地方官官制
法令番号: 勅令第二百二十五號
公布年月日: 明治23年10月11日
法令の形式: 勅令
朕地方官官制ノ改正ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十三年十月十日
內閣總理大臣 伯爵 山縣有朋
內務大臣 伯爵 西鄕從道
大藏大臣 伯爵 松方正義
勅令第二百二十五號
地方官官制
第一條 各府縣ニ職員ヲ置ク左ノ如シ
知事
書記官
警部長
收稅長
參事官
技師
典獄
技手
警部
收稅屬
監獄書記
看守長
第二條 知事一人勅任トス
第三條 書記官一人奏任トス
第四條 警部長收稅長各一人奏任二等以下トス
第五條 參事官二人奏任三等以下トス
第六條 典獄一人奏任四等以下トス
第七條 屬警部收稅屬監獄書記ハ判任トシ看守長ハ判任三等以下トス
判任官ハ各府縣ヲ通シテ左ノ人員ヲ以テ定員トス
屬警部監獄書記看守長 六千二百九十六人
收稅屬 五千六百六人
屬警部監獄書記看守長ノ每府縣ノ定員ハ內務大臣之ヲ定メ其各官ノ定員ハ府縣知事內務大臣ノ認可ヲ經テ之ヲ定ム
收稅屬ノ每府縣ノ定員ハ大藏大臣之ヲ定ム
第八條 技師技手ハ府縣ノ須要ニ依リ判任官俸給豫算定額內ニ於テ技術官官等俸給令ニ依リ之ヲ置クコトヲ得
第九條 知事ハ內務大臣ノ指揮監督ニ屬シ各省ノ主務ニ就テハ各省大臣ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ部內ノ行政事務ヲ總理ス
第十條 知事ハ部內ノ行政事務ニ付其職權若クハ特別ノ委任ニ依リ法律命令ノ範圍內ニ於テ管內一般又ハ其一部ニ府縣令ヲ發スルコトヲ得
府縣令ハ特ニ施行ノ日ヲ揭クルモノヲ除クノ外官報其他特ニ定ムル方法ニ依リ部內ニ公布シタル後七日ヲ以テ施行ノ期限トス但島地ハ其所轄島廳若クハ郡役所ニ到達シタル翌日ヨリ起算ス
第十一條 府縣令ハ內務大臣其他主務ノ大臣ニ於テ公益ヲ害シ成規ニ違ヒ又ハ權限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ之ヲ取消シ又ハ中止セラルヽコトアルヘシ
第十二條 知事ハ非常急變ノ場合ニ臨ミ兵力ヲ要シ又ハ警護ノ爲メ兵備ヲ要スルトキハ師團長若クハ旅團長ニ移牒シテ出兵ヲ請フコトヲ得
第十三條 知事ハ所部ノ官吏ヲ統督シ奏任官ノ功過ハ內務大臣及主務大臣ニ具狀シ判任官以下ノ進退ハ之ヲ專行ス
第十四條 知事ハ法律命令ノ定ムル所ニ從ヒ所部ノ官吏ヲ懲戒ス其奏任官ニ係ルモノハ之ヲ內務大臣若クハ主務大臣ニ具狀シ判任官以下ハ之ヲ專行ス
第十五條 知事ハ其廳ノ豫算定額內ニ於テ奏任官以下特別ノ勤勞アル者ヲ賞與スルコトヲ得其奏任官ニ係ルモノハ之ヲ內務大臣若クハ主務大臣ニ具狀シ判任官以下ハ之ヲ專行ス
第十六條 知事ハ須要ニ依リ判任官俸給豫算定額內ニ於テ雇員ヲ使用スルコトヲ得
第十七條 知事ハ廳中處務ノ細則ヲ設クルコトヲ得
第十八條 知事事故アルトキハ書記官其職務ヲ代理ス
第十九條 知事官房ヲ置ク
知事官房ニ書記若干名ヲ置ク屬ヲ以テ之ニ充ツ
第二十條 知事官房ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 官吏ノ進退身分ニ關スル事務
