動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律
法令番号: 法律第79号
公布年月日: 平成24年9月5日
法令の形式: 法律

改正対象法令

提案理由 (AIによる要約)

近年のペット市場の拡大に伴い、動物取扱業者による不適正な飼養の問題が顕在化し、動物の適正飼養の確保が求められている。また、保健所等における犬猫の殺処分数は減少しているものの、販売業者やリピーターからの引き取りを拒否できないため、依然として多くの犬猫が殺処分されている。さらに、東日本大震災では多くのペットや家畜が適切に救護されず犠牲となった。これらの状況を踏まえ、動物取扱業の適正化及飼養・保管を図るため、動物取扱業の規制強化、終生飼養の責務の明確化、災害時における動物の保護体制の整備、マイクロチップ装着の義務化に向けた施策の推進等の措置を講ずる必要がある。

参照した発言:
第180回国会 衆議院 環境委員会 第12号

審議経過

第180回国会

衆議院
(平成24年8月28日)
(平成24年8月28日)
参議院
(平成24年8月28日)
(平成24年8月29日)
動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。
御名御璽
平成二十四年九月五日
内閣総理大臣 野田佳彦
法律第七十九号
動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律
動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)の一部を次のように改正する。
目次中
第二節
動物取扱業の規制(第十条―第二十四条)
第三節
周辺の生活環境の保全に係る措置(第二十五条)
第四節
動物による人の生命等に対する侵害を防止するための措置(第二十六条―第三十三条)
第五節
動物愛護担当職員(第三十四条)
第二節
第一種動物取扱業者(第十条―第二十四条)
第三節
第二種動物取扱業者(第二十四条の二―第二十四条の四)
第四節
周辺の生活環境の保全等に係る措置(第二十五条)
第五節
動物による人の生命等に対する侵害を防止するための措置(第二十六条―第三十三条)
第六節
動物愛護担当職員(第三十四条)
に改める。
第一条中「虐待」の下に「及び遺棄」を、「その他」の下に「動物の健康及び安全の保持等の」を加え、「を防止する」を「並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もつて人と動物の共生する社会の実現を図る」に改める。
第二条に次の一項を加える。
2 何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。
第六条第二項中第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。
三 災害時における動物の適正な飼養及び保管を図るための施策に関する事項
第七条第一項中「の責任」を「動物の愛護及び管理に関する責任」に改め、「加え」の下に「、生活環境の保全上の支障を生じさせ」を加え、同条第四項を同条第七項とし、同条第三項を同条第六項とし、同条第二項の次に次の三項を加える。
3 動物の所有者又は占有者は、その所有し、又は占有する動物の逸走を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
4 動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること(以下「終生飼養」という。)に努めなければならない。
5 動物の所有者は、その所有する動物がみだりに繁殖して適正に飼養することが困難とならないよう、繁殖に関する適切な措置を講ずるよう努めなければならない。
第八条中「当該動物の」の下に「種類、習性、供用の目的等に応じて、その」を加え、「行い、理解させるように努めなければならない」を「しなければならない」に改め、同条に次の一項を加える。
2 動物の販売を業として行う者は、購入者の購入しようとする動物の飼養及び保管に係る知識及び経験に照らして、当該購入者に理解されるために必要な方法及び程度により、前項の説明を行うよう努めなければならない。
第九条中「について、」を「について」に改め、「指導」の下に「をすること、多数の動物の飼養及び保管に係る届出をさせること」を加える。
「第二節 動物取扱業の規制」を「第二節 第一種動物取扱業者」に改める。
第十条の見出しを「(第一種動物取扱業の登録)」に改め、同条第一項中「哺乳類」を「哺乳類」に、「及び次節」を「から第四節まで」に改め、「代理を含む。次項」の下に「、第十二条第一項第六号及び第二十一条の四」を、「提供を含む。次項」の下に「及び第二十四条の二」を加え、「「動物取扱業」を「この節及び第四十六条第一号において「第一種動物取扱業」に、「、第二十五条第一項及び第二項並びに第四節」を「から第五節まで(第二十五条第四項を除く。)」に改め、同条第二項第四号中「動物取扱業」を「第一種動物取扱業」に改め、同項第六号中「この節」の下に「及び次節」を加え、同条に次の一項を加える。
