高等官任命及俸給令
法令番号: 勅令第八十二號
公布年月日: 明治24年7月27日
法令の形式: 勅令
朕玆ニ高等官任命及俸給令ヲ裁可ス
御名御璽
明治二十四年七月二十四日
內閣總理大臣 伯爵 松方正義
勅令第八十二號
高等官任命及俸給令
第一條 高等官ヲ分テ勅任官奏任官トス
第二條 勅任官中親任式ヲ以テ任スル官ノ辭令書ハ親署ノ後御璽ヲ鈐シ內閣總理大臣又ハ首座ノ大臣之ニ副署ス
第三條 親任式ヲ以テ任スル官ヲ除クノ外勅任官ノ辭令書ハ御璽ヲ鈐シ內閣總理大臣之ヲ奉行ス
第四條 奏任官ノ辭令書ハ其內閣ニ屬スルモノハ內閣ノ印ヲ鈐シ內閣總理大臣之ヲ宣行シ其各省ニ屬スルモノハ省印ヲ鈐シ主任大臣之ヲ宣行ス
第五條 勅任奏任文官ノ年俸ハ別ニ定ムルモノヽ外左ノ如シ
內閣ノ部
內閣總理大臣 九千六百圓
內閣所屬職員
書記官長 三千五百圓
局長 一號表ニ依ル
書記官
內閣總理大臣祕書官
二號表ニ依ル
恩給局審査官
一級俸千四百圓
二級俸千二百圓
一級俸二級俸各一人トス
賞勳局
總裁 四千圓
副總裁 三千圓
書記官
一級俸二千四百圓
二級俸二千圓
一級俸二級俸各一人トス
法制局
長官 四千圓
部長 三千圓
參事官 二號表ニ依ル
各省ノ部
大臣 六千圓
次官 四千圓
局長 一號表ニ依ル
參事官
祕書官
書記官
二號表ニ依ル
外務省翻譯官 三號表ニ依ル
內務省警保局主事 千八百圓
大藏省主計官
大藏省主稅官
二號表ニ依ル
文部省視學官 三號表ニ依ル
農商務省特許局審判官 千二百圓
農商務省特許局審査官 技術官俸給令ニ依ル
遞信監察官 千圓
遞信事務官 三號表ニ依ル
第六條 年俸ニ等級アル者ハ主任大臣別表ニ依リ之ヲ給ス
第七條 陸海軍武官ノ年俸ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第八條 局長ハ奏任官ニ在ルコト五年以上ニアラサレハ之ニ任スルコトヲ得ス
第九條 高等文官滿七年以上同一ノ職ヲ奉シ功績顯著ナル者ハ內閣總理大臣ノ上奏ニ依リ特ニ現俸八分ノ一以內ヲ增給スルコトヲ得同職中俸給ニ等級アルモノハ其最上級ニ達シタル日ヨリ起算ス
府縣知事ハ等級ニ拘ラス其知事令在職ノ年月ヲ通算ス
判事ハ大審院長檢事ハ檢事總長ニ補セラレタル日ヲ以テ最上級ニ達シタルモノトス
第十條 奏任官他ノ官廳ニ涉ルノ兼官ハ兼ヌル所ノ俸給三分ノ一以內ヲ給スルコトヲ得
同官廳ニ於ケル兼官ハ俸給ノ多額ニ就キ之ヲ給ス
第十一條 官ニ在リテ死亡シタル者ハ年俸三分ノ一ヲ其遺族ニ給ス非職者ニ於テモ亦同シ
第十二條 高等文官ノ年俸ハ之ヲ四分シ二月五月八月十一月ノ四期ニ於テ之ヲ給ス
第十三條 俸給ハ新任增俸減俸トモ總テ發令ノ翌日ヨリ計算ス
第十四條 非職廢官退官及死亡ノトキハ年俸ヲ月割計算トシテ當月分ノ全額ヲ給ス
第十五條 非職廢官退官者事務引繼殘務調理ノ爲特ニ命ヲ承ケ公務ニ從事スルトキハ其間尙從前ノ年俸ヲ給ス
第十六條 病氣ノ爲執務セサルコト九十日ヲ踰ユルモノハ俸給ノ半額ヲ減ス但公務ノ爲傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹ルモノ及優恩ニ由リ賜暇休養スルモノハ此限ニアラス
第十七條 前條ノ外私事ノ故障ニ由リ執務セサルコト三十日ヲ踰ユルモノハ俸給ノ半額ヲ減ス
第十八條 他ノ高等官俸給令ニ於テ別ニ規定ナキモノハ總テ本令ノ規定ニ依ル
第十九條 俸給支給ニ關スル細則ハ大藏大臣省令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
第二十條 本令ハ明治二十四年八月十六日ヨリ施行ス
