(商法及商法施行条例中改正並施行法律)
法令番号: 法律第九號
公布年月日: 明治26年3月6日
法令の形式: 法律
朕帝國議會ノ協贊ヲ經タル商法及商法施行條例中改正竝施行法律ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年三月四日
內閣總理大臣 伯爵 伊藤博文
司法大臣 伯爵 山縣有朋
遞信大臣 伯爵 黑田淸隆
內務大臣 伯爵 井上馨
陸軍大臣 伯爵 大山巖
農商務大臣 伯爵 後藤象二郞
外務大臣 陸奧宗光
文部大臣 河野敏鎌
海軍大臣 子爵 仁禮景範
大藏大臣 渡邊國武
法律第九號
第一條 商法及ヒ商法施行條例中別册ノ通リ改正ス
第二條 商法第一編第六章第十二章及ヒ第三編竝ニ商法施行條例第一條乃至第三條第五條乃至第八條第十條乃至第二十七條第三十五條乃至第四十五條第四十八條乃至第五十一條及ヒ第五十三條第三項ハ明治二十六年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
第三條 商法第一編第二章及ヒ第四章ハ右同日ヨリ商事會社ニ付テノミ之ヲ施行ス
(別册)
商法第六十七條第二項中「若クハ警察官」ノ六字ヲ削ル
同 第七十條中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第七十一條中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第七十二條中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第七十三條中「殊ニ其名ヲ以テ債權ヲ得債務ヲ負ヒ動產不動產ヲ取得シ」ノ二十五字ヲ削ル
同 第七十四條中「七人以下」ノ四字ヲ削ル
同 第七十五條第一項中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第七十六條中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第七十七條中「連署シ」ヲ「連署ス」ト改メ「各自一通ヲ所持ス」ノ八字ヲ削ル
同 第七十九條中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第八十一條中「開業」ノ二字ヲ「事業ニ著手」ト改メ「營業」ノ二字ヲ「事業」ト改ム
同 第八十二條中「開業」ノ二字ヲ「事業ニ著手」ト改ム
同 第九十五條中「年百分ノ七ノ」ノ六字ヲ「會社契約ニ定メタル」ト改ム
同 第九十八條第二項ノ全文ヲ削ル
同 第百一條中「年百分ノ七ノ」ノ六字ヲ「會社契約ニ定メタル」ト改ム
同 第百三條中「年百分ノ七ノ」ノ六字ヲ「會社契約ニ定メタル」ト改ム
同 第百十二條中「不分」ノ二字ヲ「連帶」ト改ム
同 第百十三條中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改メ「若クハ之ヲ表スルニ任セ」ノ十一字ヲ削ル
同 第百二十一條第二號ノ但書ヲ「但會社契約又ハ總社員ノ承諾ニ依リ相續人其他ノ承繼人死亡者ノ地位ニ代ハル可キトキハ此限ニ在ラス」ト改メ第三號ノ「破產」ノ下ニ「又ハ家資分散」ノ六字ヲ加フ
同 第百三十六條中第二項ヲ削除ス
同 第百三十八條第五號ヲ左ノ如ク改ム
「業務擔當社員ノ氏名」
同 第百三十九條中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第百四十條中「取締役」ノ三字ヲ「業務擔當社員」ト改ム
