(瀬戸内海の環境の保全に関する基本理念)
第二条の二 瀬戸内海の環境の保全は、瀬戸内海が、我が国のみならず世界においても比類のない美しさを誇り、かつ、その自然と人々の生活及び生業並びに地域のにぎわいとが調和した自然景観と文化的景観を併せ有する景勝の地として、また、国民にとつて貴重な漁業資源の宝庫として、その恵沢を国民がひとしく享受し、後代の国民に継承すべきものであることに鑑み、瀬戸内海を、人の活動が自然に対し適切に作用することを通じて、美しい景観が形成されていること、生物の多様性及び生産性が確保されていること等その有する多面的価値及び機能が最大限に発揮された豊かな海とすることを旨として、行わなければならない。
2 瀬戸内海の環境の保全に関する施策は、環境の保全上の支障を防止するための規制の措置のみならず、地域の多様な主体による活動を含め、藻場、干潟その他の沿岸域の良好な環境の保全、再生及び創出等の瀬戸内海を豊かな海とするための取組を推進するための措置を併せて講ずることにより、総合的かつ計画的に推進されるものとする。
3 瀬戸内海の環境の保全に関する施策は、瀬戸内海の湾、灘その他の海域によつてこれを取り巻く環境の状況等が異なることに鑑み、瀬戸内海の湾、灘その他の海域ごとの実情に応じて行われなければならない。