高等官官等俸給令
法令番号: 勅令第六號
公布年月日: 明治19年3月17日
法令の形式: 勅令
朕玆ニ高等官官等俸給令ヲ裁可ス
御名御璽
明治十九年三月十七日
內閣總理大臣 伯爵 伊藤博文
勅令第六號
高等官官等俸給令
官等及敍任
第一條 高等官ヲ分テ勅任官奏任官トス
第二條 勅任官中親任式ヲ以テ敍任スル官ノ辭令書ハ親署ノ後御璽ヲ鈴シ內閣總理大臣又ハ首坐ノ大臣之ニ副署ス
第三條 親任式ヲ以テ敍任スル官ヲ除ク外勅任官ヲ分テ二等トス其辭令書ハ御璽ヲ鈴シ內閣總理大臣之ヲ奉行ス
第四條 奏任官ヲ分テ六等トス其任官ハ內閣總理大臣之ヲ奏薦シ其各省ニ屬スルモノハ內閣總理大臣ヲ經由シテ主任大臣之ヲ奏薦ス
第五條 奏任官ノ辭令書ハ內閣ノ印ヲ鈴シ內閣總理大臣之ヲ宣行ス
第六條 各官同等內ノ順序ハ任官ノ前後ニ依ル
第七條 勅任官又ハ奏任官ノ官等內ニ於テ特ニ官等ヲ限ルコトヲ要スルモノハ各別ニ之ヲ定ム
第八條 內閣及各省中ノ局長ハ奏任官一等又ハ二等トシ局次長ハ現任局長ノ次等以下トス
第九條 同一ノ官名ニシテ等差アルモノハ每等人員ヲ定メ內閣總理大臣ノ認可ヲ受クヘシ其每等ノ定員變更ヲ要スルトキモ亦同シ
俸給
第十條 勅任奏任文官ノ年俸ハ別表ニ依ル
第十一條 陸海軍武官ノ年俸ハ從前定ムル所ニ依ル
第十二條 議官交際官領事貿易事務官判事檢事理事地方官敎官技術官ノ類其特ニ定ムル俸給ハ前條ノ外トス
第十三條 奏任官ノ年俸ハ各廳俸給定額內及其官等年俸ノ等級ニ依リ事務ノ繁簡ニ從ヒ各大臣便宜之ヲ增減スルコトヲ得
陞敍及特例
第十四條 官等ハ五年ヲ踰ユルニアラサレハ陞敍スルコトヲ得ス
第十五條 每等人員ヲ定ムルノ官ハ五年ヲ踰ユルモ闕員アルニアラサレハ陞敍スルコトヲ得ス
第十六條 局長ノ闕員ニ依リ局次長ヲ以テ其闕ヲ補フコトヲ要スルトキハ第十四條ノ例ニ依ラス
第十七條 各大臣秘書官ノ進退ハ第十四條第十五條ノ例外トス
第十八條 勅任官ハ本令ノ外勅旨ヲ以テ特ニ其年俸ヲ增給スルコトアルヘシ
第十九條 奏任官一等ニシテ上級俸ヲ受ケタル者勞績拔群顯著ナルハ內閣ノ上奏ニ依リ特旨ヲ以テ勅任官二等ノ下級俸ヲ給スルコトアルヘシ
第二十條 奏任官他ノ官廳ニ涉ルノ兼官ハ兼ヌル所ノ俸給三分ノ一以內ヲ增給スルコトヲ得
同官廳ニ於ケル兼官ハ俸給ノ多額ニ就キ之ヲ給ス
第二十一條 官ニ在リテ死亡シタル者ハ年俸三分ノ一ヲ其遺族ニ給ス其非職者ニ於テモ亦同シ
第二十二條 本令中俸給ニ關スル細則ハ大藏大臣其省令ヲ以テ之ヲ定ムヘシ
別表
【表】
朕茲ニ高等官官等俸給令ヲ裁可ス
御名御璽
明治十九年三月十七日
内閣総理大臣 伯爵 伊藤博文
勅令第六号
高等官官等俸給令
官等及叙任
第一条 高等官ヲ分テ勅任官奏任官トス
第二条 勅任官中親任式ヲ以テ叙任スル官ノ辞令書ハ親署ノ後御璽ヲ鈴シ内閣総理大臣又ハ首坐ノ大臣之ニ副署ス
第三条 親任式ヲ以テ叙任スル官ヲ除ク外勅任官ヲ分テ二等トス其辞令書ハ御璽ヲ鈴シ内閣総理大臣之ヲ奉行ス
第四条 奏任官ヲ分テ六等トス其任官ハ内閣総理大臣之ヲ奏薦シ其各省ニ属スルモノハ内閣総理大臣ヲ経由シテ主任大臣之ヲ奏薦ス
第五条 奏任官ノ辞令書ハ内閣ノ印ヲ鈴シ内閣総理大臣之ヲ宣行ス
第六条 各官同等内ノ順序ハ任官ノ前後ニ依ル
第七条 勅任官又ハ奏任官ノ官等内ニ於テ特ニ官等ヲ限ルコトヲ要スルモノハ各別ニ之ヲ定ム
第八条 内閣及各省中ノ局長ハ奏任官一等又ハ二等トシ局次長ハ現任局長ノ次等以下トス
第九条 同一ノ官名ニシテ等差アルモノハ毎等人員ヲ定メ内閣総理大臣ノ認可ヲ受クヘシ其毎等ノ定員変更ヲ要スルトキモ亦同シ
俸給
第十条 勅任奏任文官ノ年俸ハ別表ニ依ル
第十一条 陸海軍武官ノ年俸ハ従前定ムル所ニ依ル
第十二条 議官交際官領事貿易事務官判事検事理事地方官教官技術官ノ類其特ニ定ムル俸給ハ前条ノ外トス
第十三条 奏任官ノ年俸ハ各庁俸給定額内及其官等年俸ノ等級ニ依リ事務ノ繁簡ニ従ヒ各大臣便宜之ヲ増減スルコトヲ得
陞叙及特例
第十四条 官等ハ五年ヲ踰ユルニアラサレハ陞叙スルコトヲ得ス
第十五条 毎等人員ヲ定ムルノ官ハ五年ヲ踰ユルモ闕員アルニアラサレハ陞叙スルコトヲ得ス
第十六条 局長ノ闕員ニ依リ局次長ヲ以テ其闕ヲ補フコトヲ要スルトキハ第十四条ノ例ニ依ラス
第十七条 各大臣秘書官ノ進退ハ第十四条第十五条ノ例外トス
第十八条 勅任官ハ本令ノ外勅旨ヲ以テ特ニ其年俸ヲ増給スルコトアルヘシ
第十九条 奏任官一等ニシテ上級俸ヲ受ケタル者労績抜群顕著ナルハ内閣ノ上奏ニ依リ特旨ヲ以テ勅任官二等ノ下級俸ヲ給スルコトアルヘシ
第二十条 奏任官他ノ官庁ニ渉ルノ兼官ハ兼ヌル所ノ俸給三分ノ一以内ヲ増給スルコトヲ得
同官庁ニ於ケル兼官ハ俸給ノ多額ニ就キ之ヲ給ス
第二十一条 官ニ在リテ死亡シタル者ハ年俸三分ノ一ヲ其遺族ニ給ス其非職者ニ於テモ亦同シ
第二十二条 本令中俸給ニ関スル細則ハ大蔵大臣其省令ヲ以テ之ヲ定ムヘシ
別表
【表】