3 第一項の登録の申請をする者は、犬猫等販売業(犬猫等(犬又は猫その他環境省令で定める動物をいう。以下同じ。)の販売を業として行うことをいう。以下同じ。)を営もうとする場合には、前項各号に掲げる事項のほか、同項の申請書に次に掲げる事項を併せて記載しなければならない。
一 販売の用に供する犬猫等の繁殖を行うかどうかの別
二 販売の用に供する幼齢の犬猫等(繁殖を併せて行う場合にあつては、幼齢の犬猫等及び繁殖の用に供し、又は供する目的で飼養する犬猫等。第十二条第一項において同じ。)の健康及び安全を保持するための体制の整備、販売の用に供することが困難となつた犬猫等の取扱いその他環境省令で定める事項に関する計画(以下「犬猫等健康安全計画」という。)
第十一条第一項中「動物取扱業者登録簿」を「第一種動物取扱業者登録簿」に改める。
第十二条第一項中「関する基準に適合していないと認めるとき」の下に「、若しくは犬猫等販売業を営もうとする場合にあつては、犬猫等健康安全計画が幼齢の犬猫等の健康及び安全の確保並びに犬猫等の終生飼養の確保を図るため適切なものとして環境省令で定める基準に適合していないと認めるとき」を加え、同項第二号を削り、同項第三号を同項第二号とし、同項第四号中「動物取扱業者」を「第一種動物取扱業者」に改め、同号を同項第三号とし、同項第五号を同項第四号とし、同項第六号を同項第七号とし、同項第四号の次に次の二号を加える。
五 この法律の規定、化製場等に関する法律(昭和二十三年法律第百四十号)第十条第二号(同法第九条第五項において準用する同法第七条に係る部分に限る。)若しくは第三号の規定又は狂犬病予防法(昭和二十五年法律第二百四十七号)第二十七条第一号若しくは第二号の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
六 動物の販売を業として営もうとする場合にあつては、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号)第五十八条第一号(同法第十二条第一項(希少野生動植物種の個体等である動物の個体の譲渡し又は引渡しに係る部分に限る。)に係る部分に限る。以下同じ。)、第五十九条第二号(同法第十八条(希少野生動植物種の個体等である動物の個体に係る部分に限る。)に係る部分に限る。以下同じ。)、第六十二条第一号(同法第十七条(希少野生動植物種の個体等である動物の個体に係る部分に限る。)に係る部分に限る。以下同じ。)、第六十三条第六号(同法第二十一条第一項(国際希少野生動植物種の個体等である動物の個体に係る部分に限る。)又は第二項(国際希少野生動植物種の個体等である動物の個体の譲渡し又は引渡しに係る部分に限る。)に係る部分に限る。以下同じ。)若しくは第六十五条(同法第五十八条第一号、第五十九条第二号、第六十二条第一号又は第六十三条第六号に係る部分に限る。)の規定、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成十四年法律第八十八号)第八十四条第一項第五号(同法第二十条第一項(譲渡し又は引渡しに係る部分に限る。)、第二十三条(加工品又は卵に係る部分を除く。)、第二十六条第六項(譲渡し等のうち譲渡し又は引渡しに係る部分に限る。)又は第二十七条(譲渡し又は引渡しに係る部分に限る。)に係る部分に限る。以下同じ。)、第八十六条第一号(同法第二十四条第七項に係る部分に限る。以下同じ。)若しくは第八十八条(同法第八十四条第一項第五号又は第八十六条第一号に係る部分に限る。)の規定又は特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成十六年法律第七十八号)第三十二条第一号(特定外来生物である動物に係る部分に限る。以下同じ。)若しくは第五号(特定外来生物である動物に係る部分に限る。以下同じ。)、第三十三条第一号(同法第八条(特定外来生物である動物の譲渡し又は引渡しに係る部分に限る。)に係る部分に限る。以下同じ。)若しくは第三十六条(同法第三十二条第一号若しくは第五号又は第三十三条第一号に係る部分に限る。)の規定により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から二年を経過しない者
第十三条第二項中「及び」の下に「第三項並びに」を加える。
