(相談支援)
第二十三条 民間あっせん機関は、養子縁組のあっせんに関し、児童の父母、児童の父母以外の者で児童を現に監護するもの、養親希望者、児童等を支援するため、これらの者に対し、専門的な知識及び技術に基づいて、面会の方法により相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うものとする。
(養親希望者による養子縁組のあっせんの申込み等)
第二十四条 民間あっせん機関は、養親希望者から養子縁組のあっせんの申込みがあった場合において、その申込みの内容が法令に違反するとき又は当該養親希望者による児童の監護が著しく困難若しくは不適当であることが明らかであるときは、その申込みに係る契約を締結してはならない。
2 民間あっせん機関は、養親希望者から養子縁組のあっせんの申込みがあったときは、次に掲げる事項を、厚生労働省令で定めるところにより、確認しなければならない。
二 養親希望者の同居人がある場合にあっては、当該同居人の氏名、生年月日及び性別並びに養親希望者との関係
四 養親希望者の居住する住宅の状況その他家庭の状況
3 民間あっせん機関は、あらかじめ、養子縁組のあっせんの申込みをする養親希望者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、養子縁組のあっせんに関する手数料の種類及び額を明示しなければならない。
(児童の父母等による養子縁組のあっせんの申込み等)
第二十五条 民間あっせん機関は、児童の父若しくは母(児童の出生により当該児童の父又は母となるべき者を含む。)又は児童の父母以外の者であって児童についての監護の権利を有するもの(児童の出生により当該児童についての監護の権利を有する者となるべき者を含む。以下同じ。)から児童のためにする養子縁組のあっせんの申込みがあったときは、正当な理由がなければ、その申込みに係る契約の締結を拒んではならない。
2 民間あっせん機関は、児童のためにする養子縁組のあっせんの申込みがあったときは、次に掲げる事項を、厚生労働省令で定めるところにより、確認しなければならない。
一 養子縁組のあっせんの申込みをした者の氏名、生年月日及び住所並びに児童との関係
四 前号に掲げる者以外に児童の法定代理人(児童の出生により当該児童の法定代理人となるべき者を含む。以下同じ。)又は児童についての監護の権利を有する者がある場合にあっては、その者の氏名、生年月日及び住所
(養子縁組のあっせんを受けることができない養親希望者)
第二十六条 民間あっせん機関は、養親希望者が次のいずれかに該当する者であるとき又はその同居人が第二号から第四号までのいずれかに該当する者であるときは、当該養親希望者に対する養子縁組のあっせんを行ってはならない。
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
三 この法律、児童福祉法、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律その他国民の福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
四 児童虐待の防止等に関する法律第二条に規定する児童虐待又は児童福祉法第三十三条の十に規定する被措置児童等虐待を行った者その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者
五 児童の養育を適切に行うために必要な知識及び技能を習得させ、及び向上させるために必要な研修として厚生労働省令で定めるものを修了していない者
六 第二十四条第二項又は第三十条の規定による確認に協力することについて同意しない者
(児童の父母等の同意)
第二十七条 民間あっせん機関は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百十七条の二第一項に規定する特別養子縁組(以下「特別養子縁組」という。)に係る養子縁組のあっせんを行うときは、養親希望者の選定に先立ち、養親希望者の選定を行うことについて、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる者から同意を得なければならない。
二 前号に掲げる者以外に当該養子縁組のあっせんに係る児童についての監護の権利を有する者がある場合にあっては、当該者
2 民間あっせん機関は、十五歳未満の児童を養子とする養子縁組(特別養子縁組を除く。第五項及び第八項において同じ。)に係る養子縁組のあっせんを行うときは、養親希望者の選定に先立ち、養親希望者の選定を行うことについて、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる者から同意を得なければならない。
二 前号に掲げる者以外に当該養子縁組のあっせんに係る児童の父又は母でその監護をすべき者であるものがある場合にあっては、当該父又は母
三 当該養子縁組のあっせんに係る児童の父又は母で親権を停止されているものがある場合にあっては、当該父又は母