同 第百四十一條ヲ左ノ如ク改ム
「業務擔當社員ノ選任及ヒ解任ハ總社員四分三以上ノ多數決ニ依ル」
同 第百四十二條ヲ左ノ如ク改ム
「業務擔當社員ハ會社契約ニ依リ一定ノ無限責任社員ノミヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得」
同 第百四十三條中「ノ任アル」ノ四字及ヒ「又ハ取締役」ノ五字ヲ削ル
同 第百四十四條中「ノ任アル」ノ四字及ヒ「又ハ取締役」ノ五字ヲ削ル
同 第百四十五條中「ノ任アル」ノ四字及ヒ「又ハ取締役」ノ五字ヲ削ル
同 第百四十六條ヲ左ノ如ク改ム
「業務擔當社員ハ其業務施行中ニ生シタル會社ノ義務ニ付キ連帶無限ノ責任ヲ負フ」
同 第百四十七條中「無限」ノ上ニ「連帶」ノ二字ヲ加ヘ「ノ任アル」ノ四字及ヒ「又ハ取締役」ノ五字ヲ削リ「一个年」ヲ「二个年」ト改ム
同 第百四十八條中「ノ任アル」ノ四字及ヒ「又ハ取締役」ノ五字ヲ削ル
同 第百五十五條中「ノモ亦之ヲ商事會社ト看做ス」ノ十三字ヲ「商事會社總則、本節及ヒ次節ノ規定ニ從フ」ト改ム
同 第百五十八條中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第百六十八條中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第三節第三款題名中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第百七十三條中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第百七十六條中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改メ末尾ニ「但定款ニ依リ數株ヲ合シテ一通ノ株券ヲ作ルコトヲ得」ノ二十四字ヲ加フ
同 第百八十條中「株金額少ナクトモ四分一ノ拂込」ノ十四字ヲ「登記」ト改ム
同 第百八十二條中「讓渡人ハ」ノ下ニ「讓渡後二个年間」ノ七字ヲ加フ
同 第百八十七條中「ニ融通ヲ禁スル印ヲ捺シ」ノ十一字ヲ「ノ融通ヲ禁スル爲メ封印シテ」ト改ム
同 第百八十九條中「一个年」ヲ「二个年」ト改ム
同 第百九十一條中「三人ヨリ少ナカラサル」ノ十字ヲ「二人以上ノ」ト改ム
同 第百九十二條第一號中「シ且總テ其業務施行上ノ過愆及ヒ不整ヲ檢出」ノ二十字ヲ削ル
同 第百九十五條中「會社」以下「損害ニ就キ」マテノ十八字ヲ削リ「生シタル損害ニ付キ會社ニ對シ自己ニ其」ノ十八字ヲ加フ
同 第百九十九條中「ヨリ少ナクトモ十四日」ノ十字ヲ削ル
同 第二百六條中「若クハ債券」ノ五字及ヒ「此債券ハ記名ノモノニシテ其金額ニ付テハ第百七十五條ノ規定ヲ適用ス」ノ三十二字ヲ削リ更ニ左ノ第二項ヲ設ク
「會社ハ債券ヲ發行スルコトヲ得此債券ハ記名ノモノニシテ其金額ニ付テハ第百七十五條ノ規定ヲ適用ス」
同 第二百十三條中「年百分ノ七ノ」ノ六字ヲ「定款ニ定メタル」ノ七字ニ改ム
同 第二百十四條中「對シテ」以下「所有ト爲ル」マテノ四十字ヲ「通知シテ其株券ヲ公賣スルコトヲ得」ト改ム
同 第二百十五條中「所有權」以下「代金」マテノ四十三字ヲ「公賣セラレタル株券ノ從前ノ所有者ハ公賣代金カ」ト改ム
同 第二百十七條中「所有權ヲ失ヒタリト宣言セラレタル株券又ハ」ノ二十字ヲ「但」ト改メ「一个月」トアルヲ「三个月」ト改メ「收ム」ノ下ニ「可シ」ノ二字ヲ加フ
同 第二百二十二條中「何人ニモ其」ノ五字ヲ「株主及ヒ會社ノ債權者ノ」ト改ム
