出版法
法令番号: 法律第十五號
公布年月日: 明治26年4月14日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル出版法ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年四月十三日
內閣總理大臣 伯爵 伊藤博文
內務大臣 伯爵 井上馨
法律第十五號
出版法
第一條 凡ソ機械舍密其ノ他何等ノ方法ヲ以テスルヲ問ハス文書圖畫ヲ印刷シテ之ヲ發賣シ又ハ頒布スルヲ出版ト云ヒ其ノ文書ヲ著述シ又ハ編纂シ若ハ圖畫ヲ作爲スル者ヲ著作者ト云ヒ發賣頒布ヲ擔當スル者ヲ發行者ト云ヒ印刷ヲ擔當スル者ヲ印刷者ト云フ
第二條 新聞紙又ハ定期ニ發行スル雜誌ヲ除クノ外文書圖畫ノ出版ハ總テ此ノ法律ニ依ルヘシ但シ專ラ學術、技藝、統計、廣吿ノ類ヲ記載スル雜誌ハ此ノ法律ニ依リ出版スルコトヲ得
第三條 文書圖畫ヲ出版スルトキハ發行ノ日ヨリ到達スヘキ日數ヲ除キ三日前ニ製本二部ヲ添ヘ內務省ニ屆出ヘシ
第四條 官廳ニ於テ文書圖畫ヲ出版スルトキハ其ノ官廳ヨリ發行前ニ製本二部ヲ內務省ニ送付スヘシ
第五條 出版屆ハ著作者又ハ其ノ相續者及發行者連印ニテ之ヲ差出スヘシ但シ非賣品ハ著作者又ハ發行者ノミニテ屆出ルコトヲ得
版權ノ保護ナキ文書圖畫ヲ出版スルトキ若ハ著作者又ハ其ノ相續者ヲ知ルヘカラサルトキハ其ノ由ヲ記シ發行者ヨリ差出スヘシ
學校、會社、協會等ニ於テ著作ノ名義ヲ以テ出版スル文書圖畫ハ其ノ學校、會社、協會等ヲ代表スル者發行者ト連印シテ之ヲ屆出ヘシ
第六條 文書圖畫ノ發行者ハ文書圖畫ノ販賣ヲ以テ營業トスル者ニ限ル但シ著作者又ハ其ノ相續者ハ發行者ヲ兼ヌルコトヲ得
第七條 文書圖畫ノ發行者ハ其ノ氏名、住所及發行ノ年月日ヲ其ノ文書圖畫ノ末尾ニ記載スヘシ
第八條 文書圖畫ノ印刷者ハ其ノ氏名、住所及印刷ノ年月日ヲ其ノ文書圖畫ノ末尾ニ記載シ住所ト印刷所ト同シカラサルトキハ印刷所ヲモ記載スヘシ
印刷所若數人ノ共有ニ係ルトキハ營業上其ノ印刷所ヲ代表スル者ヲ以テ印刷者トス
前二項ノ印刷所ニシテ若營業上慣行ノ名稱アルモノハ其ノ名稱ヲモ記載スヘシ
第九條 書簡、通信、報吿、社則、塾則、引札、諸藝ノ番附諸種ノ用紙證書ノ類及寫眞ハ第三條第六條第七條第八條ニ據ルヲ要セス但シ第十六條第十七條第十八條第十九條第二十一條第二十六條第二十七條ニ觸ルヽ者ハ此ノ法律ニ依テ處分ス
第十條 文書圖畫ノ册號ヲ逐ヒ順次ニ出版スル者ハ其ノ都度第三條ノ手續ヲ爲スヘシ但シ雜誌類ニ在テハ內務大臣ノ許可ヲ經テ其ノ手續ヲ省略スルコトヲ得
此ノ法律ニ依リ出版スル雜誌ニシテ十二箇月間一囘ヲモ發行セサルトキハ廢刊シタルモノト看做スヘシ
第十一條 一タヒ出版屆ヲ爲シタル文書圖畫ノ再版ハ出版屆ヲ要セスト雖若改正增減シ又ハ註解、附錄、繪畫等ヲ加ヘタルトキハ仍第三條ニ依ルヘシ
第十二條 演說若ハ講義ノ筆記ハ演說者若ハ講義者ヲ以テ著作者トス但シ筆記者ニ於テ演說者若ハ講義者ノ承諾ヲ得テ自ラ之ヲ出版スルトキハ筆記者ヲ著作者ト看做スヘシ此ノ場合ニ於テ記載ノ事項第十六條第十七條第十八條第十九條第二十一條第二十六條第二十七條ニ觸ルヽトキハ演說者若ハ講義者筆記者ト同ク其ノ罪ヲ論ス