3 民間あっせん機関は、十五歳以上の児童を養子とする養子縁組に係る養子縁組のあっせんを行うときは、養親希望者の選定に先立ち、養親希望者の選定を行うことについて、厚生労働省令で定めるところにより、当該養子縁組のあっせんに係る児童から同意を得なければならない。
4 民間あっせん機関は、特別養子縁組に係る養子縁組のあっせんを行うときは、養親希望者と児童との面会に先立ち、養親希望者と児童が面会することについて、当該養子縁組のあっせんに係る児童の出生後に、厚生労働省令で定めるところにより、第一項各号に掲げる者から同意を得なければならない。
5 民間あっせん機関は、十五歳未満の児童を養子とする養子縁組に係る養子縁組のあっせんを行うときは、養親希望者と児童との面会に先立ち、養親希望者と児童が面会することについて、当該養子縁組のあっせんに係る児童の出生後に、厚生労働省令で定めるところにより、第二項各号に掲げる者から同意を得なければならない。
6 民間あっせん機関は、十五歳以上の児童を養子とする養子縁組に係る養子縁組のあっせんを行うときは、養親希望者と児童との面会に先立ち、養親希望者と児童が面会することについて、厚生労働省令で定めるところにより、当該養子縁組のあっせんに係る児童から同意を得なければならない。
7 民間あっせん機関は、特別養子縁組に係る養子縁組のあっせんを行うときは、養親希望者による養子縁組の成立前の児童の養育(以下「縁組成立前養育」という。)に先立ち、縁組成立前養育を行うことについて、当該養子縁組のあっせんに係る児童の出生後に、厚生労働省令で定めるところにより、第一項各号に掲げる者から同意を得なければならない。
8 民間あっせん機関は、十五歳未満の児童を養子とする養子縁組に係る養子縁組のあっせんに際し、縁組成立前養育を行わせようとするときは、縁組成立前養育に先立ち、縁組成立前養育を行うことについて、当該養子縁組のあっせんに係る児童の出生後に、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる者から同意を得なければならない。
二 当該養子縁組のあっせんに係る児童の父又は母で親権を停止されているものがある場合にあっては、当該父又は母
三 第一号に掲げる者以外に当該養子縁組のあっせんに係る児童についての監護の権利を有する者がある場合にあっては、当該者
9 民間あっせん機関は、十五歳以上の児童を養子とする養子縁組に係る養子縁組のあっせんに際し、縁組成立前養育を行わせようとするときは、縁組成立前養育に先立ち、縁組成立前養育を行うことについて、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる者から同意を得なければならない。
二 当該養子縁組のあっせんに係る児童についての監護の権利を有する者
10 民間あっせん機関は、前各項の同意を得るに当たっては、あらかじめ、これらの規定により同意を得なければならないこととされている者に対し、その置かれている状況等を勘案し、専門的な知識及び技術に基づいて、面会等の方法により相談に応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を十分に行わなければならない。
11 第一項から第九項までの規定は、民間あっせん機関が、これらの規定により同意を得なければならないこととされている者から、第一項から第九項までの同意を同時に得ることを妨げるものではない。
12 第一項から第九項までの同意をした者は、養子縁組のあっせんに係る児童についてその養子縁組が成立するまでの間、いつでも、厚生労働省令で定めるところにより、その同意を撤回することができる。
(養子縁組のあっせんに係る児童の養育)
第二十八条 民間あっせん機関は、養子縁組のあっせんに係る児童についての監護の権利を有する者から当該児童を委託された場合には、養親希望者が当該児童の養育を開始するまでの間、当該児童が適切に養育されるよう必要な措置を講じなければならない。
(縁組成立前養育)
第二十九条 民間あっせん機関は、特別養子縁組に係る養子縁組のあっせんを受けることを養親希望者が希望する場合には、養親希望者に縁組成立前養育を行わせなければならない。
2 民間あっせん機関は、養親希望者に縁組成立前養育を行わせようとするときは、養親希望者から、次に掲げる事項について、書面による同意を得なければならない。
一 民間あっせん機関から、第三十二条第一項又は第二項の規定による報告を行うための協力その他児童の監護の状況等を把握するための協力を求められたときは、その求めに応ずること。
二 民間あっせん機関から、第五項の規定により縁組成立前養育の中止を求められたときは、当該縁組成立前養育を中止し、児童を民間あっせん機関に引き渡すこと。
3 民間あっせん機関は、縁組成立前養育が行われている場合には、養親希望者及び児童に対して面会の方法により相談に応ずること等により、適時かつ適切に縁組成立前養育における監護の状況等を把握するよう努めなければならない。
4 民間あっせん機関は、縁組成立前養育が行われている場合において、縁組成立前養育における監護の状況等を踏まえ、養親希望者と児童との間で養子縁組を成立させることが児童の最善の利益に適合すると認めるに至ったときは、養親希望者に対し、養子縁組を成立させるために必要な手続をとるよう指導及び助言を行うものとする。