一 文書ノ受付
一 官印府縣印ノ管守
一 外國人ニ關スル事務
第二十一條 府縣ノ事務ヲ分掌セシムル爲メニ左ノ二部三署ヲ置ク
內務部
警察部
直稅署
間稅署
監獄署
第二十二條 書記官ハ內務部長、警部長ハ警察部長、收稅長ハ直稅署長及間稅署長、典獄ハ監獄署長トナリ各知事ノ命ヲ承ケテ部下ノ官吏ヲ統督シ所部ノ事務ヲ掌理ス
第二十三條 內務部ニ左ノ四課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 議員選擧及府縣會、郡會、市町村會、公共組合會等ノ會議ニ關スル事項
一 府縣稅、備荒儲蓄竝郡市町村ノ經濟ニ關スル事項
一 右ノ外他課ノ主管ニ屬セサル事項
第二課
一 農工商務及土木ニ關スル事項
一 官有地及土地收用ニ關スル事項
第三課
一 學務、衞生、兵事、社寺及戶籍ニ關スル事項
第四課
一 府縣費ノ會計ニ關スル事項
一 府縣稅及備荒儲蓄ノ收支出納ニ關スル事項
第二十四條 警察部ハ高等警察及行政警察ノ事務ヲ掌ル
第二十五條 直稅署ハ直稅ノ賦課租稅ノ徵收及徵稅費ニ關スル事務ヲ掌ル
間稅署ハ間稅ノ賦課及間稅犯則者處分ニ關スル事務ヲ掌ル
第二十六條 監獄署ハ監獄ニ關スル事務ヲ掌ル
第二十七條 參事官ハ知事ノ諮詢ニ應シ意見ヲ具ヘ及審議立案ヲ掌ル
參事官ハ知事ノ命ヲ承ケテ內務部各課長トナリ又ハ臨時各部課ノ事務ヲ助クルコトアルヘシ
第二十八條 內務部各課長ハ屬ヲ以テ之ニ充ツ但參事官兼掌スル場合ハ此限ニ在ラス
第二十九條 警察部直稅署間稅署監獄署ノ事務ノ分課ハ知事之ヲ定メ主務大臣ニ報吿ス可シ
第三十條 前諸條ニ定ムルノ外臨時ノ事件アルトキハ知事ニ於テ便宜其主掌ノ部課ヲ指定ス可シ
第三十一條 屬ハ上官ノ指揮ヲ承ケ內務部各課及知事官房ニ分屬シ庶務ニ從事ス
第三十二條 警部ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察事務ヲ分掌シ部下ノ巡査ヲ指揮監督ス
第三十三條 收稅屬ハ上官ノ指揮ヲ承ケ直稅署間稅署各課ニ分屬シ庶務ニ從事ス
第三十四條 監獄書記ハ典獄ノ命ヲ承ケ庶務ニ從事ス
典獄事故アルトキハ上席書記知事ノ命ヲ承ケテ其職務ヲ代理ス
第三十五條 看守長ハ典獄ノ命ヲ承ケ監獄ノ戒護ヲ掌リ看守ヲ指揮監督ス
第三十六條 各郡市ニ警察署ヲ置キ警察署ノ下其部內ニ於テ警察分署ヲ配置ス
京都市大阪市ハ內務大臣ノ認可ヲ經テ二箇以上ノ警察署ヲ設クルコトヲ得
警察署長及警察分署長ハ警部ヲ以テ之ニ充ツ
第三十七條 巡査及看守ニ關スル規程ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第三十八條 府縣內須要ノ地ニ直稅分署及間稅分署ヲ配置ス其配置及管轄區域ハ大藏大臣之ヲ定ム
第三十九條 直稅分署長及間稅分署長ハ收稅屬ヲ以テ之ニ充ツ
第四十條 府縣職員ノ外監獄醫及敎誨師ヲ置キ判任ノ待遇トス其定員ハ知事之ヲ定メ內務大臣ノ認可ヲ受ク可シ
第四十一條 東京府ノ警察及監獄ニ關スル事項ハ警視廳官制ニ依ル
第四十二條 各郡職員ヲ置ク左ノ如シ
郡長
郡書記
第四十三條 郡長一人奏任三等以下トス
第四十四條 郡書記ハ判任トス其定員ハ知事之ヲ定メ內務大臣ノ認可ヲ受ク可シ