公開ノ席ニ於テ爲シタル演說ヲ新聞紙若ハ雜誌ノ通信者ニ於テ筆記シ其ノ新聞紙若ハ雜誌ニ記載シタルモノ及總テ演說者講義者ノ承諾ヲ經スシテ其ノ筆記ヲ出版シタルモノニ關シテハ演說者若ハ講義者ハ著作ノ責ニ任セス
公開ノ席ニ於テ爲シタル演說ノ外ハ講義者又ハ演說者ノ許諾ヲ經ルニ非サレハ他人ニ於テ其ノ筆記ヲ出版スルコトヲ得ス但シ本項ニ違フ者ハ版權法ニ據リ其ノ責ニ任セシム
第十三條 二種以上ノ著作若ハ演說講義ノ筆記ヲ編纂シテ一部ノ書ト爲ストキハ編纂者ヲ著作者ト看做スヘシ
前條第一項ノ末段及第二項第三項ハ本條ニ適用スヘシ
第十四條 翻譯ハ翻譯者ヲ以テ著作者ト看做スヘシ
第十五條 學校、會社、協會等ニ於テ著作ノ名義ヲ以テ出版スル文書圖畫ハ其ノ出版屆ニ署名シタル代表者ヲ以テ著作者ト看做スヘシ
第十六條 罪犯ヲ曲庇シ又ハ刑事ニ觸レタル者若ハ刑事裁判中ノ者ヲ救護シ若ハ賞恤スルノ文書ヲ出版スルコトヲ得ス
第十七條 重罪輕罪ノ豫審ニ關スル事項ハ公判ニ付セサル以前ニ於テ之ヲ出版スルコトヲ得ス
傍聽ヲ禁シタル訴訟ノ事項ハ之ヲ出版スルコトヲ得ス
第十八條 外交軍事其ノ他官廳ノ機密ニ關シ公ニセサル官ノ文書及官廳ノ議事ハ當該官廳ノ許可ヲ得ルニ非サレハ之ヲ出版スルコトヲ得ス
法律ニ依リ傍聽ヲ禁シタル公會ノ議事ハ之ヲ出版スルコトヲ得ス
第十九條 安寧秩序ヲ妨害シ又ハ風俗ヲ壞亂スルモノト認ムル文書圖畫ヲ出版シタルトキハ內務大臣ニ於テ其ノ發賣頒布ヲ禁シ其ノ刻版及印本ヲ差押フルコトヲ得
第二十條 外國ニ於テ印刷シタル文書圖畫ニシテ安寧秩序ヲ妨害シ又ハ風俗ヲ壞亂スルモノト認ムルトキハ內務大臣ハ其ノ文書圖畫ノ內國ニ於ケル發賣頒布ヲ禁シ其ノ印本ヲ差押フルコトヲ得
第二十一條 軍事ノ機密ニ關スル文書圖畫ハ當該官廳ノ許可ヲ得ルニ非サレハ之ヲ出版スルコトヲ得ス
第二十二條 第三條ノ屆出ヲ爲サスシテ文書圖畫ヲ出版シタル者ハ五圓以上五十圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十三條 第六條ヲ犯ス者ハ十一日以上三月以下ノ輕禁錮又ハ五圓以上五十圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十四條 發行者自己ノ氏名、住所又ハ發行ノ年月日又ハ印刷者ノ氏名、住所又ハ印刷ノ年月日ヲ其ノ發行スル文書圖畫ニ記載セス其ノ之ヲ記載スルモ實ヲ以テセサル者ハ二圓以上三十圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十五條 印刷者自己ノ氏名、住所又ハ印刷ノ年月日ヲ其ノ印刷スル所ノ文書圖畫ニ記載セス若ハ之ヲ記載スルモ實ヲ以テセサル者ハ罰前條ニ同シ
住所ト印刷所ト同シカラサルトキ及印刷所ニシテ營業上慣行ノ名稱アルトキ印刷所及名稱ヲ記載セサル者亦前項ニ同シ
第二十六條 政體ヲ變壞シ國憲ヲ紊亂セムトスル文書圖畫ヲ出版シタルトキハ著作者、發行者、印刷者ヲ二月以上二年以下ノ輕禁錮ニ處シ二十圓以上二百圓以下ノ罰金ヲ附加ス