第十四条第一項中「動物取扱業者」を「第一種動物取扱業者」に改め、「第十条第二項第四号」の下に「若しくは第三項第一号」を加え、「を変更し、又は飼養施設を設置しようとする」を「の変更(環境省令で定める軽微なものを除く。)をし、飼養施設を設置しようとし、又は犬猫等販売業を営もうとする」に、「書類を添えて、同項第四号又は第六号に掲げる事項を」を「ところにより、」に改め、同条第二項中「動物取扱業者は、」を「第一種動物取扱業者は、前項の環境省令で定める軽微な変更があつた場合又は」に改め、「第四号を除く。)」の下に「若しくは第三項第二号」を加え、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 第十条第一項の登録を受けて犬猫等販売業を営む者(以下「犬猫等販売業者」という。)は、犬猫等販売業を営むことをやめた場合には、第十六条第一項に規定する場合を除き、その日から三十日以内に、環境省令で定める書類を添えて、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
第十五条(見出しを含む。)中「動物取扱業者登録簿」を「第一種動物取扱業者登録簿」に改める。
第十六条第一項中「動物取扱業者」を「第一種動物取扱業者」に改め、同項第五号中「動物取扱業」を「第一種動物取扱業」に改め、同条第二項中「動物取扱業者」を「第一種動物取扱業者」に改める。
第十七条中「当該動物取扱業者」を「当該第一種動物取扱業者」に改める。
第十八条中「動物取扱業者」を「第一種動物取扱業者」に改める。
第十九条第一項中「動物取扱業者」を「第一種動物取扱業者」に改め、第五号を第六号とし、同項第四号中「第四号又は第六号」を「第三号又は第五号から第七号まで」に改め、同号を同項第五号とし、同項第三号の次に次の一号を加える。
四 犬猫等販売業を営んでいる場合において、犬猫等健康安全計画が第十二条第一項に規定する幼齢の犬猫等の健康及び安全の確保並びに犬猫等の終生飼養の確保を図るため適切なものとして環境省令で定める基準に適合しなくなつたとき。
第二十条及び第二十一条中「動物取扱業者」を「第一種動物取扱業者」に改める。
第二十一条の次に次の三条を加える。
(感染性の疾病の予防)
第二十一条の二 第一種動物取扱業者は、その取り扱う動物の健康状態を日常的に確認すること、必要に応じて獣医師による診療を受けさせることその他のその取り扱う動物の感染性の疾病の予防のために必要な措置を適切に実施するよう努めなければならない。
(動物を取り扱うことが困難になつた場合の譲渡し等)
第二十一条の三 第一種動物取扱業者は、第一種動物取扱業を廃止する場合その他の業として動物を取り扱うことが困難になつた場合には、当該動物の譲渡しその他の適切な措置を講ずるよう努めなければならない。
(販売に際しての情報提供の方法等)
第二十一条の四 第一種動物取扱業者のうち犬、猫その他の環境省令で定める動物の販売を業として営む者は、当該動物を販売する場合には、あらかじめ、当該動物を購入しようとする者(第一種動物取扱業者を除く。)に対し、当該販売に係る動物の現在の状態を直接見せるとともに、対面(対面によることが困難な場合として環境省令で定める場合には、対面に相当する方法として環境省令で定めるものを含む。)により書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)を用いて当該動物の飼養又は保管の方法、生年月日、当該動物に係る繁殖を行つた者の氏名その他の適正な飼養又は保管のために必要な情報として環境省令で定めるものを提供しなければならない。
第二十二条第一項中「動物取扱業者」を「第一種動物取扱業者」に改め、同条第二項中「第五号」を「第六号」に改め、同条第三項中「動物取扱業者」を「第一種動物取扱業者」に改め、同条の次に次の五条を加える。
(犬猫等健康安全計画の遵守)
第二十二条の二 犬猫等販売業者は、犬猫等健康安全計画の定めるところに従い、その業務を行わなければならない。
(獣医師等との連携の確保)
第二十二条の三 犬猫等販売業者は、その飼養又は保管をする犬猫等の健康及び安全を確保するため、獣医師等との適切な連携の確保を図らなければならない。
(終生飼養の確保)
第二十二条の四 犬猫等販売業者は、やむを得ない場合を除き、販売の用に供することが困難となつた犬猫等についても、引き続き、当該犬猫等の終生飼養の確保を図らなければならない。
(幼齢の犬又は猫に係る販売等の制限)
第二十二条の五 犬猫等販売業者(販売の用に供する犬又は猫の繁殖を行う者に限る。)は、その繁殖を行つた犬又は猫であつて出生後五十六日を経過しないものについて、販売のため又は販売の用に供するために引渡し又は展示をしてはならない。
(犬猫等の個体に関する帳簿の備付け等)
第二十二条の六 犬猫等販売業者は、環境省令で定めるところにより、帳簿を備え、その所有する犬猫等の個体ごとに、その所有するに至つた日、その販売若しくは引渡しをした日又は死亡した日その他の環境省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