第四十五條 郡長ハ知事ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ部內ニ執行シ部內ノ行政事務ヲ掌理ス
第四十六條 郡長ハ法律命令ヲ以テ委任シ及知事ヨリ特ニ分任スル條件ハ便宜施行スルコトヲ得
第四十七條 郡長ハ行政事務ニ就テ其部內町村ノ町村長ヲ指揮シ其公同事務ニ就テハ之ヲ監督ス
第四十八條 郡長ハ郡書記ノ任免ヲ知事ニ具申ス
第四十九條 郡長ハ法律命令若クハ知事ヨリ委任セラレタル事件ニ付警察規則ヲ發スルコトヲ得但特ニ施行ノ日ヲ揭クルモノヲ除クノ外地方ノ慣行若クハ特ニ定ムル方法ニ依リ部內ニ公布シタル後七日ヲ以テ施行ノ期限トス
第五十條 郡ノ警察規則ハ知事及內務大臣主務大臣ニ於テ公益ヲ害シ成規ニ違ヒ又ハ權限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ之ヲ取消シ又ハ中止セラルヽコトアルヘシ
第五十一條 郡書記ハ郡長ノ命ヲ承ケテ庶務ヲ分掌ス
郡長事故アルトキハ上席郡書記知事ノ命ヲ承ケテ其職務ヲ代理ス
第五十二條 勅令ヲ以テ指定スル所ノ島地ニ特ニ島廳ヲ置ク
第五十三條 島廳職員左ノ如シ
島司
島廳書記
第五十四條 島司一人奏任二等以下トス
第五十五條 島廳書記ハ判任トス其定員ハ其府縣判任官ノ定員內ヲ以テ知事之ヲ定ム
第五十六條 島司ハ知事ノ指揮監督ヲ承ケ部內ノ行政事務ヲ掌理シ知事ヨリ委任スル事項ハ便宜施行スルコトヲ得
第五十七條 島司ハ第四十九條ニ依リ警察規則ヲ發スルコトヲ得
前項ノ警察規則ニ付テハ第五十條ヲ適用ス
第五十八條 島司ハ島廳書記ノ任免ヲ知事ニ具申ス
第五十九條 島司ハ行政事務ニ就テハ其部內町村ノ吏員ヲ指揮監督ス
第六十條 島廳書記ハ島司ノ命ヲ承ケテ庶務ヲ分掌ス
島司事故アルトキハ上席島廳書記知事ノ命ヲ承ケテ其職務ヲ代理ス
朕地方官官制ノ改正ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十三年十月十日
内閣総理大臣 伯爵 山県有朋
内務大臣 伯爵 西郷従道
大蔵大臣 伯爵 松方正義
勅令第二百二十五号
地方官官制
第一条 各府県ニ職員ヲ置ク左ノ如シ
知事
書記官
警部長
収税長
参事官
技師
典獄
技手
警部
収税属
監獄書記
看守長
第二条 知事一人勅任トス
第三条 書記官一人奏任トス
第四条 警部長収税長各一人奏任二等以下トス
第五条 参事官二人奏任三等以下トス
第六条 典獄一人奏任四等以下トス
第七条 属警部収税属監獄書記ハ判任トシ看守長ハ判任三等以下トス
判任官ハ各府県ヲ通シテ左ノ人員ヲ以テ定員トス
属警部監獄書記看守長 六千二百九十六人
収税属 五千六百六人
属警部監獄書記看守長ノ毎府県ノ定員ハ内務大臣之ヲ定メ其各官ノ定員ハ府県知事内務大臣ノ認可ヲ経テ之ヲ定ム
収税属ノ毎府県ノ定員ハ大蔵大臣之ヲ定ム
第八条 技師技手ハ府県ノ須要ニ依リ判任官俸給予算定額内ニ於テ技術官官等俸給令ニ依リ之ヲ置クコトヲ得
第九条 知事ハ内務大臣ノ指揮監督ニ属シ各省ノ主務ニ就テハ各省大臣ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ執行シ部内ノ行政事務ヲ総理ス