第二十七條 風俗ヲ壞亂スル文書圖畫ヲ出版シタルトキハ著作者、發行者ヲ十一日以上六月以下ノ輕禁錮又ハ十圓以上百圓以下ノ罰金ニ處ス
第二十八條 第十六條第十七條第十八條第二十一條ニ觸ルヽ文書圖畫ヲ出版シタルトキハ著作者、發行者ヲ十一日以上一年以下ノ輕禁錮又ハ十圓以上二百圓以下ノ罰金ニ處ス
第十九條第二十條ニ依リ發賣頒布ヲ禁セラレタル文書圖畫ヲ發賣頒布シタル者罰前項ニ同シ其ノ未タ發賣頒布セサル文書圖畫ハ之ヲ沒收ス
第二十九條 第二十六條第二十七條第二十八條ノ場合ニ於テ刻版及印本ハ檢事ニ於テ假ニ之ヲ差押フルコトヲ得
第三十條 前條ノ差押ヲ爲ストキハ製本ノ體裁ニヨリ其ノ差押フヘキ部分ト他ノ部分ト分割シ得ルニ於テハ之ヲ分割スルコトアルヘシ
第三十一條 文書圖畫ヲ出版シ因テ誹毀ノ訴ヲ受ケタル場合ニ於テ其ノ私行ニ涉ルモノヲ除クノ外裁判所ニ於テ專ラ公益ノ爲ニスルモノト認ムルトキハ被吿人ニ事實ノ證明ヲ許スコトヲ得若之ヲ證明シタルトキハ其ノ罪ヲ免ス損害賠償ノ訴ヲ受ケタルトキモ亦同シ
第三十二條 此ノ法律ヲ犯シタル者ニハ刑法ノ自首減輕、再犯加重、數罪俱發ノ例ヲ用井ス
第三十三條 此ノ法律ニ關ル公訴ノ時效ハ一年ヲ經過スルニ因テ成就ス
第三十四條 此ノ法律ニ依リ出版スル雜誌ニシテ其ノ記載ノ事項第二條ノ範圍外ニ涉ルトキハ內務大臣ハ此ノ法律ニ依リテ出版スルコトヲ差止ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ一箇年ヲ經ルニ非サレハ更ニ此ノ法律ニ依リ出版スルコトヲ得ス
第三十五條 文書圖畫ヲ印刷スルトキハ直ニ發賣頒布セスト雖其ノ目的發賣頒布ニ在ルモノハ總テ此ノ法律ニ依ル
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル出版法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年四月十三日
内閣総理大臣 伯爵 伊藤博文
内務大臣 伯爵 井上馨
法律第十五号
出版法
第一条 凡ソ機械舎密其ノ他何等ノ方法ヲ以テスルヲ問ハス文書図画ヲ印刷シテ之ヲ発売シ又ハ頒布スルヲ出版ト云ヒ其ノ文書ヲ著述シ又ハ編纂シ若ハ図画ヲ作為スル者ヲ著作者ト云ヒ発売頒布ヲ担当スル者ヲ発行者ト云ヒ印刷ヲ担当スル者ヲ印刷者ト云フ
第二条 新聞紙又ハ定期ニ発行スル雑誌ヲ除クノ外文書図画ノ出版ハ総テ此ノ法律ニ依ルヘシ但シ専ラ学術、技芸、統計、広告ノ類ヲ記載スル雑誌ハ此ノ法律ニ依リ出版スルコトヲ得
第三条 文書図画ヲ出版スルトキハ発行ノ日ヨリ到達スヘキ日数ヲ除キ三日前ニ製本二部ヲ添ヘ内務省ニ届出ヘシ
第四条 官庁ニ於テ文書図画ヲ出版スルトキハ其ノ官庁ヨリ発行前ニ製本二部ヲ内務省ニ送付スヘシ
第五条 出版届ハ著作者又ハ其ノ相続者及発行者連印ニテ之ヲ差出スヘシ但シ非売品ハ著作者又ハ発行者ノミニテ届出ルコトヲ得
版権ノ保護ナキ文書図画ヲ出版スルトキ若ハ著作者又ハ其ノ相続者ヲ知ルヘカラサルトキハ其ノ由ヲ記シ発行者ヨリ差出スヘシ
