(目的)
第一条 この法律は、津波による災害を防止し、又は軽減する効果が高く、将来にわたって安心して暮らすことのできる安全な地域の整備、利用及び保全(以下「津波防災地域づくり」という。)を総合的に推進することにより、津波による災害から国民の生命、身体及び財産の保護を図るため、国土交通大臣による基本指針の策定、市町村による推進計画の作成、推進計画区域における特別の措置及び一団地の津波防災拠点市街地形成施設に関する都市計画に関する事項について定めるとともに、津波防護施設の管理、津波災害警戒区域における警戒避難体制の整備並びに津波災害特別警戒区域における一定の開発行為及び建築物の建築等の制限に関する措置等について定め、もって公共の福祉の確保及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「海岸保全施設」とは、海岸法(昭和三十一年法律第百一号)第二条第一項に規定する海岸保全施設をいう。
2 この法律において「港湾施設」とは、港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第五項に規定する港湾施設をいう。
3 この法律において「漁港施設」とは、漁港漁場整備法(昭和二十五年法律第百三十七号)第三条に規定する漁港施設をいう。
4 この法律において「河川管理施設」とは、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第三条第二項に規定する河川管理施設をいう。
5 この法律において「海岸管理者」とは、海岸法第二条第三項に規定する海岸管理者をいう。
6 この法律において「港湾管理者」とは、港湾法第二条第一項に規定する港湾管理者をいう。
7 この法律において「漁港管理者」とは、漁港漁場整備法第二十五条の規定により決定された地方公共団体をいう。
8 この法律において「河川管理者」とは、河川法第七条に規定する河川管理者をいう。
9 この法律において「保安施設事業」とは、森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第四十一条第三項に規定する保安施設事業をいう。
10 この法律において「津波防護施設」とは、盛土構造物、閘門その他の政令で定める施設(海岸保全施設、港湾施設、漁港施設及び河川管理施設並びに保安施設事業に係る施設であるものを除く。)であって、第八条第一項に規定する津波浸水想定を踏まえて津波による人的災害を防止し、又は軽減するために都道府県知事又は市町村長が管理するものをいう。
11 この法律において「津波防護施設管理者」とは、第十八条第一項又は第二項の規定により津波防護施設を管理する都道府県知事又は市町村長をいう。
12 この法律において「公共施設」とは、道路、公園、下水道その他政令で定める公共の用に供する施設をいう。
13 この法律において「公益的施設」とは、教育施設、医療施設、官公庁施設、購買施設その他の施設で、居住者の共同の福祉又は利便のために必要なものをいう。
14 この法律において「特定業務施設」とは、事務所、事業所その他の業務施設で、津波による災害の発生のおそれが著しく、かつ、当該災害を防止し、又は軽減する必要性が高いと認められる区域(当該区域に隣接し、又は近接する区域を含む。)の基幹的な産業の振興、当該区域内の地域における雇用機会の創出及び良好な市街地の形成に寄与するもののうち、公益的施設以外のものをいう。
15 この法律において「一団地の津波防災拠点市街地形成施設」とは、前項に規定する区域内の都市機能を津波が発生した場合においても維持するための拠点となる市街地を形成する一団地の住宅施設、特定業務施設又は公益的施設及び公共施設をいう。