同 第二百三十七條ノ但書ヲ削ル
同 第二百五十三條ニ左ノ第三項ヲ設ク
「淸算人ハ破產管財人ニ其事務ヲ引渡シタルトキハ其任ヲ終リタルモノトス」
同 第二百五十六條第二號中「開業」ノ二字ヲ「事業ニ著手」ト改ム
同 第二百五十七條中「株式會社ノ」ノ五字ヲ削ル
同 第二百五十八條中「林式會社ノ」ノ五字「ノ任アル」ノ四字及ヒ「又ハ取締役」ノ五字ヲ削ル
同 第二百六十八條中「營ム」ノ二字ヲ「商取引又ハ」ト改ム
同 第二百七十一條中「破產」ノ下ニ「家資分散」ノ四字ヲ加フ
同 第六百九十九條中「相違ナク」ノ四字及ヒ「ニシテ合法ノ原因ヲ當然含有スルモノ」ノ十七字ヲ削リ更ニ左ノ第二項ヲ設ク
「手形ニハ條件ヲ付スルコトヲ得ス」
同 第七百五條中「旨趣」ノ二字ヲ「文言」ト改ム
同 第七百六條中「旨趣」ノ二字ヲ「文言」ト改ム
同 第七百七條中「旨趣」ノ二字ヲ「文言」ト改ム
同 第七百十條ノ但書ヲ「但其占有ノ原因消滅シタルトキハ此限ニ在ラス」ト改ム
同 第七百十二條中「起算シ」ノ三字及ヒ「拒證書ヲ作リタル日若クハ」ノ十二字ヲ削ル
同 第七百十六條中「明瞭詳密ニ」ノ五字及ヒ第五號ヲ削リ「第六」ヲ「第五」ト改ム
同 第七百十七條中「振出地ニ非サル地ニ於テ支拂ヲ爲ス可キトキハ」ノ二十一字ヲ削ル
同 第七百二十三條中「白地ニテモ」ノ五字ヲ「裏書讓渡人ノ署名捺印ノミヲ以テモ亦」ト改ム
同 第七百二十五條中「白地ニテ」ノ四字ヲ「裏書讓渡人ノ署名捺印ノミヲ以テ」ト改ム
同 第七百三十條中「其裏書讓受人ニ」トアル「ニ」ヲ「ハ」ト改メ「權殊ニ」以下「此限ニ在ラス」マテノ六十字ヲ「但特別ノ記載アルニ非サレハ眞ノ裏書讓渡ヲ爲スコトヲ得ス」ト改ム
同 第七百三十一條中「(質入爲替手形、寄託爲替手形)ハ」以下「爲スコトヲ得」マテノ百一字ヲ「ニシテ其目的ヲ記載シタルトキハ其裏書讓受人ハ裏書讓渡人ト同一ノ權利義務ヲ行フ但債權ノ辨濟ヲ受ケサル場合ノ外眞ノ裏書讓渡ヲ爲スコトヲ得ス」ト改ム
同 第七百三十二條中「又」ヲ「但」ト改メ「テモ裏書讓受人ニテモ」ノ十字ヲ「於テ」ト改ム
同 第七百三十四條第一項中「其翌日」ノ三字ヲ削リ「要ス」ノ二字ヲ「得」ト改メ第二項中「他所拂爲替手形ノ」ノ八字ヲ削リ其末尾ニ「此場合ニ於テ支拂人引受ヲ爲サヽルトキハ其翌日拒證書ヲ作ル可シ」ノ三十字ヲ加フ
同 第七百三十五條第二項中「其翌日」ノ三字ヲ削リ「要ス」ノ二字ヲ「得」ト改メ「滿期日ハ呈示期間ノ末日ヨリ起算ス」ノ十六字ヲ「呈示期間ノ末日ヲ以テ呈示ノ日ト看做ス但其翌日迄ニ拒證書ヲ作ラサルトキハ振出人及ヒ裏書讓渡人ニ對シテ擔保ヲ求ムルコトヲ得ス」ト改ム
同 第七百三十九條第一項中「支拂人カ引受ノ全部若クハ一分ヲ拒ミタルトキ又ハ第七百三十七條及ヒ第七百三十八條ノ規定ニ依リテ引受ヲ拒ミタリト看做スヘキトキハ所持人ハ拒證書ノ」ヲ「所持人引受ノ拒證書ヲ作リタルトキハ其」ト改メ「若シ此通知ヲ爲サヽルトキハ之ヲ受ケサリシ者ニ對シテ償還請求權ヲ失フ」ノ三十三字及ヒ第二項ノ冒頭ニアル「又」ノ一字ヲ削ル
同 第七百六十四條中「破產」ノ下ニ「若クハ家資分散ノ」ノ八字ヲ加フ
同 第七百七十七條中「破產」ノ下ニ「若クハ家資分散ノ」ノ八字ヲ加フ
同 第七百七十九條中「破產」ノ下ニ「若クハ家資分散ノ」ノ八字ヲ加フ
同 第七百八十四條削除
同 第七百八十六條第一號中「滿期日ヨリ」ヲ「滿期ノ翌日ヨリ」ト改メ「年百分ノ七」ヲ「百分ノ十」ト改ム
同 第七百八十七條削除
同 第七百九十條中「男子」ノ下「ニシテ成ル可ク商人」ノ九字ヲ削ル