明治十九年勅令第六號高等官官等俸給令ハ本令施行ノ日ヨリ廢止ス
一號表
【表】
二號表
【表】
三號表
【表】
朕茲ニ高等官任命及俸給令ヲ裁可ス
御名御璽
明治二十四年七月二十四日
内閣総理大臣 伯爵 松方正義
勅令第八十二号
高等官任命及俸給令
第一条 高等官ヲ分テ勅任官奏任官トス
第二条 勅任官中親任式ヲ以テ任スル官ノ辞令書ハ親署ノ後御璽ヲ鈐シ内閣総理大臣又ハ首座ノ大臣之ニ副署ス
第三条 親任式ヲ以テ任スル官ヲ除クノ外勅任官ノ辞令書ハ御璽ヲ鈐シ内閣総理大臣之ヲ奉行ス
第四条 奏任官ノ辞令書ハ其内閣ニ属スルモノハ内閣ノ印ヲ鈐シ内閣総理大臣之ヲ宣行シ其各省ニ属スルモノハ省印ヲ鈐シ主任大臣之ヲ宣行ス
第五条 勅任奏任文官ノ年俸ハ別ニ定ムルモノヽ外左ノ如シ
内閣ノ部
内閣総理大臣 九千六百円
内閣所属職員
書記官長 三千五百円
局長 一号表ニ依ル
書記官
内閣総理大臣秘書官
二号表ニ依ル
恩給局審査官
一級俸千四百円
二級俸千二百円
一級俸二級俸各一人トス
賞勲局
総裁 四千円
副総裁 三千円
書記官
一級俸二千四百円
二級俸二千円
一級俸二級俸各一人トス
法制局
長官 四千円
部長 三千円
参事官 二号表ニ依ル
各省ノ部
大臣 六千円
次官 四千円
局長 一号表ニ依ル
参事官
秘書官
書記官
二号表ニ依ル
外務省翻訳官 三号表ニ依ル
内務省警保局主事 千八百円
大蔵省主計官
大蔵省主税官
二号表ニ依ル
文部省視学官 三号表ニ依ル
農商務省特許局審判官 千二百円
農商務省特許局審査官 技術官俸給令ニ依ル
逓信監察官 千円
逓信事務官 三号表ニ依ル
第六条 年俸ニ等級アル者ハ主任大臣別表ニ依リ之ヲ給ス
第七条 陸海軍武官ノ年俸ハ別ニ定ムル所ニ依ル
第八条 局長ハ奏任官ニ在ルコト五年以上ニアラサレハ之ニ任スルコトヲ得ス
第九条 高等文官満七年以上同一ノ職ヲ奉シ功績顕著ナル者ハ内閣総理大臣ノ上奏ニ依リ特ニ現俸八分ノ一以内ヲ増給スルコトヲ得同職中俸給ニ等級アルモノハ其最上級ニ達シタル日ヨリ起算ス
府県知事ハ等級ニ拘ラス其知事令在職ノ年月ヲ通算ス
判事ハ大審院長検事ハ検事総長ニ補セラレタル日ヲ以テ最上級ニ達シタルモノトス
第十条 奏任官他ノ官庁ニ渉ルノ兼官ハ兼ヌル所ノ俸給三分ノ一以内ヲ給スルコトヲ得
同官庁ニ於ケル兼官ハ俸給ノ多額ニ就キ之ヲ給ス
第十一条 官ニ在リテ死亡シタル者ハ年俸三分ノ一ヲ其遺族ニ給ス非職者ニ於テモ亦同シ
第十二条 高等文官ノ年俸ハ之ヲ四分シ二月五月八月十一月ノ四期ニ於テ之ヲ給ス
第十三条 俸給ハ新任増俸減俸トモ総テ発令ノ翌日ヨリ計算ス
第十四条 非職廃官退官及死亡ノトキハ年俸ヲ月割計算トシテ当月分ノ全額ヲ給ス
第十五条 非職廃官退官者事務引継残務調理ノ為特ニ命ヲ承ケ公務ニ従事スルトキハ其間尚従前ノ年俸ヲ給ス
第十六条 病気ノ為執務セサルコト九十日ヲ踰ユルモノハ俸給ノ半額ヲ減ス但公務ノ為傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹ルモノ及優恩ニ由リ賜暇休養スルモノハ此限ニアラス
第十七条 前条ノ外私事ノ故障ニ由リ執務セサルコト三十日ヲ踰ユルモノハ俸給ノ半額ヲ減ス
第十八条 他ノ高等官俸給令ニ於テ別ニ規定ナキモノハ総テ本令ノ規定ニ依ル
第十九条 俸給支給ニ関スル細則ハ大蔵大臣省令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
第二十条 本令ハ明治二十四年八月十六日ヨリ施行ス
明治十九年勅令第六号高等官官等俸給令ハ本令施行ノ日ヨリ廃止ス
一号表
【表】
二号表
【表】
三号表
【表】