(目的)
第一条 この法律は、矯正施設に収容されている者に対する医療の重要性に鑑み、矯正医官について、その兼業についての国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の特例及びその勤務時間についての一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成六年法律第三十三号。第四条第一項第一号及び第五条において「勤務時間法」という。)の特例等を定めることにより、その能力の維持向上の機会の付与等を図り、もってその人材の継続的かつ安定的な確保に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 矯正施設 刑務所、少年刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所及び婦人補導院をいう。
二 矯正医官 矯正施設に勤務する一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号。第四条第四項及び第五条第二項において「給与法」という。)別表第八イ医療職俸給表(一)の適用を受ける職員をいう。
(国の責務)
第三条 国は、広報活動、啓発活動その他の活動を通じて、矯正施設に収容されている者に対する医療の重要性に対する国民の関心と理解を深めるよう努めなければならない。
2 国は、矯正医官の勤務条件の改善その他の矯正医官の確保のために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(国家公務員法の特例等)
第四条 矯正医官は、部外診療(病院又は診療所その他これらに準ずるものとして内閣官房令・法務省令で定める施設(これらの職員が国家公務員の身分を有しないものに限る。)において行う医業又は歯科医業(当該矯正医官が団体の役員、顧問又は評議員の職を兼ねることとなるもの及び自ら営利を目的とする私企業を営むこととなるものを除く。)をいう。以下この条において同じ。)を行おうとする場合において、当該部外診療を行うことが、次の各号のいずれかに該当するときは、内閣官房令・法務省令で定めるところにより、法務大臣の承認を受けることができる。
一 その正規の勤務時間(勤務時間法第十三条第一項(次条第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する正規の勤務時間をいう。以下この条において同じ。)において、勤務しないこととなる場合
2 前項の承認を受けた矯正医官が、その正規の勤務時間において、当該承認に係る部外診療を行うため勤務しない場合には、その勤務しない時間については、国家公務員法第百一条第一項前段の規定は、適用しない。
3 第一項の承認を受けた矯正医官が、報酬を得て、当該承認に係る部外診療を行う場合には、国家公務員法第百四条の許可を要しない。
4 第一項の承認を受けた矯正医官が、その正規の勤務時間において、当該承認に係る部外診療を行うため勤務しない場合には、給与法第十五条の規定にかかわらず、その勤務しない一時間につき、給与法第十九条に規定する勤務一時間当たりの給与額を減額して給与を支給する。
(勤務時間法の特例等)
第五条 法務大臣又はその委任を受けた者は、矯正医官で人事院規則で定めるものについて、始業及び終業の時刻について矯正医官の申告を考慮して当該矯正医官の勤務時間を割り振ることが公務の能率の向上に資すると認める場合には、勤務時間法第六条第二項の規定にかかわらず、人事院規則の定めるところにより、矯正医官の申告を経て、四週間ごとの期間につき勤務時間法第五条に規定する勤務時間となるように当該矯正医官の勤務時間を割り振ることができる。
2 前項の規定により勤務時間を割り振られた矯正医官についての勤務時間法及び給与法の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
勤務時間法第八条 |
第六条第一項又は前条 |
第六条第一項 |
第六条第二項若しくは第三項又は前条 |
矯正医官の兼業及び勤務時間の特例等に関する法律(平成二十七年法律第六十二号。以下「矯正医官法」という。)第五条第一項 |
勤務時間法第九条 |
第六条第二項若しくは第三項、第七条又は前条 |
前条又は矯正医官法第五条第一項 |
勤務時間法第十条 |
第六条第二項若しくは第三項、第七条又は第八条 |
第八条又は矯正医官法第五条第一項 |
勤務時間法第十三条第一項 |
から第八条まで、第十一条及び前条 |
、第六条第一項及び第八条並びに矯正医官法第五条第一項 |
給与法第九条の二第四項 |
、第七条及び |
及び矯正医官の兼業及び勤務時間の特例等に関する法律(平成二十七年法律第六十二号。第十九条の三第一項において「矯正医官法」という。)第五条第二項の規定により読み替えられた勤務時間法 |
給与法第十九条の三第一項 |
、第七条及び |
及び矯正医官法第五条第二項の規定により読み替えられた勤務時間法 |