同 第七百九十三條中「ハ」ノ字ヲ「モ」ニ「モ」ノ字ヲ「トキハ」ト改メ「得ス」ノ「ス」ノ字ヲ削ル
同 第七百九十五條第六號ノ次ニ左ノ號ヲ設ク
「第七 第七百九十三條ノ場合ニ於テハ拒者ノ承諾」
同 第八百條第二項中「此二箇ノ相場ハ仲立人ノ認證ヲ受クルコトヲ要ス」ノ二十二字ヲ削ル
同 第八百一條中「拒證書」下ニ「及ヒ」ノ二字ヲ加ヘ「及ヒ前條ノ二箇ノ相場認證書」ノ十三字ヲ削ル
同 第八百十一條中「明瞭詳密ニ」ノ五字ヲ削リ第三號中「指圖セラレタル人」ノ下ニ「若クハ所持人」ノ六字ヲ加ヘ第五號ヲ削リ「第六」ヲ「第五」ト改ム
同 第八百十八條中「白地ニテ」ノ四字ヲ「裏書讓渡人ノ署名捺印ノミヲ以テ」ト改ム
同 第八百十九條中「若シ」以下「負擔ス」マテノ四十八字ヲ削リ更ニ左ノ第二項ヲ設ク
「小切手ハ同地內ニ於テハ日附後五日內又振出地ト支拂地ト同シカラサルトキハ十日內ニ其支拂ヲ請求ス可シ」
同 第八百二十條中「受ケサルトキハ」ノ下ニ「同地內ニ於テハ」ノ七字「十日內」ノ下ニ「又振出地ト支拂地ト同シカラサル場合ニ於テハ二十日內」ノ二十五字「償還請求權ヲ有ス」ノ下ニ「但右ノ期限ヲ過キタルモ裏書讓渡人カ請求ヲ受ケタル翌日ニ爲シタル償還請求ハ有効ナリ」ノ四十字ヲ加ヘ「然レトモ」ノ四字ヲ削リ「振出人ニ對シテハ」以下「償還請求權ヲ有ス」マテノ五十七字ヲ第二項トシ從前ノ第二項ヲ第三項トシテ「其小切手帳」ノ下ニ「及ヒ通帳」ノ四字ヲ加フ
同 第九百七十九條第一項中「商事」ノ二字ヲ削ル
同 第九百八十條第一號中「時期」ノ二字ヲ「日時但此日時ハ後日裁判所ノ決定ヲ以テ之ヲ定ムルコトヲ得」ト改メ第六號ノ次ニ左ノ號ヲ設ク
「第七 破產宣吿ノ日時」
同 第九百九十條中「十日」ヲ「三十日」ト改メ「其財產中日リ」以下「負擔スル契約」マテノ五十一字ヲ「爲シタル贈與其他ノ無償行爲又ハ之ト同視ス可キ有償行爲」ト改メ「變體支拂」ノ四字ヲ「代物辨濟」ト改ム
同 第千二條第一項中「及ヒ債務者ノ卽時勾留若クハ監守」ノ十五字及ヒ第二項ノ全文ヲ削リ第三項中「商事」ノ二字及ヒ「身體及ヒ」ノ四字ヲ削ル
同 第千三條第一項ノ全文ヲ削リ更ニ左ノ第一項第二項ヲ設ケ從前ノ第二項中「債務者」トアルヲ「破產者」ト改メ之ヲ第三項トス
「破產者カ逃走シ若クハ其財產ヲ隱匿スルノ虞アリト認ムルトキハ裁判所ハ其監守ヲ命スルコトヲ得」
「會社ニ在テハ業務擔當ノ任アル社員又ハ取締役ニ對シテ右ノ處分ヲ行フ」
同 第千四條中「勾留若クハ」ヲ「管財人カ破產者ノ財產ヲ財產目錄ニ載セ且之ヲ占有シタルトキ又ハ」ト改メ「債務者」トアルヲ總テ「破產者」ト改ム
同 第千十九條第二項中「ニシテ百圓以上ノ額ニ係ルモノ」ノ十四字ヲ削ル
同 第千三十四條削除
同 第千五十一條第五號中「第二項」トアルヲ「第三項」ト改ム
同 第千五十二條中「商事」ノ二字ヲ削ル
同 第千五十四條中「商事會社」トアル「商事」ノ二字「若クハ取締役」ノ六字ヲ削ル
同 第千五十五條第三項中「商事」ノ二字「若クハ取締役」ノ六字ヲ削ル
商法施行條例第三條中「第二百二十二條」ノ七字及ヒ「及ヒ展覽ニ供スル書類」ノ十字ヲ削ル
同 第四條削除
同 第五條中「本條例發布」ノ五字ヲ「商法實施」ト改ム
同 第七條中「及ヒ第八十二條」ノ七字ヲ削ル
同 第八條中「商號」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第九條削除
同 第四十五條中「千二條」トアルヲ「千三條」ト改メ「勾留若クハ」ノ五字及ヒ「其勾留ニ係ル者ハ之ヲ所屬留置場ニ送致セシメ監守ニ係ル者ハ」ノ二十八字ヲ削ル
同 第四十六條削除
同 第四十七條削除
