(準日本船舶の認定)
第三十九条の五 対外船舶運航事業を営む者(以下この条及び第四十五条の三において「対外船舶運航事業者」という。)は、国土交通省令で定めるところにより、日本船舶以外の船舶であつて、その子会社(会社法(平成十七年法律第八十六号)第二条第三号に規定する子会社をいう。以下この条において同じ。)が所有し、かつ、当該対外船舶運航事業者が運航するものについて、次の各号のいずれにも適合していることにつき、国土交通大臣の認定を申請することができる。
一 当該対外船舶運航事業者が、その子会社との間で、当該対外船舶運航事業者に対し第二十六条第一項の規定による命令が発せられた場合において当該対外船舶運航事業者が当該船舶を当該命令による航海(次号及び第五項において「命令航海」という。)に従事させる必要があるときに、当該対外船舶運航事業者の求めに応じて遅滞なく当該子会社が当該対外船舶運航事業者に譲渡することを内容とする契約(当該契約が確実に履行されるために必要なものとして国土交通省令で定める要件に該当するものに限る。)を締結しているものであること。
二 当該船舶の大きさその他の当該船舶に関する事項及び当該船舶の運航に従事する船員の確保に関する事項であつて、国土交通省令で定めるものが、当該船舶を命令航海に確実かつ速やかに従事させるために必要なものとして国土交通省令で定める要件に該当するものであること。
2 対外船舶運航事業者は、前項の規定による認定の申請をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、当該申請に係る船舶について国土交通大臣が行う総トン数等(国際総トン数(船舶のトン数の測度に関する法律(昭和五十五年法律第四十号)第四条第一項に規定する国際総トン数をいう。次条において同じ。)、総トン数(同法第五条第一項に規定する総トン数をいう。以下同じ。)及び純トン数(同法第六条第一項に規定する純トン数をいう。次条において同じ。)をいう。以下同じ。)の測度を受けなければならない。
3 国土交通大臣は、第一項の規定による認定の申請があつた場合において、当該申請に係る船舶が同項各号のいずれにも適合していると認めるときは、その認定をするものとする。
4 国土交通大臣は、前項の認定をしたときは、当該認定の申請をした対外船舶運航事業者に対し、当該船舶の名称、総トン数等その他国土交通省令で定める事項を記載した認定証(以下単に「認定証」という。)を交付するものとする。
5 第三項の認定を受けた対外船舶運航事業者(以下「認定対外船舶運航事業者」という。)は、当該認定に係る船舶(以下「準日本船舶」という。)について、次に掲げる事項に変更があつたとき、又は命令航海に確実かつ速やかに従事させることができなくなるおそれがあるものとして国土交通省令で定める事由が生じたときは、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。この場合において、当該認定対外船舶運航事業者は、当該変更に係る事項が認定証の記載事項に該当するときは、当該準日本船舶に係る認定証の書換えを申請しなければならない。
6 認定対外船舶運航事業者は、前項の規定による認定証の書換えの申請(総トン数等の変更に係るものに限る。)をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、当該準日本船舶について国土交通大臣が行う総トン数等(当該変更に係るものに限る。)の測度を受けなければならない。
7 認定対外船舶運航事業者は、次に掲げる場合には、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。
一 当該認定対外船舶運航事業者が準日本船舶を譲り受けたとき。
二 前号に掲げる場合のほか、準日本船舶について所有者の変更があつたとき。
三 準日本船舶を所有するその子会社が子会社でなくなつたとき。
四 当該認定対外船舶運航事業者が準日本船舶を運航しないこととなつたとき。
8 国土交通大臣は、前項の規定による届出があつたときは、当該準日本船舶に係る第三項の認定を取り消すものとする。
9 国土交通大臣は、準日本船舶が第一項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるとき、又は認定対外船舶運航事業者が第五項若しくは第七項の規定に違反したと認めるときは、当該準日本船舶に係る第三項の認定を取り消すことができる。
10 前各項に定めるもののほか、第三項の認定及び認定証並びに第二項又は第六項の規定による測度に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
(船舶法及び船舶のトン数の測度に関する法律の特例)
第三十九条の六 認定対外船舶運航事業者が前条第七項の規定による届出(同項第一号に掲げる場合に係るものに限る。)をした場合において、国土交通大臣が、国土交通省令で定めるところにより、当該届出に係る船舶に係る認定証に記載された総トン数等に変更がないことの確認を行つたときは、当該船舶について、船舶法第四条第一項の規定による当該船舶の総トン数の測度の申請及び当該申請に係る総トン数の測度が行われ、かつ、船舶のトン数の測度に関する法律第八条第二項の規定による当該船舶の国際総トン数及び純トン数の測度が行われたものとみなす。
(報告及び立入検査)
第三十九条の七 国土交通大臣は、この章の規定の施行に必要な限度において、国土交通省令で定めるところにより、認定対外船舶運航事業者に対して、第三十九条の五第五項各号に掲げる事項その他必要な事項について報告をさせ、又はその職員に、認定対外船舶運航事業者の事業場若しくは事務所に立ち入り、準日本船舶に関する帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 第二十五条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。