2 犬猫等販売業者は、環境省令で定めるところにより、環境省令で定める期間ごとに、次に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。
一 当該期間が開始した日に所有していた犬猫等の種類ごとの数
二 当該期間中に新たに所有するに至つた犬猫等の種類ごとの数
三 当該期間中に販売若しくは引渡し又は死亡の事実が生じた犬猫等の当該区分ごと及び種類ごとの数
四 当該期間が終了した日に所有していた犬猫等の種類ごとの数
五 その他環境省令で定める事項
3 都道府県知事は、犬猫等販売業者の所有する犬猫等に係る死亡の事実の発生の状況に照らして必要があると認めるときは、環境省令で定めるところにより、犬猫等販売業者に対して、期間を指定して、当該指定期間内にその所有する犬猫等に係る死亡の事実が発生した場合には獣医師による診療中に死亡したときを除き獣医師による検案を受け、当該指定期間が満了した日から三十日以内に当該指定期間内に死亡の事実が発生した全ての犬猫等の検案書又は死亡診断書を提出すべきことを命ずることができる。
第二十三条第一項中「動物取扱業者」を「第一種動物取扱業者」に改め、同条第二項中「動物取扱業者」を「第一種動物取扱業者」に、「前条第三項」を「第二十一条の四若しくは第二十二条第三項」に改め、「認めるとき」の下に「、又は犬猫等販売業者が第二十二条の五の規定を遵守していないと認めるとき」を加える。
第二十四条第一項中「前三条」を「第二十一条から前条まで」に、「、動物取扱業者」を「、第一種動物取扱業者」に、「当該動物取扱業者」を「当該第一種動物取扱業者」に改める。
第三十四条第一項中「第二十四条第一項」の下に「(第二十四条の四において読み替えて準用する場合を含む。)」を、「次項」の下に「及び第四十一条の四」を加える。
第三章第五節を同章第六節とする。
第二十六条第二項中第七号を第八号とし、第六号の次に次の一号を加える。
七 特定動物の飼養又は保管が困難になつた場合における措置に関する事項
第二十七条第一項第一号中「及び第六号」を「から第七号まで」に、「並びに」を「、」に改め、「方法」の下に「並びに特定動物の飼養又は保管が困難になつた場合における措置」を加え、同項第二号ロ中「第二十九条第一項」を「第二十九条」に改める。
第二十八条第一項中「第六号」を「第七号」に改める。
第三章第四節を同章第五節とする。
「第三節 周辺の生活環境の保全に係る措置」を「第三節 周辺の生活環境の保全等に係る措置」に改める。
第二十五条第一項中「起因して」を「起因した騒音又は悪臭の発生、動物の毛の飛散、多数の昆虫の発生等によつて」に改め、同条第三項中「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項の次に次の一項を加える。
3 都道府県知事は、多数の動物の飼養又は保管が適正でないことに起因して動物が衰弱する等の虐待を受けるおそれがある事態として環境省令で定める事態が生じていると認めるときは、当該事態を生じさせている者に対し、期限を定めて、当該事態を改善するために必要な措置をとるべきことを命じ、又は勧告することができる。
第三章中第三節を第四節とし、第二節の次に次の一節を加える。
第三節 第二種動物取扱業者
(第二種動物取扱業の届出)
第二十四条の二 飼養施設(環境省令で定めるものに限る。以下この節において同じ。)を設置して動物の取扱業(動物の譲渡し、保管、貸出し、訓練、展示その他第十条第一項の政令で定める取扱いに類する取扱いとして環境省令で定めるもの(以下この条において「その他の取扱い」という。)を業として行うことをいう。以下この条において「第二種動物取扱業」という。)を行おうとする者(第十条第一項の登録を受けるべき者及びその取り扱おうとする動物の数が環境省令で定める数に満たない者を除く。)は、第三十五条の規定に基づき同条第一項に規定する都道府県等が犬又は猫の取扱いを行う場合その他環境省令で定める場合を除き、飼養施設を設置する場所ごとに、環境省令で定めるところにより、環境省令で定める書類を添えて、次の事項を都道府県知事に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては代表者の氏名
二 飼養施設の所在地
三 その行おうとする第二種動物取扱業の種別(譲渡し、保管、貸出し、訓練、展示又はその他の取扱いの別をいう。以下この号において同じ。)並びにその種別に応じた事業の内容及び実施の方法
四 主として取り扱う動物の種類及び数
五 飼養施設の構造及び規模
六 飼養施設の管理の方法
七 その他環境省令で定める事項
(変更の届出)