同 第四十八條中「豫防シ且」ノ下ニ「破產主任官ノ許可ヲ得タルトキノ外」ノ十六字ヲ加フ
同 第四十九條中「第二項」トアルヲ「第三項」ト改ム
朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル商法及商法施行条例中改正並施行法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十六年三月四日
内閣総理大臣 伯爵 伊藤博文
司法大臣 伯爵 山県有朋
逓信大臣 伯爵 黒田清隆
内務大臣 伯爵 井上馨
陸軍大臣 伯爵 大山巌
農商務大臣 伯爵 後藤象二郎
外務大臣 陸奥宗光
文部大臣 河野敏鎌
海軍大臣 子爵 仁礼景範
大蔵大臣 渡辺国武
法律第九号
第一条 商法及ヒ商法施行条例中別冊ノ通リ改正ス
第二条 商法第一編第六章第十二章及ヒ第三編並ニ商法施行条例第一条乃至第三条第五条乃至第八条第十条乃至第二十七条第三十五条乃至第四十五条第四十八条乃至第五十一条及ヒ第五十三条第三項ハ明治二十六年七月一日ヨリ之ヲ施行ス
第三条 商法第一編第二章及ヒ第四章ハ右同日ヨリ商事会社ニ付テノミ之ヲ施行ス
(別冊)
商法第六十七条第二項中「若クハ警察官」ノ六字ヲ削ル
同 第七十条中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第七十一条中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第七十二条中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第七十三条中「殊ニ其名ヲ以テ債権ヲ得債務ヲ負ヒ動産不動産ヲ取得シ」ノ二十五字ヲ削ル
同 第七十四条中「七人以下」ノ四字ヲ削ル
同 第七十五条第一項中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第七十六条中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第七十七条中「連署シ」ヲ「連署ス」ト改メ「各自一通ヲ所持ス」ノ八字ヲ削ル
同 第七十九条中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第八十一条中「開業」ノ二字ヲ「事業ニ著手」ト改メ「営業」ノ二字ヲ「事業」ト改ム
同 第八十二条中「開業」ノ二字ヲ「事業ニ著手」ト改ム
同 第九十五条中「年百分ノ七ノ」ノ六字ヲ「会社契約ニ定メタル」ト改ム
同 第九十八条第二項ノ全文ヲ削ル
同 第百一条中「年百分ノ七ノ」ノ六字ヲ「会社契約ニ定メタル」ト改ム
同 第百三条中「年百分ノ七ノ」ノ六字ヲ「会社契約ニ定メタル」ト改ム
同 第百十二条中「不分」ノ二字ヲ「連帯」ト改ム
同 第百十三条中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改メ「若クハ之ヲ表スルニ任セ」ノ十一字ヲ削ル
同 第百二十一条第二号ノ但書ヲ「但会社契約又ハ総社員ノ承諾ニ依リ相続人其他ノ承継人死亡者ノ地位ニ代ハル可キトキハ此限ニ在ラス」ト改メ第三号ノ「破産」ノ下ニ「又ハ家資分散」ノ六字ヲ加フ
同 第百三十六条中第二項ヲ削除ス
同 第百三十八条第五号ヲ左ノ如ク改ム
「業務担当社員ノ氏名」
同 第百三十九条中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第百四十条中「取締役」ノ三字ヲ「業務担当社員」ト改ム
