国民の一部に過激な思想を持ち、直接行動を扇動する者が少なくない状況において、その思想を伝播する有力な手段である出版物への取締りを強化することが思想対策上重要である。前議会での決議を受け、政府は思想対策委員会を設置して検討した結果、本法案を提出した。主な改正点は、皇室の尊厳を冒涜する文書図画の出版行為、安寧秩序を妨害する文書図画の出版行為、犯罪を扇動する文書図画の出版行為を処罰する規定を設けること、また蓄音機レコードにも出版法の規定を準用することである。
参照した発言:
第65回帝国議会 貴族院 本会議 第25号