印紙類売下売捌規則
法令番号: 勅令第二百七十一號
公布年月日: 明治23年11月11日
法令の形式: 勅令
朕印紙類賣下賣捌規則ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十三年十一月十日
大藏大臣 伯爵 松方正義
勅令第二百七十一號
印紙類賣下賣捌規則
第一條 此規則ニ依リ賣下又ハ賣捌ヲ爲スヘキ印紙類ハ左ノ如シ
證券印紙手形用紙共
烟草印紙
訴訟用印紙
賣藥印紙
登記印紙
第二條 各府縣ニ左ノ印紙類賣捌人ヲ置ク
元賣捌人
府縣廳ヨリ印紙類ヲ拂受ケ之ヲ其管內ニ於ケル賣捌人ニ賣渡スモノトス
賣捌人
元賣捌人ヨリ印紙類ヲ買受ケ之ヲ各需用者ニ賣捌クモノトス
第三條 賣捌人ハ左ノ順序ニ從ヒ之ヲ許可スヘシ但本條第三ニ該當スル者ハ三箇年以內ノ期限ヲ定メ許可スルモノトス
一 陸海軍人其他公務ノ爲メニ受ケタル傷痍又ハ疾病ヲ以テ法律ニ依リ恩給ヲ受クル者
二 法律ニ依リ扶助料ヲ受クル者
三 一般人民
第四條 印紙類賣捌ヲ爲サントスル者ハ府縣廳ニ願出許可ヲ受クヘシ
第五條 烟草營業人若ハ其家族又ハ同居ノ者ニハ烟草印紙、賣藥營業者請賣者行商者若ハ其家族又ハ同居ノ者ニハ賣藥印紙ノ元賣捌及ヒ賣捌ヲ許可セス
第六條 印紙類ノ賣下ハ其額面ニ對シ百分ノ七以內ノ割引ヲ爲スヘシ
第七條 印紙類ハ其代金納付ノ上之ヲ下渡スヘシ
印紙類ノ賣下代金一囘貳千圓以上ハ公債證書ヲ抵當ト爲シ六箇月以內ノ延納ヲ許スコトヲ得
第八條 元賣捌人及賣捌人ハ左ノ場合ニ於テ印紙類額面ニ對シ百分ノ十以內ノ割引ヲ以テ交換又ハ買戾ヲ請求スルコトヲ得但交換印紙ハ拾錢以上取纒メタルモノニ限ル
一 印紙類損傷又ハ汚染シタルトキ
一 印紙不用ニ歸シタルトキ
第九條 印紙類賣捌ノ許可ヲ得タル者左ノ事項ニ該ルトキハ其効ヲ失フモノトス
一 恩給若ハ扶助料ヲ受クル者其權利消滅若ハ停止セラレタルトキ
一 賣捌區域外ニ移住スルトキ
第十條 印紙類ハ許可ヲ得タル場所ノ外ニ於テ賣捌クコトヲ得ス
印紙類ハ定價ヲ以テ需用者ニ賣捌クヘシ
前二項ノ規定ニ違フ者ハ印紙賣捌ノ許可ヲ取消スモノトス
第十一條 元賣捌人及賣捌人ノ配置竝ニ第六條第八條ノ割引步合其他此規則ニ關スル施行細則ハ大藏大臣之ヲ定ム
附 則
第十二條 此規則ハ府縣知事地方ノ實況ヲ量リ大藏大臣ノ認可ヲ經テ明治二十四年一月一日ヨリ漸次之ヲ施行スヘシ
第十三條 此規則中印紙類ノ割引ニ關スル條項ハ此規則ノ施行ニ拘ラス來ル明治二十四年一月一日ヨリ施行ス
第十四條 明治十九年六月大藏省令第二十一號ハ此規則施行ノ日ヨリ廢止ス
第十五條 此規則ハ北海道沖繩縣及東京府管轄小笠原島伊豆七島ニハ之ヲ施行セス
朕印紙類売下売捌規則ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十三年十一月十日
大蔵大臣 伯爵 松方正義
勅令第二百七十一号
印紙類売下売捌規則
第一条 此規則ニ依リ売下又ハ売捌ヲ為スヘキ印紙類ハ左ノ如シ
証券印紙手形用紙共
烟草印紙
訴訟用印紙
売薬印紙
登記印紙
第二条 各府県ニ左ノ印紙類売捌人ヲ置ク
元売捌人
府県庁ヨリ印紙類ヲ払受ケ之ヲ其管内ニ於ケル売捌人ニ売渡スモノトス
売捌人
元売捌人ヨリ印紙類ヲ買受ケ之ヲ各需用者ニ売捌クモノトス
第三条 売捌人ハ左ノ順序ニ従ヒ之ヲ許可スヘシ但本条第三ニ該当スル者ハ三箇年以内ノ期限ヲ定メ許可スルモノトス
一 陸海軍人其他公務ノ為メニ受ケタル傷痍又ハ疾病ヲ以テ法律ニ依リ恩給ヲ受クル者
二 法律ニ依リ扶助料ヲ受クル者
三 一般人民
第四条 印紙類売捌ヲ為サントスル者ハ府県庁ニ願出許可ヲ受クヘシ
第五条 烟草営業人若ハ其家族又ハ同居ノ者ニハ烟草印紙、売薬営業者請売者行商者若ハ其家族又ハ同居ノ者ニハ売薬印紙ノ元売捌及ヒ売捌ヲ許可セス
第六条 印紙類ノ売下ハ其額面ニ対シ百分ノ七以内ノ割引ヲ為スヘシ
第七条 印紙類ハ其代金納付ノ上之ヲ下渡スヘシ
印紙類ノ売下代金一回弐千円以上ハ公債証書ヲ抵当ト為シ六箇月以内ノ延納ヲ許スコトヲ得
第八条 元売捌人及売捌人ハ左ノ場合ニ於テ印紙類額面ニ対シ百分ノ十以内ノ割引ヲ以テ交換又ハ買戻ヲ請求スルコトヲ得但交換印紙ハ拾銭以上取纒メタルモノニ限ル
一 印紙類損傷又ハ汚染シタルトキ
一 印紙不用ニ帰シタルトキ
第九条 印紙類売捌ノ許可ヲ得タル者左ノ事項ニ該ルトキハ其効ヲ失フモノトス
一 恩給若ハ扶助料ヲ受クル者其権利消滅若ハ停止セラレタルトキ
一 売捌区域外ニ移住スルトキ
第十条 印紙類ハ許可ヲ得タル場所ノ外ニ於テ売捌クコトヲ得ス
印紙類ハ定価ヲ以テ需用者ニ売捌クヘシ
前二項ノ規定ニ違フ者ハ印紙売捌ノ許可ヲ取消スモノトス
第十一条 元売捌人及売捌人ノ配置並ニ第六条第八条ノ割引歩合其他此規則ニ関スル施行細則ハ大蔵大臣之ヲ定ム
附 則
第十二条 此規則ハ府県知事地方ノ実況ヲ量リ大蔵大臣ノ認可ヲ経テ明治二十四年一月一日ヨリ漸次之ヲ施行スヘシ
第十三条 此規則中印紙類ノ割引ニ関スル条項ハ此規則ノ施行ニ拘ラス来ル明治二十四年一月一日ヨリ施行ス
第十四条 明治十九年六月大蔵省令第二十一号ハ此規則施行ノ日ヨリ廃止ス
第十五条 此規則ハ北海道沖縄県及東京府管轄小笠原島伊豆七島ニハ之ヲ施行セス