同 第百四十一条ヲ左ノ如ク改ム
「業務担当社員ノ選任及ヒ解任ハ総社員四分三以上ノ多数決ニ依ル」
同 第百四十二条ヲ左ノ如ク改ム
「業務担当社員ハ会社契約ニ依リ一定ノ無限責任社員ノミヲ以テ之ニ充ツルコトヲ得」
同 第百四十三条中「ノ任アル」ノ四字及ヒ「又ハ取締役」ノ五字ヲ削ル
同 第百四十四条中「ノ任アル」ノ四字及ヒ「又ハ取締役」ノ五字ヲ削ル
同 第百四十五条中「ノ任アル」ノ四字及ヒ「又ハ取締役」ノ五字ヲ削ル
同 第百四十六条ヲ左ノ如ク改ム
「業務担当社員ハ其業務施行中ニ生シタル会社ノ義務ニ付キ連帯無限ノ責任ヲ負フ」
同 第百四十七条中「無限」ノ上ニ「連帯」ノ二字ヲ加ヘ「ノ任アル」ノ四字及ヒ「又ハ取締役」ノ五字ヲ削リ「一个年」ヲ「二个年」ト改ム
同 第百四十八条中「ノ任アル」ノ四字及ヒ「又ハ取締役」ノ五字ヲ削ル
同 第百五十五条中「ノモ亦之ヲ商事会社ト看做ス」ノ十三字ヲ「商事会社総則、本節及ヒ次節ノ規定ニ従フ」ト改ム
同 第百五十八条中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第百六十八条中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第三節第三款題名中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第百七十三条中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第百七十六条中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改メ末尾ニ「但定款ニ依リ数株ヲ合シテ一通ノ株券ヲ作ルコトヲ得」ノ二十四字ヲ加フ
同 第百八十条中「株金額少ナクトモ四分一ノ払込」ノ十四字ヲ「登記」ト改ム
同 第百八十二条中「譲渡人ハ」ノ下ニ「譲渡後二个年間」ノ七字ヲ加フ
同 第百八十七条中「ニ融通ヲ禁スル印ヲ捺シ」ノ十一字ヲ「ノ融通ヲ禁スル為メ封印シテ」ト改ム
同 第百八十九条中「一个年」ヲ「二个年」ト改ム
同 第百九十一条中「三人ヨリ少ナカラサル」ノ十字ヲ「二人以上ノ」ト改ム
同 第百九十二条第一号中「シ且総テ其業務施行上ノ過愆及ヒ不整ヲ検出」ノ二十字ヲ削ル
同 第百九十五条中「会社」以下「損害ニ就キ」マテノ十八字ヲ削リ「生シタル損害ニ付キ会社ニ対シ自己ニ其」ノ十八字ヲ加フ
同 第百九十九条中「ヨリ少ナクトモ十四日」ノ十字ヲ削ル
同 第二百六条中「若クハ債券」ノ五字及ヒ「此債券ハ記名ノモノニシテ其金額ニ付テハ第百七十五条ノ規定ヲ適用ス」ノ三十二字ヲ削リ更ニ左ノ第二項ヲ設ク
「会社ハ債券ヲ発行スルコトヲ得此債券ハ記名ノモノニシテ其金額ニ付テハ第百七十五条ノ規定ヲ適用ス」
同 第二百十三条中「年百分ノ七ノ」ノ六字ヲ「定款ニ定メタル」ノ七字ニ改ム
同 第二百十四条中「対シテ」以下「所有ト為ル」マテノ四十字ヲ「通知シテ其株券ヲ公売スルコトヲ得」ト改ム
同 第二百十五条中「所有権」以下「代金」マテノ四十三字ヲ「公売セラレタル株券ノ従前ノ所有者ハ公売代金カ」ト改ム
同 第二百十七条中「所有権ヲ失ヒタリト宣言セラレタル株券又ハ」ノ二十字ヲ「但」ト改メ「一个月」トアルヲ「三个月」ト改メ「収ム」ノ下ニ「可シ」ノ二字ヲ加フ
同 第二百二十二条中「何人ニモ其」ノ五字ヲ「株主及ヒ会社ノ債権者ノ」ト改ム
同 第二百三十七条ノ但書ヲ削ル
同 第二百五十三条ニ左ノ第三項ヲ設ク