第二十四条の三 前条の規定による届出をした者(以下「第二種動物取扱業者」という。)は、同条第三号から第七号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、環境省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、その変更が環境省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。
2 第二種動物取扱業者は、前条第一号若しくは第二号に掲げる事項に変更があつたとき、又は届出に係る飼養施設の使用を廃止したときは、その日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
(準用規定)
第二十四条の四 第十六条第一項(第五号に係る部分を除く。)、第二十条、第二十一条、第二十三条(第二項を除く。)及び第二十四条の規定は、第二種動物取扱業者について準用する。この場合において、第二十条中「第十条から前条まで」とあるのは「第二十四条の二、第二十四条の三及び第二十四条の四において準用する第十六条第一項(第五号に係る部分を除く。)」と、「登録」とあるのは「届出」と、第二十三条第一項中「第二十一条第一項又は第二項」とあるのは「第二十四条の四において準用する第二十一条第一項又は第二項」と、同条第三項中「前二項」とあるのは「第一項」と、第二十四条第一項中「第十条から第十九条まで及び第二十一条から前条まで」とあるのは「第二十四条の二、第二十四条の三並びに第二十四条の四において準用する第十六条第一項(第五号に係る部分を除く。)、第二十一条及び第二十三条(第二項を除く。)」と、「事業所」とあるのは「飼養施設を設置する場所」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
第三十五条の見出し中「ねこ」を「猫」に改め、同条第一項中「ねこ」を「猫」に改め、後段を削り、同項に次のただし書を加える。
ただし、犬猫等販売業者から引取りを求められた場合その他の第七条第四項の規定の趣旨に照らして引取りを求める相当の事由がないと認められる場合として環境省令で定める場合には、その引取りを拒否することができる。
第三十五条第六項中「第一項」を「第一項本文」に改め、同項を同条第八項とし、同条第五項中「第一項」を「第一項本文」に、「引取りを求められた」を「引き取る」に改め、同項を同条第七項とし、同条第四項中「ねこ」を「猫」に改め、「引取り」の下に「又は譲渡し」を加え、同項を同条第六項とし、同条第三項中「第一項(前項において準用する場合を含む。第五項及び第六項において同じ。)」を「第一項本文」に、「ねこ」を「猫」に改め、同項を同条第五項とし、同条第二項中「前項」を「第一項本文及び前項」に、「ねこ」を「猫」に改め、同項を同条第三項とし、同項の次に次の一項を加える。
4 都道府県知事等は、第一項本文(前項において準用する場合を含む。次項、第七項及び第八項において同じ。)の規定により引取りを行つた犬又は猫について、殺処分がなくなることを目指して、所有者がいると推測されるものについてはその所有者を発見し、当該所有者に返還するよう努めるとともに、所有者がいないと推測されるもの、所有者から引取りを求められたもの又は所有者の発見ができないものについてはその飼養を希望する者を募集し、当該希望する者に譲り渡すよう努めるものとする。
第三十五条第一項の次に次の一項を加える。
2 前項本文の規定により都道府県等が犬又は猫を引き取る場合には、都道府県知事等(都道府県等の長をいう。以下同じ。)は、その犬又は猫を引き取るべき場所を指定することができる。
第三十六条第一項中「ねこ」を「猫」に、「すみやかに」を「速やかに」に改め、同条第三項中「前条第五項」を「前条第七項」に改める。
第三十七条の見出し中「ねこ」を「猫」に改め、同条第一項中「ねこ」を「猫」に改め、同条第二項中「第三十五条第一項」を「第三十五条第一項本文」に、「ねこ」を「猫」に改める。
第三十八条中「ねこ」を「猫」に改め、同条第二項に次の一号を加える。
五 災害時において、国又は都道府県等が行う犬、猫等の動物の避難、保護等に関する施策に必要な協力をすること。
第四十一条の次に次の三条を加える。
(獣医師による通報)
第四十一条の二 獣医師は、その業務を行うに当たり、みだりに殺されたと思われる動物の死体又はみだりに傷つけられ、若しくは虐待を受けたと思われる動物を発見したときは、都道府県知事その他の関係機関に通報するよう努めなければならない。
(表彰)
第四十一条の三 環境大臣は、動物の愛護及び適正な管理の推進に関し特に顕著な功績があると認められる者に対し、表彰を行うことができる。
(地方公共団体への情報提供等)
第四十一条の四 国は、動物の愛護及び管理に関する施策の適切かつ円滑な実施に資するよう、動物愛護担当職員の設置、動物愛護担当職員に対する動物の愛護及び管理に関する研修の実施、動物の愛護及び管理に関する業務を担当する地方公共団体の部局と都道府県警察の連携の強化、動物愛護推進員の委嘱及び資質の向上に資する研修の実施等に関し、地方公共団体に対する情報の提供、技術的な助言その他の必要な施策を講ずるよう努めるものとする。
