(特定水銀使用製品の製造の禁止)
第五条 何人も、特定水銀使用製品を製造してはならない。ただし、次条第一項の許可を受けた者(以下「許可製造者」という。)が、同項の許可(第九条第一項の規定による変更の許可があったときは、その変更後のもの。第十二条において同じ。)に係る特定水銀使用製品を製造する場合は、この限りでない。
(特定水銀使用製品の製造の許可)
第六条 特定水銀使用製品を製造しようとする者は、その種類ごとに、主務大臣の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、主務省令で定めるところにより、次の事項を記載した申請書を主務大臣に提出しなければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 製造しようとする特定水銀使用製品の種類及びその数量
3 主務大臣は、第一項の許可をする場合において、その許可の有効期間を定めるものとする。
(欠格事由)
第七条 次の各号のいずれかに該当する者は、前条第一項の許可を受けることができない。
一 この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
二 第十条の規定により前条第一項の許可を取り消され、その取消しの日から三年を経過しない者
四 法人であって、その業務を行う役員のうちに前三号のいずれかに該当する者があるもの
(許可の基準)
第八条 主務大臣は、第六条第一項の許可の申請に係る特定水銀使用製品が条約で認められた用途のために製造されることが確実であると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
(変更の許可等)
第九条 許可製造者は、第六条第二項第三号に掲げる事項を変更しようとするときは、主務省令で定めるところにより、主務大臣の許可を受けなければならない。この場合においては、前条の規定を準用する。
2 許可製造者は、第六条第二項第一号に掲げる事項に変更があったときは、主務省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
(許可の取消し)
第十条 主務大臣は、許可製造者が次の各号のいずれかに該当するときは、第六条第一項の許可を取り消すことができる。
一 第七条第一号、第三号又は第四号のいずれかに該当するに至ったとき。
二 不正の手段により第六条第一項又は前条第一項の許可を受けたとき。
三 前条第一項の規定により許可を受けなければならない事項を同項の許可を受けないで変更したとき。
(承継)
第十一条 許可製造者について相続、合併又は分割(当該許可に係る特定水銀使用製品の製造の事業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により承継すべき相続人を選定したときは、その者)、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人又は分割により当該事業の全部を承継した法人は、許可製造者の地位を承継する。
2 前項の規定により許可製造者の地位を承継した者は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えて、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
(特定水銀使用製品の使用の制限)
第十二条 何人も、特定水銀使用製品を部品として他の製品の製造に用いてはならない。ただし、当該特定水銀使用製品が第六条第一項の許可を受けて製造された特定水銀使用製品又は外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第五十二条の承認を受けて輸入された特定水銀使用製品であって、当該許可又は承認に係る用途に用いられる場合は、この限りでない。
(新用途水銀使用製品の製造等の基本原則)
第十三条 既存の用途に利用する水銀使用製品として主務省令で定めるもの以外の水銀使用製品(以下「新用途水銀使用製品」という。)については、当該新用途水銀使用製品の利用が人の健康の保護又は生活環境の保全に寄与するものである場合でなければ、その製造又は販売(以下「製造等」という。)をしてはならない。
(新用途水銀使用製品の製造等に関する評価)
第十四条 新用途水銀使用製品(新用途水銀使用製品を部品として用いて製造される新用途水銀使用製品であって、その部品として用いられる新用途水銀使用製品が次項の規定による届出がされ、かつ、当該届出に係る用途に利用されるものを除く。以下同じ。)の製造等を業として行おうとする者は、主務省令で定めるところにより、当該新用途水銀使用製品の利用が人の健康の保護又は生活環境の保全に寄与するかどうかについて、主務省令で定める方法により自ら評価をしなければならない。
2 新用途水銀使用製品の製造等を業として行おうとする者は、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、当該新用途水銀使用製品の種類及び用途、前項の評価の結果、当該評価に係る調査及び分析の方法その他の主務省令で定める事項を主務大臣に届け出なければならない。
3 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、速やかに、当該届出に係る書類の写しを環境大臣に送付するものとする。
4 環境大臣は、前項の規定による送付を受けたときは、必要に応じ、環境省令で定める期間内に、同項の主務大臣に対し、届け出られた事項について人の健康の保護又は生活環境の保全の見地からの意見を述べることができる。
(新用途水銀使用製品に係る勧告)
第十五条 主務大臣は、新用途水銀使用製品の利用が人の健康の保護又は生活環境の保全に寄与することを確保するために必要があると認めるときは、前条第二項の規定による届出をした者(以下「新用途水銀使用製品届出者」という。)に対し、新用途水銀使用製品の製造等に関し必要な勧告をすることができる。この場合において、同条第四項の規定による環境大臣の意見があるときは、これを勘案しなければならない。
(国の責務)
第十六条 国は、市町村が水銀使用製品を適正に回収するために必要な技術的な助言その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
(市町村の責務)
第十七条 市町村は、その区域の経済的社会的諸条件に応じて、その区域内における廃棄された水銀使用製品を適正に回収するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第十八条 水銀使用製品の製造又は輸入の事業を行う者は、当該水銀使用製品への水銀等の使用に関する表示その他の消費者が水銀使用製品を適正に分別して排出することを確保することに資する情報を提供するよう努めなければならない。