「清算人ハ破産管財人ニ其事務ヲ引渡シタルトキハ其任ヲ終リタルモノトス」
同 第二百五十六条第二号中「開業」ノ二字ヲ「事業ニ著手」ト改ム
同 第二百五十七条中「株式会社ノ」ノ五字ヲ削ル
同 第二百五十八条中「林式会社ノ」ノ五字「ノ任アル」ノ四字及ヒ「又ハ取締役」ノ五字ヲ削ル
同 第二百六十八条中「営ム」ノ二字ヲ「商取引又ハ」ト改ム
同 第二百七十一条中「破産」ノ下ニ「家資分散」ノ四字ヲ加フ
同 第六百九十九条中「相違ナク」ノ四字及ヒ「ニシテ合法ノ原因ヲ当然含有スルモノ」ノ十七字ヲ削リ更ニ左ノ第二項ヲ設ク
「手形ニハ条件ヲ付スルコトヲ得ス」
同 第七百五条中「旨趣」ノ二字ヲ「文言」ト改ム
同 第七百六条中「旨趣」ノ二字ヲ「文言」ト改ム
同 第七百七条中「旨趣」ノ二字ヲ「文言」ト改ム
同 第七百十条ノ但書ヲ「但其占有ノ原因消滅シタルトキハ此限ニ在ラス」ト改ム
同 第七百十二条中「起算シ」ノ三字及ヒ「拒証書ヲ作リタル日若クハ」ノ十二字ヲ削ル
同 第七百十六条中「明瞭詳密ニ」ノ五字及ヒ第五号ヲ削リ「第六」ヲ「第五」ト改ム
同 第七百十七条中「振出地ニ非サル地ニ於テ支払ヲ為ス可キトキハ」ノ二十一字ヲ削ル
同 第七百二十三条中「白地ニテモ」ノ五字ヲ「裏書譲渡人ノ署名捺印ノミヲ以テモ亦」ト改ム
同 第七百二十五条中「白地ニテ」ノ四字ヲ「裏書譲渡人ノ署名捺印ノミヲ以テ」ト改ム
同 第七百三十条中「其裏書譲受人ニ」トアル「ニ」ヲ「ハ」ト改メ「権殊ニ」以下「此限ニ在ラス」マテノ六十字ヲ「但特別ノ記載アルニ非サレハ真ノ裏書譲渡ヲ為スコトヲ得ス」ト改ム
同 第七百三十一条中「(質入為替手形、寄託為替手形)ハ」以下「為スコトヲ得」マテノ百一字ヲ「ニシテ其目的ヲ記載シタルトキハ其裏書譲受人ハ裏書譲渡人ト同一ノ権利義務ヲ行フ但債権ノ弁済ヲ受ケサル場合ノ外真ノ裏書譲渡ヲ為スコトヲ得ス」ト改ム
同 第七百三十二条中「又」ヲ「但」ト改メ「テモ裏書譲受人ニテモ」ノ十字ヲ「於テ」ト改ム
同 第七百三十四条第一項中「其翌日」ノ三字ヲ削リ「要ス」ノ二字ヲ「得」ト改メ第二項中「他所払為替手形ノ」ノ八字ヲ削リ其末尾ニ「此場合ニ於テ支払人引受ヲ為サヽルトキハ其翌日拒証書ヲ作ル可シ」ノ三十字ヲ加フ
同 第七百三十五条第二項中「其翌日」ノ三字ヲ削リ「要ス」ノ二字ヲ「得」ト改メ「満期日ハ呈示期間ノ末日ヨリ起算ス」ノ十六字ヲ「呈示期間ノ末日ヲ以テ呈示ノ日ト看做ス但其翌日迄ニ拒証書ヲ作ラサルトキハ振出人及ヒ裏書譲渡人ニ対シテ担保ヲ求ムルコトヲ得ス」ト改ム
同 第七百三十九条第一項中「支払人カ引受ノ全部若クハ一分ヲ拒ミタルトキ又ハ第七百三十七条及ヒ第七百三十八条ノ規定ニ依リテ引受ヲ拒ミタリト看做スヘキトキハ所持人ハ拒証書ノ」ヲ「所持人引受ノ拒証書ヲ作リタルトキハ其」ト改メ「若シ此通知ヲ為サヽルトキハ之ヲ受ケサリシ者ニ対シテ償還請求権ヲ失フ」ノ三十三字及ヒ第二項ノ冒頭ニアル「又」ノ一字ヲ削ル
同 第七百六十四条中「破産」ノ下ニ「若クハ家資分散ノ」ノ八字ヲ加フ
同 第七百七十七条中「破産」ノ下ニ「若クハ家資分散ノ」ノ八字ヲ加フ
同 第七百七十九条中「破産」ノ下ニ「若クハ家資分散ノ」ノ八字ヲ加フ
同 第七百八十四条削除
同 第七百八十六条第一号中「満期日ヨリ」ヲ「満期ノ翌日ヨリ」ト改メ「年百分ノ七」ヲ「百分ノ十」ト改ム
同 第七百八十七条削除
同 第七百九十条中「男子」ノ下「ニシテ成ル可ク商人」ノ九字ヲ削ル
同 第七百九十三条中「ハ」ノ字ヲ「モ」ニ「モ」ノ字ヲ「トキハ」ト改メ「得ス」ノ「ス」ノ字ヲ削ル