第十条 知事ハ部内ノ行政事務ニ付其職権若クハ特別ノ委任ニ依リ法律命令ノ範囲内ニ於テ管内一般又ハ其一部ニ府県令ヲ発スルコトヲ得
府県令ハ特ニ施行ノ日ヲ掲クルモノヲ除クノ外官報其他特ニ定ムル方法ニ依リ部内ニ公布シタル後七日ヲ以テ施行ノ期限トス但島地ハ其所轄島庁若クハ郡役所ニ到達シタル翌日ヨリ起算ス
第十一条 府県令ハ内務大臣其他主務ノ大臣ニ於テ公益ヲ害シ成規ニ違ヒ又ハ権限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ之ヲ取消シ又ハ中止セラルヽコトアルヘシ
第十二条 知事ハ非常急変ノ場合ニ臨ミ兵力ヲ要シ又ハ警護ノ為メ兵備ヲ要スルトキハ師団長若クハ旅団長ニ移牒シテ出兵ヲ請フコトヲ得
第十三条 知事ハ所部ノ官吏ヲ統督シ奏任官ノ功過ハ内務大臣及主務大臣ニ具状シ判任官以下ノ進退ハ之ヲ専行ス
第十四条 知事ハ法律命令ノ定ムル所ニ従ヒ所部ノ官吏ヲ懲戒ス其奏任官ニ係ルモノハ之ヲ内務大臣若クハ主務大臣ニ具状シ判任官以下ハ之ヲ専行ス
第十五条 知事ハ其庁ノ予算定額内ニ於テ奏任官以下特別ノ勤労アル者ヲ賞与スルコトヲ得其奏任官ニ係ルモノハ之ヲ内務大臣若クハ主務大臣ニ具状シ判任官以下ハ之ヲ専行ス
第十六条 知事ハ須要ニ依リ判任官俸給予算定額内ニ於テ雇員ヲ使用スルコトヲ得
第十七条 知事ハ庁中処務ノ細則ヲ設クルコトヲ得
第十八条 知事事故アルトキハ書記官其職務ヲ代理ス
第十九条 知事官房ヲ置ク
知事官房ニ書記若干名ヲ置ク属ヲ以テ之ニ充ツ
第二十条 知事官房ニ於テハ左ノ事務ヲ掌ル
一 官吏ノ進退身分ニ関スル事務
一 文書ノ受付
一 官印府県印ノ管守
一 外国人ニ関スル事務
第二十一条 府県ノ事務ヲ分掌セシムル為メニ左ノ二部三署ヲ置ク
内務部
警察部
直税署
間税署
監獄署
第二十二条 書記官ハ内務部長、警部長ハ警察部長、収税長ハ直税署長及間税署長、典獄ハ監獄署長トナリ各知事ノ命ヲ承ケテ部下ノ官吏ヲ統督シ所部ノ事務ヲ掌理ス
第二十三条 内務部ニ左ノ四課ヲ置ク其分掌左ノ如シ
第一課
一 議員選挙及府県会、郡会、市町村会、公共組合会等ノ会議ニ関スル事項
一 府県税、備荒儲蓄並郡市町村ノ経済ニ関スル事項
一 右ノ外他課ノ主管ニ属セサル事項
第二課
一 農工商務及土木ニ関スル事項
一 官有地及土地収用ニ関スル事項
第三課
一 学務、衛生、兵事、社寺及戸籍ニ関スル事項
第四課
一 府県費ノ会計ニ関スル事項
一 府県税及備荒儲蓄ノ収支出納ニ関スル事項
第二十四条 警察部ハ高等警察及行政警察ノ事務ヲ掌ル
第二十五条 直税署ハ直税ノ賦課租税ノ徴収及徴税費ニ関スル事務ヲ掌ル
間税署ハ間税ノ賦課及間税犯則者処分ニ関スル事務ヲ掌ル
第二十六条 監獄署ハ監獄ニ関スル事務ヲ掌ル
第二十七条 参事官ハ知事ノ諮詢ニ応シ意見ヲ具ヘ及審議立案ヲ掌ル
参事官ハ知事ノ命ヲ承ケテ内務部各課長トナリ又ハ臨時各部課ノ事務ヲ助クルコトアルヘシ
第二十八条 内務部各課長ハ属ヲ以テ之ニ充ツ但参事官兼掌スル場合ハ此限ニ在ラス
第二十九条 警察部直税署間税署監獄署ノ事務ノ分課ハ知事之ヲ定メ主務大臣ニ報告ス可シ