学校、会社、協会等ニ於テ著作ノ名義ヲ以テ出版スル文書図画ハ其ノ学校、会社、協会等ヲ代表スル者発行者ト連印シテ之ヲ届出ヘシ
第六条 文書図画ノ発行者ハ文書図画ノ販売ヲ以テ営業トスル者ニ限ル但シ著作者又ハ其ノ相続者ハ発行者ヲ兼ヌルコトヲ得
第七条 文書図画ノ発行者ハ其ノ氏名、住所及発行ノ年月日ヲ其ノ文書図画ノ末尾ニ記載スヘシ
第八条 文書図画ノ印刷者ハ其ノ氏名、住所及印刷ノ年月日ヲ其ノ文書図画ノ末尾ニ記載シ住所ト印刷所ト同シカラサルトキハ印刷所ヲモ記載スヘシ
印刷所若数人ノ共有ニ係ルトキハ営業上其ノ印刷所ヲ代表スル者ヲ以テ印刷者トス
前二項ノ印刷所ニシテ若営業上慣行ノ名称アルモノハ其ノ名称ヲモ記載スヘシ
第九条 書簡、通信、報告、社則、塾則、引札、諸芸ノ番附諸種ノ用紙証書ノ類及写真ハ第三条第六条第七条第八条ニ拠ルヲ要セス但シ第十六条第十七条第十八条第十九条第二十一条第二十六条第二十七条ニ触ルヽ者ハ此ノ法律ニ依テ処分ス
第十条 文書図画ノ冊号ヲ逐ヒ順次ニ出版スル者ハ其ノ都度第三条ノ手続ヲ為スヘシ但シ雑誌類ニ在テハ内務大臣ノ許可ヲ経テ其ノ手続ヲ省略スルコトヲ得
此ノ法律ニ依リ出版スル雑誌ニシテ十二箇月間一回ヲモ発行セサルトキハ廃刊シタルモノト看做スヘシ
第十一条 一タヒ出版届ヲ為シタル文書図画ノ再版ハ出版届ヲ要セスト雖若改正増減シ又ハ註解、附録、絵画等ヲ加ヘタルトキハ仍第三条ニ依ルヘシ
第十二条 演説若ハ講義ノ筆記ハ演説者若ハ講義者ヲ以テ著作者トス但シ筆記者ニ於テ演説者若ハ講義者ノ承諾ヲ得テ自ラ之ヲ出版スルトキハ筆記者ヲ著作者ト看做スヘシ此ノ場合ニ於テ記載ノ事項第十六条第十七条第十八条第十九条第二十一条第二十六条第二十七条ニ触ルヽトキハ演説者若ハ講義者筆記者ト同ク其ノ罪ヲ論ス
公開ノ席ニ於テ為シタル演説ヲ新聞紙若ハ雑誌ノ通信者ニ於テ筆記シ其ノ新聞紙若ハ雑誌ニ記載シタルモノ及総テ演説者講義者ノ承諾ヲ経スシテ其ノ筆記ヲ出版シタルモノニ関シテハ演説者若ハ講義者ハ著作ノ責ニ任セス
公開ノ席ニ於テ為シタル演説ノ外ハ講義者又ハ演説者ノ許諾ヲ経ルニ非サレハ他人ニ於テ其ノ筆記ヲ出版スルコトヲ得ス但シ本項ニ違フ者ハ版権法ニ拠リ其ノ責ニ任セシム
第十三条 二種以上ノ著作若ハ演説講義ノ筆記ヲ編纂シテ一部ノ書ト為ストキハ編纂者ヲ著作者ト看做スヘシ
前条第一項ノ末段及第二項第三項ハ本条ニ適用スヘシ
第十四条 翻訳ハ翻訳者ヲ以テ著作者ト看做スヘシ
第十五条 学校、会社、協会等ニ於テ著作ノ名義ヲ以テ出版スル文書図画ハ其ノ出版届ニ署名シタル代表者ヲ以テ著作者ト看做スヘシ
第十六条 罪犯ヲ曲庇シ又ハ刑事ニ触レタル者若ハ刑事裁判中ノ者ヲ救護シ若ハ賞恤スルノ文書ヲ出版スルコトヲ得ス
第十七条 重罪軽罪ノ予審ニ関スル事項ハ公判ニ付セサル以前ニ於テ之ヲ出版スルコトヲ得ス
傍聴ヲ禁シタル訴訟ノ事項ハ之ヲ出版スルコトヲ得ス
第十八条 外交軍事其ノ他官庁ノ機密ニ関シ公ニセサル官ノ文書及官庁ノ議事ハ当該官庁ノ許可ヲ得ルニ非サレハ之ヲ出版スルコトヲ得ス
法律ニ依リ傍聴ヲ禁シタル公会ノ議事ハ之ヲ出版スルコトヲ得ス
