎頭其ノ職務ヲ代理ス
第七條 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌理ス
第八條 敎頭ハ校長ノ命ヲ承ケ敎授ノ事ヲ監督ス
第九條 敎官ハ敎頭ノ命ヲ承ケ各學科ノ敎授ヲ擔任ス
第十條 主計長ハ校長ノ命ヲ承ケ會計給與ノ事ヲ掌ル
第十一條 海軍大學校ニ於テ敎授スル海軍將校、機關官及軍醫官ヲ海軍大學校學生ト稱ス
前項學生ノ外選科生ヲ置キ任意ノ課目ヲ選修セシムルコトヲ得
第十二條 學生ハ左ノ資格ヲ有スル者ヨリ選拔ス
將校科學生 海軍大尉ニシテ一箇年以上海上勤務ニ服シ身體强健且勤務勵精ニシテ才學發達ノ見込アル者
機關科學生 海軍大機關士ニシテ一箇年以上海上勤務ニ服シ身體强健且勤務勵精ニシテ才學發達ノ見込アル者
軍醫科學生 海軍大軍醫及海軍少軍醫ニシテ身體强健且勤務勵精ナル者
第十三條 學生選拔ノ規程ハ海軍大臣之ヲ定ム
第十四條 學生ハ海軍大臣之ヲ命ス
第十五條 卒業試驗ニ及第シタル學生ニハ卒業證書ヲ授與ス
第十六條 學生ノ學用品ハ自辨トス但授業ニ要スル書籍及器械等ハ其ノ種類ニ依リ貸與スルコトアルヘシ
第十七條 海軍大學校ニ書記四人ヲ置キ上官ノ命ヲ承ケ服務セシム
附 則
第十八條 本令ハ明治二十六年十二月二十日ヨリ施行ス但軍醫科學生ハ明治二十七年三月三十一日マテ之ヲ置カス
朕海軍大学校条例ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年十一月二十九日
海軍大臣 伯爵 西郷従道
勅令第二百十六号
海軍大学校条例
第一条 海軍大学校ハ海軍将校ニ高等ノ学術ヲ教授シ枢要ノ職ニ充ツヘキ者ヲ養成シ並ニ海軍機関官及軍医官ニ高等ノ学術ヲ教授スル所トス
第二条 海軍大学校ノ学科ハ将校科、機関科及軍医科ノ三トス
将校科ニ於ケル砲術、水雷術及航海術ハ其ノ一科ヲ専修セシム
第三条 学生ノ学年ハ将校及機関官ハ一箇年半トシ軍医官ハ一箇年トス
第四条 海軍大学校ニ左ノ職員ヲ置ク
校長 海軍少将 一人
副官 海軍少佐若クハ大尉 一人
教頭 海軍佐官 一人
教官
海軍佐官二人内一人ハ教頭ヲ以テ兼補ス
海軍大尉 二人
海軍機関監 一人
海軍大機関士 一人
海軍少技監若クハ大技士 一人
海軍軍医監 二人
海軍大軍医 二人
海軍教授 四人
陸軍参謀若クハ陸軍各兵科ノ佐尉官二人本職アル者ヲ以テ兼補ス
主計長 海軍大主計 一人
前項定員ノ外本職アル者ヲシテ教官ニ兼務セシムルコトヲ得
第五条 校長ハ海軍大臣ニ隷シ校務ヲ管理シ及学術進歩ノ責ニ任ス
第六条 校長事故アルトキハ教頭其ノ職務ヲ代理ス
第七条 副官ハ校長ノ命ヲ承ケ庶務ヲ掌理ス
第八条 教頭ハ校長ノ命ヲ承ケ教授ノ事ヲ監督ス
第九条 教官ハ教頭ノ命ヲ承ケ各学科ノ教授ヲ担任ス
第十条 主計長ハ校長ノ命ヲ承ケ会計給与ノ事ヲ掌ル
第十一条 海軍大学校ニ於テ教授スル海軍将校、機関官及軍医官ヲ海軍大学校学生ト称ス
前項学生ノ外選科生ヲ置キ任意ノ課目ヲ選修セシムルコトヲ得
第十二条 学生ハ左ノ資格ヲ有スル者ヨリ選抜ス
将校科学生 海軍大尉ニシテ一箇年以上海上勤務ニ服シ身体強健且勤務励精ニシテ才学発達ノ見込アル者
機関科学生 海軍大機関士ニシテ一箇年以上海上勤務ニ服シ身体強健且勤務励精ニシテ才学発達ノ見込アル者
軍医科学生 海軍大軍医及海軍少軍医ニシテ身体強健且勤務励精ナル者
第十三条 学生選抜ノ規程ハ海軍大臣之ヲ定ム
第十四条 学生ハ海軍大臣之ヲ命ス
第十五条 卒業試験ニ及第シタル学生ニハ卒業証書ヲ授与ス
第十六条 学生ノ学用品ハ自弁トス但授業ニ要スル書籍及器械等ハ其ノ種類ニ依リ貸与スルコトアルヘシ
第十七条 海軍大学校ニ書記四人ヲ置キ上官ノ命ヲ承ケ服務セシム
附 則
第十八条 本令ハ明治二十六年十二月二十日ヨリ施行ス但軍医科学生ハ明治二十七年三月三十一日マテ之ヲ置カス