第四十三条中「第七条第四項」を「第七条第七項」に改め、「第二十一条第一項」の下に「(第二十四条の四において準用する場合を含む。)」を、「第二十五条第一項」の下に「若しくは第三項」を加え、「第三十五条第五項」を「第三十五条第七項」に改める。
第四十四条第一項中「一年」を「二年」に、「百万円」を「二百万円」に改め、同条第二項中「給餌又は」を「、給餌若しくは」に、「やめることにより衰弱させる等」を「やめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他」に、「五十万円」を「百万円」に改め、同条第三項中「五十万円」を「百万円」に改め、同条第四項第一号中「やぎ」を「山羊」に、「ねこ」を「猫」に改め、同項第二号中「哺乳類」を「哺乳類」に改める。
第四十五条中「五十万円」を「百万円」に改め、同条第三号中「第六号」を「第七号」に改める。
第四十六条中「三十万円」を「百万円」に改め、同条第一号中「動物取扱業」を「第一種動物取扱業」に改め、同条の次に次の一条を加える。
第四十六条の二 第二十五条第二項又は第三項の規定による命令に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。
第四十七条中「二十万円」を「三十万円」に改め、同条第一号中「若しくは第二項」を「から第三項まで、第二十四条の二、第二十四条の三第一項」に改め、同条第三号を削り、同条第二号中「第二十四条第一項」の下に「(第二十四条の四において読み替えて準用する場合を含む。)」を加え、同号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。
二 第二十二条の六第三項の規定による命令に違反して、検案書又は死亡診断書を提出しなかつた者
第四十七条に次の一号を加える。
四 第二十四条の四において読み替えて準用する第二十三条第三項の規定による命令に違反した者
第四十八条中「又は人に」を「に対して次の各号に定める罰金刑を、その人に」に改め、同条に次の各号を加える。
一 第四十五条 五千万円以下の罰金刑
二 第四十四条又は前三条 各本条の罰金刑
第四十九条中「第十六条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者」を「次の各号のいずれかに該当する者」に改め、同条に次の各号を加える。
一 第十六条第一項(第二十四条の四において準用する場合を含む。)、第二十二条の六第二項又は第二十四条の三第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第二十二条の六第一項の規定に違反して、帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかつた者
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条及び附則第十二条の規定は、公布の日から施行する。
(施行前の準備)
第二条 この法律による改正後の動物の愛護及び管理に関する法律(以下「新法」という。)第十二条第一項及び第二十四条の四において準用する第二十一条第一項の基準の設定並びに第二十五条第三項の事態の設定については、環境大臣は、この法律の施行前においても、中央環境審議会の意見を聴くことができる。
(経過措置)
第三条 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の動物の愛護及び管理に関する法律(以下「旧法」という。)第十条第一項の登録を受けている者は、当該登録に係る業務の範囲内において、この法律の施行の日(以下「施行日」という。)に新法第十条第一項の登録を受けたものとみなす。
2 前項の規定により新法第十条第一項の登録を受けたものとみなされる者のうちこの法律の施行の際現に同条第三項に規定する犬猫等販売業を営んでいる者は、施行日から起算して三月以内に、環境省令で定めるところにより、同項各号に掲げる事項を記載した書類を都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、その長とする。附則第八条第一項において同じ。)に届け出なければならない。
3 前項の規定による届出は、新法第十四条第一項の規定によりされたものとみなして、同条第四項の規定を適用する。
4 第二項の規定に違反した者は、新法第十四条第一項の規定に違反した者とみなして、新法第十九条第一項第六号の規定を適用する。
第四条 旧法第十条第一項の登録(旧法第十三条第一項の登録の更新を含む。)の申請をした者(登録の更新にあっては、この法律の施行後に旧法第十三条第三項に規定する登録の有効期間が満了する者を除く。)の当該申請に係る登録の基準については、なお従前の例による。
