学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第88号
公布年月日: 平成26年6月27日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

大学が人材育成やイノベーションの拠点として教育研究機能を最大限に発揮するためには、学長のリーダーシップのもとで戦略的な大学運営を可能にするガバナンス体制の構築が不可欠である。そのため、学長を補佐する体制の強化、大学運営における権限と責任の一致、学長選考の透明化等の改革を進める必要がある。これらの観点から、副学長の職務内容の改定、教授会の役割の明確化、国立大学法人の学長選考に関する規定の整備などの措置を講ずるものである。

参照した発言:
第186回国会 衆議院 本会議 第26号

審議経過

第186回国会

衆議院
(平成26年5月22日)
(平成26年5月23日)
(平成26年6月4日)
(平成26年6月6日)
(平成26年6月10日)
参議院
(平成26年6月12日)
(平成26年6月17日)
(平成26年6月19日)
(平成26年6月20日)
学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十六年六月二十七日
内閣総理大臣 安倍晋三
法律第八十八号
学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律
(学校教育法の一部改正)
第一条 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。
第九十二条第四項中「の職務を助ける」を「を助け、命を受けて校務をつかさどる」に改める。
第九十三条第一項を次のように改める。
大学に、教授会を置く。
第九十三条第一項の次に次の二項を加える。
教授会は、学長が次に掲げる事項について決定を行うに当たり意見を述べるものとする。
一 学生の入学、卒業及び課程の修了
二 学位の授与
三 前二号に掲げるもののほか、教育研究に関する重要な事項で、教授会の意見を聴くことが必要なものとして学長が定めるもの
教授会は、前項に規定するもののほか、学長及び学部長その他の教授会が置かれる組織の長(以下この項において「学長等」という。)がつかさどる教育研究に関する事項について審議し、及び学長等の求めに応じ、意見を述べることができる。
(国立大学法人法の一部改正)
第二条 国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)の一部を次のように改正する。
第十二条第七項中「うちから」の下に「、学長選考会議が定める基準により、」を加え、同条中第八項を第九項とし、第七項の次に次の一項を加える。
8 国立大学法人は、第二項に規定する学長の選考が行われたときは当該選考の結果その他文部科学省令で定める事項を、学長選考会議が前項に規定する基準を定め、又は変更したときは当該基準を、それぞれ遅滞なく公表しなければならない。
第二十条第三項を次のように改める。
3 経営協議会の委員の過半数は、前項第三号の委員でなければならない。
第二十一条中第五項を第六項とし、第四項を第五項とし、第三項を第四項とし、第二項の次に次の一項を加える。
3 前項各号に掲げる者のほか、学校教育法第九十二条第二項の規定により副学長(同条第四項の規定により教育研究に関する重要事項に関する校務をつかさどる者に限る。)を置く場合には、当該副学長(当該副学長が二人以上の場合には、その副学長のうちから学長が指名する者)を評議員とする。
第二十七条第三項を次のように改める。
3 経営協議会の委員の過半数は、前項第三号の委員でなければならない。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、平成二十七年四月一日から施行する。
(検討)
2 政府は、この法律の施行後適当な時期において、第二条の規定による改正後の国立大学法人法(以下「新国立大学法人法」という。)の施行の状況、国立大学法人(新国立大学法人法第二条第一項に規定する国立大学法人をいう。以下同じ。)を取り巻く社会経済情勢の変化等を勘案し、新国立大学法人法第十二条第二項に規定する学長選考会議の構成その他国立大学法人の組織及び運営に関する制度について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
文部科学大臣 下村博文
内閣総理大臣 安倍晋三