第三十条 前諸条ニ定ムルノ外臨時ノ事件アルトキハ知事ニ於テ便宜其主掌ノ部課ヲ指定ス可シ
第三十一条 属ハ上官ノ指揮ヲ承ケ内務部各課及知事官房ニ分属シ庶務ニ従事ス
第三十二条 警部ハ上官ノ指揮ヲ承ケ警察事務ヲ分掌シ部下ノ巡査ヲ指揮監督ス
第三十三条 収税属ハ上官ノ指揮ヲ承ケ直税署間税署各課ニ分属シ庶務ニ従事ス
第三十四条 監獄書記ハ典獄ノ命ヲ承ケ庶務ニ従事ス
典獄事故アルトキハ上席書記知事ノ命ヲ承ケテ其職務ヲ代理ス
第三十五条 看守長ハ典獄ノ命ヲ承ケ監獄ノ戒護ヲ掌リ看守ヲ指揮監督ス
第三十六条 各郡市ニ警察署ヲ置キ警察署ノ下其部内ニ於テ警察分署ヲ配置ス
京都市大阪市ハ内務大臣ノ認可ヲ経テ二箇以上ノ警察署ヲ設クルコトヲ得
警察署長及警察分署長ハ警部ヲ以テ之ニ充ツ
第三十七条 巡査及看守ニ関スル規程ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第三十八条 府県内須要ノ地ニ直税分署及間税分署ヲ配置ス其配置及管轄区域ハ大蔵大臣之ヲ定ム
第三十九条 直税分署長及間税分署長ハ収税属ヲ以テ之ニ充ツ
第四十条 府県職員ノ外監獄医及教誨師ヲ置キ判任ノ待遇トス其定員ハ知事之ヲ定メ内務大臣ノ認可ヲ受ク可シ
第四十一条 東京府ノ警察及監獄ニ関スル事項ハ警視庁官制ニ依ル
第四十二条 各郡職員ヲ置ク左ノ如シ
郡長
郡書記
第四十三条 郡長一人奏任三等以下トス
第四十四条 郡書記ハ判任トス其定員ハ知事之ヲ定メ内務大臣ノ認可ヲ受ク可シ
第四十五条 郡長ハ知事ノ指揮監督ヲ承ケ法律命令ヲ部内ニ執行シ部内ノ行政事務ヲ掌理ス
第四十六条 郡長ハ法律命令ヲ以テ委任シ及知事ヨリ特ニ分任スル条件ハ便宜施行スルコトヲ得
第四十七条 郡長ハ行政事務ニ就テ其部内町村ノ町村長ヲ指揮シ其公同事務ニ就テハ之ヲ監督ス
第四十八条 郡長ハ郡書記ノ任免ヲ知事ニ具申ス
第四十九条 郡長ハ法律命令若クハ知事ヨリ委任セラレタル事件ニ付警察規則ヲ発スルコトヲ得但特ニ施行ノ日ヲ掲クルモノヲ除クノ外地方ノ慣行若クハ特ニ定ムル方法ニ依リ部内ニ公布シタル後七日ヲ以テ施行ノ期限トス
第五十条 郡ノ警察規則ハ知事及内務大臣主務大臣ニ於テ公益ヲ害シ成規ニ違ヒ又ハ権限ヲ犯スモノアリト認ムルトキハ之ヲ取消シ又ハ中止セラルヽコトアルヘシ
第五十一条 郡書記ハ郡長ノ命ヲ承ケテ庶務ヲ分掌ス
郡長事故アルトキハ上席郡書記知事ノ命ヲ承ケテ其職務ヲ代理ス
第五十二条 勅令ヲ以テ指定スル所ノ島地ニ特ニ島庁ヲ置ク
第五十三条 島庁職員左ノ如シ
島司
島庁書記
第五十四条 島司一人奏任二等以下トス
第五十五条 島庁書記ハ判任トス其定員ハ其府県判任官ノ定員内ヲ以テ知事之ヲ定ム
第五十六条 島司ハ知事ノ指揮監督ヲ承ケ部内ノ行政事務ヲ掌理シ知事ヨリ委任スル事項ハ便宜施行スルコトヲ得
第五十七条 島司ハ第四十九条ニ依リ警察規則ヲ発スルコトヲ得
前項ノ警察規則ニ付テハ第五十条ヲ適用ス
第五十八条 島司ハ島庁書記ノ任免ヲ知事ニ具申ス
第五十九条 島司ハ行政事務ニ就テハ其部内町村ノ吏員ヲ指揮監督ス
第六十条 島庁書記ハ島司ノ命ヲ承ケテ庶務ヲ分掌ス
島司事故アルトキハ上席島庁書記知事ノ命ヲ承ケテ其職務ヲ代理ス