第五条 新法第十三条の規定の適用については、この法律の施行の際現に旧法第十条第一項の登録を受けている者は、附則第三条第一項の規定にかかわらず、その登録を受けた日において、新法第十条第一項の登録を受けたものとみなす。
第六条 この法律の施行の際現に旧法第十条第一項の登録を受けている者又はこの法律の施行前にした登録(旧法第十三条第一項の登録の更新を含む。)の申請に基づきこの法律の施行後に新法第十条第一項の登録を受けた者(登録の更新の場合にあっては、この法律の施行後に旧法第十三条第三項に規定する登録の有効期間が満了する者を除く。)に対する登録の取消しに関しては、この法律の施行前に生じた事由については、なお従前の例による。
第七条 施行日から起算して三年を経過する日までの間は、新法第二十二条の五中「五十六日」とあるのは、「四十五日」と読み替えるものとする。
2 前項に規定する期間を経過する日の翌日から別に法律で定める日までの間は、新法第二十二条の五中「五十六日」とあるのは、「四十九日」と読み替えるものとする。
3 前項の別に法律で定める日については、犬猫等販売業者(新法第十四条第三項に規定する犬猫等販売業者をいう。以下この項において同じ。)の業務の実態、マイクロチップを活用した調査研究の実施等による科学的知見の更なる充実を踏まえた犬や猫と人間が密接な社会的関係を構築するための親等から引き離す理想的な時期についての社会一般への定着の度合い及び犬猫等販売業者へのその科学的知見の浸透の状況、犬や猫の生年月日を証明させるための担保措置の充実の状況等を勘案してこの法律の施行後五年以内に検討するものとし、その結果に基づき、速やかに定めるものとする。
第八条 この法律の施行の際現に新法第十条第二項第六号に規定する飼養施設(新法第二十四条の二の環境省令で定めるものに限る。)を設置して新法第二十四条の二に規定する第二種動物取扱業を行っている者(新法第十条第一項の登録を受けるべき者及びこの法律の施行の際現に旧法第十条第一項の登録を受けている者並びにその取り扱っている動物の数が新法第二十四条の二の環境省令で定める数に満たない者を除く。)は、環境省令で定める場合を除き、当該飼養施設を設置している場所ごとに、施行日から六十日以内に、環境省令で定めるところにより、環境省令で定める書類を添えて、同条各号に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出をした者は、新法第二十四条の二の規定による届出をした者とみなす。
第九条 附則第三条第二項又は前条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、三十万円以下の罰金に処する。
2 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同項の刑を科する。
第十条 この法律の施行前に旧法又はこれに基づく命令の規定によりした処分、手続その他の行為は、この附則に別段の定めがあるものを除き、新法又はこれに基づく命令の相当の規定によりした処分、手続その他の行為とみなす。
第十一条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
第十二条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
(遺失物法の一部改正)
第十三条 遺失物法(平成十八年法律第七十三号)の一部を次のように改正する。
第四条第三項中「第三十五条第二項」を「第三十五条第三項」に、「ねこ」を「猫」に改める。
(マイクロチップの装着等)
第十四条 国は、販売の用に供せられる犬、猫等にマイクロチップを装着することが当該犬、猫等の健康及び安全の保持に寄与するものであること等に鑑み、犬、猫等が装着すべきマイクロチップについて、その装着を義務付けることに向けて研究開発の推進及びその成果の普及、装着に関する啓発並びに識別に係る番号に関連付けられる情報を管理する体制の整備等のために必要な施策を講ずるものとする。
2 国は、販売の用に供せられる犬、猫等にマイクロチップを装着させるために必要な規制の在り方について、この法律の施行後五年を目途として、前項の規定により講じた施策の効果、マイクロチップの装着率の状況等を勘案し、その装着を義務付けることに向けて検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとする。
(検討)
第十五条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、新法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
環境大臣 細野豪志
内閣総理大臣 野田佳彦