5 民間あっせん機関は、次に掲げる場合には、養親希望者に対し、縁組成立前養育の中止を求めなければならない。
一 縁組成立前養育における監護の状況等を踏まえ、養親希望者と児童との間で養子縁組を成立させることが児童の最善の利益に適合しないと認めるに至ったとき。
二 第二十七条第七項から第九項までの同意が撤回されたとき。
三 前二号に掲げる場合のほか、児童と養親希望者との間で養子縁組が成立する見込みがないこと等により、縁組成立前養育を継続させることが相当でないと認めるに至ったとき。
(養子縁組の成否等の確認)
第三十条 民間あっせん機関は、その行った養子縁組のあっせんに関し、次に掲げる事項を確認しなければならない。
一 養子縁組を成立させるために必要な手続の開始の有無
三 前号の養子縁組が成立した場合において、その成立の日から六月間における当該養子縁組に係る児童の監護の状況その他厚生労働省令で定める事項
(縁組成立前養育の中止に伴う児童の保護に関する措置)
第三十一条 民間あっせん機関は、第二十九条第五項の規定により養親希望者に対して縁組成立前養育の中止を求めたときは、養親希望者から児童の引渡しを受けて、当該児童についての監護の権利を有する者に引き渡すこと、児童相談所に児童福祉法第二十五条第一項の規定による通告を行うことその他の児童の保護のための適切な措置を講ずるものとする。
(都道府県知事への報告)
第三十二条 民間あっせん機関は、次の各号に掲げる事由が生じたときは、当該各号に掲げる事項を、その事由が生じた日から一月以内に、都道府県知事に報告しなければならない。
一 養親希望者との養子縁組のあっせんに係る契約の締結 第二十四条第二項第一号及び第二号に掲げる事項
二 縁組成立前養育の開始 第二十四条第二項第三号から第五号までに掲げる事項、第二十五条第二項各号に掲げる事項その他厚生労働省令で定める事項
三 第二十九条第五項各号に掲げる事由(縁組成立前養育が行われている場合に限る。) 当該事由の内容その他厚生労働省令で定める事項
四 養子縁組を成立させるために必要な手続の開始 第二号に掲げる事項(縁組成立前養育が行われていない場合に限る。)その他厚生労働省令で定める事項
五 児童と養親希望者との間の養子縁組の成否の確定 当該養子縁組の成否その他厚生労働省令で定める事項
2 民間あっせん機関は、養子縁組の成立の日から六月が経過したときは、その経過した日から一月以内に、第三十条第三号に掲げる事項を都道府県知事に報告しなければならない。
3 民間あっせん機関は、その養子縁組のあっせんに係る養親希望者が児童の養育を開始したときは、その養育を開始した日から一月以内に、当該児童の居住地の都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
(養子縁組の成立後の支援)
第三十三条 民間あっせん機関は、その行った養子縁組のあっせんについて、養子縁組の成立後において、養子となった者、養親となった者又は養子となった者の実父若しくは実母を支援するため、その求めに応じ、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うよう努めるものとする。
(養親希望者等への情報の提供)
第三十四条 民間あっせん機関は、その養子縁組のあっせんに係る児童について養親希望者又は養親となった者(以下この条において「養親希望者等」という。)による養育が開始されるまでに、当該養親希望者等に対し、当該児童の心身の状況に関し、当該児童の養育に必要な情報として厚生労働省令で定めるものを提供しなければならない。
2 民間あっせん機関は、養親希望者等に対し、養子縁組のあっせんに係る児童の父母に関する情報(当該児童との養子縁組を成立させるために必要な手続をとる際に必要な情報を除く。)として厚生労働省令で定めるものを提供してはならない。
(秘密を守る義務等)
第三十五条 民間あっせん機関及びその代理人、使用人その他の従業者は、正当な理由なく、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしてはならない。民間あっせん機関及びその代理人、使用人その他の従業者でなくなった後においても、同様とする。
2 民間あっせん機関及びその代理人、使用人その他の従業者は、前項の秘密のほか、その業務に関して知り得た個人情報を、みだりに他人に知らせてはならない。民間あっせん機関及びその代理人、使用人その他の従業者でなくなった後においても、同様とする。
(養子縁組あっせん責任者)
第三十六条 民間あっせん機関は、事業所ごとに、当該事業所に係る養子縁組のあっせんに係る業務を適正に実施するため、養子縁組あっせん責任者を選任しなければならない。
2 養子縁組あっせん責任者は、第八条第一号から第七号までに該当しない者であって養子縁組あっせん事業に関する熱意及び能力を有し、かつ、社会福祉士その他の厚生労働省令で定める資格又は経験を有するものでなければならない。