第十九条 安寧秩序ヲ妨害シ又ハ風俗ヲ壊乱スルモノト認ムル文書図画ヲ出版シタルトキハ内務大臣ニ於テ其ノ発売頒布ヲ禁シ其ノ刻版及印本ヲ差押フルコトヲ得
第二十条 外国ニ於テ印刷シタル文書図画ニシテ安寧秩序ヲ妨害シ又ハ風俗ヲ壊乱スルモノト認ムルトキハ内務大臣ハ其ノ文書図画ノ内国ニ於ケル発売頒布ヲ禁シ其ノ印本ヲ差押フルコトヲ得
第二十一条 軍事ノ機密ニ関スル文書図画ハ当該官庁ノ許可ヲ得ルニ非サレハ之ヲ出版スルコトヲ得ス
第二十二条 第三条ノ届出ヲ為サスシテ文書図画ヲ出版シタル者ハ五円以上五十円以下ノ罰金ニ処ス
第二十三条 第六条ヲ犯ス者ハ十一日以上三月以下ノ軽禁錮又ハ五円以上五十円以下ノ罰金ニ処ス
第二十四条 発行者自己ノ氏名、住所又ハ発行ノ年月日又ハ印刷者ノ氏名、住所又ハ印刷ノ年月日ヲ其ノ発行スル文書図画ニ記載セス其ノ之ヲ記載スルモ実ヲ以テセサル者ハ二円以上三十円以下ノ罰金ニ処ス
第二十五条 印刷者自己ノ氏名、住所又ハ印刷ノ年月日ヲ其ノ印刷スル所ノ文書図画ニ記載セス若ハ之ヲ記載スルモ実ヲ以テセサル者ハ罰前条ニ同シ
住所ト印刷所ト同シカラサルトキ及印刷所ニシテ営業上慣行ノ名称アルトキ印刷所及名称ヲ記載セサル者亦前項ニ同シ
第二十六条 政体ヲ変壊シ国憲ヲ紊乱セムトスル文書図画ヲ出版シタルトキハ著作者、発行者、印刷者ヲ二月以上二年以下ノ軽禁錮ニ処シ二十円以上二百円以下ノ罰金ヲ附加ス
第二十七条 風俗ヲ壊乱スル文書図画ヲ出版シタルトキハ著作者、発行者ヲ十一日以上六月以下ノ軽禁錮又ハ十円以上百円以下ノ罰金ニ処ス
第二十八条 第十六条第十七条第十八条第二十一条ニ触ルヽ文書図画ヲ出版シタルトキハ著作者、発行者ヲ十一日以上一年以下ノ軽禁錮又ハ十円以上二百円以下ノ罰金ニ処ス
第十九条第二十条ニ依リ発売頒布ヲ禁セラレタル文書図画ヲ発売頒布シタル者罰前項ニ同シ其ノ未タ発売頒布セサル文書図画ハ之ヲ没収ス
第二十九条 第二十六条第二十七条第二十八条ノ場合ニ於テ刻版及印本ハ検事ニ於テ仮ニ之ヲ差押フルコトヲ得
第三十条 前条ノ差押ヲ為ストキハ製本ノ体裁ニヨリ其ノ差押フヘキ部分ト他ノ部分ト分割シ得ルニ於テハ之ヲ分割スルコトアルヘシ
第三十一条 文書図画ヲ出版シ因テ誹毀ノ訴ヲ受ケタル場合ニ於テ其ノ私行ニ渉ルモノヲ除クノ外裁判所ニ於テ専ラ公益ノ為ニスルモノト認ムルトキハ被告人ニ事実ノ証明ヲ許スコトヲ得若之ヲ証明シタルトキハ其ノ罪ヲ免ス損害賠償ノ訴ヲ受ケタルトキモ亦同シ
第三十二条 此ノ法律ヲ犯シタル者ニハ刑法ノ自首減軽、再犯加重、数罪俱発ノ例ヲ用井ス
第三十三条 此ノ法律ニ関ル公訴ノ時効ハ一年ヲ経過スルニ因テ成就ス
第三十四条 此ノ法律ニ依リ出版スル雑誌ニシテ其ノ記載ノ事項第二条ノ範囲外ニ渉ルトキハ内務大臣ハ此ノ法律ニ依リテ出版スルコトヲ差止ムルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ一箇年ヲ経ルニ非サレハ更ニ此ノ法律ニ依リ出版スルコトヲ得ス
第三十五条 文書図画ヲ印刷スルトキハ直ニ発売頒布セスト雖其ノ目的発売頒布ニ在ルモノハ総テ此ノ法律ニ依ル