同 第七百九十五条第六号ノ次ニ左ノ号ヲ設ク
「第七 第七百九十三条ノ場合ニ於テハ拒者ノ承諾」
同 第八百条第二項中「此二箇ノ相場ハ仲立人ノ認証ヲ受クルコトヲ要ス」ノ二十二字ヲ削ル
同 第八百一条中「拒証書」下ニ「及ヒ」ノ二字ヲ加ヘ「及ヒ前条ノ二箇ノ相場認証書」ノ十三字ヲ削ル
同 第八百十一条中「明瞭詳密ニ」ノ五字ヲ削リ第三号中「指図セラレタル人」ノ下ニ「若クハ所持人」ノ六字ヲ加ヘ第五号ヲ削リ「第六」ヲ「第五」ト改ム
同 第八百十八条中「白地ニテ」ノ四字ヲ「裏書譲渡人ノ署名捺印ノミヲ以テ」ト改ム
同 第八百十九条中「若シ」以下「負担ス」マテノ四十八字ヲ削リ更ニ左ノ第二項ヲ設ク
「小切手ハ同地内ニ於テハ日附後五日内又振出地ト支払地ト同シカラサルトキハ十日内ニ其支払ヲ請求ス可シ」
同 第八百二十条中「受ケサルトキハ」ノ下ニ「同地内ニ於テハ」ノ七字「十日内」ノ下ニ「又振出地ト支払地ト同シカラサル場合ニ於テハ二十日内」ノ二十五字「償還請求権ヲ有ス」ノ下ニ「但右ノ期限ヲ過キタルモ裏書譲渡人カ請求ヲ受ケタル翌日ニ為シタル償還請求ハ有効ナリ」ノ四十字ヲ加ヘ「然レトモ」ノ四字ヲ削リ「振出人ニ対シテハ」以下「償還請求権ヲ有ス」マテノ五十七字ヲ第二項トシ従前ノ第二項ヲ第三項トシテ「其小切手帳」ノ下ニ「及ヒ通帳」ノ四字ヲ加フ
同 第九百七十九条第一項中「商事」ノ二字ヲ削ル
同 第九百八十条第一号中「時期」ノ二字ヲ「日時但此日時ハ後日裁判所ノ決定ヲ以テ之ヲ定ムルコトヲ得」ト改メ第六号ノ次ニ左ノ号ヲ設ク
「第七 破産宣告ノ日時」
同 第九百九十条中「十日」ヲ「三十日」ト改メ「其財産中日リ」以下「負担スル契約」マテノ五十一字ヲ「為シタル贈与其他ノ無償行為又ハ之ト同視ス可キ有償行為」ト改メ「変体支払」ノ四字ヲ「代物弁済」ト改ム
同 第千二条第一項中「及ヒ債務者ノ即時勾留若クハ監守」ノ十五字及ヒ第二項ノ全文ヲ削リ第三項中「商事」ノ二字及ヒ「身体及ヒ」ノ四字ヲ削ル
同 第千三条第一項ノ全文ヲ削リ更ニ左ノ第一項第二項ヲ設ケ従前ノ第二項中「債務者」トアルヲ「破産者」ト改メ之ヲ第三項トス
「破産者カ逃走シ若クハ其財産ヲ隠匿スルノ虞アリト認ムルトキハ裁判所ハ其監守ヲ命スルコトヲ得」
「会社ニ在テハ業務担当ノ任アル社員又ハ取締役ニ対シテ右ノ処分ヲ行フ」
同 第千四条中「勾留若クハ」ヲ「管財人カ破産者ノ財産ヲ財産目録ニ載セ且之ヲ占有シタルトキ又ハ」ト改メ「債務者」トアルヲ総テ「破産者」ト改ム
同 第千十九条第二項中「ニシテ百円以上ノ額ニ係ルモノ」ノ十四字ヲ削ル
同 第千三十四条削除
同 第千五十一条第五号中「第二項」トアルヲ「第三項」ト改ム
同 第千五十二条中「商事」ノ二字ヲ削ル
同 第千五十四条中「商事会社」トアル「商事」ノ二字「若クハ取締役」ノ六字ヲ削ル
同 第千五十五条第三項中「商事」ノ二字「若クハ取締役」ノ六字ヲ削ル
商法施行条例第三条中「第二百二十二条」ノ七字及ヒ「及ヒ展覧ニ供スル書類」ノ十字ヲ削ル
同 第四条削除
同 第五条中「本条例発布」ノ五字ヲ「商法実施」ト改ム
同 第七条中「及ヒ第八十二条」ノ七字ヲ削ル
同 第八条中「商号」ノ二字ヲ「社名」ト改ム
同 第九条削除
同 第四十五条中「千二条」トアルヲ「千三条」ト改メ「勾留若クハ」ノ五字及ヒ「其勾留ニ係ル者ハ之ヲ所属留置場ニ送致セシメ監守ニ係ル者ハ」ノ二十八字ヲ削ル
同 第四十六条削除
同 第四十七条削除
同 第四十八条中「予防シ且」ノ下ニ「破産主任官ノ許可ヲ得タルトキノ外」ノ十六字ヲ加フ
同 第四十九条中「第二項」トアルヲ「第三項」ト改ム