港湾法の一部を改正する法律
法令番号: 法律第三十三号
公布年月日: 平成26年5月1日
法令の形式: 法律
港湾法の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十六年五月一日
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 麻生太郎
法律第三十三号
港湾法の一部を改正する法律
港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)の一部を次のように改正する。
目次中「第二節 港湾運営会社の適正な運営を確保するための議決権の保有制限等(第四十三条の二十一―第四十三条の二十四)」を
第二節
港湾運営会社の適正な運営を確保するための議決権の保有制限等(第四十三条の二十一―第四十三条の二十四)
第三節
特定港湾運営会社に対する政府の出資等(第四十三条の二十五―第四十三条の二十八)
に改める。
第四十三条の二十一第一項ただし書中「ただし」の下に「、政府」を加える。
第四十三条の二十二第一項中「保有者(」の下に「政府、」を加える。
第七章第二節の次に次の一節を加える。
第三節 特定港湾運営会社に対する政府の出資等
(政府の出資)
第四十三条の二十五 政府は、国際戦略港湾の国際競争力を強化するため、国際戦略港湾の港湾運営会社が行う埠頭群の運営の事業の効率化及び高度化を図ることが特に必要であると認めるときは、当該港湾運営会社に対し、予算の範囲内で、出資することができる。
(事業計画等)
第四十三条の二十六 前条の規定により政府が出資している国際戦略港湾の港湾運営会社(以下「特定港湾運営会社」という。)は、毎事業年度開始前に(同条の規定による出資を受けた日の属する事業年度にあつては、その出資を受けた後速やかに)、その事業年度の事業計画及び収支予算を作成し、国土交通大臣に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、前項の規定による事業計画及び収支予算の提出があつたときは、遅滞なく、これらの写しを当該特定港湾運営会社に係る国際戦略港湾の港湾管理者に送付するものとする。
3 特定港湾運営会社は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を作成し、国土交通大臣に提出しなければならない。
(定款の変更等)
第四十三条の二十七 特定港湾運営会社の定款の変更及び剰余金の配当その他の剰余金の処分の決議は、国土交通大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 第四十三条の十一第十項の規定は、国土交通大臣が前項の認可をしようとする場合について準用する。
(協議)
第四十三条の二十八 国土交通大臣は、第四十三条の二十五の規定により政府が国際戦略港湾の港湾運営会社に対し出資している場合において、次に掲げるときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
一 第四十三条の十三第一項、第四十三条の十五第一項又は前条第一項の認可をしようとするとき。
二 第四十三条の十八第一項の許可をしようとするとき。
三 第四十三条の十九第一項の規定により第四十三条の十一第一項の規定による指定の取消しをしようとするとき。
第五十五条の七第二項第二号中「荷さばき施設」の下に「又は保管施設(保管施設にあつては、国際戦略港湾におけるものに限る。)」を加え、「これ」を「これら」に改める。
第五十五条の八中「前条第三項」を「第五十五条の七第三項」に改め、同条を第五十五条の九とし、第五十五条の七の次に次の一条を加える。
(特別特定技術基準対象施設の改良に係る資金の貸付け)
第五十五条の八 国は、国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾の港湾管理者が港湾管理者以外の者(国を除く。)で国土交通大臣が政令で定める基準に適合すると認める者に対し、特別特定技術基準対象施設の改良に要する費用に充てる資金を無利子で貸し付ける場合において、その貸付けの条件が第三項において準用する前条第三項の規定によるほか第三項において準用する同条第五項の政令で定める基準に適合しているときは、その貸付金に充てるため、その貸付金額の範囲内で政令で定める金額を無利子で当該港湾管理者に貸し付けることができる。
2 前項の特別特定技術基準対象施設は、第五十六条の二の二十一第一項に規定する特定技術基準対象施設のうち、非常災害により損壊した場合において、大量の土砂その他の物件を水域施設(非常災害が発生した場合の船舶の交通を確保するために特に必要があるものとして国土交通省令で定めるものに限る。)に流入させることにより、長期間にわたり船舶の交通に特に著しい支障を及ぼすおそれのあるものとして国土交通省令で定める港湾施設で、第三条の三第九項の規定により公示された港湾計画においてその改良に関する計画が定められたものをいう。
3 前条第三項から第五項までの規定は、第一項の国の貸付け及び同項の国の貸付けに係る国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾の港湾管理者の貸付けについて準用する。
第六十四条第一項に次の二号を加える。
三 第四十三条の二十六第一項の規定に違反して、事業計画又は収支予算を提出しなかつたとき。
四 第四十三条の二十六第三項の規定に違反して、貸借対照表、損益計算書若しくは事業報告書を提出せず、又は虚偽の記載若しくは記録をしたこれらのものを提出したとき。
附則第二十六項中「この法律の規定」の下に「(第四十三条の二十一第一項ただし書(政府に係る部分に限る。)、第四十三条の二十二第一項(政府に係る部分に限る。)、第七章第三節並びに第六十四条第一項第三号及び第四号を除く。)」を加える。
附則第三十一項中「おける港湾運営会社」の下に「に関する規定(第四十三条の二十一第一項ただし書(政府に係る部分に限る。)、第四十三条の二十二第一項(政府に係る部分に限る。)、第七章第三節並びに第六十四条第一項第三号及び第四号を除く。)」を加える。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(政令への委任)
2 この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
3 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律による改正後の港湾法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
国土交通大臣 太田昭宏
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 麻生太郎