第一條 陸軍豫備後備將校ハ本籍所在師管ノ兵籍ニ編入シ師團長ノ管轄ニ屬ス
第二條 豫備後備將校ハ戰時若クハ事變ニ際シ之ヲ召集ス平常ニ在テハ勤務演習ノ爲メ召集スルコトアル可シ
第三條 豫備後備將校ハ召集ニ應スルトキ及朝拜參賀公私ノ儀式祭典其他廉アル宴會ニ列スル時ニ限リ陸軍ノ制服ヲ著スルモノトス但文官ニ任セラレタル者ハ召集ノ場合ヲ除クノ外文官ノ制服ヲ著スルモ妨ケナシ
第四條 豫備後備將校ニシテ文官ニ任セラレ餘人ヲ以テ代フ可カラサル職務ヲ奉スル者及市町村長、助役、收入役ト爲ル者ハ勤務演習ノ爲メ召集スルコトナシ
法律ヲ以テ設立シタル議會ノ議員ト爲ル者其開會中亦同シ
餘人ヲ以テ代フ可カラサル職務ヲ奉スル者ハ豫メ當該官廳ヨリ內閣ニ具狀シ認可ヲ請ケ本人所管ノ師團長ニ通報ス可シ其事故止ミタルトキ亦同シ
第六條 豫備後備將校服役滿期ニ至リタルトキハ辭令ヲ用井スシテ豫備ハ後備ニ後備ハ退役ニ入ル者トス
豫備後備滿期後引續キ服役セント欲スルトキハ年數ヲ定メ陸軍大臣ニ申請ス可シ
第七條 豫備後備將校傷痍若クハ疾病ニ由リ永久服役ニ堪ヘスト思惟スルトキハ陸軍醫官ノ診斷證書若クハ地方醫師ノ病況書ヲ添ヘ退役ヲ陸軍大臣ニ申請ス可シ
第八條 豫備後備將校ニシテ止ムヲ得サル事故アリ勤務演習召集ノ猶豫ヲ願フ者ハ其事實ヲ證明シ師團長ノ許可ヲ請フ可シ
第九條 豫備後備將校ニシテ他ノ師管ニ寄留シ該師管ニ於テ勤務演習ヲ爲サント欲スル者ハ所管師團長ノ許可ヲ請フ可シ但許可ヲ受ケタルトキハ寄留地ノ師團長ニ屆出可シ
第十條 現役ヨリ豫備若クハ後備ニ入ル將校歸鄕シタルトキハ十四日以內ニ師團長ニ屆出可シ
從前ノ在職地若クハ其他ノ地ニ一箇月以上滯在若クハ寄留セント欲スルトキ若クハ歸鄕旅行日數一箇月以上ヲ要スルトキハ本籍市町村ニ於テ召集ノ命アルトキ之ヲ通報ス可キ者ヲ定メ師團長ニ屆出可シ但歸鄕シタルトキハ前項ノ屆出ヲ爲ス可シ
第十一條 豫備後備將校兵籍上異動ヲ生シタルトキハ十四日以內ニ師團長ニ屆出可シ但師管外ニ戶籍ヲ轉換シタルトキハ新舊所管ノ師團長ニ屆出可シ
第十二條 豫備後備將校十四日以上ノ旅行或ハ寄留セントスルトキハ召集ノ命アルトキ之ヲ通報ス可キ者ヲ定メ師團長ニ屆出可シ但歸鄕シタルトキハ十四日以內ニ師團長ニ屆出可シ
外國ニ旅行中又ハ寄留中ハ勤務演習ノ爲メ召集スルコトナシ
第十三條 豫備後備將校ニシテ市町村長、助役、收入役ト爲リ又ハ法律ヲ以テ設立シタル議會ノ議員ト爲リタルトキ竝ニ之ヲ罷メタルトキハ十四日以內ニ師團長ニ屆出可シ
第十四條 豫備後備將校ニシテ死亡又ハ失踪シタル者アルトキハ其親族ヨリ十四日以內ニ師團長ニ屆出可シ失踪ノ者歸鄕シタルトキ若クハ踪跡ヲ知得シタルトキ亦同シ
第十五條 豫備後備將校重罪輕罪罰金ヲ除クノ刑ニ處セラレタルトキハ刑名及刑期ヲ記シ其親族ヨリ十四日以內ニ師團長ニ屆出可シ
第十六條 豫備後備將官ヨリ陸軍大臣ニ差出ス願書ハ師團長ヲ經由シ佐官以下ノ將校ヨリ師團長ニ差出ス願屆書ハ大隊區司令官警備隊區ニ在テハ該司令官以下同シ及旅團長ヲ經由シ陸軍大臣ニ差出ス願書ハ大隊區司令官旅團長及師團長ヲ經由ス可シ
第十八條 第十條第十一條第十二條第十三條ノ屆出ヲ爲サヽル者ハ五錢以上一圓九十五錢以下ノ科料ニ處ス
第十九條 第十條第十二條ノ通報人正當ノ事由ナクシテ召集ノ命ヲ通報セス若クハ其通報ヲ遲緩シタル者ハ一日以上十日以下ノ抅留ニ處ス