海軍糧食条例
法令番号: 勅令第十四號
公布年月日: 明治23年2月13日
法令の形式: 勅令
朕海軍糧食條例ヲ裁可シ玆ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十三年二月十二日
海軍大臣 伯爵 西鄕從道
勅令第十四號
海軍糧食條例
第一條 海軍糧食ハ艦船營舍學校病院監獄ニ在ル軍人軍屬ニ給スルモノトス
第二條 海軍糧食ハ左ノ量額ヲ以テ最上限トシ每一週間每一人ニ之ヲ給ス
麵包 一貫二百六十匁
鳥獸魚肉類 九百二十匁
穀類 九百匁
乾物野菜類 一貫四百匁
茶焙麥類 四十二匁
砂糖 百四十匁
醬油酢油類 四合
鹽 五十匁
胡椒芥子類 四匁
凝脂 三十匁
第三條 戰時若クハ事變ノ際ハ糧食ノ週額三分ノ一以內ヲ增給ス
第四條 傷痍疾病ニ罹ル者ニハ其症狀ニ應シ第二條ニ揭クル糧食ノ幾分ヲ滋養食品ニ代ヘ給スルモノトス
第五條 非常ノ勞働ヲ爲シ若クハ衞生上必要トスルトキハ第二條ニ揭クル糧食品目ノ外ニ每一日每一人ニ火酒六勺以內ヲ給ス
第六條 食卓組合ヲ定メ下士卒ニ糧食ヲ給スルニ當リ組合員五人以上アルトキハ五人每ニ其內一人分ノ量ヲ食事ノ度數ニ應シ現金ニ代ヘ給スルコトヲ得
第七條 左ニ揭クル場合ニ於テハ食事ノ度數ニ應シ現金ヲ給シ糧食ヲ自辨セシムルコトヲ得
一 艦船營內ニ於テ准士官以上各別ニ炊爨スルトキ
二 生徒ニ外泊ヲ命シタルトキ
三 生徒下士卒從僕割烹剃夫ニ休暇ヲ命シタルトキ
四 糧食ヲ配給スルコトヲ得サルトキ
第八條 第六條及第七條ニ依リ支給スル金額ハ前三年間支給セシ食料ノ平均價額ヲ以テ之ヲ定ム
第九條 貯藏ニ堪フヘキ糧食品ハ戰時事變及航海ノ準備トシテ艦船定員ニ應シ六箇月以內ノ量額ヲ貯藏スヘシ
第十條 本條例施行ノ細則ハ海軍大臣之ヲ定ム
第十一條 本條例ハ明治二十三年四月一日ヨリ施行ス
朕海軍糧食条例ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム
御名御璽
明治二十三年二月十二日
海軍大臣 伯爵 西郷従道
勅令第十四号
海軍糧食条例
第一条 海軍糧食ハ艦船営舎学校病院監獄ニ在ル軍人軍属ニ給スルモノトス
第二条 海軍糧食ハ左ノ量額ヲ以テ最上限トシ毎一週間毎一人ニ之ヲ給ス
麺包 一貫二百六十匁
鳥獣魚肉類 九百二十匁
穀類 九百匁
乾物野菜類 一貫四百匁
茶焙麦類 四十二匁
砂糖 百四十匁
醬油酢油類 四合
塩 五十匁
胡椒芥子類 四匁
凝脂 三十匁
第三条 戦時若クハ事変ノ際ハ糧食ノ週額三分ノ一以内ヲ増給ス
第四条 傷痍疾病ニ罹ル者ニハ其症状ニ応シ第二条ニ掲クル糧食ノ幾分ヲ滋養食品ニ代ヘ給スルモノトス
第五条 非常ノ労働ヲ為シ若クハ衛生上必要トスルトキハ第二条ニ掲クル糧食品目ノ外ニ毎一日毎一人ニ火酒六勺以内ヲ給ス
第六条 食卓組合ヲ定メ下士卒ニ糧食ヲ給スルニ当リ組合員五人以上アルトキハ五人毎ニ其内一人分ノ量ヲ食事ノ度数ニ応シ現金ニ代ヘ給スルコトヲ得
第七条 左ニ掲クル場合ニ於テハ食事ノ度数ニ応シ現金ヲ給シ糧食ヲ自弁セシムルコトヲ得
一 艦船営内ニ於テ准士官以上各別ニ炊爨スルトキ
二 生徒ニ外泊ヲ命シタルトキ
三 生徒下士卒従僕割烹剃夫ニ休暇ヲ命シタルトキ
四 糧食ヲ配給スルコトヲ得サルトキ
第八条 第六条及第七条ニ依リ支給スル金額ハ前三年間支給セシ食料ノ平均価額ヲ以テ之ヲ定ム
第九条 貯蔵ニ堪フヘキ糧食品ハ戦時事変及航海ノ準備トシテ艦船定員ニ応シ六箇月以内ノ量額ヲ貯蔵スヘシ
第十条 本条例施行ノ細則ハ海軍大臣之ヲ定ム
第十一条 本条例ハ明治二十三年四月一日ヨリ施行ス